【男子テニス】宿敵に敗れるも、堂々の準優勝!! 全日本学生選手権大会ダブルス決勝

準優勝に輝いた志賀主将(右)と近藤(左)

準優勝に輝いた志賀主将(右)と近藤(左)

伸ばしたラケットの先を、優勝が、悲願の学生日本一がすり抜けていった。8月26日、岐阜メモリアルセンターで個人戦の王者を決める全日本学生選手権の決勝戦が行われた。男子ダブルスの決勝戦には慶大が誇るダブルス1の志賀(政4=秀明八千代高)・近藤(環3=湘南工科大附属高)組が満を持して早大の田川・遠藤組に臨んだ。フルセットの末、惜しくも敗れたが、二人にとって過去最高の準優勝という結果を勝ち取った。

 

2013/08/27 全日本学生選手権@岐阜メモリアルセンター

 

ダブルス決勝

志賀・近藤6-3,1-6,0-6田川・遠藤(早大)

 

序盤リードの起点となった志賀のストローク

序盤リードの起点となった志賀のストローク

 

男子ダブルスの決勝戦は、男子シングルス決勝、女子シングルス決勝に次いで3試合目に行われた。相手にとっては2試合目になるという好条件も味方しただろう。慶大ペアは序盤から勢いのある二人らしいプレーを展開する。近藤のサービスゲームで始まった第1セット、威力のあるサーブが入るも、この日の相手にはなかなか1本で決まらない。それでもサービスダッシュからネットに詰めると、隙なくボレーが決まり、手堅いサービスキープに成功した。リターンゲームでも勢いは変わらない。3ポイントを連取して追い詰めると、相手の追い上げにも動揺を見せず、幸先よくブレーク成功。続く志賀のサービスゲームでもやはり前衛二枚の形を取り、ボレーで崩しにかかる相手に対して絶妙なドロップショットで逆に走らせて、志賀のボレーでとどめを刺すという理想的な攻撃が決まった。

抜群の威力で相手コートに突き刺さった近藤のサーブ

抜群の威力で相手コートに突き刺さった近藤のサーブ

 

しかしそこから相手に粘りが出始める。あっさりとキープを許すと、続いてサービスゲームでもブレークされ、試合は接戦の様相を呈してくる。相手に3ゲーム連取で3-3と並ばれたが、志賀の好サーブから、近藤が相手のリターンをスマッシュで叩き、流れを引き戻した。すると鋭いサーブでリターンの難しい遠藤のサービスゲームでも、その勢いを利用して叩き返す「突き球で相手の二人のボレーに対してストロークで対抗しよう」(志賀)という事前の作戦が功を奏した。立て続けにリターンポイントが決まり再びのブレークに成功。完全にペースを握った二人は、ネット奪取でプレッシャーをかけると、フェンスを越えるようなスマッシュを志賀が叩き込み、二人のネットプレーでついに第1セットを手中に収めた。

 

 

最後は相手のショットに志賀のラケットがはじかれてゲームセットとなった

最後は相手のショットに志賀のラケットがはじかれてゲームセットとなった

しかし第2セットに入ると、流れががらりと変わってしまった。「二人とも勝ちを意識したのかわからないですけどちょっとそこで隙が生まれて」(志賀)しまったと振り返るように、相手のサービスゲームでブレークポイントを握ったところでも第1セットのように取りきることができない。サービスゲームでも、ネットダッシュの成功率が落ち、それを逆手に取るようなパスショットが慶大コートのコーナーに落ちた。何とか近藤のサービスゲームをキープし1-4とするも、そこから流れが生まれず、1-6と劣勢のまま最終セットへ突入することとなった。だがそこから再び慶大に流れが傾くことはなかった。どうにかしてポイントを築こうと、志賀はしぶといボレーストロークを相手に挑み、近藤も低く抑えたストロークで相手の間を抜くエースを放ったが、それでも相手のサービスを破れない。セカンドでも威力の衰えない相手サーブに攻め手を欠くと、サービスゲームでも見せ場を作れず、0-6という屈辱のスコアで敗れた。

 

 

 

リーグ戦でのリベンジに期待だ

リーグ戦でのリベンジに期待だ

試合後、近藤は順調だった第1セットを振り返り、「田川・遠藤以外のペアだったらそのまま勝てたと思うんですけど、ああいう選手は一瞬の隙っていうものを見逃さずに突いてくるし、さらにそこからあげてくる」と相手の強さを言葉にした。志賀にとっては最後となる今大会で、二人は苦戦を乗り越えながらも、初めて決勝戦の土俵に上がった。そこで再三渡り合ってきた因縁の相手に敗れたとあって、その表情ににじみ出る悔しさはひとしおだ。だが、手ごたえはあった。「今日の第1セットのようなプレーをずっとできれば、まあリーグでも王座でも倒せるチャンスはいくらでもある」(近藤)。リベンジのチャンスはすぐそこにある。最後に、二人は口をそろえて目標を語った。「チームで早稲田に勝って王座につなげていく」。チームを負って戦うリーグ戦はもう目前。今度こそ、早大を倒して日本一、その夢を慶大庭球部が成し遂げるときだ。運命の関東リーグ1部第4戦、慶大VS早大は9月9日、有明テニスの森で行われる。是非会場に足を運び、熱い声援を送っていただきたい。

(記事 伊藤明日香)

 

◆選手コメント

志賀正人(政4=秀明八千代高)・近藤大基(環3=湘南工科大附属高)

(今日の試合を振り返って)

志賀 やっぱり悔しいですね。ファーストは良いプレーができたんですけど、セカンドはちょっとした隙だったんですけど、多少二人とも勝ちを意識したのかわからないですけどちょっとそこで隙が生まれて、ブレークを許して、こっちのブレークできそうなチャンスも相手に持っていかれてしまって、そこでやっぱり流れが一気に変わって相手に流れが行ってしまって、相手に流れが行ってしまったらもう止められなかったのでそれがやっぱり悔しいですね。そこの隙さえ潰せば勝てた試合だったと思うので、そこが悔しいです。

近藤 今志賀さんが言った通りで、僕も悔しいですし、その隙っていうものを埋めるのが難しい所で、多分田川・遠藤以外のペアだったらそのまま勝てたと思うんですけど、ああいう選手は一瞬の隙っていうものを見逃さずに突いてくるし、さらにそこからあげてくるので、その隙を埋めるのが難しいことだとは思うんですけど、逆に言えば、それができれば簡単に倒せる相手だと思うので、今日の第1セットのようなプレーをずっとできれば、まあリーグでも王座でも倒せるチャンスはいくらでもあると思うので、それがなんなのかということを二人で話し合ってこれからやっていきたいと思います。

(試合前にはどんな作戦を立てて臨みましたか)

志賀 今回相手のサービスゲームの時にツーバックで二人とも下がってやっていて、僕たちの突き球で相手の二人のボレーに対してストロークで対抗しようということと、あとは、しっかりサーブをバックサイドで入れてからチャンスを作って前衛で動いて展開していこうということを話してやっていました。

(以前の対決から比較して今日良かった点は)

近藤 この前は最初からガッツリいけなかったということがあって、ファイトもできてなかったですし、でも今回はファーストセットですごくいい入り方をして、リターンも前に入って、前でも動けたし、粘るところは粘れたり、ということができたところですね。

(今回の大会を全体的に振り返って)

志賀 4年生で最後で、すごく意気込んで、気合を入れて臨んで、単複ともに優勝しようということでやっていたんですけどやっぱり緊張との戦いだったというか、やっぱり固くなる場面が、特にシングルスではファイナルがずっと続いて自分らしいプレーが全くできなかったので、そこに体力も気力も奪われて、シングルスのベスト4でもいいプレーができませんでしたし、ダブルスも今日万全な調子で動けたかというと実際8割くらいで、まだ万全ではなかったので、そこに悔いが残っています。リーグまでにはしっかりと万全の調子にして、その4年生最後というプレッシャーに打ち勝って、最後の団体戦でみんなで笑えたらいいなと思います。

近藤 今回はテニス人生で一番課題が見つかった大会で、僕も志賀さんと同じで優勝を目指してやってきて、相当気合を入れて臨んだ大会で、特にダブルスは志賀さんと学生の大会でこうやって組んで出られるのはこれが最後ですし、僕は1,2年生のときに主将と組んだんですけど二人とも足をくじいちゃって出られなかったので、すごく気合入ってて、それでシングルスはベスト16、ダブルスは準優勝で終わってしまってめちゃくちゃ悔しいのと、もっと自分を節制してやってしてやっていかないとダメだなっていうのが正直な感想です。やっぱりもっともっとテニスについて、テニスってなんだろうとか、そういうことを一から考え直していくことがリーグまでにできる最大の準備かなと思うので、この大会に出た結果自分のどこが成長して、何がダメだったのかということを今から整理してリーグではいい結果を残せるんじゃないかと思っています。練習ではここで得た反省を活かしてやっていきたいと思っています。

(最後にリーグ戦への意気込みを)

志賀 僕はまず個人としては全勝すること、10戦あるので10戦全勝すること、そしてチームとしてはリーグでこそ早稲田に勝つこと。これを絶対に成し遂げて、王座につなげていきます。

近藤 僕も10戦全勝を目標としています。志賀さんと同じになっちゃうんですけど、チームで早稲田に勝って王座につなげていくこと、あとはリーグで早稲田に勝てたとしても王座では勝てるかわからないので、リーグでチームとして一段と成長できればいいなと思います。

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