第88回関東大学サッカーリーグ 第4節
2014/4/20(日)13:50KO@味の素フィールド西が丘
慶應義塾大学2-2専修大学
【得点者(アシスト者)】
慶大:55分 増田湧介(加瀬澤力) 90+2分 山本哲平
専大:52分 山川翔也 58分 深澤知也
◇慶大出場選手
GK | 峯達也(政4・桐光学園高) |
DF | 溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高) |
DF | 望月大知(環2・静岡学園高) |
DF | 並木凌介(総4・國學院久我山高) |
DF | 保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース) |
MF | 小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース) |
MF | 浅間翔大(理4・暁星高)→76分 山内浩道(政4・國學院久我山高) |
MF | 山浦新(総4・東京ヴェルディユース)→83分 山本哲平(政2・國學院久我山高) |
MF | 増田湧介主将(環4・清水東高) |
FW | 加瀬澤力(総2・清水東高)→86分 平戸奨眞(法4・暁星高) |
FW | 宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース) |
慶大は前節同様、中盤に端山豪(総3・東京ヴェルディユース)に代わって浅間翔大(理4・暁星高)を起用し、安定した体制で臨む。開始からいきなり、専大攻撃陣のパス回しを見せつけられたが、先にチャンスをつかんだのは慶大だった。前半14分、溝渕雄志(環2・流経大柏高)のクリアボールを加瀬澤がとらえ宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)にパスすると、そのまま一気にサイドを駆け上がり、再びボールを受け取った加瀬澤がシュート。得点には至らないが、今年のテーマである「堅守速攻」を早くも実践した。つづく18分、またも加瀬澤のパスに宮地が反応し、頭で合わせるも相手ディフェンダーに阻まれてしまう。その後、両チーム代わる代わるCKを得ては相手ゴールを脅かすが、いまひとつチャンスをものにできない。すると、前半31分、浅間のファウルで専大がFKを得ると、ゴール前の混戦でピンチを迎える。しかしこれも、慶大の守護神・峯達也(政4・桐光学園高)のしぶとい守りでゴールラインを割らせない。先に得点が欲しい慶大はカウンターからチャンスを生み出し、立て続けに加瀬澤と山浦新(総4・東京ヴェルディユース)がシュートを放つも、前半は両チームスコアレスで終えた。
後半、専大はMFの私市に代えて深澤を投入。攻撃に厚みをもたせて、我先にと先制点を狙いにくる。前半の長い沈黙を破り、試合が動いたのは後半開始7分。専大にFKのチャンスを献上すると、キッカーは仲川。弧を描いたボールは慶大選手にあたりコースを変わり、これを山川が頭で押し込み先制点を奪われてしまう。しかし、慶大も黙っていない。わずか3分後、前半から果敢にゴールを狙っていた加瀬澤が溝渕のパスを受けると、「自分の得意な形で」(加瀬澤)ドリブルをみせて左足の鋭いシュートを放つ。これがPA内でパスを受けようと走りこんでいた増田にあたってゴール隅に収まり、試合を振り出しに戻す。しかしながら、またしてもその3分後、途中出場のルーキー深澤に空いたスペースを突かれてしまう。PA手前から打たれたボールは、きれいなコースをたどり、ネット左上に突き刺さった。短い時間で、追いつき追い越された慶大は、疲れこそ見えたものの、攻守共に集中を切らさなかった。「ラスト15分で勝負をかけよう」(須田芳正監督)と、浅間、山浦、加瀬澤に代え、山内浩道(政4・國學院久我山高)、山本哲平(政2・國學院久我山)、平戸奨眞(法4・暁星高)を投入。パワープレーで反撃に臨む。しかし慶大の攻撃には、専大守護神・福島やDFの要・萩間を中心に強固な守備が立ちはだかり、なかなか追いつくことができない。このまま試合終了かと思われたが、全員が一丸となって諦めないのが今年の慶大の粘り強さだ。それを証明するように、最後の最後で劇的な展開を迎える。試合終了間際、混戦からボールを奪い取ったのは、途中出場の山本哲平。左サイドから中に仕掛けて豪快に狙ったボールは真っ直ぐとネットに吸い込まれてゆき、慶大スタンドを歓喜の渦で沸かせた。山本の今季初ゴールで、土壇場で2-2に追いつき、3戦全勝の相手からしっかりと勝ち点1を奪取した。
今回の結果により、リーグ順位こそ6位だが、首位とは勝ち点差わずかに2。強力な攻撃陣をそろえた専大相手に「堅守速攻」を体現し、勝ち点を得られたことは選手たちの自信につながったに違いない。しかし、「引き分けよりも勝ちを狙っていた」(増田主将)と決して現状に満足などしていない。今年のテーマである守備の成果はこの4戦で確かな手応えを得ている。あとは「攻めているときにどれだけ準備できているか」(須田芳正監督)。そこまで突き詰められれば上位争いの流れに乗り切れるだろう。次節は未だ勝ちのない筑波大が相手だ。現在の順位は慶大に劣るが油断はできない。気を緩めず「1戦1戦目の前の試合に皆が全力で」(山本)挑み、着実に勝ち点を積むことが希求される。連戦を終え、次節までの1週間。「最高の準備をして」(小坂慎太朗・総2・浦和レッズユース)、荒鷲たちは戦いに備える。
(記事 池田麻里子)
試合後の監督・選手のコメント
須田芳正監督
(今日の試合で手応えは)
あのゲーム展開からすれば2-2で終わらせていいと思います。
(守備面はしっかりできていたと思うが)
まずは我々は守備からということで今年は始めたので、そこはみんな集中してやれていました。ですがやっぱり、特に2点目は、深澤(専大)が絶対(抑えなければならない相手)だと言っていたのに、スペースをあけてしまっていました。そこの確認が甘かったし、課題点ですね。攻めている時にどれだけ準備できているかということを言っていたが、結局彼(深澤)に入れられてしまいました。
(攻撃面に関して、カウンターも光った面があったが)
決定的な場面を何回かつくれていたので、しっかり守って我々はできるだけ早い攻撃という「堅守速攻」をテーマにやっているので、そこはもっと質を上げたいなと思います。
(交代の意図やタイミングは)
とにかくラストの15分が勝負どころだと思っていたので、それまではとにかく失点しないで1-2で、ラスト15分で勝負をかけようと考えていました。まず最初に、浅間は守備的な選手でバランスが良かったんですけど、バランスを崩しても攻撃に出ようと思って中盤を代えました。山本は、本来トップの選手ですけど、右サイドというかトップ下みたいな形にして、前の選手のこぼれを拾って攻撃し、あいたサイドにサイドバックをあげさせて、厚みをつけた攻撃をしようとしました。最後は、パワープレーで2人でかいのを入れてやりました。
(2失点してからの展開は)
最後まで強い気持ちを持ってやりましょうということを選手たちは集中切らさずにやったので、そこが2点目のような、追いついて価値ある1点をとれたので、本当によくやってくれたと思います。
(端山がいない中で1勝1分ですが)
端山がいないからチーム力が下がるのでは、リーグ戦は戦えないです。彼は2〜3月は全日本選手権のほうに行っていたので、その中で他の残った選手たちが強い気持ちを持ってトレーニングしてきたので、(端山が)いなくても、彼の攻撃的なセンスというのは出せないんですけど、その中で中盤のところはしっかり守りを固めるという形で、代わりに出た浅間はよく堅実にやってくれたかなとは思います。
(2点目について)
みんなが最後まで諦めずに点を取りにいこうという気持ちが伝わりました。最後のところは山本の、型にはまったときの技術というのが発揮されたので、うまい形でゴールに繋がったのかなと思います。
(中3日でしたが)
それはお互い一緒ですし、そこは気持ちの面で絶対負けないということは話していたので、集中切らさず最後まで戦って、お互いに好ゲームだったと思います。
(次節に向けて)
今度は1週間しっかりとあくので、まず、試合に出た選手はゆっくり休んで回復させます。それから、課題点というのがこういった中でもいくつか見つかったので、その辺を3〜4日間の練習で修正して、1戦1戦謙虚な気持ちを持って戦いたいと思っています。
増田湧介主将(環4・清水東高)
(前半チャンスがつくれていたが)
僕らとしては、攻めさせて北爪や小口の両サイドバックが上がったスペースをつこうという狙いがあったので、プラン通りにできました。
(昨季王者のチームとやるということで、戦い方は意識していたか)
しっかり専大を分析した上で、どういう守備をしたら相手が攻めづらいかとか、どこをついたら相手が嫌かということは、チームとして(意識して)やっていました。
(後半でしかけていこうと切り替えたように見えたが)
でも、前半とやり方はそんなに変えずにやりました。失点してしまったりしたので、最後の10分はもう、前に高い選手をおいて勢いをもって、前からプレスかけてということをしていきました。(1点目は)自分たちが狙っていたゴールだったので、ラッキーなゴールでしたけど、うまくねばったかなと思います。
(今日の勝ち点1をとったことに対する評価は)
勝ち点1を取れたことは大きかったですけど、自分たちもたくさんチャンスがありましたし、引き分けよりも勝ちを狙っていたので、引き分けられたことは良かったですけど、勝ちたかったという思いはあります。
(次回に向けて課題は)
今日、専大を引き分けられたことで、一人ひとり自信に繋がる部分はもちろんあったと思うし、その中でも結果だけを見て満足するのではなくて、課題や改善点はたくさんあると思うので、現状に満足しないで、常にチームとして上を目指していけたらなと思います。
加瀬澤力(総2・清水東高)
(今日の試合を振り返って)
勝ち点1を最後拾えたのはチームとしてプラスになると思います。
(今日の相手は専修だったが意識したことはあるか)
特に自分は意識しないで、いつも通り自分はしっかり前で攻撃のリズムを作って、点を生み出すことを意識してやっていました。
(得点シーンを振り返ると)
あの形は自分の得意な形でもあるし、ボールを受けた時点で自分の中ではいけるかなという感じがあったので。ますくん(増田)がたまたま当たったんですけど、当たっていなくても入ったかなと思うんでプラスにとらえたいです。
(課題はあるか)
最後ますくんに当たったんですけど、自分で決められる場面はあったと思うし、決めていかなければいけないし、もっと突き詰めて結果を出したいです。
(次節は筑波大戦だが)
去年、自分がスタメンで後期出たんですけど、全然ふがいなくて、その雪辱を晴らすではないですけど、しっかり1週間準備して、トレーニングしたいです。
小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース)
(今日の試合をふりかえっていかがでしたか)
去年の王者の専修で、強いと思っていたんですけど、気持ちの部分で負けないことを意識して、チームとして守備から入るという部分で諦めないで戦えて、結局引き分けになれたのは良かったと思います。
(どのような意気込みで専大戦に臨まれましたか)
守備から入って無失点で終えて、セットプレーなどのチャンスで一点取ろうという考えでいたんですけど、逆にセットプレーで取られてしまったので、そこはもう一回確認して無失点で抑えるようにしたいです。
(印象に残っているシーンはありますか)
2点目は、みんな気持ちが切れないで最後のワンチャンスものにできたので、単純に嬉しかったですね。
(ご自身のプレーをふりかえっていかがでしたか)
運動量はある程度良かったと思うんですが、自分の役割であるセカンドボールとか、周りに散らすパスなど全くできなくて、セカンドボールも拾われて、守備でもマーク外してしまって、ほぼ自分の役割を果たせなかったという気持ちです。引き分けは良かったんですけど、個人的には全くだめだったと思います。
(次戦にむけて意気込みをお願いします)
まずコンディション早く戻して、もう一回守備の部分を個人としてもチームとしても確認して、最高の準備をして筑波戦にまた臨みたいと思います。
宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)
(今日の試合を振り返って)
チームとして勝ち点1とれたことが唯一良かったことですね。
(前線で精力的に動かれていたが)
自分としてはFWとして出ているので結果が出せなかったことが悔しいです。
(今シーズン初のフル出場となったが)
そういう意味では良かったんですけどやっぱり結果が出せなかったことが心残りです。ダメですね、、、
(次節に向けて)
次こそゴールを奪って90分間出場します。
望月大知(環2・静岡学園高)
(王者・専大相手に勝ち点1という結果について)
1-2とリードされた状態で最後に同点に持ち込めたのは大きかったと思います。
(専大の仲川はじめ強力な攻撃陣と対峙してみて)
自分たちは守備から入ると考えていて、2失点してしまったのは悔しかったですが、要所要所で通用する部分があって、逆に通用しない部分がわかったので、しっかり取り組んでいきたいです。
(開幕4試合無敗という結果については)
負けなかったというのは大きかったと思うので、次につなげていきたいです。
(筑波大戦に向けて)
筑波大もボールを持てる選手が多くて、自分たちはしっかり守備から入る戦い方が上手くいってるので継続していきたいと思います。
山本哲平(法2・國學院久我山高)
(王者・専大相手に勝ち点1という結果について)
試合前は勝とうと皆で言っていたので引き分けたのは少し悔しいかなと思います。
(自身のゴールシーンを振り返って)
自分は力強いドリブルが得意なので、そこではゴールしか見てなくて、仕掛けて入ったのでよかったと思います。
(今季はここまでスタメン入りできず相当悔しい思いをしてこられたと思うが)
開幕前に怪我してスタメンを外されてしまって悔しくて、モチベーションを保つのが難しかったですけど、出たからには絶対結果残してやろうと思っていました。
(今季は守備がテーマというところで、ベンチから戦況を見てどう感じたか)
今年の慶大は本当に守備が良くて、今日の試合を振り返っても決定的なシーンはあまり作らせなかったですし、崩されることも少なかったので、良い感じかなと思いました。
(今季ここまで無敗という結果について)
一戦一戦目の前の試合に皆が全力で戦っているからこういう結果がついてきていると思います。
(筑波大戦に向けて)
自分が出たら結果残せるように頑張ります。
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