【野球】ルーキー横尾が決勝打！勝ち点奪取　明大②

４月２９日(日)　慶大―明大　二回戦

　接戦となった明大との初戦を制し、１勝０敗で迎えた明大二回戦。２日連続で先発マウンドに上がった竹内大（環４）は四回にソロホームランを浴びて先制を許すと、六回にも１点を追加され、一時は２点差をつけられてしまう。だがその直後の六回裏、横尾（総１）が満塁から走者一掃の三塁打を放ち、慶大が逆転に成功する。さらに慶大は八回にも打者一巡の猛攻で５点を追加。終わってみれば１２安打、８得点の大勝を飾り、昨秋の覇者・明大から連勝で勝ち点を獲得した。

 

	１	２	３	４	５	６	７	８	９
明大	０	０	０	１	０	１	０	０	０	２
慶大	０	０	０	０	０	３	０	５	×	８

慶大：竹内大、○山形、福谷―阿加多

明大：●関谷、岡大、上原―石畑

 

慶大出場選手

	ポジション	選手名（学部・学年）
１	[８]	辰巳（文４・郡山）
２	[７]	影山（総４・鎌倉学園）
	７	佐藤旭（商２・慶應）
３	[４]５	山﨑錬（商４・慶應）
４	[９]	藤本（環２・慶應）
５	[２]	阿加多（法４・慶應）
６	[５]	横尾（総１・日大三）
	Ｒ	荒川（商３・慶應）
	４	大川武（環４・ 済々黌）
７	[３]	渡邊暁（商３・慶應）
	Ｈ	谷田（商１・慶應）
	３	鈴木裕（商４・慶應）
８	[１]	竹内大（環４・中京大中京）
	１	山形（政３・土佐）
	Ｈ	松本大（環３・桐光学園）
	１	福谷（理４・横須賀）
９	[６]	福富（商４・慶應）

 

　慶大の先発は、前日の試合で先発として６イニングを投げた竹内大（環４）。対する明大の先発は関谷で始まった。

　連投で疲れは「多少はあった」と振り返る竹内大。二回、三回と得点圏にランナーを進められてしまう苦しい立ち上がりだったが、後続を抑えて無失点で切り抜けた。一方の打線も二回、三回と安打を一本ずつ放つものの、得点には結びつかない。

　四回表、竹内大は二死までこぎつけるものの、石川に左翼にソロホームランを浴び、先制を許してしまった。追い付きたい打線は五回、二死から竹内大、福富（商４）の連打で一、二塁のチャンスをつくるが、辰巳（文４）が三振に終わった。

 

　

　

　六回表、竹内大は三塁手・横尾（総１）のエラーなどで一死二塁のピンチを背負うと、４番の小室にタイムリー二塁打を浴びて、さらに１点を追加されてしまう。続く山崎に内野安打を許すと、ここで竹内大は降板し、山形（政３）がマウンドに上がる。山形は続く石川に四球を与えて一死満塁とされてしまうが、後続を抑え、慶大はこの回を最少失点で切り抜けた。

 

　

　

　

　２点差で迎えた六回裏、ついに打線が明大先発の関谷をとらえる。先頭の影山（総４）、続く山﨑錬（商４）の連打で一、二塁とすると、続く藤本（環２）の打球を三塁手がファンブルし、無死満塁の絶好のチャンスを迎える。続く阿加多（法４）は倒れたが、打席には１年生ながら２試合連続でスタメン起用された横尾。ここで横尾は「（六回表の）ミスを取り返したかった」と、左翼線へ走者一掃の三塁打を放ち、慶大が一気に逆転に成功した。

 

　　さらに八回裏、明大２番手の岡大から先頭の山﨑錬、続く藤本の連打でチャンスをつくると、阿加多が左翼へタイムリーヒットを放つ。さらに相手の失策で１点を加えると、無死二、三塁でこの日スタメンを外れた鈴木裕（商４）が意地のタイムリー二塁打を放ち、２点を追加。その後も辰巳の内野ゴロの間にランナーが生還し、この回は打者一巡の猛攻で５点を奪った。

　八回からリリーフで登板した福谷（理４）は、九回を３人で締めて試合終了。慶大は今季初の勝ち点を獲得した。

　打線の復調が待たれていた慶大だったが、この日は打線がつながり８得点。新チームになって大量得点を奪った試合はこの試合が初めてであり、野手陣にとって大きな自信になっただろう。一方の投手陣も、竹内大が２試合連続の先発を任されるなど苦しい事情がうかがえるが、ここまで好投を続けられている。この上向きの雰囲気のまま、次週の東大戦では確実に勝ち点をとって優勝へ突き進みたいところだ。

（文・茂藤　竜太郎）

 

 

山﨑錬主将(商４)

(素晴らしい試合だったが)本当ですね。勝ちきれたのが良かったですね。(今日は江藤監督の誕生日だったが、勝ち星がいいプレゼントになったのではないか)そうだと思います。勝ってウイニングボールを渡そうという話をしていたので、勝てたのは良かったです。(六回には３点を奪う逆転劇があったが)気持ちが一つになったイニングだったんじゃないかなと思います。(タイムリーを放った横尾選手には何か声をかけたか)彼も集中していて、僕も興奮していたのでよく覚えてないですけど、ありがとうくらいは言ったんじゃないですかね。(八回にはダメ押しとなる５点を加えたが)あのようにしっかり打線が噛み合えば、あれくらいやれるというのを見せられたので良かったと思います。(自身もチャンスメークとなる２安打を放ったが打撃の調子は)だんだん良くなってきていると思いますし、ここからはまだまだ負けられない戦いが続くので、継続してもっと良くしていきたいと思います。(チームの雰囲気は)チームの雰囲気はいいと思いますし、法政戦で絶対に勝ちたいんだという気持ちをなかなか出し切れてなかったのに対して、明治戦はそういうことを無くして、気持ちを出して、全員の心を一つにしようというのをテーマにやってきたのでそのおかげかなと思います。(この勢いにのって優勝いけるか)はい、いきます。ここから全て連勝でいきます。(来週の東大戦の意気込みは)相手が東大とか関係なしに、自分達の野球をしっかりするということだけだと思うので、もう一回気を引き締めてやりたいと思います。

 

竹内大(環４)

(昨季優勝の明大から勝ち点だが)とりあえず勝ててよかったです。(今日は江藤監督の誕生日だったが)そうですね。いい誕生日プレゼントになったと思います。(連投だったが)二試合一気に連勝で勝ちきりたいというのがあったと思うので。自分は行けと言われたら投げるだけです。(今日の先発を告げられたときの気持ちは)いや、特にいつもと変わらないですね。(今日の投球内容を振り返って)最低限オッケーじゃないですかね。(連投の疲れなどは)多少はありました。(東大戦に向けて)一気に二連勝で終わらせたいです。

 

鈴木裕(商４)

 (先勝して迎えた今日だったが)後々のこと考えて、今日二連勝したら大きいなと思って、みんなと一団となって戦いました。(今日は大事な一打席となったが)スタメン外れたら悔しいんですけど、そういう時自分打てるなと思っていました。よかったです。(二連勝だが)最高です。帰ったら美味しいお酒飲みたいですね。(次への意気込み)次も二連勝、その次も二連勝して、優勝決定戦をしたいです。

 

山形(政３)

(六回表一死一、三塁というピンチの場面での登板について)2点リードされていて、ここでもう1点あげられると相手の勝ちが決まってしまうので大事な所で出されたなと思いましたが、なんとか0点に抑えることが出来ました。(先頭打者に四球を出してしまったが)最初はちょっと焦ってしまって四球を出しましたが、一、三塁だと色々と点が入るケースがあるため満塁の方が投げやすいと切り替えて投げたので、満塁にしたことに対して焦りはそんなになかったです。(七回は危なげなく三者凡退に抑えた)逆転して本当は代わるはずだったのですが、最後がたまたまピッチャーライナーで僕に打順が回って来なかったのでもう一回気持ちを入れなおして、ここは先頭だけ切れば流れがこっちに来るなと思って投げました。(昨秋王者の明大から勝ち点を挙げたが)明治を意識するというよりは法政に連敗してしまい、連勝するしかないという状況だったので二連勝するつもりで行きました。(個人としての今後の意気込み)今日みたいな所でまた投げると思うので、ピンチを凌いでチームに流れを持っていけたら良いなと思います。(チームとしての今後の意気込み)今回二連勝しましたが、まだ後がない状況なので、六連勝するつもりで頑張りたいと思います。

 

横尾(総１)

 (今日の試合を振り返って)勝てて嬉しかったです。(日大三高の先輩である関谷投手の印象は)高校の時とあまり雰囲気も変わってなかったのでやりやすいと言えばやりやすかったですね。(六回一死満塁の場面ではどのようなことを考えて打席に立ったか)やっぱり自分のミスで点を取られてしまったので、それを取り返すように、先輩が喜ぶ顔を見たくてというか、一生懸命がむしゃらに若々しくやりました。(逆転3点タイムリーを放った時の心境は)ほっとしたというか本当に嬉しかったので自然とガッツポーズも出ました。(ベンチに戻った後、チームメートや監督から何か声をかけられたか)よくやってくれたと錬さんはじめいろんな選手から言われました。(次の東大戦に向けての意気込みは)東大だからというのはなく普通に一戦一戦しっかり勝っていきたいと思います。