アミノバイタルカップ2014 第3回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 7・8位決定戦
2014/6/7(土)11:30KO@RKUフットボールフィールド
慶應義塾大学0-2早稲田大学
【得点者(アシスト者)】
慶:
早:62分 市村一貴(海野洋介)、63分 中山雄希(小長谷勇太)
◆慶大出場選手
GK | 宮原隆志(経3・武蔵高) |
DF | 手塚朋克(環1・静岡学園高) |
DF | 並木凌介(総4・國學院久我山高) |
DF | 豊川功治(総2・ジェフ千葉U-18) |
DF | 小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース) |
MF | 小村研人(政3・桐光学園高) |
MF | 山内浩道(政4・國學院久我山高) |
MF | 小林剛(環4・鎌倉高) |
MF | 淡野晋一(文4・横河武蔵野FCユース)→81分 齋藤勇太(理2・都立大泉高) |
MF | 長尾賢太郎(総4・ヴィッセル神戸U-18) |
FW | 川田悠介(環4・桐蔭学園高) |
6日間で4試合という過密日程を考慮し、慶大は流経大戦からスタメンを全員入れ替えて早大戦に臨んだ。実に4人が今季公式戦初出場。そして怪我から復帰した並木凌介(総4・國學院久我山高)がキャプテンマークを巻く。
今季は「堅守速攻」をテーマに、ボールを奪ったらFWに当てるサッカーを展開してきた慶大だが、この日はそれに加えて細かくパスをつなぐサッカーも展開していく。そのパスサッカーの中心にいたのは今季公式戦初出場となった淡野晋一(文4・横河武蔵野FCユース)だった。「センターバックとボランチのところが空くので、そこで淡野はポイントになった」(須田芳正監督)と、ピッチ上のあちこちに顔を出してボールを受けてはさばくを繰り返し、攻撃を活性化させた。そして、右サイドを何度も駆け上がり好機を演出した手塚朋克(環1・静岡学園高)の攻撃センスも光った。前半最大のチャンスとなった22分は、手塚のパスを受けた淡野が素早くはたいたところから生まれ、最後は山内浩道(政4・國學院久我山高)の浮き球に中に走り込んでいた手塚が反応してヘディングシュートを放つ。GKの頭を越すも最後は早大守備陣にかき出されてしまったが、淡野の組み立てや手塚の鋭い突破は得点を予感させた。一方の守備陣は自陣でのらしからぬミスが相次いだものの、早大のミスにも助けられ失点は許さなかった。
後半開始早々、慶大に絶好のチャンスが訪れる。豊川功治(総2・ジェフ千葉U-18)のロングフィードを川田悠介(環4・桐蔭学園高)が頭で反らすと、そこに猛然と走り込んでいた小林剛(環4・鎌倉高)が相手GKに倒されPKを獲得する。しかし小林のキックはGKにセーブされ、先制点とはならず。これを機に、前半徹底されていなかったプレスとサイドのスペースを埋めることに成功した早大に流れが傾き始める。59分には左サイドから崩され3本ものシュートを浴びる。ここは宮原隆志(経3・武蔵高)の好セーブで難を逃れるも、62分にまたも左サイドからのクロスをファーで合わされついに均衡が破れる。さらに1分後には中盤からのロングパスを豊川が対応を誤り突破を許したところから2失点目を喫する。しかし、2点差がついたことで再び早大のプレスが緩んだところを慶大の攻撃陣が突いていく。71分、パスカットした小林が右サイドを突破し淡野へグラウンダーのクロスを送るもジャストミートできず。79分には淡野に代わって齋藤勇太(理2・都立大泉高)が公式戦デビューを果たすと、2分後、川田の落としに反応し挨拶代わりのミドルで早大ゴールを脅かすもGKの好セーブに遭う。アディショナルタイムには裏に抜けだした川田が倒され二度目のPKを獲得するも、再び相手GKにセーブされてしまう。このまま0-2で試合終了。慶大は幾度のチャンスがありながら無得点に終わり、逆に早大に数少ないチャンスをものにされてしまった。
須田監督が今大会の反省点として真っ先にあげたのが「シュートの質」。特に今大会の青学大戦、流経大戦では追加点を、今日は先制点をチャンスがあったにも関わらず奪えなかった。堅守速攻のサッカーをやっていく上で、ここ数試合ほどのチャンスが毎試合作れるとは言い切れない中でどうやってゴールを奪うか。目標とするインカレ出場・日本一を成し遂げるためにも、シュートの質を上げて得点力を上げることは急務だ。
一方で「悔しい思いを強さに変える良い機会だった」とも言う。今季はここ数年にはない順調な滑り出しを見せてきた。それでも、先述の決定力不足など課題がなかったわけではない。敗北を、全国への切符を逃したことをネガティブにとらえるのではなく、一度悔しい思いを経験して浮き彫りとなった課題に気付いてじっくり取り組む時間ができたとポジティブにとらえられれば、今後の戦いに必ずや活きてくるだろう。負けた結果そのものを変えることはできなくとも、受けとめ方次第では未来の結果を大きく変えられる―。半年後のリベンジへ、挑戦は始まったばかりだ。
(記事 飯田駿斗)
◆試合後コメント
須田芳正監督
(普段試合に出られていない選手や怪我から復帰した選手を見極める試合となったが)
個々の能力を発揮して良い経験となったんじゃないかな。もちろん勝てれば良かったけど、それよりは公式戦の中で個人個人が色々な面で経験を積むというのが一番のテーマだったから、その中で本人たちがどう感じるかというのがというところで、もちろん悔しい思いはしたけどその悔しい思いを持って強くなっていってほしいと思います。
(今のTOPチームのサッカーと比べて、今日はパスを積極的に回す場面が目立ったが)
ベースのところは堅守速攻をテーマにやっているんだけど、色々な選手がいるわけで、淡野や小村や山内はその中でも自分の個性を出そうとは言っていたので、もちろんチームとしての方針はあるんだけれども、そこをベースにして本人たちの特徴が出ていて良かったんじゃないかなと。特に早稲田の場合センターバックとボランチのところが空くので、そこで淡野はポイントになったと思います。
(これでアミノバイタルカップが閉幕したが、今大会を通じて得た収穫や課題は)
この大会は普段のリーグ戦とは違って短期決戦で流れが大事だし、他の試合を観ていると一部の二部の差というのはこの大会では感じられないよね。特に二部の青学大にうちらは負けたけれどあそこはレベルも高いし、最後のところで点を入れられたけどあれを教訓にして悔しい思いを強さに変える良い機会だったと思うんだよね。今年があまりにも順調すぎたというのもあったし、ある意味負けてよかったかなと。また来週から始まるリーグ戦に向けてはメンタル面のところは成長したと思うし、サッカー的なところでは個人の部分でシュートの質を上げていかないと勝てないなと。決定的な場面をつくりだしているんだけれど、それがなかなか入らないで1-0で進んで最後入れられるというのがあったので、夏場にじっくりと個の部分で特にシュートの質を、それと我々は守備をベースにやっているので、さらなる1対1やグループでの守備に磨きをかけていきたいと思います。
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