【ソッカー女子】関東リーグ後期第1節 定期戦を前に痛すぎる5失点 早大戦

前期は3分4敗、得点はオウンゴールによる1点のみという厳しい結果に終わった慶大。1か月の中断期間が明け、迎えた後期開幕戦は創設史上勝てたことがない宿敵・早大戦。早慶定期戦を10日後に控える中、何とか今リーグ初勝利への手ごたえをつかみたい一戦だったが、絶対王者・早大を相手に思うような攻撃ができないまま立て続けに失点してしまう。0-5の惨敗に終わり、またしてもリーグ戦初勝利とはならなかった。

 

 

第22回関東女子サッカーリーグ 後期第1節

 

2016/6/26(日)14:30KO@慶應義塾下田グラウンド

 

慶應義塾大学0-5早稲田大学

 

【得点者】

[早] 6分 河野 朱里

18分 大井 美波

36分 渡部 那月

51分 大井 美波

75分 熊谷 汐華

 

◇慶大出場選手

 

GK野村智美(総3・作陽高)

DF井原美和(薬2・大和高)

DF下山田志帆(環4・十文字高)

DF栃木栞(環4・十文字高)

DF田中康子(総4・常盤木学園高)

MF鈴村萌花(総2・村田女子高校)→65分 庄司夏穂(総1・聖和学園高)

MF工藤真子(総1・日テレ・メニーナ)

MF中島菜々子(総2・十文字高)→65分 松木里緒(環1・常盤木学園高)

MF宮川渚(理4・成城学園高)

FW堀井美月(環4・常盤木学園高)

FW志鎌奈津美(環2・常盤木学園高)→83分 竹内瑞穂(理4・フェリス女学院)

 

 

リーグ戦前期を最下位で折り返し、後がない慶大は主力の宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)をケガで欠く中、去年まで使用していた5バックのフォーメーションに戻して、後期開幕戦に臨んだ。

 

立ち上がりから試合の主導権を早大に握られる。すると6分、左サイドを駆け上がった相手のクロスボールから早くも失点してしまう。早大の攻撃を防ぎ、何とか攻撃のリズムを作りたい慶大だったが、18分、相手のロングボールがゴールを割り、またしても失点してしまう。その後堀井美月(環4・常盤木学園高)が中盤から前線の志鎌奈津美(環2・常盤木学園高)へパスを出すが惜しくもオフサイド判定。その後も早大の猛攻を何とか凌ぎ、堀井を中心に中盤から前線へパスを出すが上手くつながらず、攻撃のチャンスをつくることができない。35分には中央右からのミドルシュートを決められ、0-3で前半を折り返す。

 

3失点を喫し厳しい展開となった慶大は後半開始直後にゴールを決めるが、またしてもオフサイド判定。その後は再び早大にペースを握られ、51分には右サイドから崩されて4点目を許してしまう。さらに57分には危ない場面を迎えるがゴール前での混戦を栃木栞(環4・十文字高)が中心となって体を張って守り切る。69分にはゴール正面でトラップからのシュートを許すが、野村智美(総3・作陽高)がセーブ。75分には相手のサイドからの攻撃を防ぎ切れずにボールを押し込まれ、5点目を決められる。77分には途中出場の庄司夏穂(総1・聖和学園高)が相手のパスをカットし堀井へボールを送るが早大のDF陣に阻まれる。続く82分には相手のCK攻撃のこぼれ球を拾い、カウンター攻撃を開始。工藤真子(総1・日テレ・メニーナ)が前線に抜け出し相手GKと1対1となるチャンスを迎えるが、GKに止められる。88分にも前線に抜け出すがオフサイドとなる。このまま試合終了。1点も奪えないまま、0-5の惨敗となった。

 

1点が遠い慶大。フォーメーションを変えて臨んだものの、5バックという「形にとらわれて」(岩崎陸監督)しまったことで攻守の切り替えが上手くいかず、前線へボールを送っても攻撃につながらない場面が多く見られた。改めて早大の強さを見せつけられ、得点はおろかシュートすらほとんど打つことができないまま失点を重ね、大敗を喫した。今リーグで初勝利をあげるためには、「まず失点をしないこと、次に得点を取りにいくということ」(田中主将)が必要だ。苦しい状況にはなったが、まだリーグ戦は半分が終わったに過ぎない。何とか勝利への糸口を見つけ出し、少しでも多くの勝ち点を積み重ねていって欲しい。

(記事 伊藤史織)

 

 

試合後コメント

 

岩崎陸監督

(今日の試合を振り返って)集中応援日ということで、試合に来てくれた應援指導部とか、暑い中足を運んでいただいた方にありがたいと思いますし、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(いつもと異なるフォーメーションで戦っていたが)今年に入ってからはずっと4バックだったんですけど、去年まではずっと2年間通じて5バックだったので、元に戻したということです。(5バックはうまくいったか)全然うまくいかなかったです。それはなぜかというと、形にとらわれてしまったからです。結果的には相手のシュート数が15本で、こっちが1本。それは第1戦目と全く変わらないんですが、相手に余裕をもってボールを持たれた分、ゴール前の精度が良くて5点取られたという感じです。(宮田選手がベンチに入っていなかったがけがなのか)そうですね。復帰してすぐなので、今日の公式戦で使うのは無理でした。早慶戦に間に合うかもわからないですね。(攻撃面では裏を狙う場面があったがオフサイドが多かったが)前半悪い中で相手の背後を完全に突く機会もあったのですが、そこの動き出しのタイミングでオフサイドを取られて流れをつかめなかったです。それが相手に脅威を与えられなかった1つの原因かなと思います。(次節への意気込み)前期が終わってから、チームのあるべき姿だったり、目指すところをもう1回確認して、なんで自分たちがこうやって活動しているのかということを確認しながらやってきました。今はまだ自分たちの目標に向けチームとしてやり直し始めているところなので、残念ながら今日は大敗を喫しましたけど、1つ1つ上がっていけるように、謙虚に次の試合に臨みたいと思います。

 

田中康子主将(総4・常盤木学園高)

 (今日の試合を振り返って)前期は自分たちで得点を取れず、勝ち点3も一度も取れなかったという結果を踏まえて、後期の下田でできる早稲田戦に向けて全員で取り組んできました。その結果自分たちも新しいことにチャレンジするということで臨んだのですが、やっぱり自分たちが突き詰め切れていなかったなと実感させられたと共に、自分たちは謙虚にもっと泥臭くやらないといけないなと感じました。(今リーグで未勝利だが勝利に向けて何が必要だと思うか)まず失点をしないことが大事だと思います。その上で去年の自分たちの強みは失点が少ないということだったのでまずそこからやって、次に得点を取りにいくということをやっていきたいなと思います。(次戦に向けて)今日5失点してしまったので守備のところをしっかりと修正して、その上でどうやって得点を取るかというところを突き詰めてチーム全体で勝ちを奪いに行きたいなと思います。

 

宮川渚副将(理4・成城学園高)

 (今日の試合を終えて)前期一勝もできなかったので今季初勝利を目指していたのと、早稲田が相手なので戦術的にも気持ち的にも準備して臨んだつもりだったんですけど結果に繋がらず、シュートもなかったのでまだまだ自分達の課題に向き合わないといけないと感じました。(今日はどのような戦い方を目指していたのか)今日は後ろが5人いて前はツートップだったので後ろで回して縦にボールを入れるということを目指していました。(具体的にどのようなところが上手くいかなかったのか)まずは守備でも攻撃の面でもチャレンジできていなかったところだと思います。守備では玉際のところだったり相手を押し出したりするところ、攻撃ではまだ攻める姿勢が足りなかったと思います。あとは相手が来ているなら相手を見てしっかりとそれを外してパスを出さないといけなかったと思います。(自身のSB起用について)一週間準備する時間があったので康子(田中康子)とかとコミュニケーションをとりながらやれたので特に戸惑いはなかったです。(次節に向けて)どこのポジションになるかは分からないですけどまだチームとしてちゃんとした得点がないので得点を取りに行きたいです。

 

栃木栞(環4・十文字高)

(今日の試合を振り返って)ホームの下田での早慶戦ということで、集中応援日としてたくさんの方に応援に来て頂いて、絶対勝ちたいという思いで臨んだのですが、0-5という大敗で本当に情けないし、来てくれた皆さんに本当に申し訳ないし恥ずかしいという気持ちが強いです。(今日までのチームの雰囲気は)この1週間は新しいフォーメーションにして、この早慶戦に向けて、関東リーグ後期開幕に向けてみんなが主体的に練習に取り組めて、みんなで向かうことができたと思います。(今日の試合を次のレッズ戦に向けてどのように活かすか)新しいフォーメーションにチャレンジして、そこでうまくいかなかった部分の方が大きいですが、うまくいった部分も少しはあったと思うので、レッズ戦ではそのうまくいかなかった課題を修正して、また1週間全員で取り組んで、また下田でできるので、今度は見にきてくださった方に結果で応えたいと思います。

 

堀井美月(環4・常盤木学園高)

(今日の試合を振り返って)今日は初のホームでの早大戦だったんですけど、自分たちがチャレンジすることとか完璧にチャレンジしきれずに終わって、結果大差で負けたのは非常に悔しかったです。(志鎌選手との2トップ気味だったが連携は)練習から2人の連携というのはずっと意識してきて、コミュニケーションを取りながら取り組み続けたんですけど、やっぱり早大相手にどのスペースを使うかとかどうやって2人が関わって(相手の)ディフェンスラインでもらうタイミングとか、そういうところで前半の課題を修正しきれなかった部分で、攻撃に繋げることができなかったのかなと。課題ですね。(中断期間はどのようなテーマで取り組んできたのか)ディフェンスラインからトップにいかに入れるか。トップの2枚が収めて攻撃に繋げるというのを意識してきました。(5失点の完敗だがチームとして改善が必要なところは)守備で全体的にどこで相手にプレッシャーをかけるのかとか、どこで一回セットしてディフェンスをするのかっていう判断が曖昧なところが多くて、中途半端にディフェンスに出てしまって無駄なスペースを使われるみたいな。そういう連携の部分であまりうまくいかなかったです。 (次の試合に向けて意気込みを)前回私はレッズ戦にけがで出ていなかったので、初めてのレッズ戦でレベルの高い相手にはなると思うんですけども、やっぱり自分がFWとしてやるべきこと、できることを全力でやることと、チームとして点を取れていないという部分があるので絶対点を決めるということだけは意識してやっていきたいなと思います。

 

下山田志帆(環4・十文字高)

 (今日の試合振り返って)今日の試合は前期で一勝もできなかったし、早稲田にも勝ったことがないということで、自分たちが色々フォーメーションもそうだし変えてきた中で新しいことにチャレンジするという試合でした。ただ、それをチャレンジしきれずに受け身になった結果が今日の試合だったと思います。(前期と後期の間にした準備)本当にまず、意識としてはサッカーで自分たちがどこを目指しているのかを再確認しました。そのために何が必要なのか、どういう練習が必要なのかをスタッフ含め、チームで再認識していました。(シュートが0だったことについて)5バックで引いて守ったあとに前に出る守備がすごく欠けていました。その分、攻撃に人数をかけられませんでしたし、前向きに自分たちがパワーを持って仕掛けるシーンが少なかったかなと思います。

 

野村智美(総3・作陽高)

 (今日の試合を振り返って)相手が早稲田ということで、部としても初勝利を目指して臨んだんですけど、私が入部して以来味わったことがないほどの大量失点で負けてしまいました。定期戦では引き分けしか経験がなかったし、リーグ戦でも負けても1点差しかなかったので、本当に屈辱的な試合です。(強敵早稲田に対する今日のゲームプランは)毎回早稲田と戦うときは堅固な守備から攻撃へという意識を持っていて、それを今回もやろうとしたんですけど…。(一方的な試合展開になってしまった一番の原因は何だったと考えているか)序盤に早い段階で失点してしまったんですけど、そこから流れを変えるだけの力が無かったのかなと感じてます。個々の技量では早稲田の方が上でもチーム力では負けないと自信を持ってやってきたし、そこが慶應の強みだったんですけど、それが出せずに失点を重ねてしまいました。(個人としての今日の課題は)やっぱり失点が多かったことです。早稲田を相手にしてシュート数で上回られてしまうのは毎回のことなので、それを如何に防いで攻撃に繋げるかということが早稲田戦の毎回の課題なんですけど、それが上手く出来ないと結果には繋がらないなということを改めて身を以って感じたので、そこをもう一度やっていかなければと思っています。(次節に向けて)まだ勝利を挙げられていないので、まず勝つということに拘る。そのためにはやっぱり失点を抑えなければいけないし、慶應の強みであるチーム力という点で、言葉で言うのは簡単ですけど本当にチームで戦うというのはどういうことなのかを、もう一度考えて体現していかなければいけないと思っています。

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