【バスケ】分かれた明暗!苦戦を強いられつつ初勝利を飾る 京王電鉄杯2日目vs専大・日大

 

専大戦でも持ち味のドライブで見せ場を作った吉川。副将としての統率力にも磨きがかかる。

専大戦でも持ち味のドライブで見せ場を作った吉川。副将としての統率力にも磨きがかかる。

京王電鉄杯2日目。初日は、常に1部リーグの上位に君臨する二校に敗戦を喫し、慶大は1部の厳しい洗礼を受ける結果となった。この日の相手は専修大・日本大。今後の自信をつけるという意味でも、好成績を残しておきたい慶大は、試行錯誤をしつつ両校との試合に臨んだ。結果は各々の試合で明暗が分かれたが、どちらの試合においても多くの収穫・修正点が浮き彫りになった。

2014/5/5(月)@早稲田大学記念会堂
第30回 京王電鉄杯 2日目第1試合 vs専修大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 11 18 21 19 69
専大 29 12 22 26 89
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4 伊藤良太主将(環4・洛南高)
SG ♯10 大元孝文(環3・洛南高)
SF ♯14 真木達(環3・國學院久我山高)
PF ♯6 権田隆人(政4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
一日目と同じスターティングメンバーで臨んだ専大戦。試合が始まるやいなや、相手のシュートの正確さに圧倒される。昨年引退した専大のエース・宇都直輝を髣髴とさせるような、力強いながらも巧みなオフェンスに序盤から苦しむ慶大。押されつつも、伊藤はアグレッシブなドライブや速攻でチームを牽引。精神的支柱として「ドライブをすることで周りの選手を生かす」の言葉通り、役割を全うする。続いて権田のアシストを、徐々に出場機会を増やしつつある清家が貴重な得点に結びつけた。その後も慶大は積極的に攻めるも、強固な相手ディフェンスを前にタフショットが目立つ。11-29と、点差をつけられて第1Qを終えた。

続く第2Qも、相手のペースで試合が進行する展開に。このQの前半は、権田の動きに黒木がハイポストで合わせる場面や、伊藤・大元のガード陣による縦へ縦へとパスを繋ぐ速攻など、苦しい場面を打開するようなプレーも見られた。しかしながら専大の高い身体能力・ノーマークを作るパスワークを攻略し切れず、膠着状態のまま前半終了。12点のビハインドで後半へ突入する。

勝負を決定付ける3Qは、真木の左サイドのレイアップで幕を開けた。勝負を決定付けるこのピリオドで慶大は集中力を切らさず、反撃に出る。この大会で(上位校から)身体の強さを学ぼうと思っていた」と語った黒木は、インサイドでその言葉を実践。フックシュートやリバウンドでチームに好機をもたらした。機動力が自慢の伊藤・大元は相手の山なりのパスを見逃さず、ことごとく速攻へと結びつける。ターンオーバーが多いこのQは、点差という形では表れていないものの、慶大の本調子が要所で垣間見えるものであった。依然として10点弱の点差を付けられ、最終Qへ。

3Qの良い流れを継続したい慶大。専大の勢いも鳴りを潜めるなか、一息に逆転をはかるかと思われたが相手も黙ってはいない。権田・西戸良(総2・洛南高)・大元らのスリーが立て続けに決まるなど会場を湧かせるシーンも見られたが、リバウンドを取りきれず、痛い失点を重ねてしまう。また、相手のセンターに気を取られている間に外からリングを狙われるなど、一枚上手のプレーに圧倒される慶大。最後の健闘も適わず、最終的に20点のビハインドで三つ目の黒星を喫すこととなった。

(記事・埜村 亮太)

2014/5/5(月)@早稲田大学記念会堂
第30京王電鉄杯 2日目第2試合 vs日本大
  1 2 3 4 合計
慶大 16 22 28 18 84
日大 15 22 9 20 66
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4 伊藤良太主将(環4・洛南高)
SG ♯10 大元孝文(環3・洛南高)
SF ♯14 真木達(環3・國學院久我山高)
PF ♯6 権田隆人(政4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
 

今大会、出場機会に恵まれた清家。持ち前の熱血でチームを鼓舞する。

今大会、出場機会に恵まれた清家。持ち前の熱血でチームを鼓舞する。

1Qは互角の試合運びとなる。外のシュートこそ精度が低く入らなかったものの権田を中心にリバウンドをしっかりと取り相手に流れを渡さない。それでも得点が決まらず苦しい展開となり、一時は手離しかけた流れを取り戻したのはやはり伊藤主将であった。終盤にスリーポイントシュートを2本立て続けに沈め、16-15と競り合いながら前半を折り返す。

2Qに入ると大元が躍動。序盤にアウトサイドシュートを沈めると、中盤にはスティールでチームに貢献。終盤には持ち前のスリーを連続で決め、見せ場を作る。対する日大もインサイドを中心としたオフェンスで対抗。慶大は留学生の高さに苦しみ、流れを掴むことが出来ない。苦しみながらも一進一退の攻防が続き、前半を終えた。

後半に入ってもなかなか日大を突き放すには至らない慶大。疲れが見え始め、ディフェンスの欠陥部分を日大のオフェンスに突かれてしまう場面が散見された。するとここで慶大は昨季と同じオールコートディフェンスへとシフト。前からプレッシャーをかけ、ターンオーバーから速攻を走る形がはまり、日大を突き放すことに成功する。終盤には控えていた選手たちも躍動し、66-46と、20点差をつけて第3Qを終える。

流れに乗った慶大は、4Qに突入してもその勢いを衰えさせない。途中出場の吉川副将(環4・世田谷学園高)、桑原(経3・厚木東高)、西戸らも、ここぞとばかりに個性を発揮し、慶大サイドを鼓舞。プレーに焦りの色が見られる日大を尻目に、着実な得点を重ねていく。ディフェンスも3Qに引き続きオールコートディフェンスで対応。最終的に84-66というスコアで、見事、今大会初となる白星を奪取した。

(記事・住田 孝介)

苦い三連敗を記録したものの、この日の最後は初勝利という清清しい結果で締めた慶大。格上の相手に本来の持ち味を出せない部分も多く見られたが、その反面多くの収穫も得られたに違いない。「泥臭い部分を頑張る」と述べた清家のように、控えの選手たちの存在感も日ごとに増し、選手層の充実も感じられる。最終日の対戦相手は法政大。これまで同じリーグで戦うことの多かった因縁の相手だ。少しでも良い戦績で終わるべく、チーム一体となって試合に臨むことが鍵となるだろう。

◆試合後コメント◆

阪口裕昭HC

(専修との試合を振り返って)やっぱり専修は1部でやっているチームなので、昨日の青学もそうだったけどいい練習になったね。 (1部との違いはどこにあったか)もう全部だよね。雰囲気から一つ一つのプレーから。大きさでは日大も1部の大きさをしているんだけど、シュートの確率だとかは違うと思いました。(日大戦では後半にリードを広げたが何か指示はあったか)特に何か具体的な指示がある時期ではないので、とにかく早慶戦に向けてね、明日の法政戦もいろいろと試していきたいと思います。

[PF] 権田隆人(政4・慶應高) 専大戦に関しては、戦える部分もあり1部との差も昨日ほどは感じなかったのにも関わらず1Qで大差がついてしまったというのは僕たちの練習や試合の取り組み方が甘かったのかなと思います。僕たちも今季は一部で戦っていく中で、専大は勝ち星をあげなければいけない試合だと思っているので、こういう結果になったのは残念でしたが僕たちの課題も多く見つかった試合だと思います。日大戦は、2部ということで思いっきり出来た部分もありましたが、個人的には中国からの留学生にフィジカルで圧倒されたのが課題で、アウトサイドのオフェンスは良かったのですが、ディフェンスでもう少し体を張りたかったです。(専大戦の課題とは)スピードやスクリーンに対する対処で、僕たちが今までやってきたことの精度が低かったことです。(今取り組んでいることとは)ディフェンスでのカバーリングをやっていましたが、この大会ではスクリーンのかけ方やボールを貰う人のスピードに重点的に取り組んでいます。(明日の法大戦に向けて)1勝3敗と結果は良くなかったのですが、今は試合ができるということも貴重な機会なので、1試合を大切にしながら戦うとともに、この大会ででた課題を本番に向けて1つずつ潰していきたいです。

[G] 桑原竜馬(経3・厚木東高) (昨日の敗戦をうけて何か対策は練ったか)チームとしては昨日1部の上位校に2敗してしまって、今日は専修と日大が相手で負けられないなというのをみんなで話して試合に臨みました。個人的には昨日の試合でプレイタイムを何分かもらえたのですが、あまり活躍することができなかったので、今日は持ち味のシュートを打っていこうと意識していました。1試合目は何もできなかったという思いがあったので、2試合目は特に頑張ろうと思いました。(ベンチスタートの際に心がけていることは)それぞれに与えられている役割というものがあり、それを遂行するために出ていくので、自分の役割というのを強く意識しています。(日大戦で3ポイントが決まっていたが自身で振り返って)電鉄杯が始まる前から阪口先生には出たらシュートを狙え、ゴールを見ろとずっと言われていて、それを実践できたのでよかったかなと思います。(法大戦に向けて)プレイタイムをもらえたらまずゴールを見てシュートを狙っていくというのと、法政には神奈川出身の知り合いがたくさんいるので、そいつらに負けないように頑張っていきたいです。

[F] 清家智(経3・慶應高) やはり自分のリバウンドと周りを助けるプレーが重要で、そういうプレーはできたかなと思っています。そういう中で周りの伊藤さんや大元にちょっと厳しくなってしまっているときに、いかに自分がつないでいけるかという部分ができていなかったかなというのが最初の試合の反省点だったので、これから一つ一つ技術や体を作っていかなければならないと思いました。(ベンチスタートということで常に心がけていることは)僕が出てやるべきことは周りの選手を生かすスクリーンであったりリバウンドであったりするので、そういう部分をもっと徹底してやっていかなきゃいけないなと思います。(専大戦で見えた課題は)技術的な面ですが、ドライブでトップの人が抜かれて黒木や権田さんなどビッグの人がヘルプに出たときのシュートに対するリバウンドがちょっと疎かになっていて、僕や周りの人たちがもっとカバーをして、リバウンドに積極的に絡んでいかないと、そこからの点が多かったので、気をつけていきたいと思いました。(日大戦でのリバウンドについて) 日大戦では積極的にリバウンドに絡んでいこうとして、やはりそういう気持ちの部分がいい形で現れたのかなと思っているので、良いところは継続していきたいと思っています。(法大戦に向けて)明日は今年一部に上がった法政で、絶対に負けられない試合なので、もし自分が出られたら今言ったリバウンドであったりルーズボールであったり泥臭い部分を頑張ってやって、周りの選手を少しでもサポートできるように頑張っていきたいと思っています。

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