【体育会卒業選手送別会】481名の門出 平成23年度体育会卒業選手送別会

塾歌斉唱の様子

3月15日(火)慶大の三田キャンパス西校舎ホールにて、平成23年度体育会卒業選手送別会が開催された。今年度は481名の体育会の学生が卒業を迎える。式典は宮島司体育会理事の挨拶から始まり、功労賞など各賞の授与も行われた。最後には式典に集まった全員が起立し、塾歌を斉唱した。

 

挨拶

体育会理事 宮島 司

本日御参列いただいた方々に心より感謝申し上げます。今年の体育会の卒業生は481名でありますが、諸君は慶應義塾創立150年の年に入学し、入部し、記念すべき年であるが故に勝つことを余儀なくされていたためにさぞかしプレッシャーも大きかったことでしょう。そして君らは素晴らしい成績を残してくれました。

しかし君らが最高学年になる直前、東日本大震災が襲いました。果たして部活動を続けていいのか、どうすればいいのかわからない状況に追い込まれました。そこで以前私は体育会月報でこのようなことを述べました。「諸君のなすべきことは、頭の中に日々の生活さえままならない方々のことを思い、こうして練習や稽古ができる喜びを感じてそれに励むことだけである。全国には学生スポーツを楽しみにし、暮らし、災害と戦っている方々が居るはずであり、その方々に真摯な学生スポーツの本随を見せつけることだけが諸君のできる唯一の事柄なのである」といったことが体育会月報に書いてあります。少しでもこのように思って活動してくれた人がいたら嬉しく思います。

諸君の4年間はまさに激動の中の4年間だったわけですが、その中でのこれだけの結束は誇りにすべきことと言ってもいいのかもしれません。今年の春からほとんどのみなさんは自分の希望した道に進むわけですが、依然日本は極めて不透明な経済情勢、社会情勢の中にあります。歴史を見れば明らかなように、社会が混沌とすればするほど慶應義塾はその存在感を増していくこととなるのであり、その中心には体だけでなく、また頭だけでない体育会出身者の存在があるはずであり、またあらねばならないと思います。慶應義塾の体育会の良さは、慶應義塾の学問を伝承し、慶應義塾体育会の精神を受け継ぎということが延々と続けられ、諸君がおのずから知・徳・体を体得していることにあります。諸君は慶應義塾から与えられたこの果実を社会に大いに還元していかないといけないさだめがあります。この言葉の意味を大いに考え、社会に出て活躍してもらうというのが私の切なる願いであります。おめでとうございます。

式辞

体育会会長 清家 篤

卒業おめでとうございます。皆さんがこうして卒業できるのは皆さんの努力と精進があったと思いますが、それだけでなくみなさんを支えてくださった先生方、指導者の方々、そしてなによりも皆さんを慶應に送り出し支えてくださったご家族の力があったからだと思います。

昨年は東日本大震災にみまわれ、授業日程の変更があったり、試合や大会の日程が大きく変更されました。そのような混乱した中で、練習を行うことは大きな苦悩があったと思いますが、そこでひとりひとりが清々しいプレーをすることがとても大切だったと思います。困難な中で皆さんがしっかりと勉強され、しっかりと練習され、そして全力で試合に臨んだ皆さんに敬意を示したいと思います。福澤先生は公知という言葉を残しています。物事の軽少、大小を判断し、重いものを先に、軽いものを後にという判断が最も大切だと言うことを公知と言うわけですけども、昨年の大震災の中で精一杯全力で頑張った皆さんの姿は福澤先生のおっしゃった公知の精神に誠にかなったものであると思います。

皆さんは文武両道を目指してきたわけでありますけども、文武両道というのはもちろんスポーツも勉強もしっかりやるということが意味として一つあるわけなんですが、もう一つはスポーツも勉強であるということ。つまり体育会の部の活動そのものが勉強なのであるということであります。どうしたら試合に勝てるかという仮説を作って、それを練習で検証して試合に結びつけるということはまさに、問題を見つけて仮説を作って結論を導くという学問と同じであり、そのことが自分の頭でものを考えるという能力を培うわけであります。

実学の精神であるとか、公知であるとか、思いやりの心である徳心というものをこれからみなさん社会にでても磨いていって欲しいと思います。そうすることで自らの生活を豊かにし日本の社会の進歩に貢献していってもらう、みなさんにはそれができる力があると私は信じています。

部長代表祝辞

バスケットボール部部長

 大谷 俊郎

みなさんには「ありがとう」と「ごくろうさま」という二つの言葉を送りたいと思います。「ありがとう」は慶應義塾のためにこの4年間頑張ってきてくれてありがとうという意味です。「ごくろうさま」は4年間の頑張りに対してです。

皆さんの中には努力して世界レベルに登り詰めた人もいれば、思うように成績が伸びなかった人もいると思います。しかしプレーにおいて感じた楽しさや苦しさ、そしてそこから自ら考え、さらに高いレベルを目指して努力してきたことは一生の財産になります。

社会においてベンチメンバーで居続けられる人は必ずしも多くありません。ベンチにいた人もケガによってシーズンを棒にふった人もそこから学んだ挫折や、命懸けで立ち上がった経験は各自の問題解決能力の向上に役に立っていきます。

慶應義塾が社会において高い評価を得ている理由はなんでしょうか。私見ではありますがそれは社会にでてすぐにはベンチメンバーになれなかった先輩たちが誠実に生き、自分を磨き、その結果として周囲からおされ、様々な分野でリーダーとして活躍してきた、そしてそれが154年間続き、気づいてみれば現在の日本の繁栄の礎となっていた事実があり、その事実が動かし難く、批判しがたいのでそのような評価を得ているのだと思います。

それによって試合に出続けた選手の評価が落ちることはなく、私は皆さん全員に敬意を示すものであります。

これからも初心を忘れず、奢ることなく、誇りを失わず、誠実に生きていって欲しいと思います。ここにいるいうなればダイヤモンドの原石たちが10年後20年後にさらに輝きを増していっていると確信しています。

来賓代表祝辞

三田体育会会長 西岡 浩史

今日このような式典を企画してくださった人たちに感謝の気持ちを感じて、この日を忘れずに胸にしまっていただきたい、そしてありがとうという言葉を大切にしていただきたいと思います。

皆さんは4年間でいうなればwithとかtogetherの世界について学び、良い経験をされて卒業されていくわけですが、ただこの卒業というのは今日この日から新しいスタートを切るという意味です。これからみなさんそれぞれ違う道に進みます。辛いとき、下を見ることなく1歩2歩先に進む、場合によっては走る。これから新しい道で積極的な皆さんを期待しています。これから進む中で1足す1を2ではなくて、3,5,10無限大にもっていくということは体育会から経験した大きな経験であります。20年後30年後皆さんが大いに活躍していることを願います。

在学生代表送辞

バスケットボール部 桂 竜馬

本日ご卒業されるみなさんに謹んでお祝い申し上げます。部内に限らず部外においても多くの先輩に温かくお世話していただきました。先輩たちは私にとっての虹でした。視線の先で光を放ち、それを見た後輩たちは憧れや意思を心に抱き、私たちに進むべき道を示してくださいました。虹は決して触れることもできないし、どれだけ頑張ってもその麓にたどり着けません。そんな先輩たちがいたからこそ、私たちは道に迷うことなくあるきつづけられました。7色に輝く先輩たちを追い続けてきた日々は私の財産です。先輩たちから教えていただいたことを体現し、必ずや陸の王者慶應を成し遂げることを誓いたいと思います。

卒業生代表答辞

剣道部 細貝 啓

塾体育会での4年間、打倒早稲田を果たすために、研鑽を積み重ねた時間でした。目標を達成できなかったときの力ない自分と向き合う苦しさは、更なる勝利への意欲と成長を与えてくれました。またこれまで苦しみや喜びを分かち合った同期は生涯の友と呼ぶことができ、これからも続く私たちの人生に豊かさを与えてくれました。どれだけ時間が経っても、この友人たちと肩を組んで若き血を歌ったりしたいと思います。これから塾体育会での経験を糧に、塾生としての誇りを持ち、自分の責務を全うしていきたいと思います。

後輩のみなさん、今、塾体育会は皆さんの時代を迎えました。自分の役割と向き合い、お互いの役割を認め合い、必ずや高い目標を達成してください。我々は熱い信頼と、ありったけの期待を込めて、すべての部活を応援しています。

 

By Akane Takahashi, Dai Miyamoto

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