第25回 関東学生ラクロスリーグ戦決勝(男子) VS一橋大
2012/11/10(土)14:00 F.O
@駒沢公園第二球技場
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 1 | 5 | 0 | 2 | 8 |
一橋大 | 1 | 0 | 1 | 3 | 5 |
絶対に負けられない大一番。冬の訪れを予感させる肌寒い風が吹き抜ける中死闘は始まった。
試合はさっそく動く。第1Q開始2分、ゴール前の混戦から最後はMF斉木慎一郎(経4)が押し込み幸先よく先制。その後は一橋大にボールを支配され攻め込まれるも相川駿主将(法4)を中心としたディフェンスが機能、安定した守りをみせる。1Q後半は慶大がゴール前でボールを回し得点の機会を窺うが一橋大の厳しいチェックに苦しめられなかなか決定機を作り出すことが出来ない。すると終了間際に一瞬の隙を突かれ失点、1-1と同点され最初のクオーターを終える。
続く第2Q、序盤こそ相手に攻め込まれるがG小畑和博(環3)の好セーブもあり相手の攻撃を凌ぐと、ここから慶大のゴールラッシュが始まる。まずは8分AT田中がシュート決め勝ち越しに成功すると、直後の9分にも田中の強烈なシュートがネットを揺らし追加点を奪う。続く11分には、DF岡本遼也(経3)からのパスをフリーで受けたAT三木鉄平(経4)が冷静に決め加点。さらに13分、19分にも田中が得点を決め、田中は2Qだけで4 得点を奪う大活躍。6-1と一気に一橋大を突き放し試合の主導権を握り前半を終える。
5点リードで迎えた第3Q、勝利を諦めない一橋大が意地を見せ怒涛の反撃にでる。開始早々裏からのフィードをゴール右横に出されシュートを決められ1点を返される。その後も圧倒的にボールを支配され、立て続けにシュートを浴び幾度となくゴールを脅かされる。このクオーターは終始前線にボールを供給することができず防戦一方となるが代わったゴーリー安藤圭祐(商2)がナイスセーブを連発。ディフェンス陣も体を張って守りゴールを割らせずなんとか序盤の1失点のみで切り抜ける。6-2とリードを保ったまま試合は、運命の最終第4Qを迎える。
優勝を目前に観客席のボルテージが一気に高まっていく中始まった最終Qだったが、開始早々まさかのアクシデントがチームを襲う。相川主将が相手と接触した際に足を痛め負傷退場、守備の要を失うこととなる。さらにその直後に失点を喫し3点差まで詰め寄られ重苦しいムードとなるが「残ったメンツでやるしかない」(廣田裕次郎・商4)と必死のディフェンスで何とか相手を食い止める。そしてこの嫌な流れを変えたのがAT三木。自身でも「大きかった」と語るゴールは相手を突き放す貴重な7点目。その後2点を返されるも試合終了間際、パスカットから最後はAT脇坂俊輝(経2)が優勝を決定づけるダメ押しゴールを決めて8-5。そのまま試合は終了し、4年ぶりに関東王者の座に輝いた。 この日には、慶應義塾大学女子ラクロス部も関東優勝を果たし、史上初の男女関東優勝という偉業を達成した。さらに、男子ラクロス部が関東の壁を突破するのは、実に4年ぶり。現部員にとっては、初の全国の舞台へと駒を進めることができた。しかし部員の誰もがここで満足などしていない。まだまだここは「通過点の試合」(廣田)であり、目標はあくまでも「全日本選手権優勝」(岡本)である。日本一へ今後はさらに険しく厳しい道のりが待っているであろうが「一つ一つ段階を踏んで」(三木)いけばこのチームに不可能という言葉などないはずだ。
次なる相手は、北海道地区の王者北海道大学。勝利することができれば、全日本選手権への出場権を手に入れることができるまさに大一番だ。学生関東王者のプライドを胸に慶大ラクロス部は真の陸の王者へと突き進む。
(文 東條恵也)
※なお、関東学生リーグ最優秀選手、得点王に田中が選出。優秀選手にも、相川、田中、廣田、岡本の計4人が選出されました。以下試合後の選手コメント
DF廣田裕次郎副将(商4)
(おめでとうございます)ありがとうございます。(今の気持ちはいかがですか)率直に優勝できたことは嬉しいですけど、まだまだ満足できる内容ではないので今後1か月でまだまだ修正していきたいです。(今日のゲームを振り返って)先制出来たことが大きかったと思います。2Qで突き放せたが3、4Qで足が止まってきて雰囲気も悪くなったところがあったので、もっともっと楽に勝てたかなと思います。(相川主将が負傷退場したが)相川がいなくても残ったメンツでやるしかないし、そのメンツが4年生だったので、俺らがやると強く思っていました。(一橋オフェンス陣の印象)スカウティング通り全部アタックでくるチームだったので、裏でディフェンス陣が常にコミュニケーションをとってプレッシャーをかけ続けて抜かれないことを4Q通してできたかなと思います。(次戦に向けて)2週間あるのでケガや疲れをリフレッシュして、修正点がたくさんあるのでもう一度作り直していきたいと思います。
AT三木鉄平(経4)
(今の気持ちはいかがですか)目標にしていたし、敗れ去ってきた先輩たちが越えられなかった壁の一つだったので、勝ててすごく嬉しいです。(試合を振り返っていかがですか)1Qの入りは予想していた展開と似ていました。うちのチームは後半から追い上げるチームなので、前半に離されないように意識して入ろうと考えていて、僕が2Qから出たときにそういうゲームメイクをしようと考えてやっていました。3Qと4Qに関してはこちらのペースで試合を進められなかったのは修正すべき点かなと思います。(自身の得点シーンについて)2つとも割とラッキーな感じだったんですけど、決めきれたことはチームにとって大きかったかなと思います。2つ目はその直前に一つシュートミスをしていて、でもすぐに切り替えて決めきれたことが一番大事かなと思います。特にポストを狙った訳ではないんですけど(笑)(一橋大のディフェンスの印象は)一橋大はディフェンスが固いチームということは知っていて、僕が入ったときにはボールと人をもっと動かしてほしいということをコーチから言われていたので、それを実践しました。ゲームをコントロールすることが自分の持ち味の一つだと思っているので、それを発揮できて、さらにディフェンスを混乱させることができたかなと思います。(次戦に向けて)まだ通過点の試合が続きますが、一つ一つ段階を踏んでチームとして、個人として成長出来ればなと考えています。
AT加藤亮平(経4)
(今日の試合を振り返って) 全日本選手権という大会へのスタートラインに立てたかな、と思ってほっとしています。(今までのリーグ戦全体を振り返って、一番つらかった試合は)開幕戦が正直一番つらかったですね。なぜかというと、最初の公式戦だったんですが1Qで早稲田にリードを許されてしまって。ここでまた負けてしまうのかなという思いはあったんですが、そこで僕らの今年の強みである後半徐々に上げていくというスタイルが確立できて、それがここまでの試合の勝利につながったのではないかと思います。(今回の試合の良かった点、改善したい点は)今回は入りは良かったんですけど、特に2Qがすごく良かったのでその流れで3Q、4Qといきたかったんですが、やはり気が抜けたといいますか、そういった類のことがあったので、もっと自分としては気を引き締めるというか精神的なところも強化していけたらと思います。(今後に向けての意気込みをお願いします)まず絶対勝ちたいです。初めての全大選手権なので緊張するかもしれませんが、普段練習でやっているプレーをしっかりできたらと思います。
MF斉木慎一郎(経4)
(優勝おめでとうございます。今の率直な感想をお願いします)本当に嬉しいです。今まで4年間、関東チャンピオンになれていなくて、先輩方がこの舞台で負けている姿を自分はずっと見てきたので、その先輩方のためにも今日は絶対勝ちたいと思っていました。(得点シーンを振り返って)1点目だったが、あれは自分のゴールというより、チームみんなの魂の乗ったゴールだったと思います。クロスで打ったというより、押し込んだというようなゴールでした。(想定通りの試合運びができていたか)前半まではできたが、後半はFINALの大舞台ということもあって、一橋大も強敵だし、途中流れが相手にいってしまった時間もありました。しかし最後は気持ちで勝てたのではないかと思います。(2Qで5点リードとなって、楽な戦いはできましたか)そうですね。入りはどうしても緊張してしまったので、2Qで点差を離せたのは良かったです。(今日のご自身のプレーに点数をつけるとしたらどうですか)優勝できたこともありますが、個人的には反省点もあるので65点です。次は100点をつけられるように頑張りたいです。(次の北海道大戦に向けて)練習試合もしたことがない相手で、どんな選手がいるかも分からないですが、自分たちのできる準備をしっかりやって試合に臨みたいです。
DF岡本遼也(経3)
(今日の勝利を振り返って)今までの試合はずっと入りの部分が課題でした。今日の試合では、入りと、2Qの部分は非常に良かったので、そこのところは及第点です。後半に関しては、相手に支配されてしまって、自分たちのプレーが出来なったので、そこは改善していかないといけないのかなと。そこを改善しないと、社会人相手には通用するとは思わないのでしっかりと改善していきたいです。(2Q終了時点で、5点のリードは大きかったと思いますが)一橋のアタック陣は上手いということで、ある程度攻め込まれるのは想定していたので、そこはディフェンス陣が頑張って、試合の流れを引き寄せることができたのではないかなと思います。(相川主将、廣田選手が負傷で退場する中で、どういったことを考えていたのですか?)点差が結構あって、なおかつチームの気持ちはぶれていないというのは感じていたので、僕らがやることをやれば、主力が抜けても勝ちきることができると思っていたので、特に焦りとかは無かったです。(現部員にとっては、初の関東制覇ですが)あくまでも、学生相手ということで通過点とは分かっているんですけど、そこで結果を残すことができなければ、全日本選手権優勝という目標は達成できないので、しっかりとやっていきたいと思っています。
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