第86回関東大学サッカーリーグ第2節
2012年4月14日(土) 11:30KO @西が丘サッカー場
慶應義塾大学 1-2 神奈川大学
{得点} 16分 中武駿介(神大)、31分 近藤貫太(慶大)、49分 村岡拓哉(神大)
前節の中大戦で悔しい逆転負けを喫した慶大。今節は右サイドハーフに長尾(総2)、ボランチに山浦公(商4)の2人を先発で起用した。試合は慶大が序盤からボールを支配してサイドを中心に攻撃を仕掛ける。だが、16分に一瞬の隙をつかれる。ペナルティーエリア内で左から右に上手く回され最後はフリーとなった相手に決められてしまい先制を許してしまう。しかし、「我々の目指しているサッカーを貫く」と須田監督が話すように浮き足立つことなく再び慶大は主導権を握り始める。すると22分、山浦公のスルーパスに近藤が抜け出すと、たまらず相手キーパーがタックル。これがペナルティーエリアぎりぎりのところでFKの判定となる。キッカーの山浦公が蹴ったボールは相手の壁の手に当たり、これがハンドの判定。PKのチャンスを得る。しかし山浦公が左に蹴ったボールはキーパーにセーブされてしまい絶好のチャンスを逃してしまう。だが迎えた30分に意外な展開で試合は動く。相手のバックパスを追いかけていった近藤が相手のミスを誘い、ボールをカットしてそのままゴール。2戦目にして初ゴールをあげ大きなガッツポーズをしてみせた。慶大はさらに攻めたて、33分には岩田(総3)のクロスを赤木(経4)が中で合わせるもボールは枠の外。その後も攻撃を続けるが得点に結びつかず、1-1で前半を終えた。
迎えた後半、慶大は赤木に代えて前節でも途中出場している武藤(経2)を投入。しかし、49分、クロスボールを相手にヘッドで決められ1-2と勝ち越しを許してしまう。57分には長尾に代え森田(経4)を投入し状況を打開しようとするが、縦へ縦へと急いでしまい、慶大らしいサッカーを「慌ててしまってできなかった」(須田監督)。60分、62分と立て続けにピンチを迎えるがここは今節もスタメン出場の峯(政2)がファインセーブ。神大ペースで試合が進む中、69分には山浦公に代えて端山(総1)を投入。迎えた75分、森田のクロスを武藤がヘッドで合わせるもキーパーのセーブにあってしまう。その後はロングボールを多用してくる相手に対し、一進一退の攻防を繰り広げるが得点を決めることはできず、試合終了のホイッスル。1-2で敗れてしまい、連敗となった。
前半は主導権を握り、サイドを有効的に使うことで慶大らしいサッカーを展開することができたが、後半は「自分たちのリズムでパスをつなぐというのを自分たちが放棄した形になってしまった」(松岡副将・商4)。今節の敗戦により、開幕2連敗という結果になってしまったが、まだリーグは開幕したばかり。「ぶれないで」(須田監督)慶大のサッカーを貫くことが今後のカギとなるだろう。インカレ出場という目標を達成するためにも、次節の東学大戦で勝利し、波に乗っていきたいところだ。
(記事・櫻井 悠平)
試合後コメント
須田監督
(今日の試合を振り返って)負けるべくして負けたと、そんなゲームでしたね。(今日1番の敗因は)敗因はすべてだけど、まずサッカーなので闘争心とか、そこが相手の方が球際であったりだとかが勝っていた。あと、戦術的にもこっちがやろうとしているサッカーを90分間ずっとやろうとしなかったというのかな。失敗しようがなんであろうがやろうとしなかった、違うことをやり始めたというのがチームとしては1つになれないというか、90分間戦えないというところではないかと。(前半はワイドにピッチを使っていた一方、後半は縦に急ぎすぎたように見えたが)そこがうちのサッカーができなかった。もっとパスコースを作ってパスを回せればいいのだけれどもそこを慌ててしまってできなかったというのがね。いいリズムが作れないですよね、あれでは。(雨の降る中での試合であったが)いや、それは相手も同じ条件なので。逆にボールが走ってうちらとしてはスピード感のあるパスワークで崩せるんじゃないかと思ったんですけど。やりにくいということはないと思います。(2連敗という結果について)ある程度予想できたというか、というのがあるので我々がやろうとしているサッカーをぶれないでトレーニングからやり続けると。まあ連敗したからといってサッカーを変えるわけでもないし。人は変えていこうかなとは思うんですけど、サッカー自体は我々の目指しているサッカーを貫くという感じでやっていきたいと思います。(スタメンに変更が見られたが何か意図はあるのか)コンディションがちょっと悪かったというのが1つですね。森田のコンディションがあまり良くないということと、長尾がトレーニングのときからよかったので。あとは藤田の場合はケガをしたので。もうしょうがないですね。
松岡副将
(今日の試合を振り返って)連敗はできないと話していて、試合を通して慶應のサッカーというのはできなかったのが敗因だったかなと思います。(雨の中の試合であったが試合前にはどういう指示を受けたのか、また個人でもどういうプレーを心がけたか)まず自分たちで主導権を握ってサッカーをしようといつも通り話しているんですけど、自分としてはまずワイドに使って相手を広げて、中盤が主導権を握ってパスで崩してくれるという形だったんですけど、後半の立ち上がりでまた中大戦と同じように失点してしまって時間帯を考えてサッカーができていなかったというのがあります。(藤田選手の欠場により今節はキャプテンマークをつけていたが意識した点)ゲームキャプテンということでチームが苦しい状態になったときに鼓舞し続けて奮い立たせられるようにしたんですけど、後半に入って自分たちのリズムでパスをつなぐというのを自分たちが放棄した形になってしまったのでそこが悪かった点だと思います。(相手の前線からのプレッシャーに苦しんだ部分はあったか)自分はそこが課題でもあるので去年から続けて成長していかなくてはいけない点だなとは思っていて、できている部分もあるし、プレッシャーでつめられるという部分も多いのでそこは個人の問題なので成長しなくてはいけないと思います。(次節に向けて)前回と同じになるんですけど、連敗というのは本当に。3連敗はできないですし、勝ち点1とかではなくて、3だけ、勝ちだけを追求して今週1週間準備したいと思います。
松下
(今日の試合)全体的に僕らのサッカーができなくて、情けない試合だったっていうのがすべてで、細かいことを言うと立ち上がりに失点したっていうのが悔しい結果に繋がったと思っています。(1失点目について)1失点目は僕が向こうの11番につられてしまって、僕のスペースを使われての失点だったのでもうちょっと落ち着いて僕の範囲を守っていれば良かったのかなと思います。(2失点目について)2失点目も僕が競り負けてしまったことが全てなんですけどとられ方も悪かったですし、右サイド崩されたっていうのもありますし、そこをもうちょっと突き詰められればと思います。(雨の中やりにくいピッチコンディションだったと思うが)向こうも同じ環境なので、そこは言い訳にはできないです。(チームとして、個人としての改善点)チームとしては90分間自分たちのサッカーを貫かなきゃいけないっていうのがあって。今日特に後半は繋ぐっていううちのサッカーができなかったので、どうしても後ろから蹴ってしまって自分たちのサッカーが出来なかったっていうのがあるので、次の試合からは自分たちのサッカーを90分間貫かなければならないと思います。個人としては2失点とも自分がもっと集中して自分のプレーをすれば失点は防げたと思うので、90分間後ろの選手は集中してサッカー出来ればと思っています。(次の試合に向けて)今日負けて連敗してしまったので、3連敗は上にいくためには絶対してはいけないことなので、しっかり切り替えて来週1週間しっかり練習して良い試合ができればと思います。
増田
(今日は雨の中での試合だったが、今日はどのような形で試合に臨んだか)今日のピッチ的に水たまりもなくて、逆に自分たちのパスがうまく回せるんじゃないかと考えていたんですけど、特に(普段と)変えることはなかったです。(神大の早いプレスに苦しんでいた印象だったが)やっぱり90分間通して自分たちのパスサッカーができなかったっていうのが残念で、そこが今日の結果に繋がってしまったのかなと思います。(開幕から2試合戦って、チームの完成度は)やっぱり勝ち点3をとる厳しさっていうのを痛感していますし、サッカーやるうえでまず大切なところができてない。そのうまさではなくて、戦うってところが今日に関しては神大のほうが上回っていましたし、勝利に対する気持ちが欠けてしまっているので結果がでてないと思います。(今日連敗した中でも、良かった点は)いや、ダメでした。(次節の意気込みを)連敗してしまって、非常に厳しい状況ですけど、やるしかありませんし、3連敗は本当に許されないので、気持ちを切り替えて今週一週間また臨んで、次は勝てるようにしていきたいと思っています。
武藤
(今日の試合を振り返って) 後半立ち上がりに失点してしまったっていうのが勝敗を大きくわけたのではないかと思います。(出場時間が前節よりも伸びたが、けがの状態が良くなったということなのか)そうですね。まだまだ時間制限はあるんですけど、これから徐々に状態を上げていって次節はまだ全部は出られないと思いますけど、徐々にしっかりと自分のプレーを出して、得点も取れるようになれればいいと思います。(雨の中でやりにくかったと思うが)ピッチコンディションは正直良くなかったと思います。ドリブルもしにくかったですし、自分たちのプレーがあまりできていなかったんですけど、相手も同じ状況ですし、そういう状況でもチームとしてやりたいことをピッチで表せなかったのはチームの問題だと思います。(武藤選手にボールが集められるため相手から削られる機会も多い。そのことについて)今日も三ヵ所くらい削られてしまって。そういう時に近藤とかにパスを出していければもっと幅も広がると思いますし、誰のところにボールを集めても攻撃のスイッチが入るようなチーム作りをしていかなきゃいけないのかなと思います。(今後意識していきたいプレー)自分は45分という時間制限があるので、良いプレーというよりは得点に絡んでプレーしていかなきゃなと思います。(次の試合に向けて)3連敗はしてはいけないと思いますし、自分たちのサッカーを貫ければ結果はおのずと勝利っていう方向に向かってくるのではないかと思うので、自分としてもゴール決められるように頑張りたいです。
近藤
(今日の試合を振り返って)1-2という結果で勝利が求められていたと思うんですけど、勝てなかったっていうのが結果です。(2試合連続でトップの位置に入りましたが、監督からはどのような指示でピッチに入ったか)攻撃は基本的に自由にやっていいと言われていますけど、今日は点を取ってこいと試合前に言われていました。(得点シーンを振り返って)そうですね。あれは後ろからかけるなっていう指示があったんですけど、自分はいけると思ったんで。相手のキーパーがあっちにだすのもなんとなくわかっていましたし、そういう意味では自分で判断して、プレスかけてとったゴールでした。(開幕2試合を戦って、大学サッカーの印象は)今日のチームをみてわかるんですけど、球際はもちろん強いですし、それは自分も想定していたことで、サッカーやるうえで当たり前のことなので、それができていない今日の慶應大学ソッカー部っていうのがこの結果になった要因ではあると思います。(1勝をあげるためにチームに必要なものは)今日の試合だとまず気持ちからかえていかなきゃいけないというのはありますし、戦術について練習することもそうですけど、やっぱりみんなが戦う気持ちっていうのが今日は欠けていたと思うので、そういう気持ちは絶対なくしちゃいけないというのはあります。そこを変えてからですね。(次節への意気込みを)開幕2連敗という中で、どうしても勝利が欲しいという状況なので、ただ勝利のために、自分ができることをする。ただそれだけです。
慶大出場選手
GK峯達也(政2) |
DF松岡淳(商4) |
DF松下純土(総3) |
DF山浦新(総2) |
DF岩田修平(総3) |
MF増田湧介(環2) |
MF山浦公裕(商4) →69分端山豪(総1) |
MF赤木努(経4) →HT武藤嘉紀(経2) |
MF長尾賢太郎(総2)→57分森田達見(経4) |
MF磨見朋樹(文2) |
FW近藤貫太(総1) |
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