【ソッカー男子】開幕前特集第1弾! 望月大知&溝渕雄志

 関東大学サッカーリーグ開幕まで約1週間。昨季、奇跡的な残留を決めた荒鷲イレブンの新たな戦いが始まろうとしている。そこでケイスポでは開幕前特集として、活躍が期待される選手たちの今季にかける意気込みを聞いてみた。

 第1弾は、昨季1年生ながら主力として活躍した望月大知(環2)・溝渕雄志(環2)の仲良し(?)コンビから!

 

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――昨シーズンを率直に振り返ってください。

 

望月 昨シーズンは、4連敗5連敗して苦しいシーズンでしたけど、結果的に最後、チームが一丸となって残留できたので、そういった面では、自分としても非常に経験となった1年でした。

溝渕 最後の方は冷静を失っていて、負けや点を取られることに関してシビアになっていたので、メンタル的にも追い込まれて臨む試合が多かったですけど、(最後は残留できたので)奇跡という感じですね。

 

――試合中に焦ることはありましたか?

 

望月 毎試合、焦りというより緊張感があって、試合中も、最後の、特に順天戦の残り20分間はずっと緊張していました。

 

――昨シーズンで一番印象に残った試合は?

 

溝渕 自分が一番良かった試合は順天戦で、やっぱり自分の出来が良かった試合が印象に残りますし、そんな感じですかね(笑)

望月 自分が印象に残っているのはラスト2節の東洋戦で、負けたら降格というときに0-1で負けていて、そこから3点を取って逆転できた試合が印象に残っています。

 

――残留を決めて、監督から最初に言われたことは?

 

溝渕 何だっけ?(笑)

望月 特に…何だっけ?

溝渕 自力で残留が決まったわけではなくて、日体大vs中大の結果次第だったので、松下(純土、昨季主将、現松本山雅FC)を始めとして喜べないし悲しめない、もやもやした感情がみんなの中に残っていて、須田監督はそのとき「ここまでやったから天に任せるしかないよね」と話してたんですけど、なかなか結果が出なかったのでシーズン中は、監督も試行錯誤して大変だったと思います。それでも監督は「4年生を信じる」という表現をよく使っていたので、僕らのモチベーションはその言葉のおかげで下げずに、シーズン最後まで、残留を目指して戦えたんだと思います。

望月 日体大vs中大が終わったときは素直に嬉しくて、須田監督も「いやーこれは奇跡だ」って言っていました。

溝渕 (笑)

 

――須田監督は選手にフランクに接してくれるんですね。

 

溝渕 監督はすごいモチベーションを作るのが上手くて、戦術の指導もそうですし他の監督を知らないというのもありますけど、選手と目線が近いというか、いい意味で監督らしくない人だと思います。

 

――昨シーズンを振り返って、個人面で最も成長したと思う点は?

 

望月 自分は昨シーズンを経験して、局面の重要性というか、一つ一つの球際の部分で、この一回で負けたら失点して降格してしまうという緊張感の中で(試合を)やれたので、相手に対して厳しくいけるようになりました。

溝渕 成長できたというか、一番昨シーズンを通して感じたのは、リーグ戦で安定したプレーが必要だということです。昨シーズンはいいプレーも悪いプレーもあったので、(その出来に比例して)勝った試合も負けた試合もあるんですけど、やはり全22節を通して、自分のプレーが安定していないとチームの勝ち点につながらないですし、慶應は引き分けがほとんどなかったので、負けを引き分けにするためにも、そのような安定した力が必要だと思います。

 

――守備のやり方を途中で変えましたが、個人的にはどちらの方が好きですか?

 

望月 個人的には後半の方が好きですね。

 

――プレーの機会が多いからですか?

 

望月 プレーの機会が多いというより、単純に試合に勝てるようになったからですね。

溝渕 すごい統一意識が出ました。それまではディフェンス練習をしていても曖昧なところがあって、個人の能力を高めるために局面で見ることが多かったんですけど、後期ラスト日体戦ぐらい?

望月 そう。

溝渕 次負けたら残留できない試合がずっと続いたときから、組織としての守備に一体感が出ていたので、あのディフェンスを今シーズンも(キャンプで)やってきたんですけど、あの形が多くなっていけたらもっといい結果が出ると思います。

果敢な攻撃参加が持ち味の溝渕

果敢な攻撃参加が持ち味の溝渕

 

――では、ここからオフシーズンのことについて聞いていきたいと思います。溝渕選手は大学選抜の選考会に参加されましたね。

 

溝渕 全日本(大学選抜)に行けてないのでまだ上がありますけど、差を感じた部分も感じなかった部分もありました。全日本に入ってプロに見られて上に行ける人と選考会止まりの人の差は、先ほども言ったプレーの安定感にあると感じて、このとき同じ慶應では増田(湧介、今季主将)もいたんですけど、チームで見るよりもすごく存在感があって安定していたので、選考の結果以前に、まずもっとやらないとダメだなと痛感しました。

 

――この頃、望月選手がTwitterに載せていた写真について聞いていきたいです。

溝渕 (笑)

望月 何載っけたんだっけ?

 

――ケーキの写真を載せていましたね。

 

溝渕 あったなー。

望月 (笑)

溝渕 いいじゃん。

望月 あれはそのとき、1・2年生中心で何人か(選考会に)行けると聞いていて、正直自分はチャンスがあるなと思っていて、結果的に行けなかったのでちょっと元気がなかったんですけど、その時ちょっと横浜に行って。

一同 (笑)(笑)

望月 切り替えも大事なんで、サッカーだけじゃやっぱ。横浜に行ってました。僕は静岡から出てきたので、まだこっちのことが分からなくて、ちょっとおしゃれなことをしたいと思って、カフェでケーキを撮ったのでそれを載せました。特に深い意味はないです。

溝渕 きもちわるー。

 

――Jリーグで好きなチームは?

 

望月 個人的にはフロンターレが好きです。

 

――自分も好きなんです。

 

溝渕 (笑)

望月 よっちくん(武藤嘉紀、現FC東京)からチケットを頂いて。

溝渕 その時僕も行ってたんですよ。

 

――フロンターレの誰が好きですか?

 

望月 大島君(大島僚太)が先輩なので応援しています。

 

――DFに注目はしますか?

 

望月 ジェシはいい選手ですよね。この前は中村憲剛が半端ねえってずっと言ってて。

 

――フロンターレが武藤選手の所属するFC東京を圧倒して(その日は不出場)、複雑な気持ちになったのでは?

 

望月 複雑ではないですけど。

溝渕 FC東京のスタイルが慶應と似ていて、引いて守ってカウンターで速い攻撃みたいなスタイルだったので、フロンターレは憲剛もいるし、前もボールを持つ力があるので、つなぐサッカーでしたよね。どっちかというとFC東京の方が僕らと被っていて、そのチームが0-4で負けたので昨シーズンの自分らを見ているような気になりました。

 

――2人は普段から一緒にいることが多いんですか?

 

溝渕 いや、それはないです。だって嫌じゃないですか。グランドで一緒にいるのにオフ期間まで一緒にいるのって。

 

――僕は何とも思わないですよ(笑)。

溝渕 (笑)

 

――同期で特に仲のいい選手は?

 

溝渕 みんな仲がいいですよ。僕らの代にトップが8人いるので。昨シーズンからもずっと一緒です。昨シーズンの開幕過ぎぐらいから、ずっと大知と俺は一緒にトップでやっていて、下のチームに落ちるとかそういうこともなく。ポジション的にも同じサイドで後ろをやっているので、そういう意味でお互いをよく知っていて、特徴とかどういうプレーをするかは一番分かっていると思います。

 

――同期の仲がいいということで、定期的に大人数で集まったりするんですか?

 

溝渕 そんなないかな。シーズン1回2回ぐらいは打ち上げがあったんですけど、仲良くても意外と、みんな個人行動ですね。

 

――2人それぞれの応援歌は気に入ってますか?

 

溝渕 全然気に入ってないです(笑)

 

――リクエストとかしないんですか?

 

溝渕 高校時代の応援があるので。今年はそれを提案しようかなと思って。

 

――今歌ってくれてもいいですよ。

 

溝渕 それはキツイっす。第1節で出ると思うので。

 

 

――オフのことはこれぐらいにして、今度は今シーズンのことについて聞いていきたいと思います。キャンプはどのようなテーマで臨んだのかと、それの手ごたえについて教えてください。

 

望月 キャンプのときは、失点をせず無失点でいくということで、攻撃よりも守備を重視して取り組んでいたんですけど、鹿児島のキャンプでは全試合、トップの試合もそれ以外の試合も無失点で、さらに大会自体も優勝することができたので、課題の成果は出せたと思います。ただ、こっちに帰ってきて2部のチームと中心に試合をするんですけど、相手に引かれたときに自分たちで崩すことができず、セットプレーから失点をしてもったいない負け方をしてしまっているので、そういった面もこれから、残り少ないですけど改善していきたいと思っています。

 

――4年生が抜けた影響は?

 

溝渕 いや、まったくないです。

望月 人数も少なかったので。

溝渕 昨シーズン(のトップ)は純土と修平(岩田修平、昨季副将)、主将と副将一人ずつとキーパーだけでした。今年も峯(峯達也)とかキーパーは揃っていますし、ボランチも豪(端山豪)ともう一人誰か分からないですけど、豪を中心にやっているので、逆に良くなるんじゃないかなってぐらい、うまくやれています。

 

――武藤選手が抜けた影響は?

 

望月 そこはでかい。

溝渕 そこはでかいと思います。何勝手にプロ行ってるんやあいつって思って。

 

――最初聞いたときはショックでしたか?

 

望月 ショックというより苦しくなるなと思いました。ここで守ったらよっちくんが一点取ってくれるというのがあったんですけど、今年はそれがなくなるということで、穴は大きいと思います。

いじられキャラの望月

いじられキャラの望月

 

――個人的に、今年から意識して取り組んでいることは?

 

溝渕 今シーズンはプロに行くという目標と、そのためにチームも個人も結果を残さないと思っています。昨シーズンはディフェンスを長所にして使われているのを理解した上で、守備を重点的にやってたんですけど、攻撃では結局2アシストぐらいしかできていないので、結果が物足りなかったです。今シーズンは攻撃の部分で、須田監督も右サイドはサイドハーフよりも僕に任せてくれている部分が多いので、守備に重点を置きながら積極的に攻撃参加をして、「右サイドの前も自分が取れるようにしてやろう」とはずっと意識しています。

望月 自分も守備面で評価されて出させてもらったんですけど、攻撃面で貢献度が11人の中で最も低かった選手といっても過言ではないので、今シーズンはビルドアップの部分で質を高めようと取り組んでいます。

 

――他大で気になる選手は?

 

望月 自分は昨シーズン、明治の和泉選手にやられてしまったイメージがあるので、借りを返したいと思っています。

溝渕 マッチアップするというよりも、同じポジションとして室屋とか、上でやっていくような人たちはすごい意識していますし、越さないといけないという目でも見ています。

 

――学年が上がったことで意識の変化は?

 

溝渕 やっていて違うよね。

望月 練習試合とかやってても、昨シーズンよりゆとりがあるというか、自分の中で。

溝渕 (それを言うなら)余裕だろ?

望月 余裕じゃない、ゆとりが…。

溝渕 どういうことだよ、なんだよゆとりって。日本語おかしいだろ。これです。これが静学です。慶應じゃないので、頭は。

 

――望月選手はいじられキャラ?

 

溝渕 いじられキャラというより、

望月 いやひどいっすよ。学年内で結構…。

 

――エピソードを教えられる範囲で聞きたいです

 

溝渕 SFCで頭悪いっすよこいつ。とりあえず頭悪いから、それでいじられてます。一人でいるときもあるんで、学校とかで。「なんで一人で飯食ってんの?」みたいな(笑)

望月 いや、一人でいるときって大事ですよ。

 

―― 一人でいないときは、サッカー部の人と一緒にいることが多いですか?

 

望月 やっぱりサッカー部は多いですね。多いよね?

溝渕 うん。

 

――他の体育会の人との関わりは?

 

望月 少しはあるんですけど。

溝渕 授業でグループワークが多いので、それで一緒になると必然的に仲良くなるんですけど、殻に閉じこもろうと思えばいくらでも閉じ込めるので。

望月 いや俺閉じこもってないよ別に。

溝渕 (笑)

 

――話を戻します。下級生の印象は?

 

望月 今(1年で)トップにいるのが自分の小学校からの後輩なので、印象って言われても…。溝に聞いて。

溝渕 手塚という静岡学園のキャプテンがいるんですけど、その一人だけトップなんですけど、大体ポジションが僕と一緒で、プレースタイルが僕と似ています。上手いしいいなって思うこともあります。あんまりライバル視はしてないですけどね。あとは渡辺夏彦とか。全体的な印象は、対して強い代じゃないなって印象です。

 

――自分たちの代に自信がありますか?

 

溝渕 俺ら強いよね。

望月 強いというか、

溝渕 一番メンツが集まった代で、

望月 大人しいよね。一個下。

溝渕 僕らはほんと個人行動をするぐらい個が強いんですけど、一個下はキャラ的に大人しい人ばかりなので。

 

――まだ遠慮してるんじゃないですか?

 

溝渕 それもあると思うんですけど、分かるじゃないですか、顔見たらちょっとあー。みたいな。絶対俺じゃねーだろ。みたいな(笑)

望月 俺らも言えねーよ。

溝渕 そこは違うだろみたいな。

 

――長くなりましたが、最後に今シーズンの目標をお願いします。

 

望月 昨シーズンは52失点してしまって、それを半分の26失点にするという目標を今シーズンは掲げているんですけど、自分としては26失点でも多いぐらいだと思っているので10点台に抑えたいですし、個人としては自分も、全日本の学年なのでそこに食い込んでいけるように頑張りたいです。

溝渕 チームとして達成したいと僕が考えているのは、リーグ戦の全チームの中で一番総失点を少なくして、みんなの見ている前で最終節をやって4位以上でシーズンを終えることです。あとは大臣杯かインカレで日本一を取って、個人的には今年全日本に定着することを考えています。

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――ありがとうございました!

 

(取材 木下彰)

 

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