【野球】重田主将率いる新チーム 初戦は逆転での黒星スタート 全早慶戦in東伏見

11月21日(土)全早慶戦in東伏見 @安部磯雄記念球場

 

試合後の集合写真。早慶野球部に新たな歴史が刻まれた。

試合後の集合写真。早慶野球部に新たな歴史が刻まれた。

2015年11月21日、野球部初代部長・安部磯雄氏の生誕150年を記念して、東伏見球場は安部磯雄記念球場と改名され、全早慶戦in東伏見が開催された。秋晴れの下、新チームに3人のOB選手も参加して行われた今年3度目の全早慶戦。試合は、リーグ戦でも活躍が見られた岩見雅紀(総2)、沓掛祥和(商3)の適時打で得点を重ねるが、投手陣が粘れず中盤に逆転を許す。最終回に追い上げを見せるが、勝利への想いわずかに届かず惜敗。新チームの初戦を落としてしまった。

 

 

慶大

早大

×

 

慶大:中林、太田、●小原大、亀井―須藤

早大:竹内、○奈須、田中―土屋、吉見

 

1年ぶりにKEIOのユニフォームに袖を通した佐藤。現役時は主将を務めた。

1年ぶりにKEIOのユニフォームに袖を通した佐藤。現役時は主将を務めた。

先攻の慶大は早大の先発・竹内の立ち上がりを攻める。初回、久しぶりのスタメンとなった1番・照屋塁(環2)が初球を中堅に運ぶと、後続の安打、飛球で進塁し、4番・岩見の左安で生還。幸先よく先制点を奪う。しかし、さすがリーグ戦の経験豊富な左腕。2回からは立て直し、2回、3回は三者凡退に抑えられる。再び訪れた好機は4回。5番・山口翔大(環3)が右安で出塁し、二盗を決める。すると、7番・沓掛が「一本で還そう」というベンチの期待に応え、左中間を破る適時二塁打を放ち、早大を突き放す。6回に逆転された後は得点圏に走者を置くことも容易ではなかったが、後がなくなった9回に意地を見せる。先頭の代打・山本瑛大(商3)が左安で出塁すると、代打・木村健人(政3)も四球で続く。照屋の二ゴロで一死1,3塁となり、ここで打席には新主将・重田清一(環3)。外野に大きな飛球を放ち、1点差に詰め寄る。後も続くか、、、と思われたが、一塁にけん制を刺され、3アウト。試合終了となってしまった。

 

 

 

先発の中林。4回無失点と試合を作った。

先発の中林。4回無失点と試合を作った。

一方の投手陣。慶大の先発は中林伸陽(H22年卒・JFE東日本)。先頭打者こそ四球で出してしまうが、その後は打たせて取る投球と自らのフィールディングの良さで、4回を無得点に抑え、試合を作る。5回からは前途有望な1年生・太田力(経1)がマウンドへ。しかし、いきなり先導打者・熊田に右越えの本塁打を浴びると、一死後に八木に右安と二盗を決められる。ここで対するは早大OBの東條。11球粘られるも最後は空振り三振。後続も絶って最少失点で切り抜ける。6回からは小原大樹(環3)が後を受け登板するものの、この日の調子は今一つ。四球と2本の安打で2失点し逆転を許すと、7回も一死から二者連続の四球と飛球で二死1、3塁のピンチを背負い、亀井倫太朗(商2)にマウンドを託す。亀井はボール先行となるが、捕手の須藤隆成(環3)が二盗を刺し、この回のピンチは切り抜けた。しかし、8回には四球で出した走者を犠打と二つの暴投で生還させてしまい、追加点をあたえてしまった。

 

 

新主将の重田。積極的なスイングでも、声出しでもチームを盛り立てた。

新主将の重田。積極的なスイングでも、声出しでもチームを盛り立てた。

 

新制慶大野球部のお披露目となったこの試合。リーグ戦での少ないチャンスをものにしてきた選手がスタメンを勝ち取り、また、埋もれていた原石のベンチ入りも見られた。スター選手団が抜け、派手な得点を挙げることはまだまだ難しいかもしれない。そこで必要となるのが、一つ一つこつこつと勝利に必要なものを積み重ねること。冬は長いようで短い。「個人がチームにおける自分の役割を果たす、曖昧ではない全員野球」(重田清一主将・慶大野球部ブログより)を来年の4月までに完成させてほしい。

 

 

28年前に一度幕を閉じた安部球場。最後に行われた試合は早慶戦だった。そして、今回、安部球場と改名するにあたって招かれた相手も慶大。切っても切り離せない両校の関係はやはり特別である。今秋も最後まで優勝を争った両校。来季もまた、優勝の絡んだ白熱した早慶戦を期待したい。

 

記事:木下

 

 

◆打撃成績

 

 

[6]

照屋塁(環2・沖縄尚学)

中安

 

二ゴロ

 

四球

 

右飛

 

二ゴロ

[8]

重田清一(環3・佐賀西)

右安

 

三振逃

 

遊バ安

 

四球

 

左犠飛①

[7]

佐藤旭(H27卒・東芝)

右飛

 

二直

 

右安

 

三飛

 

 

[D]

岩見雅紀(総2・比叡山)

左安①

 

 

二飛

空三振

 

 

中飛

 

[3]

山口翔大(環3・桐光学園)

右邪飛

 

 

右安

左飛

 

 

左安

 

[9]

松本大希(H26卒・JX-ENEOS)

一ゴロ

 

 

左飛

 

空三振

 

空三振

 

[5]

沓掛祥和(商3・慶應義塾)

 

二邪飛

 

左中2①

 

二ゴロ

 

三ゴロ

 

瀬尾翼(理2・早稲田佐賀)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

須藤隆成(環3・創志学園)

 

空三振

 

右飛

 

遊ゴロ

 

 

 

山本瑛大(商3・South Torrance)

 

 

 

 

 

 

 

 

左安

R

小原徳仁(文2・慶應義塾)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[4]

川崎晃佑(環3・智辯和歌山)

 

三ゴロ

 

 

遊ゴロ

 

三ゴロ

 

 

倉田直幸(法2・浜松西)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木村健人(政3・慶應義塾)

 

 

 

 

 

 

 

 

四球

清水翔太(総2・桐蔭学園)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

安打

三振

四死球

失点

自責

中林伸陽(H22卒・JFE東日本)

15

太田力(経1・桐朋)

小原大樹(環3・花巻東)

1 2/3

10

亀井倫太朗(商2・慶應義塾)

1 1/3

 

 

◆監督・選手コメント

 

中林伸陽(H22年卒・JFE東日本)

慶應のユニフォームを着て野球をやることが出来て良かった。今日の試合では、点を取られなかったので100点満点の投球が出来たと思う。久しぶりに慶應のユニフォームに袖を通してプレーして、応援してくれる皆さんがたくさんいることを改めて実感できた。(後輩の現役選手へ)4年生の抜けた穴をみんなでカバー出来るチームだと思う。今年は早稲田に1勝も出来なかったが、来年は4連勝する気でやってほしい。そうすれば、リーグ戦優勝も付いてくると思う。頑張ってほしい。

 

松本大希(H26年卒・JX-ENEOS)

久しぶりにこのユニフォームを着て、懐かしい気持ちやいろいろ思い出す部分があり、少し恥ずかしかった。久しぶりの大久保監督も変わっていなかった。(社会人野球と学生野球の違いは)社会人野球はや野球をやってお金をもらっているという立場。プレー以前の問題で、アップから違う。プレー以外の部分の細かいところは学生はまだまだ隙があると思う。慶大野球は練習で苦しんで、その分試合ではみんなすごく楽しみながらやっている。そこは慶應の良さ。メリハリがしっかりしている。今日はそういうのを思い出しながらプレーした。

 

佐藤旭(H27年卒・東芝)

1年振りにKEIOのユニホームを着て、現役の選手たちと試合できて、純粋に楽しかった。初心に帰ることができた。慶應はすごく自由で、そういうところで野球をさせてもらえるのは幸せだった。また戻って慶應でも野球やりたいと思える環境だったので、社会人とは違った大学野球の良さを実感することができた。(新チームの主将になった重田さんとはお話を)いや、まだしてないけれども、僕で良ければ参考にしてほしいなと思うので、機会があれば話したい。(新チームの印象は)まだまだ伸びしろはある。まだ始まったばかりなので、いろんなことを吸収してやっていってほしい。最初なのでいろいろとわからないこともあると思うが、全部がプラスになると思ってやってほしい。

 

重田清一主将(環3)

先発の中林さんが試合を作ってくださったが、そこから勝ちきれなかった。冬の課題になった。新チーム初めての試合はとりあえず勝つことを意識した。でもまだまだ見ての通り。この冬でどれだけ厳しく詰めてやっていけるかがこのチームの行く末を左右する。つまり、投手陣はどれだけ粘れるか、打撃陣はどれだけ少ないチャンスをものにできるか、ということ。今日はそこが出来なかったから負けた。

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