今シーズンの目標を色紙に書いた福谷(左)と影山(右)
第１弾の山﨑錬新主将特集に続く第２弾！今回は新たに副将に任命された福谷浩史と影山史貴に直撃した。投手陣の柱としてフル回転の活躍が期待される福谷と、打線の中軸を担うことが期待される影山に、副将としての意気込みや今シーズンにかける想いなど現在の心境を伺った。
―副将に任命された時の気持ちは
福谷 正直びっくりしました。まさか僕がこんな大所帯をまとめる役割の一人になるとは思っていなかったので、責任を感じました。
影山 僕も自分がなれるとは思っていなかったので、びっくりしましたし、やっていけるかなという不安の方が大きかったです。
―去年までと比べて心境の変化は
福谷 最高学年ということで、周りが見る目はより強くなると思いますし、さっきも言ったように責任はありますけど、それなりにプレッシャーを感じていい感じでやっていけるかなと思います。
影山 僕も自分だけの問題じゃなくなったので、自分がダメなときでも、周りに目を向けて引っ張っていきたいと思います。
―副将として具体的にどのようなことをやっていきたいですか
福谷 僕は副将だけじゃなくピッチャーチーフを任されているので、ピッチャー全体として日本一になれるためにどうしていくかということを真剣に考えていきたいと思います。
影山 僕は特に具体的なことはないんですけど、キャプテンと選手たちが離れないようにうまく橋渡しができたらいいなと思います。
―江藤監督からはどのようなことを期待されて副将に任命されたと思っていますか
福谷 監督にはピッチャーを見てくれということを言われたので、今まで通りやっていこうと思っています。
影山 僕も監督から野手を見てくれと言われていて、他の人よりも周りが見えていると言われたので、そういう点かなと思っています。
―副将というプレッシャーはありますか
福谷 特にないです。
影山 ないですね。
―影山選手から見て福谷選手がなぜ副将に選ばれたと思いますか
今季は打線の中心として活躍が期待される影山
影山 他の人より冷静で、大人だなって思います。物事を冷静に見れて、感情に流されるというのもなくて、自分がダメなときでも周りに指示したり指導したりできるので、そういうところかなと思います。
―逆に福谷選手から見て影山さんがなぜ副将に選ばれたと思いますか
福谷 普段の練習や試合から自分たちの代だけでなく下の代を引っ張っていく力はあるなと感じていたので、そういうところかなと思います。
―副将として自分の練習だけでなく周りの練習も見なければいけないというのは大変ですか
福谷 自分が休んでいるときに、周りをぱっと見てみたり、声をかけたりするくらいなので、そんなに大変なことではないと思っています。
影山 僕も大変だとは思っていなくて、むしろ自分がサボっていたら周りの人もサボるんだなという風に思っているので、そういう意味でいい役職を与えてくれたなと思っています。
―副将にやりがいを感じていますか
福谷 僕は副将という役職に慣れていないというか、一選手として行動していることが多いので、まだまだ試合が始まらないと副将という実感は感じないんじゃないかなって思います。
影山 僕もまだ実感が出なくて、来年引退したときになってみないとわからないと思います。
―集団をまとめる上で必要不可欠だと思うことは
福谷 口先だけで言ってもついてきてくれないと思うので、行動で示せるようにやっていきたいと思います。
影山 言うなよ（笑）僕もまったく一緒です。
―新体制になって数ヶ月が経ったわけですが、部の雰囲気はどうですか
福谷 キャプテンが変わったことでチームカラーも変わってくると思うんですけど、もともと僕たちは錬のことを信頼しているので、そんなに「おっ、変わった」っていうよりは、いつも通りの感じで楽しくやれていると思います。
影山 明るくなったなって。去年の秋のリーグ戦は勝てなくてドヨーンとした感じだったんですけど、僕たちの代はすごい明るい人が多くて、錬もすごい元気なやつなので、雰囲気としてはすごい明るくなったかなと思います。
―去年の代と比べると、今年はどのような印象ですか
福谷 投手陣は去年からあまり変わっていないんですけど、でもそれが良さだと思うので、そこはピッチャーとして守っていきたいなというのがあります。
―打撃陣では４年生の上位打線が抜けてしまいましたが
影山 伊藤さんの抜けた穴はすごく大きいですけど、伊藤さんの分を一人一人が分割して補っていければいいなと思っています。
―この冬の練習ではどのようなことをしていますか
福谷 チーム全体としては、去年からずっと守備のチームだということを言っているんですけど、去年はピッチャー含めた守備で勝てなかったので、ピッチャーとしては１点でも少なく抑えるということを目標にやっています。
影山 野手は一日1200本を目標に振っているので、去年よりもバットを振る量は多くなっていると思います。
―練習ではどんなテーマを掲げてやっていますか
日本一になるためには福谷の力は欠かせない
福谷 今回の練習から監督が「賭ける」という言葉を出されて。ちょうど監督がプロのキャンプを見に行かれた後だったので、命を賭けてやる、誓約を賭けてやる、ということを例に挙げて、僕たちも何かを賭けて野球をやらなくちゃいけないという思いがすごく伝わってきました。そういうスローガンでやっています。
―山﨑主将と副将とで話し合って何か目標を立てたりというのはありますか
影山 特にないですね。
福谷 そうですね。話し合うというよりも、みんな日本一になりたいと思っている人しかいないです。
―去年のリーグ戦は、春は完全優勝、秋は５位という結果でしたが、振り返るとどんな一年でしたか
福谷 いい時もあれば悪い時もあるというのは野球では仕方ないことだと思いますし、そこは真摯に受け止めています。今は、春に優勝したことより、５位だったという思いで悔しさを晴らすためにやっているという感じです。
影山 一番いい時と悪い時を一年でどちらも味わえたということで、一番いい時はこうやったら良くなるというのも分かったし、秋みたいに駄目な時はこうやったら駄目だというのも分かったので、そういう点ではいい経験になったなと思っています。
―こうやったら良くなる、こうやったら良くないというのは具体的にどのようなことですか
影山 良かったことは、去年の春はレギュラーで残っていたのが伊藤さんしかいないという状態からのスタートだったので、みんな必死にやっていたんですけど、その春に優勝したことで、秋も何とかなるだろうというような雰囲気で入ってしまった点は良くなかったと思います。
―去年感じた課題点は
福谷 フミ（影山選手）が言ってくれたんですけど、春に優勝できたからこそ生まれる過信というか、これくらい練習すればいけるんじゃないか、とかですね。春は完全優勝しましたけど、勝てたような試合はあまりなくて、負け試合をたまたま勝ったということが多かったので、やっぱり過信というのはいけないことだなと思います。
影山 チームがいい調子の時は、いい雰囲気でみんな声出していけるんですけど、秋みたいに駄目な時は常に沈んだ雰囲気で。それを誰も打破できなかったので、そういうところが課題点だと思います。
―その課題を克服するために取り組んでいることは
福谷 僕は運良く日本代表に選んでいただいたりしたので、そこで知り合った仲間たちから情報を得たりとか、他大学がどんな練習をしているのかという情報収集をしています。うちの大学も1200本振るなどの練習はしていますけど、他の大学でももっとやっているんだという意識付けを日頃からして過信しないようにしています。
影山 僕は、練習の時から誰かがミスしたら声をかけて、チームが沈んだ雰囲気にならないように、ミスした選手も元気よくやれるように、心がけて声をかけたり大声出したりしています。
―印象に残っている試合はありますか
福谷 僕は春の選手権大会決勝の東洋大学との試合です。負けて悔しかった反面、それ以上に得たものが大きかった試合だったので、去年の中でも一番印象に残っていますし、人生の中でも一番印象に残っています。
影山 僕は秋の明治大学との三戦目です。負けたら優勝がなくなるという状況の試合に出られて、プレッシャーもありましたがすごくいい経験になりました。
―お二人から見て、新チームの戦力面での印象は
福谷 今年は珍しく、経験という点では他の大学よりもしている方だと思うので、オープン戦をやっていく中でも神宮球場を想定した試合が多くできると思います。でもそこで勝てると思わずに、やっぱり実力は他大学の方が上ですので、練習をもっと積んでいければという印象を受けています。
影山 戦力としては、去年から出ている人もいっぱいいますし、経験もあります。でも他大学も戦力が残っている状況だと思っているので、油断しないで必死になって、去年の春みたいにやれれば結果がついてくるんじゃないかなと。
―チームの目標はもちろんリーグ優勝、日本一ということですが、個人的な目標は
副将コンビの活躍に要注目だ！
福谷 まだ先発か抑えかは決まっていないんですけど、勝ち試合に１イニングでも長く登板するという意味では先発でしたら完投したいですし、抑えだったら勝ちに貢献できるプレーをもっともっとしていきたいです。
影山 来年引退するときに、お前がいたから勝てた試合がこれだけあった、影山がいたからこの試合に勝てたと言ってもらえるような試合を一つでも増やしていけたらと思います。
―福谷選手はドラフトでの指名も噂されていますが、それについては
福谷 それはまだリーグ戦が始まってみないと分からないです。始まる前から注目していただいているのはすごく嬉しいことなんですけど、それに負けないように落ち着いていきたいですし、あくまでプロに入るのは目標ですが、ゴールではないので、そこは勘違いしないようにしていきたいと思っています。
―最高学年であり副将という立場で臨むシーズンですが、最後にお二人が目指す理想のリーダー像についてお聞かせください
影山 僕は錬と違って、声で引っ張っていくタイプではないので、手を抜かずに、副キャプテンのこいつがこれだけやっているんだったら自分もこれだけやらなきゃ駄目だなと思ってもらえるように、やることを常に全力で、手を抜かないで取り組んでいきたいです。
福谷 どうしても野球の試合の中では流れというものがあって、いい時も悪い時もあると思うんですけど、重要なのは、フミが言ってくれたように、悪い時にどうやっていい方へ持っていくかということだと思うので、周りに流されずに自分を持って冷静に試合を見ていける、そういった意味でのリーダーになれたらと思います。
―お忙しい中ありがとうございました
By Ryutaro Moto,Kiyoaki Onuki
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