8月19日から岐阜メモリアルセンターで始まった全日本学生選手権。数々の熱戦を繰り広げた初日から一夜明けた21日、やはり炎天下の中で二回戦が行われた。その中で抜きん出たプレーを見せた坂元(政2=湘南工科大付属高)は第4シードを打破する大躍進。しかしその他の選手は初戦より一癖も二癖もある強敵たちに苦戦を強いられた。
2013/08/21 全日本学生選手権@岐阜メモリアルセンター
シングルス2回戦
●藤岡莉子3-6,4-6寺田美邑(立大)
●池田玲 6(5)-7,6(1)-7村上亜利沙(関学大)
○西本恵6-2,6-0秋元玲乃(同士討ち)
○坂元君佳 7-6(4),6-2宮地真知香(早大)
まずセンターコートに立ったのは不動のエース・西本(総2=岡山学芸館高)と初戦で死闘を演じた秋元(環1=浦和学院高)だ。普段はチームメイトとしてともに戦う二人だが、今回は対戦相手として激突した。初日に宿敵山学大の田村を破り勢いに乗る秋元だったが、ユニバーシアードでもメダルを獲得し、トップ選手の階段を登りつめている西本に食い下がることができず、ストレート負けとなった。
1ゲームも失わずに初戦を突破した坂元はこの日も研ぎ澄まされたプレーを見せた。相手は第4シードの宮地(早大)で強力なストローカーだ。「やることを明確にしていた」と振り返る坂元は、守りに入りすぎることなく堂々とラリーで渡りあうと、タイブレークの末に第1セットを先取。続く第2セットでも体重の乗ったアプローチショットが次々に決まり、粘る相手を狙い澄ましたストロークで振り切り、6-2で圧巻の勝利を収めた。
全国の舞台でも萎縮せず伸びやかにシードを破った坂元だが、その先にはまだまだ長い道のりが横たわっている。このままの調子で今大会の台風の目となるか。今後の展開に注目が集まる。
一方、二回戦が初戦となった藤岡(総3=徳島市立高)は新進気鋭の立大のホープ・寺田と対戦。サイドラインいっぱいにストロークを振り分ける相手に対し食らいつけず第1セットを落とした。第2セットではひたすら食らい付き、藤岡らしいスピンロブのラリーに持ち込むと自分からコースを変えて挑んで行く場面もあったが、そこから流れを作れずストレート負けを喫した。
また、池田(環2=富士見丘高)は鍛え上げられたフィジカルからパワフルにラリーを展開する関学大の村上と対戦。第1セットはシーソーゲームとなり、タイブレークのすえ惜しくも落としてしまった。続く第2セットでは相手の球威が増し、なんとかカウンターから少しずつポイントを奪ったが、攻勢を緩めない相手に攻めあぐね、こちらも同じくストレートで敗戦した。
激戦の二回戦の末、三回戦に進むものは慶大からは二人となってしまった。しかしここで敗れた藤岡、池田にはまだダブルスが残っている。悔しい思いをバネに、さらなる飛躍を遂げくれるに違いない。
(記事 伊藤明日香)
選手コメント
坂元君佳
(今日の試合を振り返って)入る前に戦略を立てて、やることを明確にしていたので、自分がリードしてても不安にならないで、やることを徹底してできたと思います。最後まで冷静でいられたことが、勝てた鍵だったと思います。(振り抜いていくショットが多かったですが、守るよりは攻めるという意識で臨んだんですか)どちらかというと丁寧に攻めつつ、つないで守るところもあって、7割6割で打ち込んで、たまに100%で打ち込むという、うちじこり的な感じでした。(最後まで引くことなく勝ちきりましたが、これまでの早慶対決と違うところはありましたか)私の意識の中で変わった部分あって、勝ちが見えてきたときに勝ちを意識しないで、本当にやるべきことだけを意識したり、あんまり早慶対決というのは考えないでやるべきことをやろうと意識して、自分にはあとがないと追い込みながらできた部分が今までとの違いでした。(二回戦がドローの上でも重要な試合だったと思いますが、この先はどう戦っていきますか)今のままではまだまだミスが多くて、明日の相手も結構宮地さんと同じタイプのストローカーなので、もっとミスを減らして、でも打てるところを思い切っていきたい。さっきの試合だとポイント間でアップダウンがあったんですけど、明日からはそういうアップダウンも許されないので、アップダウンをなくしていきたいです。(次の試合に向けて意気込みを)絶対に自分は勝たなくてはいけないと思っているので、やることを明確にして入って勝つことだけを考えて臨みたいと思います。
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