【ソッカー男子】 第12節 ポジティブな内容も後期開幕戦を勝利で飾れず 日体大戦

3か月間の中断期間を経て 、再び熱き戦いが再開した。関東一の大学を決める関東大学サッカーリーグ戦の後期が開幕。前期を52分け4敗の5位で折り返した慶大であったが、11試合で20失点と守備に課題を残した。今節の相手は、第6節で無念の逆転負けを喫した日体大。何としてでも勝利して、勢いをつけたいところだ。前半、テンポのいい攻撃を見せた慶大は10分、松木駿之介(2・青森山田高)のゴールで幸先よく先制。16分に同点とされるも、47分に宮地元貴 (4・東京ヴェルディユース)のゴールで勝ち越し、2-1で前半を折り返す。後半は膠着した展開の中、粘り強い守備でリードを保っていたが、68分に失点。さらに83分にも失点し、逆転を許した。残り10分の反撃も及ばず、開幕戦を勝利で飾れなかった。

慶大スターティングメンバー

慶大スターティングメンバー

第90回関東大学サッカーリーグ戦 第12節

2016/9/11 (日) 14:00KO @県立保土ヶ谷公園サッカー場

慶應義塾大学 2 – 3 日本体育大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕10分 松木駿之介(近藤貫太)、47分 宮地元貴

〔日〕16分 川戸大樹(関戸裕希)、68分 川戸大樹(福田圭佑)、83分 高井和馬(高野遼)

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF手塚朋克(環3・静岡学園高)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF落合祥也(商1・横浜FCユース) →86分 MF小谷春日(環2・藤枝東高)

MF宮地元貴 (総4・東京ヴェルディユース)

MF近藤貫太(総1・愛媛FC)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)

FW渡辺夏彦(総3・國學院久我山高) →76分 FW加瀬澤力(総4・清水東高)

FW池田豊史貴(総3・浅野高)

 

フォーメーション4-4-2。注目はMF近藤貫太(総1・愛媛FC)と、FW池田豊史貴(総3・浅野高)の二人だ。近藤は、J2愛媛FCで2年間プレーし、今年慶大ソッカー部に復帰した。紆余曲折があったとはいえ、芸術的なボール捌きは慶大の大きな力になるに違いない。池田は、サッカー強豪校とは言えない、進学校浅野高校出身。身長182センチ、体重78キロの屈強なフィジカルを武器に相手ゴールに襲い掛かる。

 

前半開始から、慶大はテンポのいい崩しで相手ゴールに迫る。まずは6分、池田、渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)、近藤とつなぎ、最後は松木駿之介(総2・青森山田高)が裏へ抜け出し、チャンスを作る。

そして10分、華麗な崩しから待望の先制点が生まれる。近藤が渡辺とのワンツーで抜け出しPA内に侵入し、横にいたフリーの松木にパス。これを松木が冷静に流し込み先制に成功する。

先制ゴールを決めた松木

先制ゴールを決めた松木

先制後は日体大が攻勢を強める。16分、右サイドの浅い位置から上げられたクロスにヘディングで合わせられ、同点とされた。

その後は一進一退の攻防を繰り広げた。慶大は近藤を中心にパスワークで相手の守備陣を崩しにかかる。27分には裏へ抜け出した右サイドバック手塚朋克(環3・静岡学園高)のクロスに豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)がフリーで合わせるも枠の外。一方37分、日体大の10番高井に個人技で突破されピンチを迎えるもGK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)の攻守で難を逃れた。

迎えた47分、 井上大(総4・國學院久我山高)のミドルシュートから得たコーナーキックのチャンス。池田のヘディングシュートは相手ゴールキーパーに阻まれたが、宮地元貴 (総4・東京ヴェルディユース)がこぼれ球を押し込み、勝ち越しに成功した。頼れる主将の得点でリードを奪い、前半を折り返す。

主将宮地がこぼれ球を押し込む

主将宮地がこぼれ球を押し込む

後半は均衡した展開が続いた。60分過ぎまで両チームとも、これといったチャンスを作れないまま、時間が過ぎていく。慶大は粘り強い守備で相手にチャンスを与えなかった。

68分、近藤がミドルシュートを放つもキーパー正面。その直後パスミスを相手に奪われると、日体大MF川戸が左足でミドルシュート。これがゴール左隅に突き刺さり、再び同点とされてしまう。

76分、やや疲れの見えていたFW渡辺に代え、加瀬澤力(総4・清水東高)を投入。得点を狙いに行く。しかし、83分右サイドを突破され、クロスを上げられると10番高井に頭で合わせられ、痛恨の失点。一瞬の隙をつかれ、慶大は劣勢に回った。

池田は前線でボールを収め続けた

池田は前線でボールを収め続けた

86分、スピードが持ち味のMF小谷春日(環2・藤枝東高)を投入。なんとか同点に持ち込みたいところだ。終盤は池田を中心にパワープレーを仕掛け、相手ゴールに迫ったが1点が遠く、タイムアップ。後期開幕戦は2-3で黒星発進となった。

 

後期の初戦を白星で飾ることはできなかったが、ポジティブな内容だと言えるだろう。特に前半はリズムのいいパス回しで何度も相手のゴールに迫った。長身FW池田に一度当てて崩しにかかるという新たなスタイルも確立。また、前期に課題が残った守備陣も一定の手応え掴んだはずだ。失点シーン以外は特に崩されるシーンはなく、安定したプレーを披露。あとは失点につながるようなミスをチーム全体で減らし、クロスへの対応の精度を高めていくのみ。関東制覇へ向けた慶大ソッカー部の挑戦が再び始まった。

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試合後肩を落とす慶大イレブン

(記事 佐賀裕真)

 

試合後コメント

 須田芳正監督

 (今日の試合を振り返って)後期の初戦で、大事なゲームで勝利を目指していたんですけど、結果が出なくて残念です。内容としては我々のやろうとしていることが全体的にはできたと思います。2-1になってブロックを作ってしっかり守ろうという感じで、ゲームの流れもうまくコントロールできていたと思います。ちょっとしたミスで、失点したシーンがあったとはいえ、ゲームコントロールという点では決して悪くなかったと思います。戦い方はこのままで細かい部分をレベルアップさせていこうと思っています。(後期開幕に向けて練習で取り組んでいたこと)前期失点が多かったので、守備に重点を置きました。どれだけボールに寄せるかだったり、カバーの面だったりです。ただ今日3点取られたので、もう一回修正しないとですね。クロスからの失点もマークがついていなかったので、もう一回守備を確認しないとですね。(加瀬澤選手、小谷選手投入の意図)2-2で状況が落ち着いたので、疲れていた渡辺のところに加瀬澤を入れて、間でもらえるように、そして前を向いてシュートを打ってほしいという狙いでした。2-3になり、攻撃的に行かなきゃいけないので、ワンボランチにしてトップに足の速い小谷を入れて、攻撃に厚みをつけようという意図でした。(スタメンで起用した池田選手の評価)彼に求めていたのは前線でのターゲット役でした。キープしてほしいというよりは、相手のCBに対してハードワークしてほしいという狙いでした。彼はすごく良かったと思います。こちらが期待していた以上のプレーをしてくれたので、今後も期待しています。我々の新たな戦い方が出てきたと思います。(スタメンで起用した近藤選手の評価)相手の左サイドをつぶそうという考えの中で、そういうプレーを100パーセントしてくれました。もちろん3点目を決められたにせよ、ほぼ相手の左サイドからの攻撃はなかったと思います。攻撃の面でもいい部分が出てきたし、今後は得点にももっと絡んでいってほしいです。(次の試合に向けて)中二日なので、まずは気持ちを切り替えたいです。今日は決して悪くなかったので引き続きやっていくのと同時に、失点の部分であと一歩でも寄せるとか、反省点はあると思うので、その点を確認します。チームが一つになって次の試合に挑もうと思います。

 

宮地元貴主将(総4・東京ヴェルディユース)

 (今日の試合を振り返って)前半はリードで折り返した中で、後半は自分たちのサッカーができたんですけど、勝負所でやられてしまうと試合は勝てないんだと改めて感じた試合でした。(自身の得点を振り返って)前半最後のチャンスだったので、思い切っていこうと思っていたら、目の前にボールが来たので、押し込むだけでした。(後期開幕戦に懸ける想いは強かったか)前期は関東リーグ優勝という目標を掲げる中で十分な結果ではなかったので、後期は開幕戦にしっかり勝って、波に乗りたいところでした。 (後期開幕にむけてチームとしてどんなことを心がけて練習をしてきたか)ディフェンス面であれば、人に寄せるところを詰めてきました。オフェンス面では行き当たりばったりになるのではなく、狙いを持った攻撃をしようと、ポゼッションをしてゴールに迫るという攻撃をしようと心がけてきました。今日の試合でも、そういったことを出せたシーンはあったので、あまり悲観的にはならず、次の試合もやっていきたいです。(次の試合に向けて)試合は待ってくれないので、ここで下を向かず、もう一回開幕戦のつもりで戦いたいです。

 

池田豊史貴(総3・浅野高)

 (今日の試合を振り返って)前半良い形で2点取れて、良いサッカーをしている状況で、最後あのような形で逆転されたという事は、本当に悔いが残るし、勝ち点3を落とした試合でした。(後期リーグ戦の初戦でスタメン、フル出場となったが)前期は途中出場しかしていなくて、後期の最初から出るということについては少し緊張したのですが、試合に出たら緊張もなくなって、味方の応援も力になって、自分のプレーを出せたと思うので、そこは応援してくれる仲間に感謝したいと思います。ありがたい環境にいると思っています。(前期リーグ戦が終わってどのような点を伸ばしてきましたか)チーム的には失点が多かったので守備を強化しようということで、間をつめることだったりをチームとして合わせてきました。自分としてはゴール前にもっていく迫力だったり、競り合いで競り負けても味方のところにボールをこぼしたり、味方に繋ぐことだったりと自分の長所である体の強さを使って、やれることを伸ばしていこうと思って夏休みやっていました。(リーグ戦での個人目標とチーム目標)まずは個人としてはリーグ戦で点を取りたくて、チームを勝たせるような存在になっていきたいです。チームにもたくさんライバルフォワードがいるし、他のチームにも良いフォワードがいるので、そういう選手と切磋琢磨してチームを勝たせる選手になりたいです。チームの目標は前期から言っているように優勝目指していて、後期の開幕は負けてしまったんですけど、あと10試合ある中で、そこでいかに勝つサッカーをして勝ち点を取れるかということが大事になってくると思うので、自分も点を取って勝ち点3を取れるように頑張っていきたいです。(次節へ向けて) 3日後に流経大と試合があるので、次を落としたら本当に厳しくなるので、絶対に何が何でも勝つと言う気持ちで、自分の役割を果たして、チームに勝利をもたらすことができるように頑張ります。 

 

松木駿之介(総2・青森山田高)

(今日の試合を終えて)強かに戦えなかったというか、我慢できずに逆転されてしまった事は後悔が残りますし、もったいない試合だったと思います。(後期の開幕戦だったが)開幕3連戦の初戦ということで、みんな気合を入れて今日の日体大戦に向けてやってきたんですけど、結果が出なくて残念です。でも、またすぐ近くの流経大戦に向けて頑張りたいです。(先制点の場面について)(近藤)貫太さんが抜け出した瞬間に数的優位を作るというか、自分にパスが来なくても貫太さんがシュートを打ちやすいようにとか、当然パスがくれば自分でも得点できますし、そういう動きをできた事は自分の強みとであり、良かったところだと思います。シュートも、迷ったんですけど、しっかり最後までキーパーの動きを見て決めることが出来たので、自分らしい良いゴールだったと思います。(目指していた攻撃の形は)今日はFWに池田さんと(渡辺)夏くんがいたので、特に池田さんには一旦ボールを当てて、池田さんが半径5メートル以内に落としたこぼれ球を拾って行くという形と、夏くんはギャップでボールを受けることができるので、そこに入った時に湧き出るように上がっていくという形を目指していました。(全日本大学選抜の台湾遠征にも参加したが)全日本大学選抜は全国からトップレベルの選手達が集まるので、その中でやれたのは良い経験をさせてもらったと思います。ただ、関東の試合のレベルもすごく高いと思うので、普段その中でやっている分ゲームスピードへの慣れだったりは結構自分の中でも余裕が出てきたと思います。(リーグ後半戦の目標は)チームとしての目標はもちろん関東1位なので、今首位の明大とは勝ち点差が7で、今日負けてまた差が開いてしまったと思うんですけど、まだ後10試合あるので諦めず最後まで戦っていきたいです。個人としては、まずはチームの勝利に貢献することです。それは得点もそうですし、後は守備の部分でももっとチームの勝利のために汗をかける選手になっていきたいです。(中二日で迎える次節に向けて)相手は流経大で知っている選手も沢山いますし、なかなか勝てていない相手なので、まずは勝ち点3を奪いに行くこと、そのために自分が得点するということが最大の役割だと思うのでそこを目指してやっていきたいと思います。 

 

近藤貫太(総1・愛媛FC)

(試合を振り返って)試合自体は負けてしまって悔しい気持ちでいっぱいです。(夏の間に取り組んできたこと)思ったより時間が長かったので、そこからチームをまた作り上げていくのかという感じでした。それだけ長い時間があったので、コミュニケーションの部分や体力作りの部分を高めていきました。僕が入ったからどうこうというわけではなくて、トップチーム自体が一から作り上げてきて、ここにきていい感じに仕上がっていると思います。(前期の開幕戦で敗れて、後期の開幕戦をどう位置づけていたか)すごい大事な試合であることは間違いないんですけど、11試合のうちの一つですし、勝ったら勢いが付くなとは思っていましたけどすぐに試合があるので切り替えてやっていきたいです。(最後左サイドに回ってきた狙いは)僕らがボールを持つ時間が長くて、相手の左サイドがストロングだったので、どうしても点を取りに行かなければいけない状況でした。だから、僕がボールを触ることによって攻撃に参加したいなと思っていました。

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