いよいよ迎えた、チーム新井のラストを飾る早慶戦。引退試合ともなる早慶戦を前に、主将・新井里英選手、副将・岩越美佳選手、副将・尾関恵真選手、主務・西川百合子選手、江原令選手、中山愛玲選手、西潟遥選手、矢萩奈緒選手、吉田朱里選手の4年生9名にお話を伺った。このチームで、4年間苦楽を共にしてきた同期と戦う最後の試合を前に、選手たちは何を想うのか。個性と、元気さと、温かさと、仲の良さ。4年生の魅力がギュッと詰まった対談を最後までぜひご覧いただきたい。
ーーせっかくなので、他己紹介からお願いします!
矢萩→中山:中山愛玲です。私生活でも部活でも、視野が広くて洞察力があって安心感が素晴らしくて。私たちは女子校出身なんだけど、その時代に出会った人も含めてNO.1のしごできで、それは類稀な力だなって私は思っています。ホッケー面でいうと、ストロークがチームで一番安定しているのは愛玲だなと思っていて。ヒットとかもそうなんだけど、プッシュとかもすごい上手いので、チームの推進力になっているかなと思います。
中山→西潟:西潟遥さんは、人生で初めてスポーツを本格的に始めたにも関わらず、いつも一生懸命頑張っているなと思います。日本生まれ、タイ経由・ドイツ育ちだからこそ…(笑)部活というものに慣れてなくていろいろ大変だったと思うんですけど、今となっては歴とした先輩として、頑張ってくれていると思います。ディフェンスにおいては、彼女にはとてつもない姿勢の低さ。他に見たことないくらいの姿勢の低さがあって、どんなボールが来てもチャンスに変えてくれる、守備の要となっている存在だと思います。
一同:(拍手)
西潟→西川:西川百合子ちゃんは小1から長い長いお付き合いがございまして、日本に帰ってきて同じ大学に入学することが決まった時にも真っ先に連絡をして、友達のいない私をsuportedしてくれたmy best friendって感じです(笑)。一緒にこのホッケー部に入って、大学4年間の大半の時間を一緒に過ごせた大事な人ですよって感じで。百合子は何よりも「しごでき」だし、真面目さが光っている。ホッケーに向き合う姿勢だったり、主務を任せられるに至った責任感。任された仕事に対してプライドを持って、しっかりと仕事をこなしているしごできちゃんだから、自分に対してストイックなところがすごいあるなって思います!
西川→新井:みなさんご存知、主将の新井里英ちゃんです!主将になる前も今も、誰に対しても、どんな時でもすごいフラットな人だなと思っていて。
一同:本当にそう。
西川:今も1年生から4年生の同期まですごい分け隔てなく接しているなと思うし、感情面もあんまり上下しないタイプだから良いなと…(笑)。みんなでもよく「まさか、あのふわふわ里英ちゃんが主将になるとは(笑)」という話にもなるし、実際1年生の時に里英が主将になるとは思っていなかったけれど、実際に主将になってみたらそのフラットなところがすごく主将に向いているんじゃないかなと感じています。プレーの面ではFWをやっているけど、ガツガツボールを奪って、どんどんラインを上げてくれて、点も決めてくれてすごく頼もしい主将です。
新井→岩越:美佳は同期の中だとすごいいっぱい喋るし、たまにびっくりな発言をしてくるんですけど、初対面の人にはすごい静かで。「美香喋れない」ってことを言っていたり、自分が言うのもなんだけどだいぶマイペースそうじゃない…?(笑)
一同:だいぶね(笑)。
新井:静かそうなキャラに見えるんですけど、実際知るとすごいいっぱい喋ってくれるし、プレーにおいても実はすごいガツガツしていたり。MFとして攻めでも守りでもずっと前に出てくるし、コートをずっと走っていて、みんながミスしたものも全部美香がカバーしてくれるから、いつもMFとして後ろにいてくれてすごく頼もしいです。
岩越→吉田:吉田朱里ちゃんは陸上部の中距離選手だったんですけど、入部当初から誰よりも足が速くて、本当に同期一同尊敬の眼差しで走っている姿を見ていて。今も足の速さを活かしてFWとして積極的なプレーをしているのが印象的で、よく点も取ってくれる良いFWなんですけど…(笑)。性格面では私が今まで出会った人の中で、一番素直な人なんじゃないかなと。
一同:おお!
江原:なんか泣けてきちゃう。納得しちゃった。
一同:ええええ!早い。まだだよ?(笑)
岩越:本当に同期で助けられている人も多いと思うし、面白いものに対してまっすぐというか、常にいろんなノリに全力なところも魅力的な人物です。
吉田→江原:はるちゃんはホッケー面においても、生活面においても本当に一生懸命で。今まで出会ってきた人の中で、誰よりも相手の心に寄り添うことができる人だと思っています。今年のチームが始まった時に「自分が試合に出られなかった悔しい経験があるからこそ、なかなか努力報われなかったり、試合に出られなくて苦しい思いをしている子に寄り添ってあげられる先輩になりたい」って言葉を聞いて、本当にこのこと同期でよかったなと思いました。元々FWをやっていたのに今年からMFになったので、プレスとかもFW以上に理解して指示出しするので大変だと思うんだけど、誰よりも熱心に頑張って、私がFWで困っている時もはるちゃんが後ろからかけてくれる声に支えられていて、本当に優しい子です。
江原→尾関:尾関恵真です。同じ帰国組で、唯一SFCの時から一緒だったんですけど、仲良くなったのは大学に入ってからで。部に入った時は本当に不安だったんだけど、恵真とかと仲良くなれたおかげで、ホッケーを頑張ろうと思えました。ホッケー面ではキャパがすごいなと思っています。恵真は視野が広いし人に発信もできて、それって自分に自信と、それを持てるだけの努力があると思うので。本当にチームを支えてくれている選手です。性格では、全体には見えていない甘えん坊だったり、すぐ落ち込んじゃう私とかにも声をかけてくれる温かさもある子だと思っています。
尾関→矢萩:矢萩奈緒ちゃんは、言葉選びが正しいかわからないんですけど、今まで会ってきた人の中で一番「変人」…?
一同:恵真、まだ挽回できるよ(笑)
尾関:よくよく聞いたら面白いことを言っていたり…(笑)。部活中とかは一番体育会って感じで、1年生の頃から奈緒の背中を見て、ここまできたというくらい「体育会」が染み付いている。上下関係とかもそうだし、言わなきゃいけないことはちゃんと言える子だし、そこは私としても今年からDFに入って全然できなかった時にありがたかったなと思います。プレー面としては、背が高くてリーチが長いので、そこでディフェンスを取り切れてる場面も多いし、右サイドバックとして綺麗なヒットを打ってくれるのですごく頼もしいです。
ーー同期で過ごす中で好きな瞬間は
中山:どの遠征でも1つの部屋に集まってアイスを食べたり、お菓子を食べたりって言うのが毎回の恒例行事になっていて、その時間が結構好きだよね。基本シングルのお部屋で予約しているんですけど、一つの小さいベッドに9人で乗るっていう(笑)。毎日会っているのに、またそこで集まっちゃうっていうところにも仲の良さが現れていると思いますし、夜も長いので遠征中だからこそ話せるネタもあって(笑)。それが遠征中の楽しみだなと思います。
矢萩:普段から部室とかでも話してるし、練習が終わった後のグラウンドとかでも自主練の前にも後にもずっと話しているはずなのに、いつまでも話題が絶えないくらい仲良い同期だなと思います。
ーー4年生はどんな学年ですか
中山:バランスがよろしいと思う。
尾関:A型とO型しかいない…
一同:そういうことじゃない気がする(笑)。愛玲お願いします!
中山:じゃあ私が代表して喋ります!本当にバランスが取れている学年だなと思っていて、一生懸命発信してくれる子がいたり、後輩の面倒見が良い子だったり、困っている子に対して一人一人アプローチしてくれる子とか、全員に対してアプローチしてくれる子とか。9人いるからこそいろんなキャラがあるので、部活を運営する上でそれぞれが多方面に役割を持っていて、みんなで運営しているような感覚を持つことができたのがうちの学年の良いところかなと思います。
ーー今季印象に残っている試合は
一同:防衛…?
西川:去年もSOで負けていた防衛大学校という相手に対して、SOに行かずに1ー0で勝てたという試合があって。しかも、秋リーグ初勝利だったりして、みんながすごい喜んでた記憶がある。すごい印象に残っている試合だなと思います。
矢萩:防衛とは因縁の相手ではないけれど、1年を通して試合をすることも多いからね。顔見知りだったり、挨拶をするような仲なんだけど、なかなか勝ち切れなかった分すごく嬉しかったです。
ーー慶應ホッケーの見どころは
中山:慶應ホッケーという面で言うと、キッズのスクールから大学まである大きい組織だから、OBOG戦に始まり大学女子、大学男子っていろんな年代の人が試合にする日になっているから…
一同:素晴らしいね!上手い。
中山:組織の一体感も感じられると思いますし、高校生の試合を見る機会はなかなかないので、その子達が大学に上がって活躍していくという裏のストーリーを考えると、とても熱い試合だと思います。
西川:慶應女子戦という面では、早稲田は経験者が各ポジションに絶対いるくらい経験者中心のチームなのに対して、初心者がほとんどの慶應が互角に戦っているので、そういった互角の展開に注目してもらえるといいかなと思います!
ーー早慶戦への意気込みをお願いします!
江原:この同期でも、このチームでも最後に戦うステージだから、もちろんどんな展開になってもみんなで楽しんで明るく雰囲気良く、思いっきり楽しみたいです!
西潟:被るけど、この同期全員でやる早慶戦は最初で最後で。リーグ戦とは違って、早慶戦は引退試合ということもあってすごく大事な試合ですし、17年間勝てていない相手に対して自分たちが1年間一緒にプレーしてきたチームで挑むのはハラハラドキドキするけれど、自分たちの同期がトップに立って率いてきたチームで勝つんだという気持ちは強くあるので。実力は互角で、どっちが勝つか分からない試合であることは理解していますけれど、絶対に18年ぶりの勝利をこの代のみんなで勝ち取りたいなと思います!
尾関:4年間この同期と一緒にプレーしてきて。練習とかも含めて、一緒にホッケーできる最後の時間で。友達とか家族もいっぱい見にきてくれるからこそ、4年間頑張ってきたことをみんなに「勝利」という形で見せて、恩返しできるように頑張りたいなと思います!
矢萩:同じような年代の人が、同じ目標に向かって頑張るということはなかなか経験できないことだと思いますし、素敵な機会だと思うので。最後は「勝利」という良い形で終わりたいので、全身全霊で足がどうなってもいいので頑張りたいなと思います!
吉田:さっき遥が言ってくれたけど、早慶戦には特別な思い入れがあって。このチーム2025で戦える最後の機会になるので、最後の1秒まで勝利のために走り抜いて頑張ります!
中山:私にとって、早慶戦は大学1年生の時から見てきた憧れの場所で。最初で最後のチャンスにはなるんですけど、早慶戦の舞台に立てるかもしれないので、いただいた機会を大切に。自分自身のプレーで勝利に貢献できるように、みんなの努力が報われて「有終の美」で終われるように、頑張りたいなと思います!
西川:まず早慶戦は基本的に毎年各代にとっての一番最後の試合になっていて、チームが始まった時から「早慶戦優勝」を一番の目標として走ってきたからこそ、最後絶対に勝って良い思い出で終わりたいというのがまず一つ。個人的にはすごく長い間運営に関わってきた大きな行事でもあって、その行事に多くの方にいらしていただいて良いものとして終えたいし、プラス絶対に勝ちたいなという2つの想いがあります。
岩越:早慶戦に限らず、この1年間どうしたらチームの勝ちに貢献できるのかというのをずっと考え続けてきて。今までは自分に対して不安なところが多くて、結果としても勝ちをつかめない試合も多くあったんですけど、早慶戦は絶対勝ちたいですし、こんなに良い仲間に恵まれているので最後は笑って終われるように。今なら、早慶戦で絶対に勝利に導くプレーができる自信はあるので、最後まで頑張ります!
新井:早慶戦は年に1回しかなくて、他のリーグ戦とは違う特別な試合だと思っていますし、この大好きな同期と、チームと戦える最後の試合なので。最後だと思うと悲しくはあるんですけど、絶対に勝ちたいなというのが一番で。個人的には、春に早稲田と戦った時に、結果としては負けましたけどチームの雰囲気的に秋なら勝てるなというのは感じたので、絶対に勝ちたいなと思います!
--以上になります!素敵なお話をありがとうございました。
一同:拍手!
(取材:長掛真依)

