【フィギュアスケート】今季最後の舞 柳澤、奥山が優勝を果たす バレンタインカップ

5,6級女子で慶大が表彰台を独占した  メダルはチョコレートでできている

5,6級女子で慶大が表彰台を独占                                      メダルはチョコレートでできている

2月15日、高田馬場シチズンアイススケートリンクにて第4回バレンタインカップ(関東学生冬季交流戦)が開催された。慶大からは6級以下の6名の選手が出場し、3,4級女子と5,6級女子の部門で、柳澤薫(総2)と奥山未季子(環1)がそれぞれ優勝に輝いた。二人は昨年11月に行われた関東学生秋季交流戦でも優勝を果たしており、秋・冬季交流戦の両方を制したこととなった。バレンタインカップが幕を閉じ、今シーズン全ての大会を終えた慶大スケート部フィギュア部門。4年生が引退し、4月からは新入部員を迎え入れることとなる。そのとき、彼らは新たなスタートを切って、再び銀盤に舞い戻ってくる。

 

2級女子

・石畠万倫子(法3) 5位

 

3,4級男子

・廣澤聖士(環3) 5位

 

3,4級女子で優勝した柳澤

3,4級女子で優勝した柳澤

3,4級女子

・柳澤薫(総2) 優勝

 

5,6級女子

・奥山未季子(環1) 優勝

・風祭あゆみ(環1) 準優勝

・鈴木伶奈(環1) 3位

 

※6点法で採点された。

 

「笑顔で」滑りたいと語った石畠

「笑顔で」滑りたいと語った石畠

 

まずは2級女子の石畠万倫子(法3)。部員からハイタッチをもらい、ゆっくりとポジションに向かった。『千と千尋の神隠し』のテーマソング『いのちの名前』の調べに乗って、ジャンプを全て決める。演技後半は美しいスパイラルとストレートラインステップを披露し、「前回よりは良かったかな」と笑顔で振り返った。4月からは4年生になり、最後のシーズンを迎える。目標はインカレ出場だ。ラストチャンスをつかみ取るべく、全力で突き進む石畠に期待したい。

 

 

 

 

ポーズをきめる廣澤

ポーズをきめる廣澤

 

続いて3,4級男子の廣澤聖士(環3)。今シーズン最後の演技だっただけに、「思い残すことのないように」と意気込んだ。演技後半のアクセルジャンプで転倒するミスもあったが、次の3連続のコンビネーションジャンプは成功。今大会でも、艶のある演技でギャラリーを引き込んだ。2回転サルコウに挑んだ今シーズン。今後は2回転ジャンプの種類を増やす予定で、表現も「もうちょっと工夫できたら」と語った。ラストシーズン、新プログラムで再び会場を盛り上げてくれるに違いない。

 

 

 

柳澤のレイバックスピン

柳澤のレイバックスピン

 

3大会連続で表彰台に立っている柳澤が登場。冒頭、1か月前のインカレよりも難易度の高い3連続のコンビネーションジャンプをきれいに着氷した。演技後半、2回転トウループ‐2回転トウループのコンビネーションジャンプでバランスを崩す場面があるも、力強いステップや優雅なスパイラルで魅了。インカレでは2位に甘んじて「悔しい」と語っていた柳澤だが、今大会では見事優勝に輝いて今シーズンを締めくくった。来シーズンはどのようなプログラムでさらなる活躍を見せてくれるか―。

 

 

風祭のスパイラル

風祭のスパイラル

 

演技を終えて、「まあまあです」と語った風祭あゆみ(環1)。冒頭にジャンプの転倒があったが、その後2度のコンビネーションジャンプを跳ぶなど失敗を引きずらなかった。演技後半では全身を使って躍動感あるステップを刻み、『シェヘラザード』の世界観を表現。フィニッシュで体勢を崩して苦笑いを見せるも、奥山に続く準優勝を果たした。今後は、7級取得を目指して練習に取り組むという。来シーズン、レベルアップした風祭が見られることだろう。

 

 

 

丁寧に滑る鈴木

丁寧に滑る鈴木

 

果敢に挑戦した演技だった。インカレからジャンプ構成を変え、2本目に3回転ジャンプに試みた鈴木伶奈(環1)。 残念ながら転倒となったが、「いい形になったかなと思うようなジャンプ」だったと本人は手応えを感じている。その後は大きなミスなく滑りきり、安定感のあるスピンを披露してフィニッシュした。大学最初のシーズンを振り返り、「前より楽しく滑れている」と語った鈴木。スケートを楽しむその気持ちが、これからの鈴木をきっと強くしてくれる。

 

 

慶大のトリを飾った奥山

慶大のトリを飾った奥山

 

2本のダブルアクセルで転倒するなどのミスがあり、「いつものようなまとまった演技をすることはできなかった」と語った奥山。それでも、切ないメロディーに乗って渾身のステップを刻み、しっかりと優勝をつかみ取った。また、美しいI字スピンやドーナツスピンが演技を一層華やかにさせた。大学最初のシーズンだったが、インカレで3位となって表彰台に立ったり、国体という大舞台で堂々の演技を披露したりなどの輝かしい活躍を見せた奥山。来シーズンはどんな成長を遂げるのか、楽しみでならない。

 

(文:窪山裕美子、写真:住田孝介)

 

石畠万倫子(法3

演技後、ほっとした表情の石畠

演技後、ほっとした表情の石畠

(今日の演技を振り返って)前回はキャメルスピンが入らなかったんですけど、今日はそんなに出来は良くなかったかも知れませんが、一応入ったので前回よりは良かったかなというふうには思います。まだまだなんですけど、前回よりは良かったかなという感じです。(特に気を付けたことは)今回は、手先とか目線とかそういう細かい表現力に気を付けて滑ったんですけど、やっぱり緊張してしまって笑顔が出ないですね。笑顔で滑るということを今後の課題にしたいなと思っています。(今シーズン最後の大会を終えて)まだ3級を取れていません。今シーズン中には取りたかったんですけど、それは来シーズンの課題として、スピンやジャンプなどの精度を高めていきたいなというふうに思っています。(ラストシーズンとなる来シーズンに向けて意気込みを)インカレに出られるように頑張ります。

 

廣澤聖士(環3

情熱的な演技が持ち味の廣澤

情熱的な演技が持ち味の廣澤

(本日の演技の手応えは)プログラムの曲を変えるので、最後だったんですけど、あまり良くなくて残念でした。(2度目のアクセルジャンプを失敗したものの、次のコンビネーションジャンプを成功させたが、気持ちの立て直しはどのようにしたか)アクセルジャンプで転倒したのはショックだったんですけど、結構練習中に頻繁にあることなので、そこは練習通りやりました。(演技の最中、観客の心をつかむような表情などが多く見られたが、そこは意識していたか)そうですね。最後なので、思い残すことのないように頑張ろうと思って、そこは気合いを入れました。(今シーズン通しての収穫や課題は)シーズン最初の大会である関東学生大会の点を、結局上回ることができませんでした。出来的にもそれが一番良かったので。そこは心残りなんですけど、来シーズンに向けて頑張ろうと思います。(ラストシーズンとなる来シーズンの抱負は)今シーズンはダブルジャンプを1つしか入れなかったので、来シーズンは2種類しっかり入れて、プログラムでもちゃんと回転が足りるように。表現の面でも、もうちょっと工夫できたらなと思っています。

 

柳澤薫(総2)

柳澤のダイナミックな『火の鳥』

柳澤のダイナミックな『火の鳥』

(今日の演技を振り返って)転ぶことなく無難にまとめられたと思うんですけど、課題としているジャンプのフリップがダブルで入れられなかったのと、スピンがもう少しいいものにできたのではないかなという感じがします。(冒頭の3連続ジャンプについて)アクセル‐ダブルとシングルトウなんですけど、インカレのときはコンビネーションが全部シングルになってしまったので、今回は2回目に2回転を入れられたのが良かったなと思います。(インカレ後どのような練習を)次のシーズンは曲を変えるつもりで、今年ずっとやってきた『火の鳥』のプログラムをするのが今回で最後だったので、できるだけいいものにしようとインカレから頑張ってきました。(来シーズンに向けて)とにかくフリップとルッツの2回転を練習することと、スピンのレベルを取れるように練習していきたいなと思います。

 

風祭あゆみ(環1)

 

スピードに乗った演技をした風祭

スピードに乗った演技をした風祭

 

 

(今日の試合を振り返って)まあまあです。(今シーズンを振り返って)部に入ってまだ半年なので、まだ試合にも2試合ぐらいしか出ていませんが、最初よりかは上手く滑れました。(大学に入って変わったこと)大学に入り練習が増えたことと、もう一回試合に出てみようと思ったことです。(来シーズンに向けて)ダブルを安定させて、7級を取りたいです。

 

 

鈴木伶奈(環1)

高難度ジャンプへの挑戦は、今後に繋がるはずだ

高難度ジャンプへの挑戦は、今後に繋がるはずだ

(本日の演技の手応えは)今回は、採点方式が今の採点方式ではなくちょっと前の採点方式だったので、全体としては、自分ではまあまあかなと思っています。(2つ目のジャンプは惜しくも失敗だったが、あれは3回転ジャンプに挑戦していたか)はい。2回目のジャンプで、初めて3回転を入れてみました。国体のとき、全然練習通りには跳べなかったんですけど、今回自分でいい形になったかなと思うようなジャンプが跳べました。転んだんですけど、満足いくようなジャンプが跳べました。(前半のミスを後半で立て直したが、気持ちの切り替えは上手くできたか)そうですね。多分転ぶという予想を踏まえてジャンプに挑戦したので、他のところでミスのないように、普段通り跳べるように、という感じで跳んでいました。(大学の最初のシーズンを振り返って)初めて慶應代表で出たときの試合が本当に全然ダメで、それに比べたら今、昔のスケートの楽しさが改めて分かってきました。前より楽しく滑れているなと感じます。(来シーズンに向けて、課題と抱負は)来シーズンは、今日転んでしまったトリプルジャンプをちゃんと立てるようにしたいです。最初のジャンプは今日は決まったんですけど、大きい試合で決まらなかったので、大きい試合でも最初の1つ目、2つ目のジャンプは完璧に降りられるようにしたいと思います。

 

 

奥山未季子(環1)

毎試合、しなやかな演技を見せる奥山

毎試合、しなやかな演技を見せる奥山

(今日の演技を振り返って)バレンタインカップは急に出ることになったので、練習をあまり積めませんでした。そのため、いつものようなまとまった演技をすることはできなかったです。ですので、今日できなかったことを次に繋げていきたいです。(具体的にできなかったこと)ダブルアクセルの回転不足をとられてしまって、やっても点にならないことが多いので、そこを克服したいです。(インカレとジャンプの順番を変えたことについて)前半に上手く入れなかったので、後半入れることで、少しでも点数を稼ごうとしました。(今シーズンを振り返って)大学に入ってスケートを再開してから順調に調子が上がっていったので、来季も頑張りたいです。(大学に入って変わったこと)仲間と練習することで、個人で練習するよりもモチベーションのアップに繋がりました。(来シーズンに向けて)来季は7級を取ってAクラスでやりたいので、全力で努力します。

 

 

 

 

 

 

※以上をもちましてスケート部フィギュア部門の2012年度シーズンは終了となります。お忙しい中、快く取材に御協力いただいた選手の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。来年度も慶應スポーツはスケート部フィギュア部門を精力的に取材してまいります。今後ともよろしくお願い致します。

 

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