【バスケ】王者に敗戦も大きな収穫。前を向いて順位決定戦へ vs東海大

東海大相手にインサイドで奮闘した本橋。チーム唯一の2桁リバウンドを達成した。

東海大相手にインサイドで奮闘した本橋。チーム唯一の2桁リバウンドを達成した。

 

第62回関東大学バスケットボール選手権大会2日目。対戦相手は、昨年、悲願のインカレ優勝を果たし、1部でも青山学院大と並び、圧倒的な強さを誇る東海大だ。体格が良く、身体能力の高い選手が揃うスター軍団相手に、苦しい戦いが強いられることが予想された。しかし「ここで勝つか負けるか、勝負出来るか出来ないかで今年1年が決まる」(蛯名)という強い思いを胸にチーム一丸となって挑んだ結果、慶大の真骨頂が垣間見えた試合となった。勝利を収めることはできなかったものの、強豪校相手に通用できた部分と今後の課題が明確に見え、慶大バスケ部にとって1つの転機となる試合になったはずだ。

2013/05/08(水) @国立代々木競技場第二体育館

関東大学バスケットボール選手権大会

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

16

11

20

16

63

東海大

17

20

18

25

80

◆慶大スターティングメンバー◆

 

選手名(#背番号・学部・学年・出身校)

PG

#19 福元直人(環2・福大大濠高)

SG

#4 蛯名涼(法4・洛南高)

SF

#10 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)

PF

#11 権田隆人(政3・慶應高)

C

#7 本橋祐典(環4・佼成学園高)

 

 

東海大からの厳しいマークに合い、納得が行くプレーは出来なかった矢嶋だが、13得点を記録。スコアラーとしての仕事を果たした。

東海大からの厳しいマークに合い、納得が行くプレーは出来なかった矢嶋だが、13得点を記録。スコアラーとしての仕事を果たした。

1Q序盤、ファールを受けた矢嶋がフリースローで慶大に待望の初得点をもたらすと、権田、本橋もジャンパーを沈める。「リバウンドが鍵」(本橋)という共通認識が浸透していたため、慶大は東海大にセカンドチャンスを与えず、東海大に主導権を握られることがなかった。シュートが落ちる苦しい時間帯を乗り越えると、徐々に慶大はリズムを掴み始める。東海大にダブルチームを仕掛ける積極的なディフェンスを見せる。本橋が権田のゴール下をお膳立てすれば、蛯名も味方が外したシュートをタップイン。個の力で打開するのでなく、チーム一丸となって東海大に立ち向かい、16-17とまずまずの立ち上がりを見せた。2Qは、1Qの勢いそのままに慶大が猛攻を仕掛ける。2Q開始早々、矢嶋が3ポイントを沈めると、慶大はこの試合で初めての逆転に成功。その後、大元孝文(環2・洛南高)のジャンパーで4点差に広げる。しかし、王者がこのまま黙っているはずがない。東海大がゴール下でバスケットカウントを決めると、外したフリースローも味方がフォローし、21-21の振り出しに。慶大のシュート率が落ち始める中、東海大はペイントエリア内で得点を着実に重ねる。23-29の6点ビハインドとなったところで、慶大がたまらずタイムアウトを要求。タイムアウト後、慶大は粘り強いディフェンス、リバウンドで、東海大に食らい付こうともがく。しかし、ペイントエリア内の強さ、シュートの精度という面で、東海大に一歩及ばなかった。尻尾を掴んだままで終えたい慶大は、ラストプレーで福元が華麗なパスで本橋のゴール下をアシスト。会場を沸かせるプレーで10点差とし、まだまだ射程圏内の27-37で前半を終えることに成功する。

3Qでの追い上げの立役者となった大元。思い切りの良いシュートは慶大にリズムをもたらした。

3Qでの追い上げの立役者となった大元。思い切りの良いシュートは慶大にリズムをもたらした。

勝負の3Q。これ以上、点差が離れては追いつくのが難しくなる慶大は、リバウンドから自分達のリズムを掴もうとするも、獲得したセカンドチャンスを得点に繋げられない。慶大はファールやイージーミスで笛が吹かれることが多くなる一方、東海大は与えられたチャンスを確実に得点に反映させた。「相手に先行されて、自分達のシュートを落とした」(佐々木HC)ことで、点差はあっという間に20点にまで広がってしまう。いつもならこの流れを引きずってしまう慶大。しかし、今日はここで大元を中心にチームが奮起する。ディフェンスでプレッシャーをかけ、2連続スティール。勢いそのままに、立て続けに権田、蛯名のレイアップ、大元のミドルシュート、矢嶋の速攻が決まり、8連続得点。東海大に攻撃する隙を与えなかった。東海大は、たまらずタイムアウトを要求。1分間の静寂の後も一進一退の攻防が続く。大元のタフショット、蛯名の1対1、権田の速攻でのバスケットカウントで得点を重ね、慶大は東海大を独走させない。このQは20-18と東海大相手に競り勝つ試合運びを見せ、47-55で最終Qへ。4Q序盤、慶大は東海大のディフェンスを前に、イージーミスを連発。オフェンスの機会が少なる中、福元がチームを得点面で牽引する。途中交代の黒木亮(環2・延岡学園高)も、ゴール下で確実に得点し、役割をしっかり果たした。しかし、終盤は東海大のインサイド陣や代名詞であるディフェンスの強さが光り、1部の強さをまざまざと見せつけられる形に。離れた点差を埋めることは出来ず、最終スコア63-80で、試合終了のブザーを聞くこととなった。

結果こそ振るわなかったが、1部の強豪校相手に「競れた場面やディフェンスが効果的に機能した場面」(本橋)が随所に見られた。個人の役割、チームとしてやるべきことを徹底的に意識したことが功を奏し、1部との対戦という貴重な機会を自らの糧にすることができた。今後、更に成長するためには、このクオリティを練習から維持すること」(本橋)が不可欠だ。ただ、まだ大会は終わっていない。9日の大東文化大との一戦がすぐそこに迫っている。早慶戦に向けて、早稲田を想定しながら戦う」(佐々木HC)ことができ、1部昇格を目指す慶大にとっては、是が非でも勝ちにこだわりたいところ。今日の反省を生かしつつも、今日の勢いのまま戦い抜けば、自ずと結果はついてくるだろう。

(記事: 丸山由鶴)

佐々木HC
4年生3人にもう少し頑張って貰いたかったですね。蛯名はまあまあでしたが、相変わらず本橋がファウルトラブルだし、矢嶋はシュートが短かったですね。(勝負の分かれ目は)3Qの頭ですね。ああやって相手に先行されて、自分達のシュートを落としてたんで。あそこでシュートを矢嶋に打って欲しかったんですが、そうも行かなかったですね。東海大の田中大貴(#24)くんみたいに落ち着いたシュートを決めてくれれば、あんな流れにはならなかったかなと思います。(ディフェンスでの収穫は)青学とやった時の前半でディフェンスの成功例を体感したと思うので。駒大のデータも集計してもらったら、ここ最近練習しているディフェンスがいい成果を出していることが数値として出ているので、もう少し徹底して欲しいんですよね。かなり良くなって来たとは思うんですが。(速攻に関する意識付けは)今の所、速攻も早攻めも練習する時間は無くて、ディフェンスの部分とセットオフェンスに絞ってやっているので、速攻や早攻めにはまだ練習が行っていないです。これからですね。(明日に向けて)ルールが変わってこういう形になったので、本来ならば今日で終わりなんですが、もう1回、早慶戦に向けて1部校とやれそうなので、早稲田を想定しながら試合を戦いたいなと思っています。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

昨年の学生チャンピオンということで、特にリバウンドが強いのでそこだけは抑えないと勝負にならないので、そこをみんなに意識させました。(今日の試合に向けての意気込み)一矢報いたいという思いがありました。ここで勝つか負けるか、勝負出来るか出来ないかが今年1年が決まると思っていたので、ここで纏まりたかったです。勝ちに行きましたが、勝てませんでした。今日出来なかったことを明日の材料にしていきたいです。(東海大について)ディフェンスが強いのと最後田中選手にやられました。(自身のプレーを振り返って)何をしたかあまり覚えていませんが、どこが危ないかとかの指示は出せました。(ルーズボールやリバウンドに絡む場面が多かったことについて)自分が出来ることはあれしかないので、ああいった場面で決めることが大切です。球際に弱いと接戦に勝てないと昨年のリーグ戦で学んだことなので、そこはしっかりとやりました。(1部強豪校との差)最後の集中力です。筑波大vs国士大、神大vs拓大を見ても、惜しいところまでいっても最後の詰めが甘く勝ちきれないので。(明日に向けて)明日も一部の大東大との試合なので、勝ちきりたいです。1部に勝たないと2部から上がることができないので、明日の試合を大切にして、今日できたことは明日も、今日できなかったことはしっかりと修正していきたいです。

[C] 本橋祐輔(環4・佼成学園高)

春シーズンはこの試合のためにずっとやってきました。競れた場面もありますし、ディフェンスが効果的に機能した場面も見られたので、負けてしまいましたが、収穫は多かったかなと思います。(ディフェンスについて)方向付けというのと、その後のカバーがしっかり機能していました。あと前半では、悪いシュートを打たせた後にリバウンドを取りきれていたので、入りは悪くなく、そこで勢いに乗れる部分もあったのかなと思います。(リバウンドについて)今日の試合はやる前からリバウンドが鍵というチームの認識がありました。相手に取らせないのはもちろんなんですけど、僕とか権田とか黒木がどれだけリバウンドを取れるかというのを意識して練習してきたつもりなので、そういう部分では収穫になったかなと思います。あとは、自分たちよりも体格が良かったり身体能力の高い選手に対しても、僕は満足してるわけではないですけど、みんなである程度リバウンドをがんばれたのは今後の自信につながると思います。(相手が強豪・東海大だったことについて)トップレベルのチームに対しても、自分たちが集中してやれば、ディフェンスが通用するというのが少しは証明できたと思います。先生もおっしゃっていたんですけど、このクオリティを普段の練習から出していかなければ成長しないと思います。トーナメントが終わってから早慶戦までまだ時間があるので、今後はそういう練習をしていきたいです。(明日に向けて)去年までは8決めで負けちゃうと終わりだったんですけど、今年からたくさん試合ができるということで、これを無駄にしちゃうと何も繋がらなくなっちゃうので、今日できた部分っていうのをみんなでまた徹底して、早慶戦につながるいい試合をしたいと思います。

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