【ラグビー】「相手にいて嫌な存在」が秩父宮でマッチアップ 〜申驥世×古賀龍人〜 対談後編/慶明戦100戦目記念 明大スポーツ新聞部コラボ企画

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 名門・桐蔭学園高の主将/副将として全国優勝に導いた申驥世(文1・桐蔭学園)と古賀龍人(明大、商1・桐蔭学園)。11月2日、ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場で行われる慶明戦100戦目試合を前に、ルーキーイヤーから大舞台で躍動し、多くのファンの期待を背負う二人の対談が実現。高校時代のエピソードから、大学入学後のお互いの活躍の源に迫った。(取材は10月8日)

 *今回は「明大スポーツ」新聞部とのコラボ企画となっております。前編は明大スポーツ新聞部のWEBサイトに掲載されていますので、併せてご覧ください!

前編はこちら!→https://meisupo.net/special/44508/


ーーなぜ慶大/明大に進学を決めたのか

:大学でもラグビーと勉強の文武両道を体現したい気持ちがまずありました。今は中々優勝とかができていない慶大で自分が中心となって1年時から試合に出て、最終的に自分たちの代で勝てればすごくいい経験になると思ったので、慶大に決めました。

古賀:ラグビーやる環境が一番大きかったです。実際入学してからも、いつでもご飯食べれたり、グラウンドにもすぐ出られて、ウエイトもできるし、色んな人の協力があって一番ラグビーがしやすい環境が整っているのが魅力だと思います。単純に、明大に集まるいい選手たちの中で質の高い練習や部内での競争で、自分がレベルアップするために最適だと思って選びました。

ーー今季これまでを振り返って

:自分は春に入学した時にそこまで戦えないという感じではなかったんですけど、やっぱり大学生の中に入ると身体が一回り小さくて。なのでコンタクトのところとか高校時代は自分が優位だったところで、押し負けてしまったりとかがあったので、春夏でもう一度身体を大きくして、コンタクトにこだわりました。自分の強みは運動量のところなんですけど、そこのGPSのスタッツやランメーターを意識して上げる努力をしてきました。
今、秋になって試合に出させてもらって、春よりもコンタクトで通用するところが多くなってきた感触があるのと、運動量のところでFW内で一番を取り続けてきているので、いい感じで秋に臨めています。でももっと身体を大きくしなければいけないですし、コンタクトのところももっと上げていかなきゃいけないので、いい成長をしていますけど、まだまだなところもあるかなと思っています。

古賀:最初、ラグビー全体のスピード感に一番苦労しました。高校時代では「ここまで近づいて大丈夫」だったところが、大学に入ってコンタクトに入るスピードが違うので、「ここまで近づいたらもうダメ」というところ、ボールのもらい方やスピードの調整に苦労しました。

でも夏合宿で試合にたくさん出してもらって、試合に出ていく中で相手との距離感や、ボールを持っていない時の動きにフォーカスしてプレーの反省をしていったら秋で2試合に出場する中で、春より良い感触を掴めていると思います。

ーー印象的な出場試合は

:一つは春の早慶戦(招待試合、5月25日)です。自分が初めて先発出場した試合で、今まで戦ってきたチームよりもコンタクトスピードや強度が違くて、そこを体験できたのが印象的でした。
あと対抗戦の筑波大戦(9月28日)です。初めて秩父宮で試合したんですけど、自分的に良いプレーも悪いプレーもありつつ、憧れてたグラウンドでプレーできた楽しさや、観客席が近くてすごく歓声が聞こえてきて。きつかったんですけど、すごく楽しくラグビーができました。

古賀:僕は対抗戦の開幕戦である筑波大戦(9月14日)です。対抗戦初の「紫紺ジャージ」だったのと、結果として負けてしまったというのが一番大きくて。普段目が行き届くようなところに目が届かなかったり、対抗戦独特の「絶対負けてはいけない」雰囲気やプレッシャー、明大のファンの方やOBの皆さん、関係者・保護者の方々など、色んな人の想いがあるのを実感できたので、印象に残っています。

ーーどちらも対抗戦で活躍を見せていますが、それぞれの活躍はどのように映っているか

:古賀は春夏から活躍してU20日本代表にも選ばれているのを見ていたので、自分的にも刺激になっていますし、やっぱり同級生としてやってきたので、「負けたくない」という気持ちがあります。

古賀:この前青学大戦(9月27日)が終わって家に帰っていたんですけど、その次の日が慶大の筑波大戦で。両親がその試合を見ていて、「驥世出てるよ」と言って盛り上がっていて。そのまま(自分も)試合を見ていて、やっぱり変わらず身体張り続けたり、「チームのために」、チームに一番必要なプレイヤーとしての条件を体現できるのが驥世だと思います。そこの部分で自分も「チームに貢献する」部分をしっかり見習いたいなと思いますし、これからどんどん対戦することも多くなると思うんですけど、絶対負けたくないので。

ーーお互いの部についての印象

:明治大学さんへのイメージは、本当に「スター軍団」。全国の高校トップレベル選手が集まって、その中でまた鎬を削って、高い環境、レベルでの練習をして、選ばれた選手が試合に出るというタレント揃いのクラブ。本当に伝統もありますし、ファンの存在もすごく大きくて、そこに対して使命感や「負けられない」というプライドを持ってプレーしていると思います。

古賀:ラグビーとしてディフェンスのところで、慶大のタックルは昔からの武器で、そこをしっかりできる人がたくさんいるというイメージです。驥世のプレースタイルにめちゃくちゃ合っていると思いますし、途中で苦しい時間が続いても、折れることなく自分たちのやることをやり続けることができる選手がたくさんいる印象です。

ーー互いにうちのチームのここは負けない!というところ

古賀:接点のところがやっぱり明治としてプライド持ってやっているので、そこの一つ一つは絶対に負けないと思います。

:明治大学さんには「個」の強さでは勝てない部分もあるかもしれないんですけど、自分たちがそこでタックルや運動量、ハードワークするところは負けないと思っています。もし1対1で負けてしまっても、その分を二人でカバーしたり、その分多く動くことは負けないと思っています。

ーー自チームの注目選手

:明治大学さんの強みであるスクラムやラインアウトでのセットプレーの観点で考えると、NO8中野誠章(文2・桐蔭学園)だと思います。僕たちの桐蔭学園での先輩でもあって。明治大学さん1番の強みでもある大きなFWの縦の推進力やボールキャリー、コンタクト、ブレイクダウンのところで、中野誠章が身体を張ってジャッカルやタックルで相手の勢いを断って自分たちに勢いを持ってくるというのが大事になると思います。

古賀:FBの竹之下仁吾さん(政経3・報徳学園)。理由としては、代表に選ばれているというのもあるんですけど、普段の練習を見ていても参考になるところがめちゃめちゃ多くて。オフザボールの動きとか、チームへの献身的なプレーの多さ、ブレない、調子悪い時がない、プレーに一貫性がある、というのがすごいところです。

ーーお互いに注意している選手

:僕は全員です。答えになってないかもしれないですけど、明治大学さんは全員が本当にスーパースターで、トライをどこからでも取ってくるし、誰でもラインブレイクできて、全員がボール持てるので。誰か一人というより、チーム全体としての脅威だと思います。

古賀:申驥世で。やっぱり高校3年間一緒にやってきて、「相手にとって一番嫌な選手」。ボールキャリーが強い選手は他にもいるかもしれないですけど、やっぱり絶対に最後まで決めたことをやりきれる選手は少ない。驥世はそれができるので、どんな状況になってもチームを引っ張っていける驥世が一番怖いです。

:僕も古賀龍人で(笑)。

 

ーー慶明戦で注目して欲しいプレー

:このまま怪我せずにいいプレーを続けて慶明戦に出れたとしたら、自分は「コンタクトと運動量」。僕はこれらを一つだと捉えてて、相手に対してコンタクトで体を張るというのを80分間やりきる、走り切る。そこを見てほしいです。

古賀:プレー全体としては一貫性のあるプレーというのを意識しているんですけど、特に自分はランのところを一番武器としています。やっぱり1年生というのもあって、思いきりよくプレーしてきることが今評価してもらえているので、チームが苦しい状況になった時に、その状況を自分が打破するようなランをしたいので、そこに注目してほしいです。

ーー慶明戦への意気込み

:自分たちの強みを存分に発揮して、アグレッシブにチャレンジして行く。自分としてはどんな状況になっても自分の「コンタクトをやりきるところ」と「チームを鼓舞し続けるところ」で明治大学さんに勝ちたいと思います。

古賀:1年生らしい思い切ったプレーというのと、自分の決めた判断に絶対自信を持って迷わずプレーするのが大事だと思うので、これから練習して100%で挑めるように頑張ります。

貴重なお話をありがとうございました!

 

第2弾は高校日本代表で共闘した両校WTB、小野澤謙真×白井瑛人の対談をお届けします!

(取材:島森沙奈美)

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