【ソッカー男子】 第6節 終了間際の劇的ゴールでからくも引き分け 流経大戦

今シーズン初先発を果たした武藤

前節は終了間際に追いついたものの、昇格組の日体大に勝ち点3を得ることができなかった慶大。目標としているインカレ出場に向けて、勝利が必要な今回の一戦は2日前の試合とはうって変わって快晴の中行われた。試合は後半に先制を許すも、敗戦濃厚と思われた後半ロスタイム、クロスのこぼれ球を磨見朋樹(文2・横浜FCユース)が押し込んで追いつき、そのまま試合終了。荒鷲イレブンが「最後まであきらめないで戦った」(須田芳正監督)結果、前節と同様に終了間際の同点弾で勝ち点1を獲得した。
 
2012/5/5(土)13:50KO   厚木市荻野運動公園競技場
慶應義塾大学1(0-0)1流通経済大学
【得点者(アシスト者)】得点者 64分 黒田拓真(流経大)、90+3分 磨見朋樹(慶大)
◆慶大スターティングメンバー
GK 峯達也(政2・桐光学園高)
DF 保田隆介(法2・横浜F・マリノスユース)
DF 松岡淳(商4・慶應湘南藤沢高)
DF 松下純土(総3・國學院久我山高)
DF 岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)
MF 増田湧介(環2・清水東高)
MF 曽我祐馬(政4・慶應NY学院高)63分山浦公裕(商4・FC東京U―18)
MF 磨見朋樹(文2・横浜FCユース)
MF 森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)58分赤木努(経4・大宮アルディージャユース)
MF 長尾賢太郎(総2・ヴィッセル神戸U-18)74分近藤貫太(総1・愛媛FCユース)
FW 武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)
 

今節欠場した藤田主将に代わってボランチの一角を任された曽我

試合は前半開始早々、慶大がチャンスを作る。前半3分、長尾賢太郎(総2・ヴィッセル神戸U-18)のコーナーに森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)がヘッドで合わせるも、惜しくもゴールの上に行ってしまう。その後も前半17分には長尾が自らシュートを放つもゴールには至らず。慶大はボールを支配するも決定的なチャンスをなかなか作れない。その後は徐々に流経大にもエンジンがかかり、試合は一進一退の攻防になる。前半27分には武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)がドリブルで仕掛けるも枠を外れる。一方の流経大は前半32分にコーナーからシュートを放つ。これはキーパー正面だったものの、ピンチは続く。前半42分には、相手のシュートがゴールポストに直撃し、このこぼれ球をゴールに入れられるも判定はオフサイド。前半はお互い決め手を欠き、スコアレスで折り返した。

後半の立ち上がりは完全に流経大ペースになる。慶大がなかなかボールを奪えない中、後半11分に相手がシュートを放つが、これをキーパー峯達也(政2・桐光学園高)が見事なセーブをみせる。そんな試合の流れを変えるべく、後半13分には森田に代えて赤木努(経4・大宮アルディージャユース)を、後半17分には曽我祐馬(政4・慶應NY学院高)に代えて山浦公裕(商4・FC東京U―18)を投入する。しかし、後半19分、右サイドからの相手のクロスのこぼれ球を押し込まれ、3試合連続で先制点を許す。しかし、これで目が覚めたのか徐々に慶大が試合のペースを握り始める。後半28分には武藤が一対一になるも惜しくもゴールには至らない。その直後、長尾に代わり近藤貫太(総1・愛媛FCユース)が投入される。後半41分には相手フリーキックからのカウンターで近藤がシュートを放つも惜しくもバーの上にいってしまう。後半43分にはキーパーと相手選手が競る展開となる場面もあったが、この時間帯は慶大の選手が諦めずに怒涛の攻撃をみせる。そして試合終了間際、後半ロスタイム、クロスのこぼれ球を磨見が押し込み、起死回生の同点ゴールを決め引き分けに持ち込んだ。

終了間際に同点ゴールを決めた磨見

最後まで諦めない気持ちが2試合連続で勝ち点1をもぎ取る結果となった。しかし、「インカレ出場を目指している以上」(松岡淳副将・商4・慶應湘南藤沢高)、この2試合は両方とも勝たなければならない試合だった。特に今季は先制点を与えるケースが多く、試合を通してペースを握ることが今の慶大には求められるだろう。また、これからは筑波大、専修大、早大といった強豪との戦いが待っている。4位以内に向けて諦めない心をもって一戦一戦を戦い、次の明治戦では勝ち点3を獲得することを期待したい。

 (記事・住田 孝介)

◇試合後コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)まあ、3日の日体大戦もそうだけど、最後まであきらめないで戦ったことは評価しますが、これを最初からやっていればとは思います。勝ち点3をとることはそう簡単なことじゃないし、失点してからあれだけ頑張っても最初から90分間やんないといけないと思っています。そんなに甘くはないので、まずはそこからやんないといけないと思っています。(今日は近藤選手がベンチスタートでしたが)まあ、疲れ気味だったこともあり、四年生もいるし、本当は前列の選手を前の試合から全員変えようと思っていましたが、怪我の問題もあるし、本当は武藤も70分位を考えていたし、平戸も体が動かない。そういうのも考えて、今日はこのスタメンにしました。(土壇場の得点で勝ち点1を得た形になりましたが)最後まであきらめず、慶應魂を見せつけることができたけど、早くああいった形を作らないといけなかったので、そういう意味で我々のサッカーはできていなかったです。結果だけ見れば1-1ですが、内容の面で修正を入れないといけないと思っています。今度の試合は一か月後だし、前期がちょうど半分終わったので、また新たな開幕だと思って修正していきたいと思います。(今季は先制点を与えるケースが多いですが)まあ、全体的にディフェンスの面で、一対一だったり、体を張る場面だったり、球際だったりとかがあまりにも緩いです。また、それと同時にポジショニングを早くにやるとか、カバーリングをとるとかができているときもありますが、90分間出来ていないので、勿論どの大学もレベルが高いので、そこの隙をつかれるので、まずは基本的なポジショニングだったり、球際だったりの部分を90分間続けていかないと失点をするし、先制点を取られる可能性も高くなりますね。そこの部分を修正していかないといけないと思います。(今日は藤田選手が出場停止でしたが)彼が出なくてもレベルが下がらないのが理想ですけど、やはり柱だし主将だしやはり大変でした。(ここまで6試合戦った上でのチームとしての手ごたえは)やっぱりここまで勝ち点を重ねられていないので、勿論ここ2試合よく引き分けたけれども、勝ち点3をとるためには90分間ベースの部分をしっかりとさせつつ、質の高いパスワークやディフェンスを全員がサボらずにやるといったことがなかなか今期はできていないので、勝ち点3は与えてくれないといったところで、次の明治も質の高いサッカーをしてくるので、我々も質の高いサッカーをしないといけない。一戦一戦徐々に成長しないといけないですが、気持ちの部分に修正の重点を置いてしまうと、技術面での修正ができないので、そこの部分に気を付けたいと思います。(武藤選手について)90分戦う体力はありますが、天候次第ではぬかるんでいたりすると彼自身が怖く思っており、まあ、1年間試合に出ていないので、時間が解決してくれると思います。彼の状態もプレーのキレも60%くらいです。

DF松岡淳副将(商4・慶應湘南藤沢高)

(今日の試合を振り返って)先制点を与えてしまったということで、守備陣はふんばらないといけないし、最後追いつけた点についてはやっと慶應らしいサッカーをすることができましたが、前期が半分終わって勝ち点5というのは納得していないです。(今日は藤田選手が出場停止でキャプテンでしたが)息吹がいなかった神大戦はひどい内容だったので、今日は出ているメンバーで慶應らしいサッカーをしていきたいという話をしましたが、勝たなければいけない試合で勝ちきれなかったので、残念です。(ディフェンスで気を付けたことは)まず、セットプレーの時は、相手のミスとかがあれば積極的に奪いに行くことですが、前半はあんまりできていなかったです。(チームの状況は)前期が半分終わって勝ち点5というのはチームとして危機感を持たないといけないし、現実を受け止めていかないといけないと思っています。(今期は先制点を与えるケースが多いですが)チームとしてもそれは問題意識を持っていて、特に前半の半分過ぎたあたりの失点が多いのですが、そこはディフェンス陣は特に気を付けています。(次戦の明治戦に向けて)明治の順位的にも負けられないですし、インカレを目指している以上1勝して波に乗らないといけないと思っています

MF赤木努(経4・大宮アルディージャユース)

(久しぶりの出場となりましたが振り返って)点を取っていこうということで出ていったんですけど、自分が出てから失点してしまって。今日は何としても勝ちたい試合だったので、最後追い付けたのは良かったですけど、自分にもチームにも合格点は付けられないですね。(試合に出られない期間が長かったが、その間モチベーションは保てていたか)いや、モチベーションは常に高く保てていました。1節、2節で結果を残せなかったので、出られないのもしょうがないなと思っていましたし、次出たときに最高のパフォーマンスが出せるように準備していました。(6戦終わって勝ち点5という結果だが、今のチームの状況は)去年から8人4年生が抜けて、手探り状態で入ったリーグ戦だったんですけど、今日の試合でやっと掴めた感じもあって、チームとしても少しずつまとまってきているので、前期あと5節を全部勝つという気持ちで、これからスイッチが入っていけばと思っています。(掴んだというのは具体的には)後半自分が入ってからピッチの中で感じたのは、戦術どうこうというよりも、慶應魂とよく言われますけど、そういうものを全面に出して1人1人が戦うということを自分自身もやることが出来ましたし、仲間からもそれを感じられたというのが本当に大きいです。戦術的な部分もありますけど、1番大事な所というのをピッチで感じられたのが良かったかなと思います。(これからは上位チームとの戦いが続くが)さっきも言いましたけど、とにかく気持ちを強く持って、身体を張ってから始まると思うので、戦術云々というよりも、やるべきことをしっかりと泥臭くやっていきたいと思います。

DF岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)

(今日の試合を振り返って)正直、勝ち点3取りたかったです。結果的に勝ち点1取れたんですけど、やっぱり相手も下位だったし、インカレ圏内の4位以内を目指す上で今日は勝ちたい試合だったんで結果は残念です。(今日の岩田選手自身の出来は)まずは守備のところで、ディフェンスなので。相手との1対1で負ける部分もあったし、個人としては全然納得いってない部分もあるし。攻撃のところで最後チャンスを生かせなかったっていうのもあるので、次の試合までに改善していきたいと思います。(今日は風が強かったが岩田選手が気をつけたことは)特に後半は風下でボールが止まるんで、ファーストディフェンスとカバーのとこだけしっかり意識していたんで、そんなに問題はなかったです。(開幕6試合を戦ってまだ1勝しかできていませんが、勝つために必要だと思うことは)まずは一人一人がベースの部分で切り替えだったり球際のところだったり、そのサッカーのベースの部分を一人一人が見つめ直してやることと、あとチームとして攻撃の形だったり、守備も一人一人体を張るとかそういうところをもうちょっと詰めてやっていければいいかなと思います。(次節への意気込みを)上位にいくために、落とせない試合なんで、これから明治戦に限らず、残りの試合全部そうだと思うんですけど、勝ち点3取れるように、最後まで頑張りたいと思います。

MF磨見朋樹(文2・横浜FCユース)

(GWの最終戦ということで、どのような気持ちで最終戦に望んだか)この試合が終われば次一週間空くということで、この試合絶対負けられないということで、気持ちを入れて入ったんですけど、なかなか難しい試合だったかなと思います。(終盤のゴールを振り返って)これまでの試合も結構チャンスがあったのにも関わらず決められずにチームに迷惑かけてきて、今日の試合も一試合通じてなかなかいいプレーができなかったので、最後ああいう形で得点できたことは良かったですけど、反省の多い試合だったかなと思います(開幕から6試合を振り返って磨見選手の出来は)チームの状況と同じで波があるというか、良いときは良いんですけど、悪いときは結構悪いプレーをしてしまうんで、好不調の波をできるだけすくなくして、コンスタントに良いプレーができるようにしていきたいと思います(まだチームは1勝しかしていませんが、勝つために必要だと思うことは)ベースとなる気持ちの部分だったり、そういうところがなかなかできていない試合もあるので、そういう部分を毎試合続けていければと思います。(次節への意気込みを)これから先難しい試合が続いていくと思うんですけど、慶應らしいサッカーをして、勝てるように頑張っていきたいと思います。

GK峯達也(政2・桐光学園高)           

(今日の試合を振り返って)前半を0-0で終えられたというのは良かったです。得点は出来ませんでしたけど失点を0で抑えることが出来たという意味で非常にいい入り方が出来たと思います。後半開始早々に失点してしまってからは、自分としては2点目を取られないということと後ろからチームを勢いづけて、逆転出来るようにプレーしていました。(1失点という結果だったがディフェンスの出来を振り返って)失点シーンも身体を張った結果、たまたま枠にいってしまったという形で、他のシュートも磨見だったりとかが身体を張ってシュートブロックするシーンがありましたし、チームとしての守備の意識も高かったので、GKとしてはやりやすかったです。(これで6試合が終わったが、ディフェンスの連携は取れてきたか)そうですね。特に裏のスペースの所の連携はだいぶ取れてきました。(個人としての手応えは)自分としてはやれる部分とやれない部分があるかなと感じています。今も言った通り、ディフェンスの連携という部分では良くなってきたと思うんですけど、最後のシュートを止める所がまだ出来ていないので、そこを修正していきたいと思います。(次戦からは上位チームとの戦いが続くが)強豪大学とかはあまり意識してません。関東1部だとほぼレベルは変わらなくて、ハードな試合が続くと思うので、相手がどこであろうと一戦一戦集中して、自分達のやれることをやっていきたいと思います。

FW武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)立ち上がりから拮抗した試合で、その中で相手のウィークポイントが裏だということは分かってはいたんですけど、裏に抜けていく中でゴールを決めれなかったというのはダメだったと思います。最終的に後半失点した後追いつけたので、そこはチームとして一丸となれたんではないかなと思います。(今シーズン初先発でしたが監督からはどのような指示があったのか)久しぶりの先発だったので、自分もかなりモチベーションを作るのが難しかったんですけど、監督からは自由にやってこいと言われたので、自由にやらせてもらって、あとは得点だけかなと思います。(膝のけがの状態は)今日も90分できたので、大分良くなっていると思うんで、これからも気をつけてやっていきたいです。(前節に続いての土壇場で引き分けに持ち込む結果だが)失点がなければ良かったんですけど、失点してしまったので。そこでしっかりと逆転できるというのはチームとしてやりたいことなどができている。そういうのはチームとして団結力がついたのかなと思います。90分戦ってみてのチームとしての改善点は)切り替えのところだったり、相手との対人で負けているところが多々あったので、そういうことを改善していかなければ、この先上位チームとやるんで、しっかりと改善していかなければしけないと思います。(次節への意気込みを)次節も先発で出られれば、自分の得点よりもチームの勝利のために走り回って貢献できたらいいなと思います。

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