【男子テニス】インカレ開幕!慶大勢好スタートを切る  全日本学生選手権一日目

眉一つ動かさず初戦突破一番乗りとなった髙田

眉一つ動かさず初戦突破一番乗りとなった髙田

 

8月の太陽が真上から照りつける岐阜メモリアルパークにて全日本学生選手権が始まった。初戦に登場した慶大選手たちは全国から集まった多様なライバルたちと対戦。その中でもやはり早大、法大勢との因縁の関東対決は熾烈を極めた。

 

 

 

2013/08/19 全日本学生選手権大会@岐阜メモリアルパーク

 

男子シングルス一回戦

○井上善文 6-4,6-2吉田修也(中京大)

●権大亮 6-7(4),6-1,2-6松崎勇太郎(早大)

○谷本真人 6-2,6-4杉本椋亮(法大)

○渡邉将司 6-1,6-3西村翼(神院大)

○髙田航輝 6-1,6-0田中皓大(鹿国大)

納得のプレーで勝利した髙田。次戦は明大・小野に挑む!

納得のプレーで勝利した髙田。次戦は明大・小野に挑む!

 

 

まず初戦から安定したプレーで快勝を収めたのは髙田(環2=湘南工科大附属高)と井上(経2=慶應義塾高)。それぞれ初対戦の相手であり、情報の少ない中での難しい戦いとなったが、プレーに動揺は見られなかった。

 

2日前から会場入りして体を慣らしたという髙田は、「地に足がついて」いたと序盤からラリーを支配。テンポよく第一セットを奪う。そして第二セットでは力みの出る相手からミスを誘って6-0で完封。ストレート勝利で次戦に弾みをつけた。

 

 

ミスなくまとめ、初の初戦突破を果たした井上

ミスなくまとめ、初の初戦突破を果たした井上

昨年は初戦で散った井上も、「緊張して固くなってしまった」という言葉とは裏腹に落ち着いてストロークを展開。読みを裏切ってネットプレーを駆使してきた相手に戸惑い4ゲームを落としたが、自分のペースを失わず第一セットをものにした。第二セットでは井上がストロークで試合を支配。相手のミスも手伝って、6-2と大差をつけて初の一回戦突破を果たした。

 

しかしここで快勝した二人を二回戦での関東のトップ選手との対戦が待ち受けている。髙田の相手は明大の小野であり、インカレベスト4常連選手だ。しかし過去の対戦では髙田がフルセットで勝利しているとあって、二回戦突破は十分期待できるだろう。井上の対戦相手は早大の今井。やはり優勝候補であり、強烈なストローク戦を展開してくると考えられるが、ぜひとも井上らしいネットプレーでの勝利を期待したい。 

 

冷静な美しいフォームで法大との同年対決を制した谷本

冷静な美しいフォームで法大との同年対決を制した谷本

 

また二年生の谷本(環2=名古屋高)は法大の若手・杉本と初戦を争った。速いテンポでストロークを打ち込んでくる相手に対し、決め切れず長引くゲームが続いたが、着実にペースを築いて6-2と先制。続く第二セットでも体力を削りあう探り合いのラリーから先にしかけていって5-2と勝利に王手をかける。しかし相手にサービスキープを許して迎えた第9ゲーム、持ち前のサーブで決め切れず、さらにはアプローチショットをカウンターで弾き返され、ここで試合を収めることはできなかった。最後は6-4まで粘られたが、緩いラリーから力技でスマッシュを叩き込み、堅実に初戦を突破した。

 

 

またしても激戦の末勝利を逃した権

またしても激戦の末勝利を逃した権

夏関に引き続き、厳しい長丁場を戦ったのは権(総3=秀明栄光高)だ。相手は早大のルーキー・松崎で、威勢のいい力強いプレーを見せた。序盤で2-3と出遅れた権は積極的にネットを取ったが、要所でボレーのコースが甘くなり、逆にパスショットを取られてしまう。2-5と追い込まれると、そこから粘りの追い上げを見せてタイブレークに突入。ここでは相手に逃げ切られたが、悪くない流れで第二セットへとつないだ。

第二セットで主導権を握ったのは権。6-1と圧倒してファイナルセットへと突入した。その序盤、またしてもペースが作れず、相手にリードされ追いかける展開に。しかしここで権のストロークに伸びが出てくる。シャープなクロスラリーで相手を走らせると、相手の体制が崩れたところで逆をつき、体力を削ってゆく。決め球が決まらず膝をつくほどに相手を追い詰めた。だがここから相手が勢いを盛り返す。コースを読まれ、エースを取られると、それまでラインを捉えていたフォアハンドがラインを越えて伸びてしまう。勝負どころでの甘さが仇となり、接戦をものにすることはできなかった。

 

昨年に増して安定感を見せた渡邉

昨年に増して安定感を見せた渡邉

期待の二年生のうちの一人、渡邉(総2=名古屋経済大市邨高)は、持ち前の気迫あふれるプレーに安定感を加えてインカレの舞台に戻ってきた。得意の回り込みフォアハンドが火を吹き第一セットを先制すると、相手が「ちょっと変えて」きたという第二セットは壮絶な打ち合いとなった。決め球である高い打点のフォアでミスが出、4-3まで両者譲らない接戦に。自身のミスに苛立ち、ラケットを叩きつける場面もあったが、一本フェイントを挟んでストレートにエースを放つと、その後は自分をきっちりコントロール。相手のミスが続き6-3で勝利を収めた。

 

会場の都合により、20日は試合が行われないため、ここで一回戦を突破した選手たちは22日に二回戦を迎える。さらに二回戦からの志賀、近藤、矢野もいよいよ登場するため、慶大勢のさらなる活躍が期待できそうだ。

(記事 伊藤明日香)

 

 

◆選手コメント

井上善文(経3=慶應義塾高)

(今日の試合を振り返って)まずインカレっていう最高峰の大会で、去年は一回戦で自分のテニスかできずに負けて、今年は二回戦で早稲田の今井慎太郎選手と当たるんですけど、その前に一つ目ということで、一戦一戦気合を入れてやりました。去年の反省はしていたんですけど、緊張して固くなってしまいました。このコートはすごく遅くてラリーも長くなるので、振れなくなってフォアハンドで浅いた球を打ってネットしたり、打たれてしまったので、そこは修正すべき点だと思います。なんとかまずは勝ちきれて、これで今井と勝負できるので、リーグとかこの先のことを見据えて、思いっきり戦って行きたいと思います。(相手はどんな選手でしたか)聞いた話だとラリーをずっとしてきてミスをしない選手ということだったんですけけど、試合が始まってみるといきなりサーブアンドボレーをしてきて、ちょっと違ったな、外されたなと思いました。それで最初ちょっととまどってしまった自分がいたんですが、ただまあダブルスでやってきているので、低くリターンを沈めるなどしてボレーを打たせて、結果的にミスさせてブレークができたので、良かったです。(今井選手との2回戦に向けて意気込みをお願いします)今井選手とは今回初対戦で、リーグで想定される下位の大城、古田、今井の三人の中で、この間の夏関で大城と戦って、去年の春関で古田と戦ったので、今回今井と戦えるということで、本当にワクワクした気持ちと言うか、そういう気持ちでぶつかっていくだけだと思うので、やるべきことをやるということに集中して、相手は関係なく、ベストプレーを目指していきたいと思います。

 

権大亮(総3=秀明栄光高)

(今日の試合を振り返って)技術的な差とかはなかったと思うんですけど、勝負どころで相手のほうが強気できて、僕は引いてしまったので、その大事なところでの気持ちの差が結果に出たと思います。(セカンドセットでは相手を圧倒しましたが、どんなことが成功したんですか)セカンドは、ファーストを取られて一回トイレ休憩をとったんですけど、そこで気持ちを切り替えることができて自分の中でも百点のできで、すごく良かったです。(相手は早大の一年生でしたが、印象は)技術的にはサーブとフォアハンドがすごく良くて、競った場面で気持ちが強いという印象を受けました。(次の試合はリーグになりますが、今大会を踏まえてどんなプレーをしたいですか)勝負どころで気持ちが負けてしまったのが敗因なので、リーグまでにそこをしっかり修正して、勝負どころで自分のプレーを出していけるようにしたいと思います。

 

髙田航輝(環境2=湘南工科大付属高)

(初戦を振り返って)2日前にこっちに入ってきて、去年は一日前に入ってコートに慣れるのに時間がかかったんですけど、今回は二日間練習しただけあってコートに慣れて地に足が付いている感じで、ディフェンスやフォアハンドで攻めるところを意識できました。次の選手は明治の小野君っていう第4シードなので、今日はそこを意識してプレーしました。(インカレの初戦ということで緊張はありましたか)特にそんなにありませんでした。リーグなどに出させてもらっていることもあってそんなに緊張はなくて、自分のやってきたことを出すだけでした。(対戦経験のない相手でしたがどう戦いましたか)鹿児島国際大学という大学で、情報があまりなかったので、なめてかかったりは絶対にしないようにと思って1ポイント目から臨みました。相手は序盤結構粘り強くやってきたんですけど、途中から僕が少しテンポを上げて攻めたらミスも多かったので、スコア的にもいい感じでできたかなと思います。(次戦は明大のS1の小野選手との対戦ですが、どう臨みますか)前回3月にジョップの大会であたっていて、ファイナルセットで勝ったんですけど、やっぱり僕にとって失うものは何もないですし、当たったことは1回しかないですが、その時は僕が勝っているので、結構相手も緊張はしていると思うんですよ。なので、最初からスタートダッシュを切れるように、序盤で突き放されないようにということを意識してやっていきたいです。

 

渡邉将司(総2=名古屋経済大市邨高)

(今日の試合を振り返って)もともとストロークでしっかりやってくる相手と聞いていて、このコートは結構遅いので、なるべく早く前に入って展開するということを意識してやりました。それが結構ファーストセットでうまくいって簡単にいったのでよかったんですけど、セカンドセットに入って相手がちょっと変えて、相手のほうが早く打ってくるようになった時に、自分が受けに回ってしまったというか、相手がいつも粘っている選手なので打ってもミスをすると思って粘っちゃって、それで結局今日は勝ったんですけど、やっぱり相手がひとつ上の選手になった時に、相手が返してきたときでも自分から仕掛けるということをやっていかないと、ちょっと下の選手には勝てても上の選手には勝てないと思うので、そこを頑張って貫いてやっていければもういっこ上に勝てるんじゃないかって思います。(次戦ではどういうプレーをしたいですか)軸が僕はストロークなので、ストロークでしっかり打って、甘い球を前でフォアで打つということをぶらさずやっていきつつ、今よりも前でどんどんトライして、今までは結構ああいう選手にも競っていたんですけど、簡単にいくようになってきたのでそれは自信にして、次も全力でやるだけだと思うので、一戦一戦大事にして、やっていきたいと思います。

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