第88回関東大学サッカーリーグ戦 第8節
2014/5/10(土)11:30KO@フクダ電子アリーナ
慶應義塾大学1-0順天堂大学
【得点者(アシスト者)】
〔慶〕山田融(82分)
◇慶大出場選手
GK峯達也(政4・桐光学園高) |
DF溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高) |
DF望月大知(環2・静岡学園高) |
DF久保飛翔(環3・済美高) |
DF井上大(総2・國學院久我山高) |
MF山田融(総3・横浜F.マリノスユース) |
MF浅間翔大(理4・暁星校)→74分加瀬澤力(総2・清水東高) |
MF山浦新(総4・東京ヴェルディユース) |
MF増田湧介(環4・清水東高) |
FW川田悠介(環4・桐蔭学園高)→90+1分平戸奨眞(法4・暁星高) |
FW黄将健(総3・近畿大学付属高)→81分山本哲平(政2・國學院久我山高) |
須田芳正監督は連戦の疲労を考慮して、前節から大幅にメンバーを入れ替える大胆な采配を敢行。井上大(総2・國學院久我山高)、山田融(総3・横浜F.マリノスユース)、川田悠介(環4・桐蔭学園高)、黄将健(総3・近畿大学付属高)と、今季初出場の選手が多くスタメンに名を連ねた。
両チームを通じて、最初にチャンスが訪れたのは慶大だった。11分にCKを獲得。川田の蹴ったボールがファーサイドに送られると、ヘディングシュートがクロスバーを叩く。また、その後はゴール前で混戦になるも、ゴールならず。以後は、前節で課題に挙げていた「セカンドボール」(須田監督)を拾える時間帯とそうでない時間帯がほぼ半々で、まさに五分の展開が続いた。次なる慶大の好機は29分。溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高)がクロスを供給し、こぼれ球に反応した山浦新(総4・東京ヴェルディユース)がシュートを放つ。だが、これは力がなくGKに防がれてしまう。逆に前半、順大に許した唯一とも言える決定機は34分だった。ペナルティエリア左角から狙い澄ましたシュートを打たれるも、枠をわずかに外れて難を逃れる。その後は、両チーム共にチャンスを創出できず。アディショナルタイムがなかったことが、互角ではあるものの、前半の単調だった試合展開を物語っていた。
後半も、依然として一進一退の攻防が続く。48分に、ペナルティエリア左脇でFKを献上すると、直接ゴールを狙われる。しかし、峯達也(政4・桐光学園高)がパンチングでしのいだ。慶大も、51分にすぐさま反撃。溝渕のフィードに川田が抜け出し、黄将健(総3・近畿大学付属高)にパス。黄は反転してシュートを放つも、ゴールを奪えない。すると、その後はセカンドボールの争いで後手を踏む。53分に弾丸ミドルを浴びるなど、慶大がやや押し込まれる展開に。また、ボールを奪った後のサポートが遅く、カウンターアタックが機能しない。しかし69分、ペナルティエリア内で増田湧介(環4・清水東高)が強烈なボレー。これは惜しくもGKに阻まれるも、これを契機に慶大が目を覚ます。その1分後には、山田がペナルティエリア手前から強烈なミドル。これもクロスバーに嫌われてしまったが、徐々に得点の匂いが漂う。畳みかけたい慶大は、73分に加瀬澤力(総2・清水東高)、80分に山本哲平(政2・國學院久我山高)と攻撃的な選手を連続で投入し、勝負に出る。そして、均衡が破れたのは82分だった。右からのCKを獲得すると、ファーサイドで望月大知(環2・静岡学園高)が競る。そのこぼれ球に反応したのは山田。コントロールから左足を振り抜くと、鮮やかにネットに吸い込まれた。90分には、献身的な動きとセットプレーで存在感を見せた川田が、平戸奨眞(法4・暁星高)と交代。先制した後は相手に決定的なチャンスを作らせず、タイムアップを迎えた。
「ディフェンスのポジションを上げる」(須田監督)。連敗の教訓を生かし、工夫を施したことが奏功した。今季の勝利パターンはすべてが「先行逃げ切り」の形であり、戦い方が既に確立されている。そして何より、出場機会に恵まれなかった選手が結果を残したことこそ、一番の収穫だ。もはや、誰もスタメンの座は約束されていないと言っていいだろう。ただ、出場するメンバーが変わっても、チームのスタイルは変わらない。慶大は今後も、「チャレンジャー」(須田監督、山田)として堅実に、そしてひたむきに突き進む。
(記事 木下彰)
※5月19日から21日にかけて行われる全日本大学選抜・強化合宿のメンバーに、慶大からは望月、溝渕の2人が選出されました!守備の要である仲良しコンビの活躍を応援しています!
◆試合後の監督・選手のコメント◆
須田芳正監督
(メンバーを前節から変えたことについて)
3連戦でコンディションの部分に問題があったので。相手も6人ぐらい変えて臨んでいたし、コンディションの良い選手を使って、あと並木は1人ケガがあったんだけれども、また2連敗していたこともあるので、フレッシュな選手を使って戦いました。
(後半から徐々に攻撃の形ができていたが、ハーフタイムの指示は)
1つはやっぱり、セカンドボールを拾おうと。立ち上がりはそれを拾えてうちのペースだったんだけれども、中盤ぐらいから相手に拾われ始めていたので。まずは(後半の)ポイントになるのはセカンドということで。(後半の途中からは)徐々にうちが拾えてきて、それからウラに抜け出せていたので、それでうちのリズムになってね、いくつか入らなかったけれども、チャンスが出てきて、それで結局最後に1点取れたので、(ハーフタイムの指示通り)セカンドが(勝敗を分けた)ポイントだったと思います。
(3試合ぶりに無失点に終えたことに対する、守備陣への評価は)
よく集中していたと思います。それで今日はもう0-0でいいと、我々の初心に戻ってじゃないけれども、守備を集中して戦おうと。ゼロで抑えようということを目標にしてやったので、非常に良かったと思います。
(前節からの戦術の変更点は)
一点、(シーズンが)スタートして5試合までは、非常にショートパスをつないでくるチームに対して、本当にゴール前を固めてという形だったんだけれども、6節と7節のチームは、比較的ロングボールを多用するチームに対して、ファーストディフェンダーであるFWのプレスのポジションをハーフウェーラインにしていたんだけれども、ただそこだと、ディフェンスラインから良いボールを蹴られちゃうんだよね。それでズルズル引いてしまったという反省点があったので、今日は10mFWのポジションを高くして、なるべくそこからプレスを掛けようと。そこが本当に一番のポイントだったと思います。
(課題点は)
ボールを取った後の周りのサポートだったり、カウンターであったりその判断だったり、そういったところは今シーズンの課題点なので、そこはまた修正していきたいと思います。
(次節に向けて)
我々は一戦一戦、チャレンジャーとして戦うだけなので、また良い準備をして頑張りたいと思います。
増田湧介(環4・清水東高)主将
(今日の試合を振り返って)
2連敗していたので、まず勝ち点3を取れたことが非常に良かったです。
(メンバーが変わったことで、自身の役割は変わったか)
メンバーが変わっても自分の役割は変わりませんし、チームとしての戦い方も変わらないです。
(今日の勝因は)
まず、しっかりゼロで抑えられたことと、その時間帯を本当に我慢して、自分たちの流れが来るときは皆で攻めてという、気持ちの切り替えがしっかりできたからだと思います。
(ハーフタイムの指示は)
試合前から、逆サイドが空くということは分かっていたので、後半はそこのスペースを上手く使えていたので、そこからチャンスを作れたと思います。
(次節に向けて)
久しぶりに勝てたので今日は本当に良かったですけど、リーグ戦なので、次に勝たないと意味がないので、また良い準備をしたいと思います。
川田悠介(環4・桐蔭学園高)
(今日の試合を振り返って)
相手が首位で、こっちが連敗中の中で勝てたので良かったです。
(今季初のスタメンだったが)
中々出場機会がなかったのですが、今日は久しぶりにチャンスをもらって、得点は取れませんでしたが、自分の出来ることはできました。
(試合に出られない間に意識して練習してきたことは)
運動量、裏への動き出し、得点に絡むプレーの3つです。
(順大は首位と好調をキープしていたが)
まとまりのあるチームでしたが、今日に関しては自分たちの方が、チーム力が上でした
(連敗中良くなかったことは)
4月は負けなしと良いスタートを切ったということで少し緩みがあったということと、もちろん疲れもあったので、連戦の最後を勝利で終われて良かったです。
(自身のプレーを振り返って)
長所を生かすプレーは中々できませんでしたが、裏への抜け出しや粘り強く走りきるなど泥臭いプレーはできました。次は得点したいです。
(セットプレーのキッカーを務めていたが)
1回惜しい場面があり悔しかったですが、セットプレーも得意なので、また機会があれば蹴りたいなと思います。
(得点シーンもセットプレーからだった)
自分は直接関わってはいませんが、融がシュートを打ってくれて、入って嬉しかったです。
(今季はセットプレーからの得点が多いが)
(慶大が)守りから入るチームなので、セットプレーなどのワンチャンスを生かすことはとても大切ですし、自分自身も良いボールを蹴れるように準備していきたいです。
(次節は流経大戦だが)
またチーム一丸となって勝ちます。
久保飛翔(環3・済美高)
(今日の試合を振り返って)
個人としては久しぶりの試合で、結構緊張した部分があって、もっと気持ちにゆとりがあったら自分のプレーを出せるなと思いました。チームとしては失点0ということで、チームの戦術を徹底できた結果だったと思うので、次につながる良い試合だったと思います。
(積極的に前に出るシーンが目立った)
戦術的に僕が前に出て相手をつぶして、後ろで望月がカバーしてくれるという形だったので、望月がいてくれる分、前に自信を持って出ることができました。
(今季初スタメンだったが)
監督には、前で相手の佐野選手をつぶせというように言われていたので、そこを徹底してできて、自分なりには良かったかなと思います。久しぶりの試合だったので、かなり緊張したんですけど、自信を持って次も取り組んでいきたいと思います。
(自分が出た試合で無失点ということに対して)
去年もフクアリで順大とやったときに失点0だったし、良いイメージで今日は臨めて、今日も失点0という結果で終えられたので、次からも良いイメージでフクアリでは臨めるかなと思います。
(次節に向けて)
次も失点0で、自分が勝利に貢献できるように頑張ります。
黄将健(総3・近畿大学附属高)
(今日の試合を振り返って)
去年はケガをしていて、ずっとスタンドから試合を見ていて自分が出たときのイメージができていて、思ったよりできたかなと思っていて、でもまだまだできます。
(どのような指示を受けての今日のスタメン抜擢か)
いつも通り、実力をしっかり発揮してきてくれということと、ミーティングで確認した戦術というものをしっかりやって、自分の良さを出していけと言われました。
(守備のやり方を変えてきたが)
今日の試合では前線からプレスをかけて、ラインも高く保って前で奪うということがとても重要だったので、これからも続けていきたいです。
(今シーズンの目標は)
5点は取りたいです。
(次節に向けて)
次こそゴールを奪いたいです。
山田融(総3・横浜F.マリノスユース)
(今日の試合を振り返って)
前半はほとんどゲームに参加できなかったんですけど、チームとしてゼロで抑えられたことは良かったです。
(得点の場面は)
練習であのシュートはやっていたので、自分の得意な形に持ち込めて、最後はコースを狙って決められたので良かったと思います。
(久しぶりの先発だったが)
緊張はしなかったんですけど、体が思うように動かなくて。後半は前から行けたし、頭が整理できた感じでした。
(試合前はどんなことを意識したか)
相手のメンバーが前と違っていたんですけど、自分たちは守備から入ろうということでやっているので、右サイドの溝渕と協力して無失点で終われたのは良かったです。
(次節への意気込み)
1戦1戦チャレンジャーとしてやろうということで、次の流経大は鹿児島遠征の時に苦しめられた相手でもあるので、チャレンジャーの気持ちを持って戦っていきたいです。
井上大(総2・國學院久我山高)
(キックオフ直前にスタンドからいじられていたが)
関東リーグは今シーズン初出場だったんですけど、去年は途中から何回か出ましたし、鹿児島でも試合に出ていたので緊張はありませんでした。
(スタメン出場の感想は)
思ったよりもフリーでボールを受けられました。あまり自分の良さを出せませんでしたが、なによりチームが勝ってよかったです。
(今日の試合を振り返って)
今週は1週間メンバーを大きく変えてやってきて、ディフェンスラインを高く保って戦うということができたので良かったと思います。
(どのような意図でのスタメン抜擢か)
保田くんがちょっと疲れているというのと、僕も監督から見て調子が悪くなかったみたいで、そこでスタメンで使ってみようってことですね。まあチャンスをもらったってことで、のびのびやろうと思っていました。
(そのチャンスは生かせたか)
いやーちょっと悔いが残っています。
(今シーズンの目標は)
まずは、スタメンに定着してたくさん試合をこなすということと、チームとしてはインカレ出場という目標があるので、それに向けてチームの一員として頑張っていきたいです。
(次節に向けて)
また、来週は1週間メンバー争いがあると思うので、練習からしっかりとアピールしていきたいです。
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