【バスケ】100点ゲームで捻じ伏せ、学生王者への挑戦権を獲得 vs駒大

 

 

積極果敢なオフェンスと堅実なディフェンスで、チームを牽引した権田。

積極果敢なオフェンスと堅実なディフェンスで、チームを牽引した権田。

 

遂に春シーズンの大一番となる大会がやって来た。第62回関東大学バスケットボール選手権大会。1部復帰を目指した昨季はけが人や経験不足からまさかの3部との入れ替え戦に回ってしまった。今季も未だ波に乗れていない慶大は、この大会できっかけをつかみたいところだ。今日の相手は同じく2部の駒大。秋に向けても絶対に負けられないこの1戦は慶大の攻撃陣が爆発して100点ゲームにするものの、「失点が多い」(佐々木HC)と、これから待ち受ける強豪達との戦いに向けての課題も見えた試合になった。


2013/05/07(月) @国立代々木競技場第二体育館
第62回 関東大学バスケットボール選手権大会
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 29 23 29 25 106
駒大 7 18 27 23 75
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG #19 福元直人(環2・福大大濠高)
SG #15大元孝文(環2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
PF #11 権田隆人(政3・慶應高)
C #7 本橋祐典(環4・佼成学園高)

伊藤を欠く苦しいチーム状況の中、福元のより一層の活躍は不可欠だ。

伊藤を欠く苦しいチーム状況の中、福元のより一層の活躍は不可欠だ。

試合の主導権を握ったのは慶大。蛯名がチーム初シュートを沈めると、福元・権田なども立て続けにシュートを決めて出だしで10-2と相手を突き放す。しかし、その後は駒大にボールを持たれる時間が長く攻めに転ずることが出来ない。自分達のリズムを掴みきれない展開ながらも、相手のシュート精度の悪さにも助けられ、また本橋を中心にリバウンドをしっかりと取ると流れはまた慶大に傾く。蛯名・大元が立て続けにバスケットカウントを決めると、その直後に大元と権田の連続スティールも決まり20-5と大きくリードを奪う。特に自陣でボールを奪ってそこから攻めに転ずるという展開が多く見られた。その後も権田の持ち味であるミドルや、本橋を中心としたインサイドの攻めが機能して29-7と相手を圧倒して1Qを終えた。このまま勢いに乗りたい2Qは福元の3ポイントで幕を開ける。大元も続けて3ポイントを沈めると、本橋に変わって出場した黒木亮(環2・延岡学園高)がインサイドで献身的にプレーし、さらに点差を広げる。その後は1Qほどシュートが入らなくなるが、フリースローをしっかりと沈めることで徐々に点数を重ねていく。しかし、1Qで機能していたディフェンスに綻びが見え始める。点差が開いたことで雑なプレーが目立ち始め、相手に点差を詰められてしまう慶大。奮闘する権田を中心に必死にシュートを放ち得点を重ねていくが、中々点差を広げることが出来ず。2Qは23-18と失点を1Qの2倍以上に増やしてしまった。

佐々木HCも「ゲームキャプテンらしいことができた」と語った今日の蛯名。9日の一戦で、主将としての真価が問われる。

佐々木HCも「ゲームキャプテンらしいことができた」と語った今日の蛯名。9日の一戦で、主将としての真価が問われる。

3Qの序盤は点の取り合いとなった。慶大は矢嶋瞭(総4・福大大濠高)が開始早々に4得点をマークするなどエースにふさわしい活躍を見せる一方で、駒大もシュートの精度が上がり得点を重ねられる。また、慶大は積極的にフルコートディフェンスを仕掛けるも、ローテーションが上手く行かず、逆にノーマークを作るだけのディフェンスとなり、失点を重ねてしまう。大元の個人技でのシュートや得意の3ポイント、蛯名の安定感あるシュートなどで順調に得点を重ねていっただけに、ディフェンス面の脆さが目立ってしまう。得点面では変わらず加点し続けたものの、このQは29-27の打ち合いとなった。4Qは最初から駒大にペースを奪われてしまう。バタバタしてしまい、中々リズムを作れない慶大であったが、今日はズルズルいかなかった。本橋のシュートを皮切りに、大元・権田が相次いでミドルを決め駒大を突き放す。しかし、このピリオドはリバウンドが中々取れなかった。そのため、慶大の伝統である速攻を見せることが出来ず苦戦を強いられる。そんな中でも、黒木のスチールや福元の正確なパスからチャンスを演出し順調に得点を重ねていく。駒大もフルコートディフェンスを敷くだけに、この日は長い縦パスが有効だった。福元からのロングパスが幾度となく生まれ、得点に結びついて行く。しかし、駒大の粘りの攻めの前に失点を重ねてしまい、このピリオドも25-23とほぼタイスコアに。合計では106-75と慶大が勝利を収めたが、課題も混在する1戦となった。

「公式戦なので勝ったからいいんだけど、強いチームには絶対勝てない」(佐々木三男HC。快勝を収めたこの試合であったが、課題は多く見られた。まずはディフェンスの脆さ。しっかりとマークにつくなど基本的なプレーが疎かになる場面がしばしば見られた。そしてリバウンド。昨年からインサイドが弱点であったが、留学生などがいるチームに対抗するためにも一層の努力が求められる。しかし、収穫も多々あった。まずは久々の100点ゲームとなったオフェンス陣。特に権田の高いシュート精度は慶大の武器となるだろう。さらに、京王電鉄杯では1Qの序盤で突き放されてしまう展開が多かっただけに、今日の1Qは満足できる展開だっただろう。次の相手は昨年のインカレ王者・東海大。苦しい試合が予想されるが、「蛯名、本橋、矢嶋の3人がちゃんとやれば、いい試合ができる」(佐々木HC。上級生を中心に慶大らしいバスケをすれば、必ず光が差すに違いない。

(記事: 住田孝介)

佐々木三男HC

京王電鉄杯は自分としては色々試せましたが、京王電鉄杯後の練習がよくなかったですね。今日だってあんなに失点が多いのでは、公式戦なので勝ったからいいんだけど、強いチームには絶対勝てないと思っています。(東海戦につながる収穫)蛯名が少しゲームキャプテンらしいことができたかな。あとはだめね。(東海戦のキーマン)蛯名、本橋、矢嶋の3人がちゃんとやれば、いい試合ができると思ってるんだけど、誰かがよくなると誰かが凡ミスしたりするので、下級生までボロボロになってしまうんですよね。(東海戦に向けて)まず蛯名、本橋、伊藤がどれだけ頑張れるか、それと矢嶋も本橋も徹底的に守られると思うので、簡単にはリバウンドがとれないですし、シュートも打てないという中で、どれだけやれるか。これは早慶戦に向けての大きな要素でもありますし、そこを試したいというのもあります。

[F] 権田隆人(政3・慶應高)

チームとして初めての公式戦だったんで、大事にしようというのはチームの皆で言ってたんですけれども…結果としては勝てて良かったのかなというのは感じています。ただ、1Qの入りが良かった以外は3Q、4Qの締めの部分で全然いい形でプレーが出来なかったので、そこは反省点として次に繋げなきゃいけないのかなと思っています。(バタついた試合だったが)駒大が外から早いタイミングで打って来るのに、最後まで対応し切れなかったのかなっていう風に感じていて。スカウティングで相手がどんどん外から打って来ることが分かっていたにも関わらず、最後まで落ち着いた展開に出来なかった点は、反省点として直さなきゃいけないと感じています。(次に繋がる収穫は)入りであれだけ点差を広げられこと──今まで入りが良くなくてズルズル行って、中々勝ち切れないっていう試合が多かったんで。あのプレーが40分続けば東海大相手にもいい試合が出来ると思うんで、その点は収穫かなと思っています。相手がデカイことは分かっているんで、自分としてはリバウンドを積極的に取って行かなきゃいけないのかなと感じています。多分どのポジションもミスマッチが出来て来ると思うんで、皆でボックスアウトしてリバウンド取って、っていうのを徹底してやらなきゃいけないと思ってます。個人的にも、今日は外からの単発なシュートだけになっちゃってて、先生にももっとインサイドを攻めろというご指摘も頂いたので。自分に出来ないプレーじゃないと思うんで、言われたことを徹底して明後日出来ればいいかなと思ってます。

[G] 福元直人(環2・福大大濠高)

個人的にドリブルが多くなってしまって、それでターンオーバーが増えたことが自分の中の反省なので。もっと前に前にっていう、パスをさばくときと自分でドリブルをするときの判断が出来れば、もっとチームとして速い展開が出来たかなっていうことが反省です。(ガードとして意識していることは)今は伊藤さんがいないので僕1人なんですけど、チームをしっかりコントロールするときと、2ガードでしっかりと自分が攻めにまわるときとの判断をもうちょっと出来れば良いかなと思います。(京王電鉄杯以来、意識して取り組んだことは)去年からの課題なんですけど、外からのシュートを練習していて、アウトサイドが入ればもっと得点が伸びていくかなと思うので。あとターンオーバーがずっと課題なので、変わらず減らすことを念頭にやってきました。(今後の抱負は)今後、今大学生の中でトップレベルのチームとやることが出来るので、自分達の力を試すとともに、今までやってきたことを忠実にやっていけば成功するようになると思います。その中でアップセットだったり試合に勝つ展開っていうのが出てくると思うので、まずはディフェンスからっていうのと、先生がいつもおっしゃっている『オフェンスはしっかりと得点を取らないと勝てない』っていうことをガードとして考えていきます。

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