【ラグビー】伝統ある慶明主将対談〜今野椋平×平翔太〜 後編/慶明戦100戦目記念 「明大スポーツ」新聞部コラボ企画

連載

 高校時代から共に日の丸を背負った経験のある今野椋平(環4・桐蔭学園)と平翔太(明大、商4・東福岡)。11月2日、ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場で行われる慶明戦100戦目試合を前に、同じCTBというポジションから各部を先頭で率いる二人の主将対談が実現。共闘した当時のエピソードから、大学4年目の覚悟まで。2人の全てに迫った。

 *今回は「明大スポーツ」新聞部とのコラボ企画となっております。前編は明大スポーツ新聞部のWEBサイトに掲載されていますので、併せてご覧ください!

前編はこちらから!→https://meisupo.net/special/44954/

ーー今年これまでを振り返って(取材は第4節前)

今野:慶應は初戦青学大戦で、筑波大、立教大と3試合やってきて、自分たちの目標は「日本一」を掲げていて、現時点で「日本一」のレベルにあるかと言ったらそうではないんですけど、1試合1試合重ねるごとに成長しているなという印象は自分だけじゃなく、チームとして感じていて。他大学にはスポーツ推薦などで凄いレベルの選手がたくさん入ってくると思うんですけど、自分たちはそういうのがなくて、「慶應でラグビーがしたい」という思いから受験してくる選手しかいないので、毎日一個ずつ積み上げていくしかない。それが自分たちのチームには大事だと思っていて。そういった面で初戦からいい滑り出しができました。筑波大戦は自分たちはいい準備をしてきたと思っていたんですけど、惜しくも及ばず。その中でも自分たちがやってきたことをしっかり出せた部分もたくさんあったので、敗戦はしましたけど自分たちの自信にはなったという実りある試合でした。この先もまず目の前の試合を大切にやっていきたいと思います。

:明治は初戦筑波大に負けて、その後も苦労したんですけど、自分たちが日本一になるためのプロセスでしかなくて、自分たちがしっかり成長していく上で負けが大事になってくると思うので、それをどう生かすかを考えた上で、これから一戦一戦ひたむきに戦っていきたいなと思います。

ーーお互いの部についてのイメージ

今野:(明大は)今年もスター選手が揃っているというのは思っていて。筑波大に負けた時は驚きましたけど、平選手が出ていなかったのも理由の一つなんじゃないかと僕は思ってます(笑)。プレー面でいうと、例年はアタックにフォーカスしているイメージですけど、今年はブレイクダウンのところとかディフェンスも結構プレッシャーをかけてくるなと感じてます。
あと4年生でU-20に選ばれてた選手が多かったので、個人としては明治と試合をやるのは楽しみでしかないなと思ってます。

:(慶大は)明治よりスター的な選手は少なくても、やっぱり一人一人が一対一の局面においてひたむきに接点の部分でプレーできるのが強いと思ってます。

 

ーー各チームの特色は

今野:まず全体はバランスのいいチーム。例年「魂のタックル」とかディフェンスに重きを置いていて、チーム作りをしている年が多かったんですけど、時代と共にラグビーも変化していて、自分たちが変わらなきゃいけないというところで、今年はアタックも良い精度でできている、と今までの3試合で実感しています。攻守共にバランスがいいチームというのと、ディフェンスのところでは今まで積み重ねてきたものもありますし、対抗戦入っても得点をすごい取られている試合もないので、自分たちのディフェンスには自信があるのかなと思います。
BKも下級生から出場している選手も多いので、その分4年生がどう試合を引っ張れるのか注目して欲しいです。

:明治はアタックでもディフェンスでも去年より成長している部分はあって。アタックでは、15人でアタックする上でBKだけじゃなくてFWのスキルであったりが春からやってきて成長してると思ってます。ディフェンスでは去年以上に前に出るディフェンスを春から積み上げてきたので、そこをしっかり見ていただければと思います。

 

ーー互いにうちのチームのここは負けない!というところ

今野:ディフェンスのところは負けないと思ってて。明治といえば「前へ」というのもあってアタックがすごいチーム。毎回のフェーズでゲインラインにこだわって前に出てくるのかなと思ってます。逆に自分たちは、今年は例年に比べて攻守ともにバランスの良いと言いましたけど、やっぱり伝統でもあるディフェンスのところは譲れない部分。「アタックの明治、ディフェンスの慶應」としてどんな試合になるのかが楽しみです。

:明治はセットプレーのところ。スクラムであったりラインアウトには力強いFWがいるので、しっかりそれに応えられるようにBKはオーガナイズして、いいアタックに繋がるのかなと思ってます。

 

ーーお互いの大学で仲のいい選手

今野:明治は仲良い選手も、高校の先輩・後輩も多いです。U-20でも明治の選手が多分一番多かったので。直近で会ったのは西野帆平(明大、文4・東福岡)で1週間前くらいに会いました。エピソードでいうと、向こうは大阪が実家なのでそこに遊びに行ったことがあるのでだいぶ仲良いと思います。

:特にいないですね(笑)。でも東福岡で同期だった、二浪して慶應に入ったPRの中谷太星(環2・東福岡)がいますね。そこまで仲良いわけではないんですけど(笑)。努力して慶應に入ったんだなというイメージはあります。

 

ーー慶明戦のキーマンは

:やっぱり2番の西野帆平かなって思います。セットプレーでは負けられないって言ってたんですけど、スクラムにしろラインアウトにしろ、やっぱり2番は重要になってくると思うので、そういう部分では帆平に注目していただければなと思っています。

今野:FWで言うと2番の渥美和政選手(経4・慶應)です。やっぱり慶明戦でキーになるのはセットプレーだと思ってるんで、セットプレーでどれだけチームを引っ張れるかが流れを変える一番大きな要因かなっていうので、そこをどれだけ安定させれるかっていうところで2番の渥美です。もう1人は13番の小舘太進(商4・茗溪学園)です。ディフェンスのキーになるのは多分13番ですし、BKでいうと明治の「前へ」に対して、自分たちが自信を持っているディフェンスのところでどれだけ流れを作れるかはそこにかかってるのかなと思います。あと、個人的にも仲いいですし、12・13番がどれだけ頑張れるは注目してほしいところかなっていう風に思います。

 

ーー相手で注意したいプレーヤーは

:今野椋平選手だなと思います。正確なプレーが持ち味だと思うので、明治が少しでも隙を与えれば、少しでもスペースを与えれば、そこにパスであったりキックを仕掛けてくると思うので、そういった面ではどれだけプレッシャーかけられるかがキーになってくると思うので、しっかり全員で狙っていきたいなと思ってます(笑)。

今野:怖い怖い怖い(笑)。僕も翔太で、スター選手が多い中でも特別かなと思っています。パスやキックが上手いのはもちろんなんですけど、やっぱりランのところで持ち味の筋トレを生かした体型で、この体型なのに足が速いっていうのがなんかおかしいんですけど。足速いのか?お前は(笑)。よく分からない(笑)。

:お前より速いよ(笑)。

今野:いや、でもさ、俺2年かなんかの時にちょっと抜けた時にお前追いつかれなかった?(笑)サボってたのかもしれないけど。それはいいんだけど、でかいし、速いし、なんでもできる器用。体の使い方がうまいなっていうのはすごい感じていて。少しのスペースがあれば、どんどんゲインライン切ってくるような選手だと思うので、僕が前に行かせないのもそうですし、チームとしてもキープレーヤーに挙げられる選手かなという風に思います。

 

ーー自身で慶明戦で注目してほしいプレー

:12番というポジションは10番と一緒で、しっかりゲームコントロールしてオーガナイズしていく立場だと思うので、しっかりコミュニケーションを取ってオーガナイズしていくことと、キッカーでもあるので、少しでもチームを楽にさせるためにも、2点、3点としっかり積み重ねていきたいなと思ってます。

今野:被っちゃうところもあるんですけど、僕はSOも経験していて、自分のプレーの特徴でもあるのが、ゲームメイクのところが得意というか。自分はキックとゲームを作っていくプレーメーカーとしてのスキルが評価されて試合に出させてもらってると思うので、細かいプレーにしっかりこだわりを持って、一つ一つのプレーを丁寧にやるっていうのは自分のいいところでもありますし、そこでチームの流れを作っていきたいって思います。SOがゲームメイクするよりも自分がするぐらいの気持ちでいつも試合やってるので、しっかりチームとコミュニケーション取りながらいいゲームを作っていきたいなっていう風に思います。

 

ーー最後に意気込みを

:日本一になる上で負けられない試合だと思うので、自分たちの強みをどう出すかっていうのをしっかり準備して、チーム全員で勝ちにいきます。

今野:しっかり勝ちにこだわって、この2週間しっかり準備していきます。その中で準備の段階で試合の勝敗は決まると思っていて、どれだけ自分たちがしっかり自信を持って準備できるかというところと、試合でどんなことが起こるのかを想定しながら練習を積み重ねていくことが、少しずつでも勝利に近づける大切なことだと思います。一日一日を大切に、でも先を見すぎず、一試合一試合を大切に。今週の試合でまず勝って、(慶明戦の)ホイッスルが鳴る時には『絶対勝てる』という自信を持ってグラウンドに立ちたいなというふうに思います。

 

貴重なお話をありがとうございました!

(取材:晴山赳生[明大スポーツ新聞部])

 

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