【アイスホッケー】王者相手に奮闘も最後は力尽きる/第78回早慶アイスホッケー定期戦

まさに氷上の格闘技 激しいせめぎあいが繰り広げられた

まさに氷上の格闘技 激しいせめぎあいが繰り広げられた

 

 

インカレをすでに終えたため、4年生にとって引退試合となった第78回早慶アイスホッケー定期戦。FO直後に東内陽祐(経3)のゴールでオープニングを飾ると、その後も気合いが入ったプレーを終始見せ、インカレ王者の早稲田相手に引けを取らない試合となった。最後は力尽き課題を露呈したが、来季に向け確かな手ごたえをつかんだ。  

 

 

 

 

78回早慶アイスホッケー定期戦 2014113日(月)16:50F.O. @ダイドードリンコアイスアリーナ 慶應義塾大学26早稲田大学

Period

1P

2P

3P

Keio

18

19

012

229

Waseda

218

117

310

645

※()内はシュート数

得点者/アシスト者 1P 00:55 東内陽祐(経3)/ 種田繁人(経4 2P 10:33 山本統哉(環3)/ 梅澤翔(経3)、三田義仁(商4    

 

リーグ戦6位、目標としていたインカレ優勝にも及ばず悔しい思いをした今年のチーム。4年生の僕たちがやってきたことを証明する場」(種田繁人・経4と語るように、これまでチームを引っ張ってきた4年生の集大成となるこの早慶戦。会場は満員の観客で埋まり、まさに引退試合にふさわしい場となった。相手の早稲田大学は先日のインカレで優勝を果たした実力者。しかし今年のサマーカップで本塾は早稲田に勝利しているため、第40回大会から遠ざかっている秋の早慶戦での勝利が期待された。

東内の先制点に、歓喜する選手たち

東内の先制点に、歓喜する選手たち

第1ピリオド、開始早々にサマーカップでも早稲田戦で得点を挙げた東内陽祐(経3)が相手ゴール左奥にスラップショットを突き刺し、先制に成功する。「先制をして流れを掴んでから、良い感じに試合を進めることができた」(東内)と語るようにチームの雰囲気が良くなった。さらに大音量でこだまする若き血に、ノリに乗ったのがGK細井貴弘(政4)だ。本当に最後の試合だったので、僕を含めすごく気持ちが入っていた」(細井)と、先制されたことでエンジンがかかった早稲田FW陣から放たれるシュートを次々と防ぎ、味方の追加点を待つ。

しかしインカレ王者の実力の壁は高かった。8分に一度はシュートを細井が防ぐもリバウンドを詰められて同点に追いつかれる。続く11分には痛恨のパワープレー(人数有利)中の失点を喫し、逆転を許してしまう。

気持ちを切り替えたかった第2ピリオドだったが、反則でキルプレーや6人揃わない時間が続き、波に乗れない。すると7分、打ち込みからタッチシュートで合わされ失点。その後もペースをつかんだ早稲田に主導権を握られるものの、何とか細井を中心としたディフェンスで失点を防ぐ展開が続く。すると10分、混戦の中から梅澤翔(経3)の通したパスを、「点を入れるイメージは常にもっていました」という次期主将の山本統哉(環3)がゴールをきっちり決め1点差に詰め寄り、インターバルへ。

勝負の最終ピリオド、防戦が続いた2Pと打って変わって開始直後から攻撃的なホッケーを見せる慶應。FW江口大輔(環2)やFW鈴木啓介(環2)、FW金村知紀(政2)の若手3人が鋭いシュートを放つと、それに負けじと主将・真鍋翔太(環4)やFW三田義仁(商4)、FW後藤陸(経4)も果敢にゴールに迫り、4年生としての意地を見せる。しかし得点には結びつかず。リンクを広く使った多彩な攻撃を見せる早稲田の前に3失点を喫し、終了のホイッスル。それでも、最後まで攻めきった選手たちに惜しげもない拍手が送られた。

チームを支え続けた真鍋主将のプレー

チームを支え続けた真鍋主将のプレー

4年生にとっては最後の試合だったので後輩たちに何か一つでも結果を残してあげたい」(真鍋)と意気込んだように、「負けてはしまいましたが力は出せた試合」(田中大二郎・政4となった。特に第3ピリオドではスコアだけで見れば0-3と完敗だが、王者早稲田に全く気後れしない果敢な攻撃を見せ、シュート数は12と早稲田を上回った。「All Out~全員で全力を出し切る~」という今年掲げたスローガンを胸に、確かにその言葉を体現した試合だった。先輩の意思・プレーという名のバトンを受け継いだ後輩たちは今後どんなプレーを見せてくれるのだろうか。来期の慶應アイスホッケー部から目が離せない。

(記事:荒川智史、写真:木下彰・須佐奈月)

 

スケート部ホッケー部門のさらなる飛躍に期待したい

スケート部ホッケー部門のさらなる飛躍に期待したい

以下コメント

  FW真鍋翔太(環4・苫小牧東)主将

(伝統ある早慶戦をどのような気持ちで臨んだか)僕たち4年生にとっては最後の試合だったので後輩たちに何か一つでも結果を残してあげたいという気持ちで迎えました。(早稲田の印象は)インカレ優勝チームなだけあってプレーしていてもやっぱり強いなという印象を持ちましたが、自分たちもやってきたこと全部出して“戦えるな”と途中で感じたのでその部分に関しては自身をもって戦えました。(主将として迎えられて今日の試合は)プレッシャーは感じましたが、このチームでプレーできてすごい幸せでした。(最後の試合となりました。同期の方へメッセージを)僕が主将になってからの1年間、辛いこともあったんですけど、そのときに同期に支えてもらった部分はとても大きかったので、本当にありがとうと伝えたいです。(思いを託す後輩へ一言)今年は思うような結果を出せずに苦しんだと感じた1年だったので、来年は結果にこだわって頑張ってほしいと思います。  

 

DF田中大二郎(政4・慶応義塾)副将

(どのような気持ちで迎えたか)例年だとインカレで終わりなんですけど、今年は年が明けてから早慶戦ということで、少しモチベーションのもっていき方が難しかったのですけど、今のチームはすごくまとまっていて、1年生から4年生までしっかり各自意気込みを持って試合に臨めたので、負けてはしまいましたが力は出せた試合なんじゃないかなと思います。(試合の出来については)自分のミスはしっかり反省しなくてはいけないんですけど、みんな良くやってくれたと思います。FWもしっかり走ってくれたし、高校から続けている選手も多い中で凄い頑張ってくれて、僕自身は悔しいけど、みんなは合格点じゃないかと思います。(この試合で引退となりますが、思い出に残っているシーンは)今日の負けと、サマーカップで早稲田に勝ったことです。(両方早稲田戦ですね)やっぱり特別な思いがありますよね(同期のチームメイトに声をかけるとしたら)僕の同期は2人とマネージャー以外はみんな高校から一緒に続けているんですけど、みんなそれぞれ尊敬できる部分を持っていて、本当に感謝しかないです。全員尊敬しています、ありがとう!と伝えたいです。(後輩に向けて)4年生としてどういうことを残せたか分からないですけど、少しでも僕らがやってきたことを吸収して、よく出来る後輩たちが多いので、来年はこの代以上の成績を残してほしいと思います。  

 

FW種田繁人(経4・慶應義塾)副将

(今日の試合を振り返って)目標にしていたインカレ優勝が全くできず、このチーム最後ということで、もちろん早慶戦勝利ということも目標の一つだったので、チーム一つになって絶対結果というものを残したかったです。4年生の僕たちがやってきたことを証明する場だったんですけど、それができなくて本当に悔しいです。(早稲田の印象は)早稲田は指導者があまりいない中、チーム一つになって明るい雰囲気で、インカレで優勝するのも頷けるようないいチームでした。(終盤、リードを広げられたが)終盤に追いついていくというのが慶應のホッケーだったんですけど、勝った早稲田もいいホッケーをしていたので、逆に離されてしまって悔しい限りです。でも一試合通して観客の方がすごく応援してくれたので、それが力になって最後までプレーすることができました。(最後の試合となったが)最後の試合にふさわしいような大会を開いて下さったので、それには感謝していますし、本当に最後がここで良かったという気持ちです。(種田選手にとってアイスホッケーとは)僕は17年間やってきたので、本当に人生そのものでした。17年間、一番がアイスホッケーだったので、それがなくなったらどうなるのか、ちょっと今は分からないです。それほど大切なものでした。(後輩部員にメッセージを)いいチームいいチームと言われてきたけど、やっぱり結果が出ないといいチームとは口が裂けても言えないです。これだけやってこの結果だったということをもう一回踏みしめて、陸トレもウエイトも氷上練習ももちろん、チームにとって何が一番大切なのかというのを考えて、僕たちの代を超えてほしいです。

 

DF水澤遼(4・苫小牧東)

(今日の試合を振り返って)今日はたくさんの方に来ていただきました。負けてしまったので本当に申し訳ないですが、人生最後の試合だったので悔いなくすることができました。(早稲田の印象は)やっぱりインカレ優勝したチームだなという印象がありました。一つの隙というところを狙っていったんですけど、やっぱり守りが堅いので崩すことができませんでした。(最後の試合ということで、どのような思いで臨んだか)後輩たちに助けられてきたので、最後は自分たち4年生がしっかり引っ張って行こうという決意のもと、全力を尽くしました。(水澤選手にとってアイスホッケーとは)アイスホッケーは、自分自身を作ってくれたスポーツだと思います。(後輩部員にメッセージを)僕らが達成できなかった早慶戦勝利というのを、いずれ達成させてほしいと思います。今の後輩たちなら必ずできると思うので、また応援のほどよろしくお願いします。

 

GK細井貴弘(政4・慶応義塾)

(今日の試合の振り返って)本当に最後の試合だったので、僕を含めすごく気持ちが入っていて、結果は大差がついてしまいましたが、好ゲームができたと思います。(個人の出来を振り返って)1ピリにバタバタしてしまってどうなるかと思ったんですけど、2ピリに立ち直ったのでよかったと思います。ただ3ピリに疲れて力尽きたのは勿体無かったと思います。(大学生活最後の試合でしたが)アイスホッケー人生最後の試合だったので、絶対勝って後輩たちにいいものを残してあげようと思いましたが、そう上手くは行かないと感じました。(4年間で一番印象に残ったことは)今年コーチに、慶應のキーパーはクソだと言われたことですね。ずっと僕と、後輩に1人いるんですけど、全く結果が出なくてキーパーがコーチにかけ降ろされるのを断ってから、それを糧に頑張ってきました。(後輩へのメッセージ)無事に一部残留することができたので、後輩がさらに僕たちより上の順位を取ってくれると信じています。(細井選手にとってアイスホッケーとは)人生の全てです。この4年間全てを捧げてきたので、負けたのは悔しいですけど悔いはありません。

 

DF小野塚敦之(経4・慶応義塾)

(今日の試合の振り返り)4年として最後の試合ということで、皆モチベーションは一番高かったと思うので、結果は負けてしまいましたけど、全員後悔のない試合ができたと思います。(今日の個人の出来は)僕は数回しか出ていないんですけど、やるべき仕事はしっかりできたと思います。(4年間で特に苦しかったことは)僕はレギュラー争いにずっと加わっていて、落とされたり試合に出れなかったり出たり、いろんな経験をしましたけど、トータルで見れば社会に出て行く上でいろんな経験ができたと思っています。(後輩へのメッセージを)今年はやはり結果がちょっと出なかったので、来年は是非、結果が出る強い慶應というものを残してほしいと思います。(小野塚選手にとってアイスホッケーとは)大学人生そのものだったと思います。

 

FW三田義仁(商4・慶應義塾)

(今日の試合を振り返って)インカレ優勝の早稲田相手にどれだけできるかというところだったのですが、慶応のプレーを第二ピリオドまで続けることができて、最後の試合としては最高だったと思います。(引退試合となった今回の早慶戦、どのような意気込みで臨んだか)本当に最後の試合だったので、明日死んでもいいぐらいの気持ちでした。(プレーを振り返って)チーム力やスキルなどいろいろあるかもしれませんが、今年一年では足りなかったことがあると思います。来年以降は今年足りなかったものをしっかり振り返って、更に強いチームを作って欲しいと思います。自分は1アシストできたのですが、自分自身納得のいくプレーができなかったので、もっとやれたかなという気持ちが強いです。(後輩に向けて)結局今年はインカレ優勝者に負けてしまったり、インカレベスト16だったりという結果が出てしまっているので、来年はしっかり調整して自分たちなりに一番良いと思うことを全力でやって欲しいと思います。(4年間を振り返って)基本的につらかったのですが、その分終わったあとの思い入れとかは本当に強くて、泣いちゃいました。

 

  FW後藤 陸(経4・慶応義塾)

(今日の試合を振り返って)4年生が実力的にあまりぱっとしないチームでしたが、団結力や個人の人間性を活かしてチームを引っ張っていくような試合ができたと思います。(これまでの4年間はどうだったか)衝突の4年間だったと思います。最後の最後にこうしてみんなが納得した形でまとまることができたので、本当によかったと思っています。(後輩に向けて一言)チームみんな最高でした。本当にありがとう。

 

DF川田雄大(商4・慶応義塾)

(今日の試合の振り返り)2ピリまで結構いいペースでいっていたんですけど、最後実力差が出たと思います。(早慶戦への意気込みはどうだったか)本当に最後の試合だったので、自分の出せる物を全部出そうと思って戦いました。(個人の出来は)今日はあまり出られなかったんですけど、出た時は自分なりにプレーできたと思います。(4年間で一番苦しかったことは)自分は結構レギュラー争いで厳しいポジションにいて、なかなか4年でも出る機会が少なくて、それが一番辛かったです。(逆に一番やりがいを感じたのはいつか)たまにコーチがチャンスをくれて、結果を出せた時ですね。(後輩にメッセージを)今年は思うような結果はなかなか出せなかったと思うので、来年は結果を残せる強いチームになってほしいと思います。(川田選手にとってアイスホッケーとは)高校から始めたんですけど、それしかやってなかったので、自分の人生そのものですね。

 

FW山本 統哉(環3・八戸工業大第一)

(今日の試合を振り返って)インカレの覇者相手に自分たちの力を十分に発揮できたと思います。今日は4年生のために試合に臨んだので、得点を入れることができたのは良かったのですが勝ちをプレゼントすることができなくて悔しかったです。(得点を入れたときの心境は)点を入れるイメージは常にもっていました。実際はそのイメージ通りではなかったものの、あの得点で試合の流れをもっていくことができたかなと思います 。

 

FW東内 陽祐(経3・向陽)

(今日の試合を振り返って)先制をして流れを掴んでから、良い感じに試合を進めることができたんですけど、やはり後半の弱さが出てしまったのが今日の試合だったと思います。(新チームでの意気込みは)自分がチームの中心となっていくと思うので、プレーの面でみんなを引っ張っていくことができるように頑張ります。(今日の試合は100点満点中、何点か)50点ですね。まだまだだめなところが沢山あったので、来年に向けて努力します。

 

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【フィギュアスケート】夢の世界へ、ディズニーワールドを展開/78回早慶アイスホッケー定期戦エキシビション

現役戦の前には、スケート部フィギュア部門によるエキシビションが行われた。

魅力あふれるプログラムで、早慶戦に華をそえた

魅力あふれるプログラムで、早慶戦に華をそえた

普段は大会に取り組む選手たちの、新たな一面が見られたのではないだろうか。慶大からは、ティンカー・ベル、白雪姫、ジニーといったキャラクターに扮した8人が登場。ディズニ―・メドレーにのって、およそ4分間に及ぶ華麗な団体演技を披露した。息の合った演技で、終始、会場の視線を集めていた。慶大スケート部フィギュア部門の今後の活躍が期待される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(文:成瀬麻衣子、写真:須佐奈月)

 

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