【男子テニス】危機乗り越え、総力戦で掴んだ2年連続全国準V 全日本大学王座決勝vs.早大

関大との激闘の準決勝を制した慶大は、2年連続で王座の決勝戦に勝ち進んだ。決勝で待ち受ける相手は、現在9連覇中の絶対的王者・早大。今季二度の早慶戦では4-5、3-6といずれも接戦を演じてきた。この日もダブルスでリードを奪うなどこれまで以上の好ゲームが展開される。最後は地力の差で逆転負けしたものの、要所で「慶應としての戦い方や勝ち方の形が見えた」(坂井利彰監督)一戦に。慶大にとっては1987、88年大会以来26年ぶりの2年連続王座準優勝に輝いた。

 

チーム一丸で掴んだ王座準優勝だった(慶應義塾体育会庭球部提供)

チーム一丸で掴んだ王座準優勝だった(慶應義塾体育会庭球部提供)

 

☆全日本大学対抗テニス王座決定試合 決勝

2014年10月26日(日)@有明テニスの森公園

 

  慶大   早大
D1 ●井上善文・桐生光之介 3-6、1-6 ○古田陸人・今井慎太郎
D2 ○権大亮・上杉海斗 6-4、3-6、6-2 ●岡村一成・梶修登
D3 ○谷本真人・渡邉将司 6-2、6-2 ●大城光・小堀良太
S1 ○谷本真人 7-5、7-6(4) ●岡村一成
S2 ●権大亮 4-6、5-7 ○今井慎太郎
S3 ●渡邉将司 4-6、0-6 ○栗林聡真
S4 ○上杉海斗 6-4、6-2 ●大城光
S5 ●桐生光之介 3-6、2-6 ○古田陸人
S6 ●韓成民 3-6、2-6 ○松崎勇太郎
          4      -
 

 

準決勝の関大戦のD1、D2をD2、D3に下げ、D1に井上善文(経4・慶應義塾高)と桐生光之介(法1・慶應義塾高)を起用。桐生はこれがダブルスデビュー戦となった。一方の早大は春の早慶戦・リーグ戦時とダブルスは同じオーダーで臨んできた。

公式戦では初めてペアを組むD1井上・桐生組。インカレ覇者の古田・今井組に対して得意のサーブで対抗し、キープ合戦に。しかし、終盤で不運なショットがインとなったところから流れを渡してしまい第1セットを落とすと、そこから一方的な展開に。奮闘及ばずストレート負けを喫する。

相手を寄せ付けなかった谷本(左)・渡邉(右)組

相手を寄せ付けなかった谷本(左)・渡邉(右)組

一方で絶好調だったのがD3谷本真人(環3・名古屋高)・渡邉将司(総3・名古屋経済大学市邨高)組。早慶戦・リーグ戦と敗れた相手に序盤から積極的なダブルスを披露。谷本のパワフルなショットと渡邉の巧みなロブで相手を寄せ付けず、共に序盤のリードを守り失ったゲームは僅か4。圧勝でスコアをタイに戻す。

激闘を制した権(左)・上杉(右)組

激闘を制した権(左)・上杉(右)組

接戦となったのがD2の権大亮(総4・秀明栄光高)・上杉海斗(環1・清風高)組。序盤は動きがやや硬く、いきなりブレークを許してしまう。それでも、準決勝でも見せてきた思い切りの良いテニスが徐々にはまり出し、すぐにブレークバックに成功。終盤でも再びブレークに成功し第1セットを先取する。続く第2セットも先にブレークに成功するも、中盤以降ミスが目立ち逆転で落としてしまう。勝負の第3セット、「元気を出していこう」(権)と積極的に声を出して自らを奮い立たせた。すると持ち味の上杉のネットプレーと権のストロークがかみ合い始める。「思い切ってできた」(上杉)と最後まで攻め続け、6-2で勝利。ダブルスを2-1で慶大がリードすることは、ここ数年の早慶戦ではなかった展開だ。

 

日本一、そして久々の早慶戦勝利が見えてきたかに思えたが、王者・早大も黙ってはいない。慶大はS5に桐生、S6に韓成民(総1・つくば国際大東風高)の1年コンビを送り込むも、「全国のトップを戦ってきた経験」(桐生)のある早大勢からリードを奪えない。必死にボールに食らいつき、ポイントを取れば雄叫びをあげて鼓舞するも形勢を逆転するまでには至らなかった。

今大会単複全勝の上杉

今大会単複全勝の上杉

この流れを一変させたのが今大会絶好調のS4上杉だった。相手の大城は早大の主将。最後の王座に挑む主将のいつにも増した気合いの前に序盤は押され気味な展開に。それでも「日本一になりたい、早稲田に勝ちたいという気持ちだけで思い切って」臨んだ上杉が、次第に流れを盛り返す。第8ゲームでブレークすると、最後はサービスエースで第1セットを奪う。第2セットに入ると流れは完全に上杉に。得意のフォアとネットプレーでリードを広げ、ストレート勝ちでスコアを3-3のタイに戻した。

 

残るはシングルス3本。慶大は準決勝と同じく渡邉、権、谷本の3人を送り込む。準決勝で2-4から3連勝した3人である。

S3に登場した渡邉。鉄壁の守備を誇る相手に対し、渡邉は回り込みフォアで対抗。一時は4-2とリードを広げる。しかし、連戦の疲労からか中盤以降ミスが増える。さらにボールに追いつけない場面も目立ちリードを広げられて完敗。この時点で早大に王手をかけられてしまう。

早大のエース・今井に食らいついた権

早大のエース・今井に食らいついた権

負けは許されない状況下。S2には準決勝で4-4の場面で慶大の勝利を決める1勝をもぎ取った権が登場する。対するは夏関覇者で早大の絶対的エース・今井。試合は権のバックと今井のフォア、両者の持ち味がぶつかり合いながらポイントを重ねていく。第1セットは1ブレーク差でセットを落とし、後がない状況に追い込まれる。ここから準決勝同様権が気迫のこもったテニスで挽回する。ミスの出始めた今井を尻目にギアを上げた権が5-2とセットオールまであと1ゲームまで迫った。しかしこの局面で今井の猛烈な逆襲に遭う。火の吹くようなフォアのショットがコートの隅に決まり始める。権も必死に対抗するも一度傾いた流れを引き戻せずにストレート負け。この時点で早大の優勝が決定してしまった。

最後に意地を見せた谷本。来年は最上級生としてチームを牽引する

最後に意地を見せた谷本。来年は最上級生としてチームを牽引する

残る対戦はS1の谷本対岡村のエース対決。春は敗れた相手だけに、谷本にとってはリベンジマッチとなった。互いに強打を得意とする両者の対決は、観る物を惹きこむ白熱のラリー戦が繰り広げられる。第1セットは3-5の土壇場で谷本が追い付くとそのまま4ゲームを連取。第2セットは両者譲らずタイブレークに突入。二度のミニブレークに成功した谷本がリードを守り切り、エースの意地を見せた。既に勝敗が決していた中での試合。それでも、声を枯らしながら応援し続けた部員にとっても、「自身の成長が証明できた」谷本にとっても大きな1勝となった。

 

試合後、王座開幕の2週間程前にエースの近藤大基(環4・湘南工科大付属高)、高田航輝(環3・湘南工科大付属高)の二人が骨折により負傷離脱していたことが判明。対戦相手に情報が漏れないよう神経を尖らせながら、ダブルスの新ペア構築のためにひたすら練習と練習試合を重ねたという。たしかに、主力級が二人欠けたことは「影響が無いと言えば嘘」(坂井監督)である。二人がいれば勝てた、という見方も出来なくはない。しかし、「怪我人が出たことによって選手1人1人にスイッチが入りきった状態で日頃の練習も試合も臨めました」(長神篤史主務(理4・慶應義塾湘南藤沢高))。主力の欠場というピンチを、残された選手のモチベーションを上げるチャンスに変えていたのだ。その結果、強豪の関大に競り勝ち、王者の早大をあと一歩のところまで追いつめた。

コート上で戦い続けたメンバーの選手たち、コート外から声を枯らしながら選手を鼓舞し続けた部員や庭球部のOB・OG、コート上を駆け巡ったボーラー、そして王座進出を逃した中で引退せずに王座を戦う男子部員をサポートしてきた女子部。一時は崖っぷちに追い込まれたチームは慶大庭球部一丸となって復活を遂げた。王者・早大との背中を縮めた4年生がコートに残していった魂は、3年生以下に確実に引き継がれたはずだ。窮地にも負けずに立ち向かった先代の姿を胸に刻み、“打倒早大”そして“日本一”を目指す戦いへ、挑戦は続く。

 

(記事 飯田駿斗)

 

戦いを終えた選手たち

戦いを終えた選手たち

表彰式に臨む選手たち

表彰式に臨む選手たち

◆慶大監督・選手コメント

 

坂井利彰監督

-王座準優勝という結果をどうとらえているか

「悔しいですね。やはり勝つ力があったから悔しいですし、春から4-5、3-6ときて学生たちの力を信じていたので、学生たちが最後目標にしていた大会で早大に4-5だったので、悔しいですね。」

-主力が不在だった影響は

「影響が無いと言えば嘘ですし彼らには出て欲しかったけど、一方でチームが変われた部分があるし近藤と高田がいないから頑張ろうという気持ちも出たから、両面あったと思います。」

-昨日今日と劣勢の場面でも立ち向かう姿勢が見られたが

「それは慶應魂でしょう。僕が学生たちに言っているのは、今回慶應としての戦い方や勝ち方の形が見えたと思うんですよ。どういうスタイルを持つべきか、KEIO TENNIS WAYというものが見えてきたのでそれを貫いていきたいと思いますし、僕は出来ると思います。」

-昨年の0-9から着実に成長してきたように思うが

「やはり学生たちが積み重ねてきてくれたものなので、こういう理想の形があるというのは提示してきたけど、それを真摯に目指してくれたことには感謝したいし、一歩一歩着実に形にしてくれた学生たちを誇りに思っています。」

-今大会で4年生が引退となるが彼らに向けては

「胸を張って卒業してほしいなと。負けてチャンピオンになれなかったことを引きずって生きていかなくてはいけないと学生たちは言っていますけど、僕はそんなことなくて、まずは決勝まで残れたこともそうだし、こういう戦い方を体現してくれたことは本当に財産なので4年生には誇りを持って卒業してほしいと思っています。」

-来年以降日本一に向けて期待している部分は

「やはり来年に向けて必要なことは慶應スポーツのサポートでしょう(笑)。冗談抜きにケイスポで取り上げてもらえることを一つのモチベーションにしているし、頭を整理するきっかけになっていてそれは僕も同じで、慶應スポーツとして是非サポートをお願いしたいです。来年に向けてということでいえば、今年4年生が残してくれた形を特にリーグ戦後の1ヶ月半で作ってくれて、怪我人が出てから色々考えたことを体現していけば僕らは絶対チャンピオンになれると思いますし、それが改めて分かったのでまた頑張ります。」

 

メンバー外ながらチームを支えた碓井主将

メンバー外ながらチームを支えた碓井主将

碓井亮主将(政4・慶應義塾高)・長神篤史主務(理4・慶應義塾湘南藤沢高)

-王座を振り返って

碓井「正直惨めな結果だと思います。いくら回りが4-5と競ったことを良いゲームだと言っても負けた事実に変わりはなくて、準優勝も初戦敗退も結果としては変わらないので、苦い気持ちでいっぱいです。」

長神「悔しいという気持ちもあるんですけど、情けないという気持ちでいっぱいで、昨年も全国準優勝という結果に終わって全国で優勝することだけを目指してここまでやってきて、そのプロセスの中で良いこと悪いことありましたけど、結果的に最後で勝ち切れずに目の前にあった日本一を取りきれなかったのがただただ力不足で情けないという気持ちです。」

-主力が不在だったことについては

長神「客観的に見ればネガティブな印象を受けるかもしれないですけど、今のチームにとってはすごいチャンスで1人1人が勝たなくてはいけないという火種になりましたし、怪我人が出たことによって選手1人1人にスイッチが入りきった状態で日頃の練習も試合も臨めました。怪我人が出たことはチーム全体の管理が出来ていなかったことではあるんですが、今大会に関しては自分たちにとって大きなチャンスで、それも含めて関大に勝って早大にあそこまでやれたと思います。」

-昨年の0-9から今年の4-5という結果を受けて、この1年やってきたことについては

碓井「やってきたことは自信を持って正しかったと言えますけど、それが出来たのがリーグ終わってからで、春やリーグで勝てそうな場面もあったんですけど、チームの本質的なところで勝てないというメッセージがあって、ある意味戦力的に2人抜けたところでプラスに働いたことが今回の4-5だと思うので、回りから見れば関大に勝ったり早大に4-5をつけるなんて思ってもなかったと思うんですけど、4-5という結果に対してこの1ヶ月半やってきたことは間違いでないと思います。」

-今日で引退となるが、庭球部での4年間を振り返って

碓井「入部してきた時は生意気な1年生だったなと振り返って思いますけど、監督やコーチ陣、上級生の人たちと接して育ててもらいました。昨年は誰も自分が主将になると思っていなくて、一つ上の代からバトンを受け取って主将に指名していただいて、庭球部に育てられた4年間だったと思います。」

長神「まだ整理がついていない状況ですけど、僕自身確実にこの4年間で成長したと感じていて、4年前に入部した時は主務をやっているとは想像もしていなかったです。ただ自分はまだまだ成長しなくてはいけないですし、これから社会に出て色々な分野に1人1人が旅立って行く中で庭球部の4年間を糧に一回りも二回りも大きい人間にならなくてはと感じた4年間でもありました。自信のついた4年間であり、後悔の残る4年間でもあったので、これからの糧にしたいと考えています。」

-主将・主務という立場で意識したことや苦しかったこと、逆にやっていて良かったことは

碓井「僕はレギュラーではなくて、ノンメンバーでキャプテンというのは史上初だと思うんですけど、その中でやらせていただいてプレーッシャーもあって、それを色々な人に支えられて特に主務の長神には本当に支えられてもらったので、ようやく迎えられたこの日だと思っています。主務をやらせてもらえて感謝していることを庭球部に言いたいです。」

長神「主務として一番大事だと思うのはとにかく碓井を支えるということで、それを軸にしてやってきました。チームがブレそうな時もありましたし、このチームが始動した時はばらばらな状態で、このままいったら王座出場どころか降格するような状況まで陥ったこともありましたけど、その中で僕は誰よりも碓井のことを信じて碓井が考えていることをいかに周りの部員に伝えていけるかというのを一心にやっていました。」

-4年間戦ってきた仲間とこれから日本一を目指す後輩たちへ

碓井「同期には感謝の気持ちでいっぱいで、キャプテンになると思っていなかった自分を男女で支えてくれて、特に女子はリーグ3位で終わって心中色々思う中でもサポートしてくれた上でたどり着けた全国2位という結果なので、本当に同期には感謝しています。後輩には日本一になるチャンスはあるぞと言いたいです。ただチャンスはあるけども厳しいことを言えばここからの積み上げで掴むもので、簡単に掴めるものではないですけど、掴んで欲しいですし絶対出来ると思います。」

長神「同期に対しては僕も同じで感謝の気持ちでいっぱいで、自分が主務としてどういう姿で映っていたかはわかりませんが、他の同期に支えられて何とか出来た部分はありました。女子も引退している中で男子のサポートについてくれて、そのサポートがなければ僕も主務としてどうなっていたかわからないですし、この場に立てていたかもわからないので、本当に感謝しています。それは後輩にも言えることですが、とにかく来年に向けて根本的なところを変え続けるチャレンジをしないと来年も同じ結果に終わると感じていて、逆に今大会も自分自身チャレンジを続けたことで掴んだ結果でもあったと思うんですけど、チーム全体でそれが出来なかった。出る選手出ない選手1人1人が勝つためにどう変わるかを明日からイメージして1年間挑戦を続けて、最後に結果を出す。その覚悟を持ってやり続けないと結果は出ないし、逆にやれば結果はついてくる。今大会で僕らが犠牲になってわかった部分もあると思うので、来年は良いチームとかいう綺麗事ではなくて結果を出して欲しいですね。」

 

今村晏乃マネージャー(文4・東京女学館高)

-王座準優勝という結果を振り返って

「この1年間選手の頑張りを見てきて、この1ヶ月半死に物狂いで怪我人がいる中やってきて皆が頑張ったのは確かだと思うんですけど、それを継続して1人1人が今まで勝ったことのない相手に1年間強い意志を持ってやれるかが私も含めて勝負の分かれ目だと感じています。ただ必ず来年はやってくれると信じているので、もちろん悔しい気持ちはありますけど来年は一人のOGとして活躍に期待したいです。」

-庭球部での4年間を振り返って

「色々なことがありましたけど、1年生の時にたまたま食堂で声をかけられてマネージャーになって、あの時監督と初代マネージャーの内田さん(庭球部前マネージャー)に出会っていなければこの場にいなかったと思います。どれも今後の財産になるなと思いますし、色々なことを学べた4年間でした。」

-マネージャーとして意識してきたことや苦しかったこと、またやってきて良かったことは

「意識していたのは選手を良い環境でプレーできるようにするためにどんなに小さなこともやらなくてはいけないことですね。至らなかったところもあってそこは悔いが残ります。苦労したことは、今まで自分が勝負の場に身を置いたことがなかったので、自分自身を知らなくてはいけないことがありすぎて、自分を模索する日々は苦労もしましたが得られたものもありました。その中で、この庭球部にいなかったら気づかなかったことや得られなかったことはたくさんあると思うので、それは4年前に誘ってくださった監督と内田さんにすごく感謝しています。」

-4年間共に戦ってきた同期とこれから日本一を目指す後輩たちへ

「同期には4年間至らない部分も多かったですが、一緒に向き合えて戦えて良かったと思っています。後輩たちは、成長してきたのを色々なところから見てきたので必ず日本一を獲れると信じていますし、応援しています。」

 

大学で大きく成長した井上

大学で大きく成長した井上

井上善文(経4・慶應義塾高)・近藤大基(環4・湘南工科大付属高)

-今日の試合を振り返って

井上「今一番思っているのは、準決勝・決勝とでダブルスで出て勝てなくて、そこに対していつもなら試合の反省などを言うと思うのですがこのあと試合が続くわけではないから反省というよりも情けないというか…今日の試合にしても自分が勝ったら(団体として)勝てたわけだから申し訳ないと思っています。特に自分には副将という立場もあったので、そこで(チームを)引っ張れなかったということで今は申し訳ない気持ちだけです。」

-今日までの王座、またリーグ戦を振り返って

井上「そこも結構共通していて、自分が大事なときに勝てなかったというのが結構あって、例えばリーグ戦の法大・明大戦という王座を決めるための大事な戦いで自分が二本落として、今回も日本一を懸けた早稲田との戦いに臨む前の関大戦で負けていて、そこに関しても最後まで自分が弱かった申し訳ないという気持ちが一つと、敢えて一つだけ良かった点を挙げるとするなら、今ここにいる近藤と組んでリーグ戦を戦ってきて、最後の早稲田戦で今までインカレ・春の早慶戦と二連敗してきたペアにストレートで勝って、それが実は僕の4年間出場したダブルスの試合の中で初めての早稲田からの勝利となったので、それに関しては近藤に感謝しています。良かったなと、一つだけそこは思います。ただ、全体的には後悔が多いです。」

-庭球部としてやってきた4年間を振り返ると

井上「最後に勝てなかったということは、チームとしてやってきたことは正しかったと思いますが、自分がその中でやってきたことが甘かったり、結局自分が試合で100%のパフォーマンス、力を出せたかと言われたら出せていないと思うので、そこに関しては自分の弱さが最後の最後まで変わりきらなかったというのがありました。監督だったり原さんだったりコーチ陣の方々には日頃から「お前はもっとできる」などとよく言われていましたが、やはりそこで自分の中で最後の最後まで壁を作っていて、それは早稲田に対する壁とかではなく、自分の中でどこかもっとできるはずなのに、もっとやれることがあるはずなのにやらない自分がいたのかなというのがみえて、4年間を通してその自分の弱さに気づいて、これを今後社会に出て活かしたいというのが庭球部から社会に向けて思うことです。」

-この春からダブルスを組み、今日まで共に戦ってきた近藤選手へ

井上「始まりは去年の早慶戦の前に代が変わって、インカレインドアがあってそこで初めて(近藤と)ペアを組んで、お互いにポイントがそれなりにあって近藤は1位、僕はそのちょっと下で本戦から第2シ-ドで入って初めてその大舞台で組んだんですけどいきなり準優勝することができて、そこから始まって一年間弱やってきて…。最初は結構技術とか以前に、試合の中でのコミュニケーションが図れなかったりそういう根本的な問題があったんですけど最後にリーグ戦で勝ったときなどはそこの問題は解消されていて、あとはインカレでも結構強いペアにあたったときもそこはもう解消できていて、二人で束になってようやくダブルスができました。インカレのときなどは(ペアを)組みたてで勢いっていうところはあったと思うんですけど、最後の最後は本当にダブルスを出来てやれたのでそこに関しては本当にありがとうと言いたいです。特に自分なんて、ちょっと長くなっちゃうかもしれないですけど(笑)、実は中学は東京、高校は神奈川と(近藤と)同じところでテニスをやってきてそのときから知っていたんですけど、あんまりこんなこと言いたくはないんですけど、本当にそのときは雲の上の存在で。自分は関東大会にも出られなかったんですけど、(近藤は)全国のトップにいるような人で、そんな人とまさかダブルスを組むんだっていうところから始まって、ダブルスを勝ちにこだわるのはもちろんですけど、ダブルスとして“楽しくやる”というのを二人で追求してその中で勝ちにこだわるっていうのをやってきました。それを最後形にできた試合(リーグ戦の早稲田戦)があり、そこに関してインカレ・早慶戦と同じ早稲田の岡村・梶組に負けてから相当コミュニケーションから戦術的な面から話し込んで二人のダブルスを作っていって、試行錯誤して大変なときもあったけどそれも含めて楽しかったなっていうのがあります。ダブルスのことも相当いろいろ教えてもらったし、自分はただ前で(ボレーなど)バチバチしていただけだったんですけど後ろでどうするとか、僕を使うダブルスということで最後は僕をうまく使ってやってくれたので、今日3回目ぐらいですけど、感謝しています。」

 

-次に、近藤さんにお聞きします。この王座決定戦は怪我で出場できなかったということでしたが、今日の試合の試合、またこの4日間の試合を外からみて、また、どのような思いで観ていたか

近藤「今日のシングルスで来たのが(王座では)初めてで、それまでは自宅待機だったのですが、正直言って(結果を聞いて)すごいびっくりしました。昨日の試合(vs関大)も全くみてなくて結果がずっと送られてきて、すごいびっくりしました。正直最初は僕が怪我をしておいて言うのもなんですけど、不安で仕方なくて、関大はやはり侮れないチームですし王座で関大と当たるだろうということでそれ向けていろいろ取り組みはしてきたとは思うんですが、チームが関大に勝ってすごいびっくりしたし、僕の中の常識がかなり一転しました。正直戦力だけ見たら関大にはかなり劣っていたと思うんですよね。インカレの結果とかを見てみても。でもそこはやはりチーム力で、慶應というチーム力で打ち負かした。今日の早稲田戦も春は僕も出たんですけど4-5で、今日も4-5で、負けは負けだと思うんですけど、最初のダブルスは2-1だし、ダブルスで二本取れたなんて僕がいた4年間でもないですし、そこは確実に成長している部分なので、今日のダブルスの試合は観てないのでそこが実力なのかって言われたら多分違うと思うんですよね。チーム力で勝ったとか底力が出たとか、そういうことがすごく影響している試合だったなと今日観ていて思いました。あとは、試合出たかったなって思って。やはり観ていてすごく悔しくて、悔しいって表現はちょっと違うんですけど、情けなかったというか、怪我もしょうがないって言っちゃったら終わりですけど自分の不注意でもあると思うので、やはりそこは今後僕はテニスを続けていくんですけどそこに活かそうかなと思います。」

-庭球部でやってきた4年間を振り返って

近藤「色々な意味で楽しかったですね。今考えると本当に正直に言うと「辞めたい」とか「なんで俺こんなところで頑張ってないといけないんだ」とか、「なんでこんなことをしなきゃいけないんだ」とかばかり1、2年生のときは思っていたんですけど、でも今考えるとインカレで優勝したのも先輩方とかヨシ(井上選手)とかが色々な事を4年生になってからも言ってくれたので、相当自分が迷惑をかけた存在だなっていうのは思っていて、本当に今引退してから考えると楽しかったなって思いますね。あとは、迷惑かけてすみませんって思いますね。」

-今度は逆に井上さんへメッセージを

近藤「いやあ…(笑)。俺も相当ヨシのおかげでシングルスも勝てるようになったから、いや本当に。これいつか本当に伝えようと思っていたことだから、この場を使うけどダブルス最初すごい迷惑かけたなって思っていて。負けていたのもたぶん俺のせいだし、コミュニケ-ション取れなかったのも俺のせいだと思っているから。俺はそういうところに関して変えなきゃとか疎い人だから、そこを変えてくれたのがヨシだったし。1年間組んでいくからということですごい話して、そこで話しやすかったのもヨシのおかげだから、そこは本当にありがとうございました。シングルス優勝したのも、そこで変われたおかげがあるから。そこで(もし変わらなかったら)調子悪かったら落ち込んだりしていたかもしれないし、そこもやはりヨシのおかげなので感謝しています。」

-先程少し話にも出たように、今後はプロとしてテニスを続けていくということでしたが

近藤「伊予銀行っていう実業団に行くんですけど、そこは普通に銀行員としての仕事もある中でプロ活動みたいなことをさせてくれて、銀行員になったからといってプロを諦めたわけじゃないですし、自分の夢はプロになってグランドスラムの予選でもいいから出たいっていうものなので、そこはどうしても諦められないしインカレ優勝しちゃったら諦められないし、伊予銀行に誘ってくれたりいろんな人の力があったんですけどそういう(目標を)目指させてもらえるという環境があるので、目指そうかなって感じです。」

-後輩に向けて

井上「後輩全体という括りにすると、さっき言ったように自分は悔いていて反省したい部分があるので、実はさっきみんなの前でちょっと話したんですけど(そういう自分を)反面教師にしてほしいというか、やはり壁とかを作っていると勝てる試合も勝てなくなってしまう。それで勝てる試合もあるとは思うんですけど、コンスタントに勝つことを目指そうとするとやはり壁をつくったり言い訳をしたり逃げているどっかでボロが出るので。人生最後の試合だったり、本当に勝ちたいときに勝つためには、今の3年生を考えるならば1年間無駄なく頑張り続けるというのが大事なこと。練習とか本当にきついのをやっているのは知っていますし本当に辛いことだとは思うんですが、ただそこで踏ん張ってくれれば結果は出る実力、チーム力は備わっていると思うのでそこに本当に向き合って頑張って欲しいと思います。」

近藤「僕は、メンバーなど関係なく自分のテニスに向き合って欲しい。テニス部に入ったからにはテニス上手くなってほしい。個人的には自分はこの4年間で自分のテニスも上手くなったしそれによってチームを強くすることもできるし、あとはやはりテニスに限らずどのスポ-ツもそうだと思うんですが自分のやっている競技のことをとことん考えるってすごく難しいことだと思うんですよね。でもそれを考えられたらいろんなことに繋がってくるとも思いますし、自分のテニスのこと、自分の短所、長所をどこで活かそうかなどいろいろあるとは思いますけど、自分ととことん向き合って欲しいなということが一つと、俺みたいになるなっていうことですかね。自分は1、2年生のときとかすごいガキで、思ったこととか全部口に出したりしてどうしようもなくて。でもこうやって今は笑って聞いてくれる同期がいることにも感謝しています。でもこんな俺でも人の話を聞いて変わることができたらインカレ優勝しちゃうくらいだから、嫌いな人とか嫌だなと思う人の話を聞いて裏で文句を言ったりするんじゃなくてそれだったら面と向かってぶつかるべきだし、そういうのを慶應では表に出るって言うんですけど、どんな人の言葉も自分のためにならない言葉なんてないということを伝えたいです。俺自身もまだガキの部分はあるかもしれないけど、最後の最後でそのことに気づけたことが4年間やってきて成長したことだと思います。」

 

権大亮(総4・秀明英光高)・上杉海斗(環1・清風高)

-今日のダブルス、シングルスをそれぞれ振り返って

権「ダブルスでは元気を出していこうということで、僕が相手を崩したというよりは上杉が思い切りの良いプレーで相手を上手く引かせてくれて、僕はサーブとリターンをしていれば相手が崩れてくれていたので上杉のおかげでダブルスは勝てました。シングルスに関しては1回も勝ってことのないレベルの相手だったのですが、しっかりと自分がリードした場面を作ることはできて成長した結果だと思います。でも、そこで逆転されてしまったのはそのレベルに合わせてやってこなかったからだと思うので、これでテニスはやめてしまうのですが、この経験を社会でいかせていけたらと思います。」

上杉「ダブルスに関しては、僕が崩してという場面もあったのですが、権さんが4年生としてリードしてくれる「安心感」があって、僕自身も思い切ってできたかなと思います。シングルスはただ日本一になりたい、早稲田に勝ちたいという気持ちだけで思い切って臨んで、自分の持っているものをしっかりと出せたので勝てました。王座は自分としては全勝できたのでチームに貢献できたかなと思います。」

-早大とは今年3回対戦していずれも惜敗してしまったが

権「僕が1、2、3年の頃はほとんど0-9で、まぁよくて2-7とかで全然届かない壁だったんですけど、今年個人としてはリーグ戦で勝ったり団体としても早慶戦で4-5、リーグ戦で3-6、王座で4-5とかなり差は詰まってきているなという実感はあります。本当にもう実力の差はないと思うんですけど、早稲田に1度も勝ったことがないというコンプレックスみたいなものがあって、結局うちが力を出し切れずに負けてしまっているので、向こうがチャンピオンになっている経験値、その差だけかなと思います。」

上杉「今年は4-5、3-6、4-5ということで全く差はないと思うんですけど、あと1歩が足りていないと感じます。それは早稲田が日本一になっている経験値の差と思うんですけど、今年で確実に早稲田との差が縮まったことがチームとして実感できて絶対に来年はもう負けないという自信がつきました。」

-今大会1年生が3人もチャンスをつかんだことについて、また来季以降も戦っていく後輩へ

権「1年生に関しては3人とも頼れるメンバーで、上杉に関しては結果も出してくれるし思い切りもいいし、他の2人は今回結果は出ませんでしたが、必死に全力でプレーしたことがチームにもいい影響を与えてくれたと思います。後輩に対して伝えたいことは、早稲田との力の差はもうないと思うので、早稲田に対するコンプレックスみたいなものをなくしてほしい、それをなくすには普段の練習しかないと思うので、練習から突き詰めてやっていってほしいです。」

-今年1年間4年生の姿はどう映ったか

上杉「4年生はチーム全体を盛り上げてくれて、引っ張ってくれて自分はそれについていって、結果という形で感謝を伝えられたらとずっと思っていました。」

-来季の目標と意気込みを

上杉「団体個人それぞれ日本一になることです。」

 

谷本真人(環3・名古屋高)・渡邉将司(総3・名古屋経済大学市邨高)

-今日のダブルス、シングルスそれぞれ振り返って

谷本「ダブルスに関しては昨日負けていたし、(渡邉)将司にも迷惑をかけたし責任を感じていて、それを今日は変えるというのを自分の中で決めていました。大城・小堀というのは僕が2年に頃からいろんな人と組んでずっと負けてきた相手で、この王座という舞台で勝てたというのはよかったんですけどチームとして日本一になることだけを考えていたので、そこは変えられない事実で悔しいです。でもシングルスの結果も含めて自身の成長が証明できたのでもっと目線を上げていかなくてはと感じていて、これで満足していたら来年の日本一はあり得ないですし、高い目標を設定してさらに上を目指していこうと思っています。」

渡邉「今日の相手は試合前からほとんどわかっていて、リーグ戦では6-3、4-1からまくられて悔しい思いをしていて、本当に僕と(谷本)真人でそこペアに絶対に勝つためにいろいろな練習をしてきて、その前に関西で負けてしまったんですけどあえて挑戦者の気持ちではなく余裕で勝てる相手と思って戦うと二人で話していて、それがよかったのかなと感じました。シングルスに関しては相手もわかっていたので、自分の中でこういうテニスをやろうと決めていたんですけど、自分が4-2でリードしてところで相手がプレーを変えてきてそれに自分が対応できませんでした。自分が勝っていたら日本一だったということで本当に悔しくて、自分が変わらなくてはいけないところはわかっているのでもう同じ相手には絶対負けない、そして来年の自分たちの代でも絶対にこの舞台に戻ってきて最後は金メダルをとって終わりたいと思います。」

-谷本選手のシングルスのときにけがで欠場された近藤選手が必死に声をかけている姿が印象的だったのですが、そういった4年生の姿はどう映ったか

谷本「本当に人それぞれ捉え方はあると思うんですが、この1か月半メンバーだけで練習をしてきてその中で4年生がいろいろ動いてくれて、それが1年生がやるような仕事だったり、この王座に入ってからも洗濯だったり、本当に気を遣ってくださって勝ちたいという気持ちが伝わってきていて今日負けてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。(近藤)大基さんに関してもチームの最前線で戦ってきてくれていて、早慶戦でも常にS1で勝ち星をとってきてくれた人で、もちろん本人が1番ショックだとは思うんですが全員で戦いたかったです。でも、さっき集合でも話したんですけど、リーグ戦が終わってからのこの1か月半本当は4年生が引退して新体制になっているはずの女子のみなさんが男子チームのために仕事をしたり、いろいろなことを伝えてくださって、そういうものが慶應の良さがだと思うし、4年生が残してくれたものだと感じています。」

渡邉「まず4年生は自分たちが1年生のときの2年生ということで、もう本当に長い間一緒に過ごしてきて、どんな苦労をしてきたのかなどもわかりあっている先輩方でそのぶん勝たせてあげたいという気持ちが強かったです。女子の方々も実質引退していたんですけど、男子の王座を全力でサポートしてくれて本当に感謝しています。今回、(近藤)大基さんと高田が抜けていたんですけど、見ている人にも慶應の良さが伝わったと思うし、これをしっかりと引き継いでプラスアルファをして日本一になりたいです。」

-プレー面ではお二人と高田選手が引っ張っていくと思うのですが、どのような代にしていきたいか、来季への意気込みを

谷本「新体制に関してはまだ発表されてないのでまだなにも言えないのですが、4年生のやってきたことを引き継いで自分たちの代の色を出していくしかないと思います。僕と(渡邉)将司と(高田)航輝は1年生ときからいろいろな経験をさせてもらって、監督やコーチの方々の思いもあると思うので、それを返さなくてはいけない、その感謝を日本一という形で返したいと思っています。」

渡邉「僕たちは1年生の頃から団体戦に出させてもらっていて、谷本も言っていたんですけどその成果を日本一という結果で恩返ししたいです。チームとしても成長していかなければならないので、一人一人が自分と向き合って変わり続けていきたいと思います。」

 

桐生光之介(法1・慶應義塾高)・韓成民(総1・つくば国際大東風高)

気迫で果敢に立ち向かった桐生

気迫で果敢に立ち向かった桐生

韓は上杉、桐生と共に2年目の成長に期待だ

韓は上杉、桐生と共に2年目の成長に期待だ

 

-今日の試合を振り返って

韓「今までやってきたことを全力で出そうと思っていて、またプレーの中での戦略とかも考えていたのですが、なかなかそれを試合で発揮できなかったのがすごく悔しいです。」

桐生「シングルスは実力で言えば相手のほうが格上だったのですが、そこで相手を大きく見ないで、自分のプレーができればどんな人にも勝てると思っていたので、自分の実力を最大限出そうと思って今日挑みました。ほとんどのゲームでデュースまでいき、ゲームポイントやブレークポイントまでは何本もいったのですが、最後のゲ-ムを取るところで取り切れなかった。相手は全国のトップを戦ってきたという経験があってゲ-ムを取られない術というものを知っていたし、そういったプレーをしてきた中で自分がラリーで我慢できずにサイドアウトやオーバーをしてしまったのが敗因だと思います。本当に慶應と早稲田との差はほとんどなかったのですが、そういった細かいところが相手のほうが上でしたし、その差が今日の勝敗を分けたのだと思います。全体的には自分は一年生でフレッシュに元気出して迫力出してやることが役目だと監督にも主将にも言われたので、声出して自分が出せることすべて出そうと考えていて、気迫は出せたと思うのですが結果がついてこなかったことは残念でした。ダブルスでは相手はインカレチャンピオンで格上であり、自分たちは最初から積極的に前衛が動いたりして攻撃していくことを心掛けました。惜しいゲ-ムも何度かあって、シングルスと同様に気迫を出すといった最低限の役割は果たせたかもしれませんが、最後の球をしっかりコ-トに入れるというところの爪の甘さがあり、気合だけでは勝てない部分が多いと感じたので、実力をもっとつけなければならないと思いました。」

-王座戦を振り返って

韓「今まで経験した試合の中で初めて感じた応援の雰囲気だとか自分の緊張感だとか 絶対に勝とうとする情熱とかは非常に新鮮でした。またチームのみんなが他のどんな試合よりも応援してくれたことがすごく印象的でした。」

桐生「一年生で王座に出るという経験は、貴重な経験で誰しもできるわけではないですし、試合に出るからには得られるものをしっかり吸収して経験して自信にしていこうと思っていました。部員、監督、OBの方々含め何百人もの思いを背負ってコ-トに立つということは本当になかなかできない経験ですので、出られることに感謝しつつ1ポイント1ポイント1球でも多くコートに返そうと思っていました。4年生にとって最後の大会であった中で一年生が3人も出させてもらって、新しい戦力に勝敗を託してくれたという部分で自分たちが大きな役割を背負えることも並大抵のことではないですし、感謝して一球一球打つことの重要性に気づいた大会でした。また一致団結して早稲田相手に競れるようになったことも改めて実感し、自分にとってもチームにとっても今後につながる大きな大会だったと思います。」

-この一年間を振り返って

韓「僕は庭球部に入って、最初すごく苦しい思いをたくさんしたのですが、その中でサポートしてくれるみんなが家族のように思えて、苦しんでいた時に自分を支えてくれたことをありがたく思いました。周りのみんなの大切さに気付いたとともに、この一年間で自分は自分自身に負けることが多く、足りない部分もたくさんあるということに気づかされました。自分の足りない部分とかが見えてきて来年以降のテ-マがはっきりしたなど、いろいろな経験ができた充実した一年でした。」

桐生「ぼくは高校も慶應で大学に入って庭球部に入ることは入学前から決めていて、高校時代から庭球部を見てきたのですが、入ってみると想像とは全然違って、高校までは今から見れば緩い練習であったと感じました。大学での質の高い練習の中で自分としっかり戦って、きつい場面をどうやって踏ん張るか、いろいろもがいて探してきた一年間で、一年生の時にこういった苦しい思いができたのは貴重な経験だと思いますが、自分の中では本当に苦しかった一年でした。また厳しい練習を逃げているとその時は楽ですけど、後に待っているのは負けで、その負けが一番悔しいことだと今日の敗戦で痛感しました。一年生の時から目線を上げて本当に日本一に貢献するんだと考えながら、これから練習していかないといけないと強く思いました。今まで逃げてきた自分を払拭していく必要性をすごく感じた一年でした。」

-来年への意気込み

韓「次のシ-ズンは自分としっかり戦って、負けないようにして、そしてそれを積み重ねて、早稲田と戦ったときに早稲田の選手を倒せるような自分自身を作っていきたいです。」

桐生「自分は試合でも練習でもアップダウンが激しく、それは逃げているからで、いつでもベストパフォーマンスが出せるということが次の目標であり、本当にもう負けたくない。相手が日本一でも世界一であっても負けは悔しいですし、負けないようにするには練習をしっかりすることしかないので、練習では自分に負けないし、試合では誰にも負けないという気持ちでいきたいと思います。負けるのは今日が最後で来年は優勝できるようにしたい。今回の王座がそれのきっかけになればいいなと思います。」

 

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