前節の中央大戦の敗戦で、あずまボウル進出へ向けもう1敗も出来なくなった慶大ユニコーンズ。法大戦はリーグ戦51連勝中の相手に対して、16点差以上を付けて勝たないと次のステージに上がれない厳しい戦いとなった。試合ではディフェンスは善戦したものの、結果は3-14で慶大の負け。学生日本一への夢が完全に断たれてしまった。
10/31(日)13:15KO@川崎球場
得点 | |||
チーム | 慶大 | VS | 中大 |
7 | 1Q | 6 | |
7 | 2Q | 17 | |
0 | 3Q | 7 | |
8 | 4Q | 7 | |
22 | 合計 | 37 |
法大のキックオフリターンで試合は始まる。すると法大のRB陣のランプレーを止められず、じわじわと自陣への侵入を許してしまう。そしてTDまで残り3ydとなった6分、相手のエースRB堀にダイブを決められ、ボールはエンドゾーンへ。0-7と先制点を許してしまう。その後すぐ反撃に出たい慶大も自慢のRB陣を中心に攻撃を組み立てていく。ただ「ランを封じにくるディフェンスが多く」(徳島オフェンスリーダー・政4)、オフェンスチームはランナーの走路を確保することが難しいと判断。これまでにないほどパスプレーを使っていく。このシリーズは惜しくもパントに追い込まれてしまったが、WR亀谷(商4)へのパスが決まるなどこれからの攻撃に繋がるプレーも垣間見えた。
法大の攻撃が続く中迎えた2Q。再び自陣深くまで攻め込まれてしまうも、相手4thdownギャンブル時のQBドローを止め自陣10yd地点で慶大の1stdown。このシリーズはエースRB梅田(総4)が覚醒し次々とフレッシュを獲得していく。ただ中央ライン付近での大事な3thdownconversionでQBサックに遭い、今回もTDまで繋げることができない。4thdownでP宮崎(経3)の素晴らしいパントが決まり敵陣20yd付近までボールを戻すことに成功するものの、16点差以上の勝利が求められる慶大にとって絶対に失点は許されない厳しい状況は続く。その後DL唐神(経2)などの気持ちの入ったタックルで相手のランプレーを潰していくも8分、スクリーンプレーで逆サイドを突く法大のプレーに一度は対応したものの、タックルミスが2つ重なり、そのままボールはエンドゾーンへ。60ydを独走され痛いTDを決められてしまう。その後の慶大も残り少ない時間の中でQB徳島―WR亀谷へのホットラインが炸裂しボールを必死に前へと運んでいくも、時間が足らず敵陣10yd付近でFGを選択。残り1秒のところでこれをK加藤(経4)がこれを決め3-14で前半を終える。
3Qは慶大のキックオフリターンで試合が再開。この攻撃を何とかTDへとつなげようとRB梅田のランプレー、WR吉田幸(法2)へのパスプレー、QB徳島のパスフェイクからのロールなど様々な戦術を使っていくも、勝負所でことごとく止められてしまう。今回もパントに追い込まれてしまうと試合は膠着状態に。法大が着実に時間を使うことでどんどん追い込まれていく慶大。その後も、オフェンス陣が焦りからかフォルススタートの反則を犯してしまうなど効率的な攻撃をすることが出来ない。
4Qはノーハドルオフェンスを繰り返しどんどん攻め手を出していくも、大事なところでパスをファンブルしてしまうなど要所でミスが出てしまい結局3-14で試合終了。「しっかり時間をつかってきた法大」(山澤監督)にやられてしまった結果となった。
3-14の点差からわかるようにディフェンス陣は中大戦から見て飛躍的な修正を見せた。オフェンスも様々な選択肢を使いながら状況に応じた素晴らしいオフェンスを見せた。では法大との差は何だったのか。差が生まれてしまった大きな要因は「細かいミス」(山澤監督)。結果的にタックルミスであったり、重要な局面での反則だったりなどが最終的に点差に表われてしまった。ただ慶大も下を向いてばかりはいられない。ポストシーズンへの道は断たれてしまったが、最終戦の東大戦をなおざりにしていい訳では決してない。「5勝2敗でシーズンを終えるのは大前提として、自分たちが納得のいく試合」(徳島オフェンスリーダー)を展開し東大を圧倒しに行く。
By Kazuhiro Takai
監督・選手のコメント山澤監督
前回負けましたので、点差などは考えずに勝とうと。三つ巴になると、慶應と法政と中央で上に行ける基準がある。だったら勝ちに行こうと。先制したかったんですが、最初のシリーズを持っていかれた。その後も状況は悪くなかったが、キャッチミスやファンブルがあったので、追いつけなかったですね。また今日は法政がしっかり時間を使って、慶應にオフェンスをさせなかった。向こうの戦略から脱却出来なかった。ただ中央戦から比べるとディフェンスも色々修正出来ましたし、そういった部分でも良くなったかなと思います。(フォーカスしていた点は)とにかく小さいミスが大きな影響を与えるので、つまらないミスや反則を排除してやろうということがベースになった。しかし、その部分が結果的に改善出来なかったことが敗因ですかね。(法大の1本目のダイブプレーについて)あそこまでいかれたら仕方ないですよね。手前で止めてパント蹴らすのがいいんですが、法大がランプレー中心に攻めてきて慶應が抑え切れなかったことも敗因ですね。(前半最後のFGについて)あれは良かったと思います。まだ前半なので、点を取っているのと取っていないのでは違いますし、1点でも取っておけば試合展開の中でうまく転がる部分がある。賢明な策だったと思います。(後半はパスがつながりだしたが)ただ最後ファンブルしたり反則したりで攻めきれなかったところが反省点ですよね。ただ後半はディフェンスはゼロに抑えましたので良かったと思います。(前半の2つ目のTDはタックルミスが2つ続いた)あれは痛かったですよね。横のパス投げられて、そこで抑えれば良かったのにタックルミスで持っていかれた。敗因の一つですね。要は細かいミスですね。(初戦から今日までで一番成長した部分は)結果的に負けましたが、今日の試合に向けての盛り上がり、モチベーションは非常に高かった。この1週間の練習も非常に良かった。そういった部分で成長出来た。ただもう少し上のステージに行くためには個々の能力を上げ、細かいミスを摘み取るということをやっていかないと上位チームの壁は崩せない。来年のチーム作りでその点を注意して一からやり直して行きたいと思っています。(次戦に向けて)東大は慶應を倒しにきますから、しっかり最後の試合に勝ってシーズンをいい形で締め括ろうと思っています。
末富主将
(試合を振り返って)悔しいですね。獲得ヤードとか見れば凄いことになるとは思うですけどだいぶディフェンスは踏ん張れたし、中でやってて楽しくできていたので(負けて)悔しいですね。(ディフェンスは14点抑えられたが)出だしの3シリーズで1つ止めてその2つだけ取られてあとは止めれたので、結構取られるかなと思っていたのですけどあんまり法政にそういうプレーがなくて14点に抑えられたのはありますが、法政もたぶんハイスコアを狙ってなかったんじゃないかなというのもあったので抑えたという見方は少し違うのかなと思います。プレーの選択肢的にたぶん今日はハイスコア狙ってなかったんじゃないかなと思っています(上のステージに行けなくなってしまったが)悔しいです。今年1年間法政には勝ちたかったし、日本一目指してやって来たので取り組みが足りなかったかなというのが反省ですね。(次に東大戦が残っているが)普通にいいプレーをしたいです。僕らが1年間やって来たことをそこでしっかりやりきって東大倒したいです。
青木副将
(試合を振り返って)14-3でいい試合だったとさっき言われてたんですけど負けは負けで、1年間取り組んできたことが法政より甘く、法政に及ばなかったということです。 (試合前に意識したことは)僕は先週負けてから切り替えて次にいい結果を残そうと考えてたんですけど、まわりに落ち込んでる人たちがいてそのなかで自分が一番切り替わった気持ちを見せて盛り上げて引っ張っていければと思っていました。(法大の印象は)1対1での強さと言うよりも試合巧者だなという印象があります。結局14-3という結果ですが前半にそのスコアになって後半は動かなくなったという面もあってオフェンス、ディフェンスということではなくゲーム全体を意識してマネジメントしてやっているのが凄くうまいなと思いました。(上のステージに行けなくなってしまったが)ただ取り組みが甘かったということに尽きるんですが、まだリーグ戦は続いて次の11月13日で僕らは引退なのでそこで最高の試合をするということと、自分が引退が決まっても頑張る背中てあるとか取り組みの姿勢であるとかを見て後輩が何か感じて頑張ってくれればいいかなと思っています。(次の試合でどんなプレーを見せたいか)僕はあまり体も大きくないですけど、最後まで敵に食らいつくブロックであるとか低いブロック、嫌らしいブロックで東大戦も頑張ります。
小島副将
ディフェンスチーム、キッキングチームはやりたいことをやれたのかなと。そのおかげで14点に抑えられた。その代わりオフェンスですね。オフェンスが3点しか取れなかったというのが、敗因だと思います。(相手のディフェンスの強さはあったか)それ以上に中大戦では出来ていた自分達のオフェンスが出来なかった。反則やミスが出てしまったっていうのが一番かなと。相手のディフェンスは素晴らしかったですが、そこまで圧倒された訳ではなかった。自分達のミスで負けたかなと思います。(長いパスはつながっていたが)細かいパスだったり反則やファンブルで相手にボールを渡してしまった。大事な局面でのミスがあったので、それがこの結果に繋がったのかなと思います。(ぎりぎりのプレーを狙ったため仕方がないように思われたが)そこを決めるために練習をしてきたので、決めなきゃいけなかったというところですね。(オフェンスでフォーカスしていた点は)時間を使って確実に点を取るということ。相手のオフェンスが素晴らしいので、点を取られることを覚悟していた。時間を使いつつ僅差の試合に持っていこうと思っていた。そこが中々出来なくてこういう結果になった。(自身の出来は)中大戦が非常にいいプレーをした。今日も気持ちを切り替えて臨めたので自分としては良かった。一人ではダメでチーム全員でやらないといけないですね。うちのチームは一人のヒーローに頼るチームではないので、全員で1stダウンを重ねていくオフェンス。それを徹底出来なかったのが今日の敗因ですね。(次戦に向けて)ポストシーズンへの道は閉ざされてしまったんですが、僕達がやらなければいけないことは次の試合で勝つこと。今までも目の前の一戦一戦勝ち抜くことを意識していたが、次戦もやることは何も変わらない。引き続き目の前の一戦に勝つための練習をして、東大戦にしっかり勝つ。満足の行くシーズンではないがしっかり終わらせたいなと思います
徳島オフェンスリーダー
(試合を振り返って)良いところまでいくんですが、詰めが甘かったと思います。春の早慶戦やこないだの中大戦もそうだったんですけど、敵陣深くでいかに得点するかが課題でした。今日もそこが上手くいかなかったので悔しいです。(試合前にはどういった攻め方をしようとしたか)相手はオフェンスが強い法政大学なので、ある程度得点されたり、ゲインされたりっていうのは予想していました。できるだけ僕たちが長くボールを持って、オフェンスが攻撃し続けてタッチダウンを取ろうと。ボールをコントロールすることが目標だったんですけど、相手にそれをやられてしまいました。(序盤はパスを多用していたが)ランとパスのバランスを考えていたんですが、ランを封じにくるディフェンスが多かったのでパスに切り替えていきました。その結果がパスが多いことに繋がったと思います。パスを多めにしたところ、真ん中のエリアで走るゾーンが空いたので走っていきました。法政大学はさすがというか、ディフェンスのアシストが速くてパスが多かったら切り替えてきたので、そこを突けて良かったです。(今日の試合でリーグ敗退が決まったが)去年、一昨年と5勝2敗でシーズンを終えていて、残念ながらそれを超えることはできない状況になってしまいました。5勝2敗でシーズンを終えるのは大前提として、自分たちが納得のいく試合をしたいと思います。4年生はアメフトをやるのが最後のやつもいると思うので、東大戦では全てを出し切りたいですね。
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