【ラグビー】決定力の差を感じた完敗/関東大学春季大会 帝京大戦

インゴールに飛び込むLO白子

インゴールに飛び込むLO白子

梅雨の始まりを告げる雨の中、帝京大との一戦が行われた。春季大会はここまで1勝2敗と苦しんでいる慶大。良いリズムをつくっていきたいところだったが、きっちりトライを奪っていく相手に対しなかなかチャンスを掴めず前半はノートライ。後半になって4トライを奪うも、決定力の高さを見せつけられ24-51の完敗となった。

 

関東大学春季大会A vs帝京大

6月8日 (日) 13:00K.O.@帝京大百草園G

 

得点
慶大   帝京大
前半 後半   前半 後半
T
G
PG
DG
24 小計 17 34
24 合計 51
 

得点者(慶大のみ)

T=佐藤耀 川原 吉迫 白子

G=矢川2

 

慶大出場メンバー
ポジション  
1.PR 青木周大(商4・慶應) →16眞鍋泰明(経4・慶應)
2.HO 佐藤耀(総3・本郷)
3.PR 吉田貴宏(総4・本郷)
4.LO 小山田潤平(経4・慶應) →19西出翼(経3・慶應NY)
5.LO 白子雄太郎(商4・慶應)
6.FL 木原健裕(総4・本郷)  
7.FL 鈴木達哉(環2・茗溪学園) →20高家章徳(商3・慶應志木)
8.No8 森川翼(環4・桐蔭学園)  
9.SH 宮澤尚人(法4・慶應) →21星卓磨(政4・慶應志木)
10.SO 矢川智基(環3・清真学園) →23浦野龍基(政4・慶應志木)
11.WTB 川原健太朗(環4・小倉)
12.CTB 廣瀬聡(商2・慶應志木)
13.CTB 名頭薗泰輝(商4・慶應) →22石橋拓也(環4・小倉)
14.WTB 吉迫雅俊(商2・慶應志木)
15.FB 下川桂嗣(商4・修猷館)  
 

アタックで強さを見せた鈴木

アタックで強さを見せた鈴木

慶大のキックオフで始まった前半。悪天候の中、互いにミスが目立つ立ち上がりとなった。だが、チャンスはつくるものの肝心のゴール前でもミスが出てトライを奪えない慶大に対し、帝京大は要所で慶大のミスを見逃さず着実に得点を奪っていく。25分までに3トライを許し0-17。中盤、なんとかしたい慶大はFL鈴木が「得意の形」(鈴木)から抜け出し敵陣深くまでゲインするもここでもチャンスを生かせず。無得点のまま迎えた前半終了間際、センターライン付近からSO矢川が果敢にPGを狙うも惜しくも左にそれ、前半を終えた。

 

後半から慶大はけがで戦列を離れていたCTB石橋を投入。攻守に強さを見せる「キーマン」(WTB吉迫)石橋の活躍もあり次第にチームもペースを掴んでいく。すると10分、敵陣でのラインアウトからモールを形成。これをFW陣が力で押し込みHO佐藤耀がトライを決める。直後に一瞬の隙を突かれ失点を許すものの、16分には慶大のキックオフのボールをWTB川原がキャッチしそのままインゴールへ。続いて、センターライン付近のマイボールスクラムからボールを受けた石橋が抜け出し敵陣深くまでゲイン。最後は吉迫がきっちりトライを奪い、19-32とする。ここから相手の反撃を受け点差を広げられるが、それでも33分にモールから白子が抜け出しトライを決める。その後もチャンスはつくったが得点には至らず、24-51でノーサイドとなった。

 

「打倒帝京」を今年の目標に掲げている慶大。しかし、今回は「セブンスに主力を割いている」(和田監督)相手に対しても完敗という結果に終わり、帝京大の強さを見せつけられた。それでもセットプレーの安定、後半のアタックなど随所に良い面も見られた。また、ゴール前のチャンスを見逃さずトライを奪う帝京大との対戦からは得るものも多かっただろう。次回は遠く離れた石川の地でライバル早大との対戦。春シーズンはここまで思うような結果が出ていないだけに、早慶戦では意地を見せてもらいたい。

 

【ケイスポ的MOM】頼れるエースの復活 CTB石橋拓也

途中出場で存在感を発揮

途中出場で存在感を発揮

石橋にとってけがからの復帰戦となったこの試合、後半から出場しチームを勢いづけた。持ち前のアタックセンスで敵陣に攻め入り、トライをアシスト。ディフェンスでも低く刺さるタックルで相手を止めた。途中からはSOとしてもプレー。今後もさらなる活躍に期待がかかる。

 

 

(記事 東條恵也)

 

 

 

コメント

 

和田康二監督

(今日の試合を振り返って)帝京大がセブンスに主力を割いているということは考えないといけなくて、その相手に結果として完敗でしたのでまだまだ力不足だと思います。(昨年と違い苦しい春シーズンです)春と秋の結果は必ずしも一致しないので、結果よりも内容や選手の経験を積ませることに重点を置いています。(チームのまとまりのなさを試合後選手に話していましたが、チームとしてまとまりがないと感じる場面は)苦しい時に声を出す選手がいなかったり、あとは選手の顔つきですね。(これから早大、明大と戦いが続いていきます)今日出た反省や春シーズンやってきたことを出して、結果も重要ですが経験や内容も含めてやっていきたいです

 

白子雄太郎

(今日の試合を振り返って)受けてしまったというか、春シーズンずっとそうなんですけど、ディフェンスの多い試合で、なかなか自分たちでボールをキープできずに劣勢になってしまいました。(ご自身のトライシーンは)ラッキーっちゃラッキーで、相手が見えてなかったというのもあるんで、狙ってた部分ではあったんですけど、確実に抑えられてよかったです。(課題は)もっとチームでまとまる、技術面ではなくてメンタルの面でチーム一丸となるというところが課題かなと思います。(次戦に向けて)残り3試合なので課題を修正して、次は早稲田なので気合いを入れて行きたいです。

 

鈴木達哉

(今日の試合を振り返って)個人的には得意のアタックを見せられず、ディフェンスも後手にまわることが多く、反省が多い試合でした。(前半抜け出すシーンもあったが)あそこは自分の得意の形だったのでゲインできてよかったんですが、ああいう形を自分からもっと作りたかったです。(帝京の印象は)やはり大学チャンピオンらしくプレッシャーが凄かったです。でもそのなかでも自分たちのアタックをすれば点がとれるというのがわかって良かったです。(課題は)個人としてはフランカーとしてタックルがあまり良くなかったのが課題です。(次に向けて)得意のアタックを伸ばしてディフェンスも貢献できる選手になりたいです。

 

川原健太朗

(今日の試合を振り返って)チャンピオンの帝京相手ということで、この春ずっとやってきたことをやろう、ということと、今の自分たちのレベルを知ろうということで、負けてもいいから一生懸命自分の力を出しきろうと思って、試合に臨みました。(自身のプレーを振り返って)僕自身、声を出してチームを盛り上げることはできたと思うんですけど、チームの流れを変えるプレーとかは、トライとかは決めたんですけど、もっと出来たかな、と自分の中では思っています。(そのトライについて)ラッキーだと思いますが、チームの流れを変えることもできたので、凄く良かったかなと思います。(雨が降っていたが影響は)この週末も雨の中プレーしていたので、プラスに考えてプレーしていました。(次の石川での試合に向けて)今まで負けが続いているので、次はしっかり勝って、良いゲームをしたいなと思います。

 

廣瀬聡

(試合を振り返って)楽しかったです。僕はまだAチームでのスタメンは2回目で相手が帝京ということで怖かったんですけど、思いっきりできて楽しかったです。(最近はAチームでの出場が続いているが)僕はそんなにうまくないので自分に自信ないんですけど、チームで一番体張れたらいいかなと思います。(雨の中の試合だった)そんなにパスを回さないと思ったので前に出てディフェンスしようということだったんですけど、まだまだ内側抜かれたり課題が多かったのでそこ修正して次の早稲田戦、明治戦と頑張っていきたいと思います。(逆に収穫は)大きい相手にもみんな怖がらず刺されていて、後半になるにつれてよくなっていたのでその意識を忘れずやっていきたいです。(次に向けて)来週は勝ちます。

 

吉迫雅俊

(今日の試合を振り返って)あまり攻められなくて、ディフェンスばかりだったので今度からもっと攻めたいなと思います。(得点は後半に集中したが)キーマンの石橋選手が途中から出場したので、石橋選手がボールを持ったら近くに寄ってボールをもらえるようにということを意識しました。(今日は雨だったが何か影響は)特に無かったです。(ご自身のプレーについて)僕はまだ体が小さいのでこれから帝京大の選手に向かっていけるような体を作って、ウイングとして得点を取れるような選手になりたいです。(トライシーンを振り返って)あれはもう運が良かっただけです。石橋選手についていこうと思っていただけです。(次週の相手は早大、意気込みは)全力を出し切ってトライを取ることを目指してやっていきたいと思います。

 

石橋拓也

(今日を振り返って)リザーブとして出場だったのですが、自分の持ち味が出せてよかったと思っています。(久しぶりの出場となりました)コンディションはあまり良くありませんでしたが、自分のやりたかったことができたのでよかったです。(トライにつながるゲイン)前が空いたのでそのまま走り相手を振り切って、隣に吉迫の姿が見えたので、後を任せました。(自分の出来は)7割くらいでした。もっと行けたのではないかと思います。(チーム全体の様子は)最初は流れが悪かったのですが、途中切り替えられたところが良かったと思います。しかし最後に再び攻められたので、終わりまで気を抜かないところが今後重要になってくると思いました。(帝京大学の印象は)一人ひとりが力強くて、推進力がありました。(次回に向けて)次回はフルで出られるとおもうので、80分通して全力尽くして頑張りたいと思います。

 

浦野龍基

(今日の試合を振り返って)A戦は、デイフェンスで抜かれないことにフォーカスしていましたが、そこが出来てなくてやられてしまいました。一方のB戦はチームとしていい流れがあって、キャプテンとしてチームを引っ張れたと思います。でも最大の勝因はFWが頑張ってくれたことで、逆にA戦で負けたのもそこだと思います。(自身のプレーを振り返って)B戦はFWが頑張ってくれて自分のランでトライを取れたので良かったです。A戦は出番があまりなかったのですが、流れを少し変えることができたのかなと思います。(春シーズンは昨年と違い苦しんでいます)昨年とチーム作りのプロセスが違うのと、後は収穫のない敗戦ではないので秋につなげるようにしていきたいです。(この試合で得たこと)Aチームに足りないのが、FWが体を張ることとチームとしてのまとまりがないです。BとCが勝ったことでAチームに足りないものがはっきりしたと思います。(和田監督もチームのまとまりについては試合後話されていました)まだ一つのチームになりきれていないです。(これから早大、明大と戦いが続いていきます)入学した当初からこの2校には敗れてはいけないと思っているので、春ではありますが全グレードで勝ちにいきたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました