【バスケ】韓国の強豪校に5点差で惜敗。課題が見つかる一戦 vs延世大学校

延世大との定期戦が今年は慶應のホーム日吉記念館にて行われた。今年で9回目を迎える定期戦。昨年の韓国では惜しくも勝利を逃したが、一昨年は延世大に7点の差をつけ初勝利を収めた。2年ぶりに再び日吉で勝利を手にしたい慶大。しかし延世大の選手たちは、日本では類を見ないほど体格の大きな選手が揃い、身長、手足の長さを生かしたプレーを多々見せる。国際戦という独特な雰囲気の中、奮闘した慶大は、あと一歩のところで延世大に及ばず、惜敗した。最終スコアは75対80。

2016/7/8(金)@慶應日吉記念館

第9回慶應義塾大学・延世大学校バスケットボール定期戦

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

12

10

13

40

75

延世大

20

13

27

20

80

◆慶大スターティングメンバ―◆

PG

#4 西戸良(総4・洛南高)

SG

#5 後藤宏太(環4・藤枝明誠高)

SF

#9 鳥羽陽介(環2・福大大濠高)

PF

#7 高橋晃史郎(政3・慶應義塾高)

#11 木村能生(環3・東山高)

 

第1Q序盤、両校ともに最初の攻撃を得点に結びつけることができない時間が続く。この沈黙を破ったのは慶應の主将西戸だった。西戸が初得点を挙げると、その後は、鳥羽のミドルシュート、後藤のフリースローが決まる。一方延世大も得点を重ねていき両者一進一退の展開が続く。慶大はその後高橋を筆頭に延世大に立ち向かった。高橋のアシストを受けた西戸のインサイドからのシュート、続いて自身が得点を決める。しかし、徐々に延世大との点差は開き、8点差で第1Qを折り返すこととなった。

 

この試合、慶應の得点源となった後藤

この試合、慶應の得点源となった後藤

 

第2Qは慶大のオフェンスにとって最も厳しいピリオドだった。開始3分が過ぎるまで得点を挙げることができず、延世大に振り回されてしまう。延世大も決して調子が良いとは言えないプレーではあったが、中盤には9点連続の得点を許し、一時は差が18点まで開いてしまい嫌な流れに。終盤にさしかかり、この流れを変えたのは、後藤だった。自らがシュート3本、フリースロー1本を決めただけでなく、木村のインサイドからのシュートをアシストするなど、苦しい状況のチームにとって非常に大きなプレーを見せた。

 

第3Qは序盤から2つのファウルを犯し、相手にフリースローを与えてしまう。その後、後藤の不意をついた3ポイントシュートや木村のレイアップシュートで追い上げるも、流れを引き寄せることはできず、延世大優位の展開が続く。西戸、高橋がシュートチャンスを得るが、相手のディフェンスに苦戦し、得点には結びつかなかった。点差は25点。前半で抑えられていた延世大の得点力が表に現れたピリオドとなった。

 

少しでも差を縮めたい最終Q。鳥羽のナイスパスから生まれた高橋のシュートを皮切りに、慶大は着実に得点を重ねる。このピリオドでは、相手のディフェンスを攻略し、3ポイントシュートの成功率が非常に高まった。後藤だけでなく西戸、鳥羽も3ポイントシュートを沈め慶大の盛り上がりは最高潮に。また、高橋と木村が相手の一瞬の隙をつくシュートを決めるなど、スタメン全員が最後まで好プレーを見せ続けた。しかし反撃も及ばずあと5点差のところで試合は終了。悔しい敗戦となった。

 

慶大は、第4Qで追い上げを見せ、高身長揃いの延世大に十分食らいつくことができたはずだ。この試合の立役者である後藤も、「秋シーズンに向けてまだまだ自分たちの足りないところというのも今日で本当に明確になった」と語ったように、1年に1度しか戦わない相手だからこそ、その年のチームの状況や課題を明確にできる良い機会となっただろう。春シーズンも終わりを迎え、いよいよ秋シーズンには、9週連続でリーグ戦が行われる。この試合で見つけた課題を克服して挑むリーグ戦での戦いが楽しみだ。

(記事 清野日奈子)

 

阪口HC

(今日の試合は)韓国の選手は大きいから仕方ない部分も有りました。このチームには後2人オールコリアに選ばれている選手がいるくらい、レベルの高いチームなんです。早慶戦が終わった中でも、目的を持ってやろうってことで、せっかく背の高いチームと当たった訳だから、出だしに色々試してみました。最初はゆっくりやるつもりが、逆に後藤とか選手達がストレスを溜めることになってしまいました。(今後の課題は)リーグ戦に向けて色んな事をやっているので、これから選手達と話し合います。夏に合宿が有るのでそれまでに色んなことを考えなくてはなりません。秋のリーグ戦も楽しみにしてください。

 

 

後藤宏太選手(環4・藤枝明誠高)

(試合を振り返って)延世大学との定期戦というのは、春シーズン最後の試合なので、自分たちの中でも関大との定期戦、早稲田との定期戦というのを連勝してきていて、最後も勝とうという意気込みの中でやっていました。試合内容としてみたら、前半離された部分が、自分たちとしては凄く情けなかったかなというのがあって…今日は大きいチームに対しての課題が見えたと思うので、そこを今後修正していければと思っています。(試合前半は)リーグ戦に向けて自分たちでいろんなことを試すつもりでやっていました。うまく行かない、というのは分かっていましたが、個人的にもちょっとイライラしてしまった部分があって、それでシュートタッチ等もぶれて、チームの点が止まってしまいました。個人としてはメンタルの部分というのも、四年生として、エースとして、やっていかなきゃいけないと思っています。(足りなかった点は)個人的な部分ではシュートの精度。チームとしては、相手が大きい中で、関東一部には東海や筑波などこれぐらいのチームが相手になる中で、リバウンドをとられてしまったり、センター陣もディフェンスの部分で、ガード陣も、もっと寄りきれる部分があったのかな、と思います。(後半かなり3Pが入っていたが)後半になってやっと少し入って来ましたが、まだ足りない、っていうのが自分としてもあるし、チームとしてもあります。後半だけ入ってる、と周りの人が見て思う、ということは、前半の部分でまだまだ駄目なところが多いという事なので、試合を通して常にいいパフォーマンスができるように頑張りたいと思います。(今後の課題や意気込みがあれば)今日の延世のように、秋シーズンに向けてまだまだ自分たちの足りないところが今日で本当に明確になったと思うので、秋は、目標はもちろん最終的には日本一を目指しているので、またここからリーグ戦まで2ヶ月くらい、基礎からみんなで頑張っていこうと思います。

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