【アメフト】第60回早慶戦直前特集② オフェンス対談 

昨日からお届けしている第60回アメフト早慶戦特集。第2弾は堀井久輝(商4・高槻高)×吉田幸祐(法3・慶應高)によるオフェンス対談です。アメフトを始める至った経緯から厳しい結果に終わった昨季、早慶戦にかける想いを語ってもらいました。

早慶戦は両校の誇りと意地のぶつかり合いだ

―自己紹介をお願いします

堀井 商学部4年の堀井久輝です。アメフト歴は関西にいたの中学校1年生から始めたので今年で10年目になります。ポジションはクォーターバック(QB)で、高校に入った時からやってるんですけどアメフトの中でいう司令塔の役割であるポジションです。攻撃で様々なポジションの人をまとめて一つの方向に導くという役割です。

 吉田 法学部法律学科3年の吉田幸祐です。ポジションはワイドレシーバー(WR)といって、オフェンスで堀井さんのようなQBの投げたボールを取るという仕事です。キャッチ職人っていう感じです。

 ―ポジションの魅力は

堀井 QBは最初に必ずボールを持つポジションでして、そこから吉田のようなWRにボールを投げたり、ランニングバック(RB)に渡したり、もしくは自分でボール持って走ったりするんですけど、自分からボールが展開されるのでプレーの決定権だったり、どういうふうにディフェンスしてくるかっていうことを考えて攻撃を組み立てるかを決められる立場なので、そういった意味でアメフトの試合をコントロールする点が面白いと思います。それが自分の使命なので、ある意味責任なんですがその責任を楽しみながらやっているっていう感じですね。

吉田 QBが投げたボールを取るポジションなんですけど、長いパスとか難しい球を取ったりすると試合の流れを変えられるビックプレーを作れる唯一のポジションだと思うので、試合で観客に見せるには絶好のポジションだなと思います。

―そのポジションを始めたきっかけは

堀井 中学の時は体が大きいほうだったのでオフェンスライン(OL)だったんですけど、中学のシーズンが終わり高校に入るまでの間にキャッチボールしてたら、高校の顧問が「いい球投げるな」という話をされて、それでQBやってみないかと言われてやりました。

吉田 高校のときはアメフトのことは何にも知らなかったので、基本コーチがポジション決めてくれたんですけど、自分で試合見たりしてそれなりに上背もあって、競り合いで勝てるっていう武器を生かせるって思ったのでやりました。(ボールを)取るか取らないかで(試合展開が)分かれるので取るしかないなという気持ちになります。

 ―昨シーズンを振り返って

堀井 割とメンバーは揃っていたと思うんですけど、アメフトっていうのは難しい部分があって、同じフィールドで練習してるんですけどオフェンスはオフェンスの練習だけ、ディフェンスでディフェンスの練習だけにフォーカスしていて、練習の中で対戦するという形式で練習しているのですが、やっぱりオフェンスとディフェンスのバランスというのがすごい大事だと思います。攻撃の面では0点という試合はなく、ある程度の攻撃力はあったんですが、ディフェンスとかみ合わなかったです。それは自分たち(オフェンス陣)でリズム作りあげて、ディフェンスの人のモチベーションも上がってきたりっていうのもあるので、すべての失点がディフェンスの責任、すべての得点がオフェンスの責任というわけでもないので、一昨年と比べて順位を一つ落としてしまったんですけど、試合全体としては悪くはなかったかなと思います。細かいところでいうとパスだったり、ランだったりというところでそこで少しランに偏ってしまってそこを対戦相手に分析されて、つぶされましたね。でも難しいよね、何で負けたのって言われると。

吉田 選手が揃っていると言っても、他の強豪校と比べたらスター選手とかいないので、そういう強い相手に対してチーム一丸となって勝つ必要があると思うんですけど、オフェンスとディフェンスの仲が悪いというか、コミュニケーション取れてなくてまとまってなかったのでチームとしてまとまるっていうのは必要されているにも関わらず出来てなかったっていうのが一番の問題かなと思います。

 堀井 戦術とかではなく、根本的なチームワークなんですけど、そこが原因として大きいと思います。

―新チーム始動後は

UNICORNSのオフェンスはQB堀井から始まる

堀井 チームを導く主将の言葉を借りると「Do the right things」常に正しいことをしようというのがこのチームの掲げている理念で、細かいことで言うと部室をきれいにしておくというのも練習で最後までダッシュをするというのも正しいことなので、小さなことから正しいことをできるように、それが試合でも生きてくると考えています。そこからスタンダードを上げていって、最終的にはそれを試合で実行できるように、普段からやってるから試合でも自然とできるようにというのが今の目標だと思います。

―オープン戦など実戦を通して手ごたえは

吉田 まだ1試合なのでまとまりきれてないというか、練習でやってることがそのまま試合で出てるわけじゃないしまだ試合慣れもしていない素人軍団みたいな感じのまとまってない感じは受けましたね。ですよね?

堀井 そうだね。まだ細かいこと詰めてなくて、浮足立っていたかなと思います。経験を通じて良くなっていくことも、改善しないといけないこともあると思うんですけど。

吉田 逆にその課題が見えたっていうのは収穫ですね。

―昨季の中心選手が抜けたことに関しては

堀井 具体的な話をするとQBの先輩で去年までずっと活躍していた徳島(政卒)さんが足も速くて、状況判断も優れた選手だったんですけど、その選手が抜けることで足でかき乱すっていう戦術は少し減って、今残っているQBが割とパスが得意で走るのは徳島さんほどうまくないということでパスで攻めていこうというチームのコンセプトになっています。慶應のオフェンスは時間を使って自分たちのオフェンスを展開していこうとしていて、去年まではランプレーという形で徳島さんが走ることによってやっていたのを僕たちはパスを成功させることでコントロールしていこうとしています。吉田などWRに足が速くて背の高い選手が例年より多く揃っているのでそこを生かしていこうということに重点を置いています。

―ご自身の調子は

堀井 割といいと思います。体の調子もそうですけど、試合に臨む時に一番大事なのはメンタルだと思っていて、フィールドに立った時に怖気づいたり早稲田に恐怖感を持ったり、うまくできるのかなという気持ちを持ってしまうのが自分のプレーを委縮させてしまうと思うので、それを克服するために早稲田の試合を見て、どういうメンバーがいて。どういうことをしてくるのかを分析してある程度頭に入れてイメージしてどしっと構えてプレーに臨むことが大事だなと思います。

吉田 去年は上級生が抜けたってこともそうですし、パスが増えていくってことはコーチも少なからずレシーバーには期待してくれているってことなので強い責任感もありますし、去年早慶戦でそんなに活躍できなかったっていうのもあるのでそのリベンジという点で燃えている状況ではありますね。

―オフェンス陣の注目選手は

堀井 やっぱり吉田幸祐ですかね(笑)身長、スピードがあってキャッチがとても上手いということで早稲田の選手と一対一の勝負になった時に絶対勝てると信じているので「こいつに投げれば決まるだろう」っていう信頼感を得ている選手なので本当に期待しています。

吉田 ありがとうございます。僕はQB陣がすごい充実していると思っていて、今年やりたいオフェンスはQBが中心になると思うのでQB陣には注目すべきだと思いますね。

堀井 QB陣が充実しているということはそれを受けるWRも充実しているということですね(笑)

吉田は得意のキャッチで流れを変えられるか

―早慶戦ということで、早大の印象は

堀井 今年のチームのことはよく知らないんですけど、聞く話によると慶應にすごい敵対心を燃やしてすごい研究や練習を重ねているらしいので、真摯に早慶戦に向けて練習されているということで、自分たちもそれに対して本気でぶつかっていかないと簡単に勝てる相手ではないですし、ここ最近は負けが込んでいるので早慶戦に向けて全員で一つになってやっていかないといけないですね。絶対に勝ってやるんだって言う強い気持ちを持って臨んでいきたいと思います。

吉田 早稲田も選手抜けたって言われてますけど、その分チーム全員で戦ってくると思うので手ごわい相手に変わりないと思います。

―やはり早慶戦は特別か

堀井、吉田 はい!特に今年は2回あるので。

吉田 僕は高校からやっていて、早慶戦っていうのは1大イベントで、公式の早慶戦ではまだ一回も勝てていないのでやっぱりライバル視はしますね。関東の大学では一番します。

堀井 大学からなので高校からやっている人に比べたら少し薄いのかもしれないですけど、早慶戦の時期になると練習のときでも空気変わりますし、ピリッとした空気の中でやってくる中で慶應にとって早稲田は特別な存在なんだというのを感じることが多々あったので早稲田に負けてはいけない、勝って若き血を歌いたいっていう気持ちに僕もなってきています。

―慶應が早稲田に勝つために必要なことは

堀井 練習でしていることを100%、120%出来なければ勝てないと思います。練習でも細かいこと意識してやっていますけど、それを練習していることを完璧に出して、さらにオフェンスとディフェンスが一つになって早稲田に勝つという一つの方向を向けば勝つことが出来るんじゃないかなと思います。

吉田 先ほども言った通り、スター選手は一人もいなくて練習でやったことしか出せないと思うので、死ぬ気で全員でやるしかないなと。抽象的になりますけど、それしかないと思います。

―自分の注目してほしいプレーは

堀井 僕は割とパスが得意な方なのでパスの面でやっぱり注目してもらいたいなと思います。吉田のようなレシーバーが揃っているので、そういう人たちへのパスってことになりますね。

吉田 キャッチですね(笑)試合の流れを一発で変えられるようなビックプレーを狙っていきたいと思います

―早慶戦への意気込みをお願いします

堀井 自分にとって春の早慶戦は人生最後になるので、慶應にとっても自分にとっても特別な1試合になると思うのでそこでは絶対悔いは残したくないと思うので、今から早慶戦に向けて自分できることを100%出して、絶対に勝ちたいというふうに考えています。

吉田 早稲田を倒さないと我々のシーズンは始まらないので意地でも勝って、自分は来た球を全部取って勝ちたいと思います。

(取材・並松 康弘)

♠堀井 久輝(=写真右) 慶大オフェンスリーダを任され、ポジションはQB。高槻高出身。「勝って若き血を歌いたい」と大舞台に闘志を燃やす。

♠吉田 幸祐(=写真左) ポジションはWR。慶應高出身。QB陣からも信頼される男が「来たボールは全部取って勝ちたい」は強い意気込みを見せる。

 

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