【バスケ】若手有望株が大いに活躍!ハイスコアゲームでの快勝! 新人戦vs関東学院大

主将としてチームをけん引する西戸。3ポイントを新たな武器に積極的に得点に絡んでいく。

主将としてチームをけん引する西戸。3ポイントを新たな武器に積極的に得点に絡んでいく。

 

1、2年生が雌雄を決する新人戦が今年も開幕した。のちに控える秋リーグ、そして来年以降の勢力図を占う試金石としても注目の集まる大会である。一回戦の相手は昨年まで2部で共に戦った関東学院大学。頼れる先輩がいない中でも、慶大の若手選手は存分にその実力を見せつけてくれた。ファウルトラブルという課題も見つかったものの、打ち合いとなった試合を高い得点力で制し、初戦を見事突破。幸先の良いスタートを切った。

2014/06/16(月) @代々木第二体育館
第54回 関東大学バスケットボール新人戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 28 22 26 22 96
関大 22 17 23 23 85
慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG #5 後藤宏太(環2・藤枝明誠高)
SG #4 西戸良(総2・洛南高)
SF #9 藤井和朗(経2・慶応高)
PF #7 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高)
C #23 木村能生(環1・東山高)

 

新人戦への「意気込みは強かった」と語る後藤。PGとしてフル出場し、西戸と共にチームを導く。

新人戦への「意気込みは強かった」と語る後藤。PGとしてフル出場し、西戸と共にチームを導く。

1Q、「自分の仕事はリバウンド」と語る木村がオフェンスリバウンドからゴール下を押し込み、慶大の初得点をあげる。同じくスタメンでの出場となったサワも、相手のファウルをものともせずバスケットカウントを獲得。期待のルーキーが序盤からインサイドで存在感を発揮した。慶大は開始直後からハーフコートマンツーを敷いたが、関学はこれに対しペネトレイションで対抗。互いに点を取り合う時間帯が続いた。1Q残り2分、途中出場の松岡(経2・慶應湘南藤沢高)が激しいチェックから相手のターンオーバーを誘うと、続くオフェンスでミドルシュートを沈める。その後さらにサワ、西戸の連続3ポイントも決まり、11-2のスコアリングランを展開。流れを一気に慶大に引き寄せ、2Qへ突入した。

2Q、序盤では堂本(商1・慶應高)が躍動。巧みなポンプフェイクで相手ディフェンスを欺きドライブを決めると、続くプレーではジャブステップからのミドルシュートで得点。1年生ながら中外問わない高い得点センスを披露してくれた。さらに「ディフェンスやルーズボールが自分の役割」と話す藤井がこぼれ球に果敢に飛び込み、粘り強いプレーでチームの得点機会を増やした。終了間際には後藤がクイックリリースから放たれる3ポイントをヒット。このシュートで得点差を二桁にまで広げ、前半を折り返した。

ルーキーらしい積極的なプレーを見せたサワ。次の拓殖大戦に向けても熱い意気込みを語った。

ルーキーらしい積極的なプレーを見せたサワ。次の拓大戦に向け熱い意気込みを語った。

迎えた3Q、堂本のアシストから藤井が難しい体勢になりながらもアリウープを決め会場を盛り上げる。さらに西戸が「試合の中でも入る経験をしてきて、自信に繋がっている」3ポイントをこのQにおいて2本沈め、チームのオフェンスを牽引した。しかし関学もガードを中心としたオフェンスを効率よく展開。確率の高いミドルシュートで慶大に流れを完全には渡さない。拮抗した場面が続くなか迎えた3Q終盤、ゲームキャプテンである西戸が相手のインバウンドの場面で4回目のファウルを犯してしまい、チームに不穏な空気が流れる。だが「悪い流れになった時には、しっかり自分で確実に点を取る」と語る後藤が、続くプレーで木村のハイピックを利用したドライブを確実にゴールへとつなげ、なんとか二桁得点差を維持し最終Qへ突入した。

チームの得点源となった堂本。フィジカルを活かしゴール下でも活躍する。

チームの得点源となった堂本。フィジカルを活かしゴール下でも活躍する。

最終Q、西戸の出場のタイミングに注目が集まったが、「選手たちを信用していました」と語る阪口HCは、頭から西戸をコート上に送り出した。その期待に応えた西戸は最初のオフェンスで見事得点。しかしここから関学の激しい反撃を受けることになる。慶大を揺さぶるボール回しからの3ポイント等で10-2のスコアリングランを許し、点差を一桁にまで詰め寄られる。さらにこの間に堂本も4つ目のファウルを犯してしまい、慶大にとって苦しい時間帯が続いた。それでもPGとしての活躍も期待される後藤のアシストからサワがゴール下で確実に得点し、チームは何とか落ち着きを取り戻した。いい流れを途切れさせたくない関学はオールコートでのディフェンスを仕掛けるが、慶大ガード陣はこれに対して怯むことなく冷静に対応。ターンオーバーからの得点を相手に許さなかった。試合終了残り2分、木村がリーチの長さを生かしたスティールとブロックを決め、相手オフェンスをシャットアウト。これらを得点につなげ関学は万事休す。100点まであと一歩というハイスコアをたたき出し、13点差で快勝を収めた慶大は2回戦に駒を進めた。

「がむしゃらにやるというのが大事」と語った木村はリバウンドをしっかりとものにした。

「がむしゃらにやるというのが大事」と語った木村はリバウンドをしっかりとものにした。

慶大は勝利という結果を手にしたものの、4ファウルが4人、チーム全体で26個のファウルを犯してしまうという反省点も見られた。試合全体を通しても相手のフリースローの確率の悪さに救われた部分が少なからずあったと言える。だが勝負所の最終Q終盤まで4ファウルを犯しながらも、持ち前のチームディフェンスで互いにカバーし、退場者を一人も出さずに済んだのは収穫であろう。次戦の相手は昨年の新人王、得点王、リバウンド王の三冠を誇るバンバ選手率いる強敵拓殖大。「リバウンドを取ってからのファストブレイク」「ファウルとトラベリング」とサワ・堂本両ルーキーたちは自身たちの課題を明確にしている。拓殖大戦ではこれらの課題を意識しつつ、選手たちは更なる成長を見せてくれるに違いない。

(記事:岩田亮)

◆試合後コメント

 阪口裕昭HC

(初戦にあたっての指示は)4番(西戸)と5番(後藤)を信用しているので、ファウルが4つになっても変えないし、足がつろうが変えないし、これは1、2年生の来年、再来年のチーム作りをするためにやっているので、勝った負けたも大事なんだけど、あいつらが率先してやるように言っていました。(4Q点差を詰められたが振り返って)今日は負けないと思っていました。4つファウルした選手を変えてしまったら普通のチームで慶應じゃないので、選手たちを信用していました。信用しなくなったら終わりですね。(今日の試合に点数をつけるとしたら)よく頑張ったと思います。5番(後藤)なんか足つっても最後の2分間出ますって言っていたからね。まあ彼らはどう考えてもこれから軸になっていく選手なので、頑張ってもらわないといけないですね。ただ評価は難しいですね。(次の試合に向けて)次は拓大で、バンバ選手もいるので楽しみですね。(すでに誰がマークマンになるか決まっているのか)今年は選手に考えさせることが多いので、木曜日までに選手たちが決めるでしょう。

[SG]西戸良主将(総2・洛南高)

(中学ぶりの主将だが、試合・練習で意識したことは)やはり自分のプレーだけに集中するのではなくて、周りやチーム全体の雰囲気に気を配って、指摘するべき所を探したり、逆に良いプレーをした人に対していまのはよかったよという声かけをするように心がけて練習するようにしていました。(4番を背負った気持ちは)いつも通りやろうと思ったのですが、やはり緊張ではないですが責任みたいなのがあって、いつも通りのプレーができず、ちょっと反省が残る試合だったと思います。(フル出場だったが)疲れはありますが、疲れよりうまくできなかった反省が重くきていて、もうちょっとやらなきゃという責任を感じています。(チーム全体としてファウルが多かったが)いらないファウルをしてしまった場面もいくつかあって、やはりそこを気持ちの部分で押さえられるようにであったり、僕とか後藤が下の選手に対していまのは要らないファウルだよということで改善できる場面もあったのでこれはいい経験として、次の試合に繋がるなと思いました。(ガードとして試合運びは思い通りにできたか)2Q で結構点差が離れた場面があって、あそこでもうちょっと点差を離せれば良かったなと思っていて、そこは反省するところだと思います。やはり点数が入らない時に、ディフェンスでは守っていたんですけど、そこで確実に自分たちの点数を取る方法を見つけて攻めるべきだったなと思います。(拓殖への対策は)高さがあるのでリバウンドと、バンバ選手をどう身長の高い選手で抑えるかというところと、やはりシュートが入らなければ勝負にならないと思うのでそこはシューティングや試合形式の練習の中で積極的にシュートを打って感覚を養って行ければなと思います。(今後強みにしていきたいオフェンスのプレーについて)最近3ポイントを練習していて、試合の中でも入る経験をしてきて、やはりそれは自信に繋がっていると思います。秋のリーグ戦にむけてもうちょっと実践を積まないと自信をもって打てないので、今このときに自分の武器として3ポイントを積極的に打っていければなと思っています。

[PG]後藤宏太(環2・藤枝明誠)

力の差を考えるともうちょっと点差を離せる試合でした。入りの部分とか、まだ下級生ということもあって自分を筆頭に下らないミスというのが目立ってしまって、次は拓殖大と戦うのですが、このままではちょっと及ばないかなと。軽率なミスというのをもうちょっと減らしていけたらと思います。(新人戦初戦への意気込み)3、4年生がいると自分は伊藤さんとかとポジションが被ってしまって、あまり出場時間が貰えないのですが、この新人戦に関しては阪口HCからも40分間出るぞと言われていたので、早慶戦から切り替えて、自分の意気込みは強かったです。(PGとしてどのようにゲームメイクしていこうと思ったか)自分は点を取りながらPGをやれと言われて、前半は西戸やサワがいい動きをしていたので、自分はパスを回してコントロールすることを意識していました。後半結構シュート確度も落ちてきて、悪い流れになった時には、しっかり自分で確実に点を取るという試合運びを意識しました。(ファールが多かったが)試合に出られる人数が少ないので、その分疲れてきたら手を出してしまうというようなプレーが多くみられて、あと二日しかないのですが、そこはしっかり足を動かせるように改善していかなきゃなと思います。(後半足の負傷で苦しいシーンがあったが)最初はちょっと捻挫をしてしまって、そのあとにつっちゃったんですけど、普段こうやって40分間出ることがなかったので。多分今日慣れたので、次は大丈夫だと思います。(次の拓殖大戦への意気込み)拓殖大学の下級生は3、4年生を加えた試合の中でも活躍している選手が多くて、とくに高校時代のチームメイトの成田選手がスタメンで活躍していて、多分直接マッチアップできるので、凄く楽しみにしています。個人的にも、相手の方が上だと思いますが、必死に食らいついて、自分を筆頭にチームを引っ張っていって、良い試合をするのではなく勝てるように頑張りたいです。

[SF]藤井和朗(経2・慶応高)

2年生全員で戦うというのは最後の大会で、そこで初戦を勝ててよかったなと思います。一応勝てたんですけど改善点がいろいろと見つかったので、明々後日の拓大戦までになんとかみんなで修正して、もう一回勝ってベスト8に入りたいと思います。(前半でのディフェンス、後半でのオフェンスリバウンドやルーズボールなど自身の活躍について)点を取ってくれる選手が他にいっぱいいるので、自分はそういったディフェンスとかルーズボールとかの部分で点を取ってくれる人たちが気持ちよくシュートを打てるようにと思ってやってきましたし、ちゃんと役割は果たせたかなと思います。(新人戦への意識は)部全体の目標としては春シーズン最大の目標は早慶戦にあったのですが、今の1、2年生で戦える最後のチャンスなので早慶戦と同じくらいのスタンスで僕たちは練習して取り組んできました。(次の相手は拓殖大だが)相手はやはりすごく強くて、今日みたいにはうまくいかないことが多いと思いますが、そういうときに今日のようにちゃんとリバウンドを追いかけたりディフェンスボールを取ったりして自分の役割を果たして、各個人がそれぞれの役割を果たせば勝てると思うので頑張っていきたいです。

[PF]トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高)

ファールの多い展開になって、やはり自分たちが落ち着いてプレーできなかったというのが反省点ではないかなと思います。(新人戦初戦への意気込み)上級生と一緒にプレーしていた時と変わらず、リバウンドを頑張ろうというのがまず第一で、それは今日の試合で多少は出来ていたのではないかなと思います。欲を言えばリバウンドを取ってからのファストブレイクをもっと出したかったのですが、それは今後の課題として取り組んでいきたいなと思います。(國學院高での先輩との対決だったが)激しいプレーをしてくる選手というのは知っていて、正直今日もうやりたくなかったんですけど、慶応の先輩にも自分が付くよう言われて、マジかよ、と思いました(笑)。まあ、いい勝負ができたんじゃないかなと思います。(ファールが多かったが)三線ポジションのディフェンスの下の方からの声が少なくて、位置も悪かったですし、そういうのが無いせいで一線の人が頑張ってしまってファールにつながったのだと思います。やはり三線ポジションの下からの声と、出来るだけ速く位置につくということを心掛けたいです。(HCにどのようなことを言われたか)ディフェンスを一生懸命頑張りすぎているといわれて、それがファールにつながったり、もっといい意味の余裕というか、ちょっと力を抜いて、遊びの気持ちを入れた方がいいと言われました。オフェンスファウルから2対1の状況でドライブにいって、自分の中では遊んだつもりでしたが、完全にそれを相手に読まれていて、もっと余裕をもてという指示が多かったですね。(次の拓殖大戦ではバンバ選手とのマッチアップとなるが)どこまで自分が通用するのかというチャレンジャーの部分と、絶対に負けちゃいけないという強い気持ちの両方を持って臨んでいきたいと思います。

[PF]堂本 阿斗ディーン(商1・慶応高)

(大学の試合には慣れてきたか)今回は新人戦なので、本当の大学の感じとは違うんですけど、まあ少しは慣れてきました。(いい場面でシュートが決まっていたが)自分の中でも得意な場所だし得意なプレーだと思っているので、そこを決められたのはよかったと思います。(個人としてもチームとしてもファウルが目立ったが)前半はノーファウルで終わることができたんですけど、自分としてもファウルが多いという課題は高校からあったので、後半連続してファウルしてしまったのは今後克服していかなければいけないと思います。一回ファウルすると止まらなくなってしまうというのが高校時代からあって、外のディフェンス自体もまだまだなので、気を付けていきたいです。(拓殖戦に向けて)自分ができることはパスをもらった時にシュートを高確率で決めることだと思っていて、あとは自分のもう一つの課題であるトラベリングの修正と、そしてリバウンドにどんどん絡めるように、たくさん走って運動量を上げていきたいです。

[C]木村能生(環1・東山高)

自分の仕事のリバウンドはできたので、その点ではよかったのかなと思います。僕とサワと阿斗と、3人で下をやっているんですけど、その3人でリバウンドをしっかりやって、後藤さんや西戸さんにシュートを決めてもらうのが僕らの仕事だと思うので、特にサワは得点力がありますけど、僕はやっぱりセンターの仕事をやらないといけないと思います。(自身のリバウンドやブロックを振り返って)リバウンドについてはできたと思うんですけど、ブロックはまだまだだと思います。(チームとしてファウルが多かったが)西戸さんと後藤さん、サワ、僕は極力長い時間試合に出ないといけないので、今日みたいにファウル4つでぎりぎりというのは次の拓殖大戦に向けて改善しないといけない点だなと思いました。(1年生で出場する新人戦だが)まずは1年なのでがむしゃらにやるというのが大事で、やはりできる限り西戸さん、後藤さんのサポートをするというのが試合では大事だと思うんですけれども、一番はがむしゃらにやるということです。(拓殖大との試合に向けて)拓殖大はみんなうまいんですけど、バンバ選手がいてそこを僕とサワで抑えるというのと、そこで今日みたいにファウルがかさんでしまうと止められないので、ノーファウルでしっかり止めるというのを意識して頑張りたいです。

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