11月25日、第9回全日本大学サッカー新人戦の初戦となる静岡産業大戦が行われた。トップチームに代わって「全国制覇」を目指す若鷲軍団の戦いが幕を開けた。前半は一進一退の攻防が繰り広げられたが、後半はボールを支配し敵陣でプレーする時間が増加。それでもゴールを奪えない展開が続くと、終了間際の後半アディショナルタイム2分、ロングカウンターから痛恨のゴールを献上。そのままタイムアップとなり、全国制覇への道は黒星発進となった。
2025/11/25(火)9:30キックオフ@清瀬内山運動公園サッカー場A面
【スコア】
慶應義塾大学0ー1静岡産業大学
【得点者】
90+2分 静産大 大島弘賀
【慶大出場選手】 | |
ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
GK | 12 村松桂匠(理2・清水東) |
DF | 2 霜田晟那(理1・都立八王子東/FC町田ゼルビアユース) |
| 4 秋元心太(法2・駒大高) |
| 17 馬場翔大(商2・國學院久我山) |
| 29 梅原陽介(法2・國學院久我山) |
MF | 6 小野翔大(経2・慶應) |
| 7 山本凉(法1・桐蔭学園) |
| 10 三浦大其 (経2・慶應) |
| 14 鈴木義仁(政2・帝京長岡) |
| →65分 8 洪潤紀(政2・國學院久我山) |
| 22 梅野真生(総2・成蹊高/横河武蔵野FC U-18) |
| →65分 15 居郷元(経2・慶應) |
FW | 9 オノノジュ慶吏(政1・前橋育英) |
| →85分 27 田中佑紀(法2・桐蔭学園) |
関東大学サッカーリーグ1部・2部入替戦から中2日、全国制覇を目指すソッカー部新人チームは、西が丘で味わった悔しさを晴らすべく静岡産業大との一戦に挑んだ。入替戦でベンチ入りしたボランチ・小野翔大(経2・慶應)がキャプテンマークを付け、今季リーグ戦でも活躍した右ウィング・三浦大其(経2・慶應)やフォワード・オノノジュ慶吏(政1・前橋育英)らがスタメンに名を連ねた。

慶大スターティングイレブン
立ち上がりから5バックシステムで中央のスペースを封鎖する静岡産業大学に対して、慶大はサイドからの攻略を狙った。7分、自陣左サイドでボールを奪取すると、左ウィングの梅野真生(総2・成蹊高 /横河武蔵野FC U-18)がサイドを駆け上がり左足でクロスを供給。しかしこれは相手ディフェンダーにクリアされ、決定機とはならない。

梅野はクロスからチャンスメイク
一方守備では、カウンター時に慶大の両サイドバックが静岡産業大のウィングバックとシャドーの2人を管理する形となり、12分、22分とピンチを招くが、右センターバック梅原陽介(法2・國學院久我山)やゴールキーパー村松桂匠(理2・清水東)を中心とした硬い守備で失点を許さない。

梅原を中心に堅牢な守備を誇る
すると30分、ディフェンスラインのボール回しから右サイドバック馬場翔大(商2・國學院久我山)が相手のディフェンスラインの背後に絶妙なスルーパスを送ると、これに左インサイドハーフ山本凉(法1・桐蔭学園)が反応。山本が相手ゴールキーパーに倒されPK奪取かと思われたが、ここは両者共にボールにチャレンジする中で起きた不可避な接触という判定でゴールキックに。惜しくも先制のチャンスを逸する。
その後も一進一退の攻防が繰り広げられるが、両チームに決定機はなく、スコアレスで試合を折り返す。
グループリーグを突破するには1試合も落とせない慶大は後半の立ち上がりからギアを上げる。49分にはイナズマドリブラー・三浦大が得意のカットインシュートで静岡産業大ゴールを脅かす。更に53分、三浦大が先程と同じようなカットインの素振りから、意表を突いたスルーパスをエリア内に送ると、最後は右インサイドハーフ鈴木義仁(法2・帝京長岡)がシュートを放つが、これは惜しくも枠外にそれる。

鈴木のシュートは惜しくも外れる
一進一退の攻防が繰り広げられた前半から一転、後半はゴールキーパー村松、アンカー小野、左センターバック秋元心太(法2・駒澤大学高)らが最後方からビルドアップを安定させ、三浦大のドリブルを起点に右サイドから敵陣に押し込む時間も増えていく。

正確なパスが持ち味の秋元
それでも得点を奪えずもどかしい時間が続いた慶大は、左ウィング梅野に替えて居郷元(経2・慶應)、右インサイドハーフ鈴木に代わって洪潤紀(政2・國學院久我山)を投入し、局面の打開を図る。
すると71分、中央でのボール奪取から小刻みなパスワークで敵陣中央を切り裂くと、最後は代わって入った居郷が好位置からシュートを放つ。しかしこれは相手ゴールキーパーの正面に飛び、ここも先制点を奪うには至らない。

ゴールまでは結びつかない
その後も敵陣に迫り続けるも中々ゴールを脅かせない時間が続き、スコアレスドローで試合終了かと思われた92分、敵陣深くからのロングカウンターから痛恨のゴールを献上。ワンチャンスを活かされ、全日本大学サッカー新人戦は黒星発進となった。
しかし、下を向いている時間はない。この大会の特色は、中0日の連戦が続く過密日程にある。気持ちを切り替え、グループリーグ残りの2戦で勝利すれば、決勝トーナメント進出の可能性は十分に残されている。若き荒鷲たちの旅路ははまだまだ終わらない。
(記事、取材:髙木謙)
◇小野翔大(経2・慶應)
--チームの目標である「全国制覇」を目指す第一歩だったが、どのように試合に臨んだか
新人戦の優勝は自分たちの代の目標でもありましたし、全国制覇はチーム全体の目標だったので、そのファーストステップとなるこの試合は絶対に落とせないぞという気持ちで臨みました。
--朝早い時間のキックオフ、かつ気温も低かったが、普段の試合との違いはどれほどあったか
試合をやる時間としては珍しいですが、練習は普段朝からやっているので、時間や気温という部分に関しては特に違和感はなかったです。
--今日の試合を振り返って
前半は相手のやり方的にも自分たちが上手くいかなかった中で、後半は修正が効いて、敵陣に迫る機会は増えたのですが、その中でも点が取れずにズルズル行ってしまったのが敗因だと思います。去年の新人戦でも同じような試合展開があったので、今日でこの悪い流れを断ち切って「決め切るところを決める」ということを突き詰めたいと思います。
--明日の高知大戦に向けて
本当に1試合も落とせないので、しっかり勝ちます。

