【フェンシング】男女6種目で全敗・・・優勝を逃す 早慶戦

ガッツポーズをする杉山主将

創部75周年を迎えた慶大フェンシング部。彼らにとって今年最後の戦いである第64回早慶対抗フェンシング競技定期戦大会が11月13日に行われた。勝って今シーズンを締めくくりたいところだったが、強豪・早大の前に思うようなプレーができず、男女6種目で全敗という結果に終わり、優勝を逃した。

(試合のスコアについては一番下を参照)

 

 

 

 

 

フルーレとサーブルに出場した三宅(写真はフルーレ)

まず1番最初に行われたのは男子フルーレ。エース三宅(文3)と期待の1年生・笠井(政1)を擁する慶大にとって勝っておきたいところだったが、早大の前に劣勢の展開に追い込まれてしまう。「早稲田に気合が入っていた分なかなか立ち上がることができなかった」(井出監督)。終わってみれば11-45の大差で敗北。幸先の悪いスタートとなってしまった。

その後の種目でも早大の前に苦戦を強いられた慶大だったが、5番目に行われた男子サーブルで見せ場を迎える。26-30で3度目の出番を迎えた久保(政2)が8点を奪い1点差まで追い上げる。だが後続が得点を重ねることができず、早大に逃げ切られてしまう。

引退試合で活躍した小林

最後の女子エペも、この試合で引退となる小林(理4)が合計で18点を奪う活躍を見せたが、敗北。男女6種目で勝利をあげることはできなかった。

今回の早慶戦は「地力の差を見せつけられた」と杉山主将が振り返るように、課題を残した結果となった。来年は杉山主将と三宅のラストイヤーとなる。さらに高校で実績を残した笠井も2年目を迎え、戦力では充実するといえるだろう。来年の慶大フェンシング部の活躍に期待したい。

By Ryutaro Moto

男子フルーレ
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
笠井 1 1 5 5 鬼澤
三宅 4 5 10 5 谷口
久保 0 0 15 5 北川
笠井 0 0 20 5 谷口
久保 0 0 25 5 鬼澤
三宅 1 6 30 5 北川
久保 2 8 32 2 谷口
笠井 3 11 40 8 北川
三宅 0 11 45 5 鬼澤
男子エペ
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
三宅 5 5 0 0 鬼澤
杉山 4 9 8 8 萩原
橋野 3 12 13 5 西森
三宅 4 16 20 7 萩原
橋野 1 17 23 3 鬼澤
杉山 4 21 27 4 佐藤
橋野 4 25 35 8 萩原
三宅 6 31 40 5 佐藤
杉山 3 34 45 5 鬼澤
男子サーブル
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
石川 5 5 1 1 樺沢
久保 5 10 9 8 北川
5 15 12 3 佐々木
久保 5 20 18 6 佐藤
石川 5 25 24 6 佐々木
1 26 30 6 北川
久保 8 34 35 5 佐々木
2 36 40 5 佐藤
石川 2 38 45 5 北川
女子フルーレ
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
中林 2 2 5 5 佐々木
新井 0 2 10 5 平石
小林 5 7 15 5 田村
新井 1 8 20 5 佐々木
中林 1 9 24 4 田村
小林 2 11 30 6 平石
新井 0 11 35 5 田村
小林 1 12 40 5 佐々木
中林 3 15 45 5 平石
女子エペ
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
新井 1 1 5 5 田村
小林 7 8 7 2 渡辺
中林 3 11 10 3 平石
新井 0 11 10 0 渡辺
中林 2 13 18 8 田村
小林 5 18 22 4 平石
中林 5 23 26 4 渡辺
新井 1 24 26 0 平石
小林 6 30 40 14 田村
女子サーブル
慶大 早大
選手 突数 スコア スコア 突数 選手
小林 1 1 5 5 佐々木
中林 4 5 10 5 真所
新井 0 5 15 5 多田
小林 1 6 20 5 真所
新井 1 7 25 5 佐々木
中林 0 0 30 5 多田
新井 0 0 35 5 真所
小林 0 0 40 5 多田
中林 1 8 45 5 佐々木
井出監督

(今日の試合を振り返って)インカレで17年ぶりに勝つことができて今日もそういった意味で期待していたんですが、早稲田が雪辱に燃えていて気合が入っていた分なかなか立ち上がることができませんでした。(今年一年を振り返って)成長してきているとは思うんですけど、他の学校も強いところがあるので、それなりの成績は残せず、残念な一年でした。(今年は勝負の一年と位置付けていたが)去年と確かにチームのメンバーがほとんど変わっていなくて、もうちょっと頑張ってほしかったのですけど、来年こそということですね。(唯一の4年生の小林選手が引退となるが)最後は小林一人になってしまったが、それまでは何人かいて一緒に練習をやっていたんですけど、小林は最後まで頑張ってくれたし、負けたけど最後まで粘った姿を後輩に見せたということで本当によかったと思います。(今年は創部75周年だが)75周年はこの前盛大に祝うことができて、今日も多くのOBに来ていただいた。そういう中で1つの種目でも勝ちたかったというのが本音なんですけど、それに花を添えられなかったのが残念です。(今日の試合で見えた課題は)早稲田は決して弱い相手ではないが、そういうところが気合が入ってくるとさらに強くなるので、慶應は技術があるんですけど、気力を充実させて、前向きの姿勢でやるということを学んでほしい。(来年の目標は)今リーグ戦でエペが3部なんですけど、これをあげて、フルーレは三宅がいるうちに2部で優勝して1部に上げるということを目標にやっていきたいです。

杉山主将

(今日の試合を振り返って)悔しい結果に終わり、地力の差というのを見せつけられました。今年は4年生が少なくて3年生中心のチームだったので来年力をつけて頑張りたいです。(自身の出来は)僕自身の出来はそんなに悪くなくて、調子もいい方だったんですけど、相手の技や早さが勝っていたのかなという感じですね。(他に早大の印象は)とにかく強いということです。(主将として1年間やってこられたが、意識してきたことは)フェンシングは3種目別の競技のようになってしまうので、同じ練習場で練習していてもどうしても3つの部がばらばらで練習しているかのようになりがちなので、種目間のコミュニケーションや先輩後輩のコミュニケーションを重視していて、とにかくチームワークを高めるということを意識してやってきました。(今年の代の印象は)わりと仲がいいというのがあって、普段からワイワイやっているんですけど、もうちょっと上位に食い込めるような底時からが足りないと思うのでそこを身につけていきたいです。(来年も主将を続けるのか)はい。(来年1年間の目標を)今種目ごとに1部2部あって、男子フルーレが2部でやっているんですけど、三宅や高校の時に実績を残してきた1年の笠井といった選手の力を使って来年1部に上げたいと思います。それと男子エペが3部まで落ち込んでいるんですけど、それを必ず2部にあげるというのが目標です。

三宅

(今日の試合を振り返って)前回行われたインカレに引き続いて早稲田に勝てるかなとおもったのですが、前回のリベンジということで早稲田はすごい気持ちを入れてきて、こちらが大敗を喫してしまったことに非常に悔しいと思うと共に、流石にライバルだなと感じました。(早慶戦への意識は)選手たち全員にすごい意気込みがあって、インカレ終わった後はずっと今日に向けて練習してきました。でもその練習の成果を出すことは残念ながら出来ませんでした。(世界でご活躍されていますが、慶應の仲間と共に戦うことはやはり特別ですか)そうですね、非常に楽しいです。海外で試合をする時はナショナルチームとして戦いますが、大学に戻ってきて大学生として、また部活として勝負を楽しむことが出来るので、とてもやり甲斐があります。(来年はオリンピックがありますが)オリンピックに出場することはマストで、そこから自分の経験値の向上につなげていきたいので、団体ではメダルを取り、個人ではベスト8に入るという目標を掲げてやっていきたいです。(4年生として来年はどのような年にしたいですか)卒業したいという所もありますが(笑)、やはり総まとめというか、4年生だからこそ出来ることが多くあると思うので、それをフルに活用して、具体的には後輩をしっかり盛り上げて、リーグ戦で1部を狙いたいと思います。

小林

(今日の試合を振り返って)女子は男子と違って人数が少ないので、3種目全て出ることになるんですね。そして、最後のエペという種目にみんなで力を入れてここまできました。慶應は私と3年生のもうひとり以外は大学からフェンシングを始めた子たちなのに対して、早稲田はスポーツ推薦の方もたくさんいるなど、実力差があることはいつも意識して厳しい練習をしてきました。結果的に負けたことはすごく悔しいですが、ここまでやってきて良かったと思いました。(ご自身にとって最後の早慶戦でしたが)そうですね…部活としても4年間最後ですし、卒業する私の他に留学してしまう子もいるので、このメンバーで試合をするのも最後になってしまいました。そういう意味で本当に今日は最後尽くしになりました。夢にまでフェンシングを見るような練習をしてきて、たくさんのOB・OGの方にお世話になったり、一緒に練習をしている男子から体力的なことも気遣かってもらったりと、本当に感謝の一言に尽きる4年間だったと思います。(これまでの4年間を振り返って、1番に思い浮かぶことは)そうですね……やっぱり部員みんなの顔ですね。(これから後輩の方々に期待されることは)4年間、フェンシングをやり通して欲しい。その中で、気づかないような所で自分が支えられているということを学んでもらいたい。今つらかったり、問題に直面しても、それが後には活きてくるということを言いたいです。

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