【バレーボール】ミスが響き本来の力を出し切れず、4位に終わる /東日本インカレ 3位決定戦

 前日に東海大にストレート負けを喫し、決勝進出を逃した慶大。この日は春季リーグ戦で敗れた筑波大との3位決定戦に臨んだ。要所で気持ちのこもったプレーを見せるが、ミスが響き試合を優位に進めることができず。セットカウント1-3で敗れ、東日本インカレは4位。健闘したが、上位3チームとの差を痛感する結果となった。

敗戦に悔しさをにじませる選手たち

 

 7月1日(日)@北海きたえーる

得点 1-3
●慶大 セット 筑波大
19 25
25 22
19 25
21 25
リベンジを狙う第1セットはいきなり慶大のエース・柳田(環2)のサービスエースで幕が上がる。しかし高いブロック陣に慶大自慢の多彩な攻撃がことごとく止められ、苦戦。序盤に5連続失点するなど、筑波大にペースを握られる。この日は序盤から岡田(商3)にトスを上げるシーンが目立ち得点を重ねるが、最後は筑波大の地力に振り切られ19-25でこのセットを落としてしまう。

途中出場ながら流れを作った村上

第2セットは劇的な展開に。序盤は相手の速さと高さあるバレーに苦しめられるが、稲田(環2)、村上(法4)の長身センターを投入すると流れが一変する。星谷(理3)とともに長身ブロックを形成し、筑波大の高さに対策を講じると慶大が主導権を握る。一時は最大6点のビハインドとなったが、岡田、柳田が連続ポイントを奪うなど追撃を開始。さらに間宮主将(政4)のサーブで相手のレセプションを崩し、一気に点差を詰めると星谷のブロックでついに22-22の同点に。そこからは勢いそのままに3連続ポイントで第2セットをものにした。

流れを引き寄せたい第3セット。しかしそんな思惑とは裏腹にサーブレシーブ、サーブでミスが続きいきなり連続失点。クイックもセッター野口(環2)とセンター陣の呼吸が合わず、決め切れない場面が続く。ピンチサーバー・棚橋(経3)の活躍で追い上げるも及ばず。要所で意地を見せるも19-25で第3セットを落とし、あとがなくなってしまう。

続く第4セットも悪い流れを断ち切れない。序盤から筑波大にポイントを重ねられ、またも追いかける形となる。それでも柳田のサービスエースや野口の1枚ブロックで一時は逆転。持ち前の粘り強さで逆転勝利への希望をのぞかせる。大きく離されそうで離されない。その後もそんな展開となったが、最後は筑波大の地力に振り切られ万事休す。セットカウント1-3で敗れ、慶大の東日本インカレは4位という結果で幕を閉じた。

東日本インカレ2年連続ベスト4。つい数年前まで下部リーグに所属し這い上がってきたことを考えれば、素晴らしい躍進である。

この日は岡田にトスを上げる場面が目立った

しかし「今までやってきたことが何も出せずにすごく悔しい」(間宮主将)。「なかなか自分たちの力を100%出すっていうのは難しい」(宗雲監督)。監督、選手の口からは悔しさがにじみ出ていた。やはり昨年からの主力メンバーの充実を考えれば、ここで満足し終わってしまうのはあまりにももったいない。「今回の負けをずっと覚えていてその悔しさをバネに――」(星谷)。慶大が頂点に立つチャンスはまだ残されている。

(文 並松 康弘)

慶大出場選手
サイド 柳田将洋(環2・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環2・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理3・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商3・熊谷高)
サイド 間宮秀太(政4・慶應高)
センター 山本悠登(環4・東亜学園高)
リベロ 前田優介(環4・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環1・東福岡高)
途中出場 村上拓也(法4・慶應高)
川村昌平(環4・春日部共栄高)
棚橋真之(経3・慶應志木高)
稲田聡典(環2・日向学院高)
丸谷将大(環2・東筑高)
★ベストスコアラー賞・柳田 将洋(環2)★

慶大ベスト4の立役者・柳田がベストスコアラー賞を受賞。慶大のエースとしてチームを牽引、3位決定戦では全セットの慶大最初の得点を挙げる活躍だった。他の個人賞は優勝した中大勢が独占しているため、まさに一矢報いる奮闘ぶりとなった。

♦コメント

宗雲監督

(4位という結果について)もちろん満足してないですよ。4つまで残れたっていうのは決勝に行く4チームに入ってその上を目指せていたんですけど、きのうの東海が強かったですね。うちはやっぱり空回りしていましたね。(上位3チームに比べて何が足らなかったか)筑波や東海がもっている自分たちのカラーを、自分たちがどういうチームなんだというスタイルをまだ確立できていないですね。例えば攻撃にしても、本当はセンターをもっと使って決めてもらってサイドを楽にしたいというのがあると思うんですよ。だけど、きょうもずっと上げてるけどなかなか合わなくて決まらない。攻撃のパターンが確率の高いものになってないですね。それですね。それときのう、きょうとすごくミスが守備、それからサーブで出てしまったので、なかなか自分たちの力を100%出すっていうのは難しいみたいですね。(東海には強いサーブ、筑波には高いブロックという特徴がある)客観的に見て特徴が足らないですね。きょうもブロックで岡田と柳田がマークされているとサイドにバックアタックもっていっても、それを想定した練習になっていないので行き当たりばったりな感じなんですよね。(一方で、今大会の収穫は)収穫は大会前から岡田にレシーブの意識が少し出てきたことかなと思います。このままもっとこの意識が高まってくれればいいんですけどね。収穫っていう意味では少ないかもしれないですね。よその大学さんに自分たちのことを研究されて、こっちが研究されているだろうなという体で進化していなかったですね。(リーグ戦4位という結果を残したことで警戒されたか)たぶんそれはあると思うんですよ。春のリーグは勝敗が一緒で紙一重だったので4位というのはあまり意味がないと僕は思っているんです。ただ周りが去年と違って慶應のことをマークし始めて、ちゃんと締めてかかろうと油断してないですね。(秋へ向けて一言)秋に向けて色々考えています。少なくとも今のままでは全く可能性がないので、何か変化を起こして他の大学を圧倒できるようなチーム作りをしないとなかなか1部ではタイトルは取れない、またはインカレでトーナメントを勝ち上がることも出来ないと思うので、ベスト8、ベスト4でいいというチーム作りじゃダメだというのは思いました。

 

間宮 秀太 主将

(今日の試合を振り返って)とにかくこっちの自滅で終わってしまったんで、納得いかないというか、今までやってきたことが何も出せずにすごく悔しいです。(具体的にどのような部分で実力が出せなかったか)全部ですね。コンビも合わなかったし、春からやってきたサーブも入らなかったし。ブロックも止まらなかったですし、全部ダメでした。(リーグ戦の時と比べ、筑波大の印象は違いましたか)同じですね。上手くやればこっちも勝てる要素があったのでしょうけど。向こうはあまり本調子ではなかったと思うので、こっちがダメだったということです。(筑波大の出耒田選手はいかがでしたか)(出耒田選手は)もうちょっと打ってくると思ったのですけど、あまり打ってこなくて。他の選手に決められてしまったので、そこを止められないと話にならないです。(今後に向けての改善点は)技術的なことというよりも、もうちょっとチームの中の一人一人を僕がもっと良く見て、コミュニケーションとってやっていかないといけないですね。技術的なものよりも、「人」が足らないと思います。東海大とか筑波大とか見てて、やっぱりみんな頑張っているので。それに比べるとうちは、そういう意味での頑張りは足らないかなと。(今後に向けての目標を)目標は「インカレ優勝」というのは変わらないのですけど、それに向けての遠さというのを今回見せつけられたので。でも、挑戦できるポジションにいるので頑張っていきたいです。

 

星谷 健太朗

(今日の試合を振り返って)うまくいくことが少なくて、自分たちの力が出せなくて負けたので、悔いが残る試合でした。(クイックがうまく決まらなかった)クイックもそうですけど、サーブとかそういうところがかみ合ってなかったです。(4位という結果については)全然嬉しくないですね。(今後にどう繋げていきたいか)優勝までもうちょっとというところまでは見えたので、今回の負けをずっと覚えていてその悔しさをバネにまた秋リーグとインカレで、自分たちの弱いところをもう一度克服して頑張っていきたいと思います。

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