【野球】春季リーグ戦優勝に続くは「二冠目」の全日本優勝へ “チーム今津”の執念を見せろ/全日本大学野球選手権大会展望

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6月8日(月)に開幕する第75回全日本大学野球選手権。慶應義塾大学が5年ぶりにその舞台へ帰ってくる。5年前の2021年では名主将・福井章吾(令4卒・現トヨタ自動車)率いるチームが、正木智也(令4卒・現福岡ソフトバンクホークス)や渡部遼人(令4卒・現オリックスバファローズ)、増居翔太(令5卒・現東京ヤクルトスワローズ)など現在プロ野球で活躍する錚々たるメンバーを擁し、34年ぶり4回目の優勝を果たした。あれから5年。「四冠」を目標に掲げる“チーム今津”の「二冠目」の戦いが、いざ始まる。

 

3季連続5位という苦しい戦いを強いられてきた慶大が、なぜ「強い慶應」を取り戻し、今春リーグ優勝を果たしたのか。チーム打率.298、チーム防御率2.28という、いずれもリーグトップを誇る「投打」での高成長が、その強さの秘訣だ。

春季リーグ戦優勝の立役者は大エース・渡辺和大(商4・高松商業)。今季9試合に登板し、7勝2敗、防御率1.28で最優秀防御率に輝いた。特に明大戦と早大戦では圧巻の投球を見せた。5季ぶりに勝ち点を獲得した明大とのカードでは、1回戦で134球の完投勝利を挙げ、中1日となった3回戦でも8回121球13奪三振と力投。昨年の雪辱を果たした早慶戦では3連投となりながら、3回戦で8回124球11奪三振という執念の投球を見せつけた。

絶対的エース・渡辺和

そして次世代左腕・鈴木佳門(経2・慶應)の存在も大きい。今季10試合に登板し、失点は早大2回戦での本塁打のみに留まっている。ゆったりとしたフォームから繰り出される緩急のある投球で相手打線を翻弄する。

また、全日本大学野球選手権は決勝まで進めば5日間で4試合という過密日程となる。連戦の中で第2先発として期待されるのが、副将でもある頭脳派右腕・広池浩成(経4・慶應)だ。今季は6試合に登板し、序盤は失点も多かったものの、尻上がりに調子を上げている。

第2先発として期待がかかる広池

先発から救援まで切れ目のない投手陣こそ、慶大の最大の武器である。リリーフ陣には鈴木佳に加え、多彩な顔ぶれがそろう。“火の玉ストレート”が代名詞の熊ノ郷翔斗(環2・桐蔭学園)は力強い直球で打者を押し込み、100キロを超える巨体から投げ下ろす気迫の投球が持ち味の栗林兼吾(商4・小山台)も控え、試合終盤の安定感を支える。

また、沖村要(商4・慶應)はフォーム改造によって球速を伸ばし、今季は5試合に登板。立大2回戦では勝利投手となるなど、状態を上げてきている。水野敬太(経3・札幌南)は今季こそ失点がかさむ場面もあったが、昨秋には11試合に登板して防御率1.50を記録しており、守護神としての復活が期待される。

フォーム修正により球速も伸びた沖村

一方、打率3割超えが6人を数える切れ目のない打線にも注目だ。リーグ最少の三振数と最多の安打数を記録し、長打力も兼ね備えた高い得点力が最大の武器となっている。特に注目すべき選手は主将・今津慶介(総4・旭川東)林純司(環3・報徳学園)。今津は今季2本塁打を記録し、キャプテンとして出塁すれば塁上で吠えチームを奮い立たせている。林純はチームトップの打率を誇り、走者を確実に生還させる勝負強さが光る。

勝負強さが持ち味の林純

さらに今年から東京六大学野球でもDH制が導入され、不動のDHとして君臨しているのは、ベストナインも獲得した小原大和(環4・花巻東)だ。「チームが苦しい時に打ちたい」と意気込んだ早慶戦では、3回戦で貴重な追加点となるソロ本塁打を放った。チームに流れを呼び込む打撃が期待される。

今年の慶大は打撃だけではない。俊足・丸田湊斗(法3・慶應)の意表を突く走塁や、今津、林純を中心とする鉄壁の守備でもチームを救うだろう。

小原の打撃で打線に火をつけることができるか

慶大の初戦の相手は6月9日第2試合の結果から函館大と決まった。函館大は、多数のドラフト候補を擁する上武大を相手に1点差のリードを守り切り勝利。全国屈指の戦力を誇る相手を破った勢いは十分で、慶大にとっても警戒すべき相手となるだろう。

「部員みんなと一緒に全日本で優勝して、日本一になりたい」。優勝後に行われた祝賀会で主将の今津はそう語った。「一冠目」を手にした今、道のりは始まったばかりだ。5年ぶり5度目の全国制覇へ。粘り強く果敢な野球で、慶大の「魂」を見せつけろ。

伊藤塾長から花束をもらう今津

(記事:河合亜采子)

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