前日の敗戦により勝ち点を取るためには後がなくなった慶大。先発は一回戦で８回１失点と好投した竹内大（環４）。７回途中まで３失点に抑える粘りの投球を見せ反撃を待つが、またも打線の援護に恵まれず。法大先発の左腕・石田に対して、期待の１年生・横尾（総１）のタイムリー二塁打による１点に封じ込められ１－３で敗れた。連敗を喫し、法大相手にまたも勝ち点を奪えなかった慶大は、完全優勝の可能性がなくなるとともに春３連覇も黄色信号となった。
慶大唯一の得点をたたき出した横尾
| １ | ２ | ３ | ４ | ５ | ６ | ７ | ８ | ９ | ||
| 法大 | ０ | ０ | ２ | ０ | ０ | ０ | １ | ０ | ０ | ３ |
| 慶大 | ０ | ０ | ０ | ０ | ０ | ０ | １ | ０ | ０ | １ |
慶大：●竹内大、只野、福谷－阿加多
法大：○石田－土井
慶大出場選手
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ポジション |
選手名（学部学年・出身校） | |
| １ | [８] | 辰巳（文４・郡山） |
| ２ | [６] | 福富（商４・慶應） |
| ３ | [５]４ | 山﨑錬（商４・慶應） |
| ４ | [９] | 藤本（環２・慶應） |
| ５ | [７] | 影山（総４・鎌倉学園） |
| [Ｈ]３ | 鈴木裕（商４・慶應） | |
| ６ | [２] | 阿加多（法４・慶應） |
| ７ | [３] | 渡邊暁（商３・慶應） |
| [Ｈ]５ | 横尾（総１・日大三） | |
| ８ | [１] | 竹内大（環４・中京大中京） |
| １ | 只野（商４・慶應） | |
| [Ｈ] | 倉橋（総４・済々黌） | |
| １ | 福谷（理４・横須賀） | |
| ９ | [４] | 齊藤（政４・慶應） |
| [Ｈ] | 荒川（商３・慶應） | |
| ７ | 佐藤旭（商２・慶應） |
目標とする完全優勝へ、負けるわけにはいかない慶大の先発は一回戦で好投したエース・竹内大（環４）。一方の法大は同じく一回戦で先発し、１０回を１５０球で完投した三嶋ではなく、左腕・石田。昨秋慶大からの１勝を含む３勝を挙げ、ブレイクした２年生を攻略できるかどうかがポイントとなった。
二回戦までの２試合で打率.２０８、４得点と思うように調子が上がらない慶大打線。この日も１、２回と安打を足がかりに得点圏に走者を進めるが、後続が凡退し得点には至らず。なかなか前日から続く悪い流れを断ち切れない。
竹内大は粘りの投球を見せるも今季初黒星を喫した
すると３回表、先発・竹内大が早くも強力な法大打線に捕まってしまう。追い込みながらも甘く入った球を大城戸に捉えられ、右中間を破る三塁打でピンチを招く。さらに四球で１死１，３塁とされると２番・建部への初球が痛恨のワイルドピッチに。先制点を許したショックからか、続く投球を建部にレフトの頭上を越えるタイムリー二塁打にされ、法大に２点を先制されてしまう。
逆転を狙う慶大打線だったが、尻上がりに調子をあげる法大先発・石田に３回から３イニング連続で三者凡退に抑え込まれるなど糸口をつかめず。「よくはしっていた」（山﨑錬主将）ストレートにバットを折られる場面もあり、無得点の厳しい展開が続く。
均衡した試合が動いたのは７回。失点を許した３回以降は、走者を得点に背負いながらも何とか粘り強い投球でピンチを切り抜けてきた竹内大だったが、２死から多木、岩澤に連打を浴び３失点目を喫したところで降板。直前には渡邊暁（商３）に好プレーがとびだしていただけに惜しい追加点となってしまった。リリーフした只野（商４）が後続を打ち取ったが、大きな３点目を取られる結果となった。
しかし、慶大もこのままでは終わらない。直後の７回裏、先頭の鈴木裕（商４）が四球を選ぶと続く阿加多がこの日２本目となるヒットで無死１，２塁。一発が出れば同点の絶好機を作ると、ここで江藤監督が代打に送り出したのは期待の１年生・横尾（総１）。２ボール２ストライクと追い込まれながらも、５球目をレフト線に運ぶタイムリー二塁打を放つ。１塁走者阿加多が本塁でタッチアウトとなり、１点止まりとなったが、大型ルーキーの一打で慶大打線は目覚めるか。そう感じさせる打球だった。
今季初スタメンの阿加多は２安打と奮闘した
一気に流れを引き寄せたい慶大は一回戦に続いて福谷（理４）を投入。総力戦で勝利を目指すナインの期待にこたえる、力のこもった好投で８、９回を無失点で抑える。しかし結局、打線は石田を６安打１得点と攻略し切れず、完投を許してしまう。そのまま１－３で敗れ、引き分けのあとまさかの連敗。勝ち点を落とし、慶大８０年ぶりの春季３連覇に早くも黄色信号となってしまった。
終わってみれば連打は唯一の得点の生まれた７回の一度だけ、長打も横尾のタイムリー二塁打のみ。投手陣の奮闘が目立つだけに打線の挽回が待たれる結果となった。「打つ方も守る方も勝負所をものにできてない」（山﨑錬主将）が、それは逆にあと一本、あと一球の勝負に勝てれば試合をも勝ち取れるほどの紙一重の差であることを意味している。下を向かず、昨秋日本一の明大に立ち向かってほしい。
（記事 並松 康弘）
山﨑錬主将（今日の試合を振り返って）今日は後がない中で挑んだわけですけど、なかなか相手ピッチャーを打ち崩せなくて先に点を取られてしまった分、全部後手後手に回ってしまったなという感じでしたね。（石田投手のどの辺りに苦戦したか）やっぱりストレートが走っていたというところ、それが一番だと思いますね。（勝ち点を落としてしまったが）そうですね。一週空くのでここで雰囲気を変えて次の明治戦に挑みたいと思います。（主将として初カードをプレーして、今まで変わったと感じたことは）去年の秋とかとそんなに変わりなく試合は出来てると思うんですけど、打つ方も守る方も勝負所をものにできてないなという感じですね。（次戦に向けて）もう負けられないんで、ここからは強いチームになるためにもう一回練習して、明治戦に挑みます。
阿加多
（今日の試合を振り返って）そうですね、やっぱり勝たなきゃいけない試合だったんですけど勝てなくて、勝たなくては意味ない試合だったので次は絶対に勝ちたいです。（リードについては）大助はランナーが出た後に変化球があんまり入らなくなって、追い込んでからが特に難しかったですね。それでも変化球を投げさせなきゃいけなかったんで、それが僕の失点ミスかなって感じです。（法大打線について）全体的に変化球にもついてこられてて、あと振ってこられてたんでそこが嫌でしたね。（今日は2安打で、2本目は得点につながったが）チャンスを作るのも大事な仕事なんですけど、今はチャンスでのあと一本ていうのがなかなか出ていないんでそれを打ちたいですね。（次の試合に向けて）2連敗してしまったんですけど、まあウジウジしててもしょうがないんで、あと4カードあるんで全部勝てるように練習するしかないですね。
横尾
（初安打初打点を記録したが）チームに貢献できたと思います。少し楽な気持ちになれた。これからもチームに貢献できるように頑張りたいです。（大学での初カードを終えたが、感じることは）大学のリーグ戦の感じは知っていたので、特に感じることはないです。（次の個人的な目標は）レギュラーになって、チームに貢献できることが一番だと思っています。（次の試合へ意気込みを）出られるかわかりませんが、出たら自分のできることを考えて頑張りたいと思います。
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