選手と監督をつなぐ重要な役割を担う、グラウンドマネージャー。早慶戦に向けて、グラウンドマネージャーの4人に、楽しく対談していただきました!
―まず、自己紹介をお願いします。
宮部 宮部元太郎です。4年生です。今トップチームを担当しています。法学部政治学科です。
小田 経済学部3年の小田悠太郎です。今Bチームを担当しています。
立松 同じ経済学部3年の立松和樹です。僕はCチームを見ています。
横山 総合政策学部4年の横山彰輝です。今はCチームを立松と一緒に担当しています。
―では、主な仕事内容をどなたか代表して教えて下さい。
横山 じゃあ小田いこう。お前しかできないよ、これは。
小田 主な仕事としては、トップチームと下のチームでは異なるんですけど、トップチームとしては、監督の補佐役として、監督と話して選手の状態を見てメンバーを決めたりします。また、選手と監督をつなぐ役割でもあります。下のチームとしては、練習メニューを決めたりメンバーを決めたり、結構上と下では変わります。
―役職に就かれた経緯を教えて下さい。
宮部 話すと長いんですけど。2年生の間に必ず学年から2人グラウンドマネージャーを出さなければいけません。約1年間かけてミーティングをします。誰も基本的にはやりたくないので、投票や話し合いで一番学年に適したグラウンドマネージャーを決めます。それで、チームが日本一になるというのが一番重要なので。僕たちもやりたくなかったけど、学年で話して、お互い思いを伝え合って決める、という感じですね。深いところを話したらすっごく長くなりますよ(笑)。
横山 そこを要約するのがインタビューだろ。
宮部 コンパクトにまとめると、僕の場合は、まずサッカーをしていた理由が…
小田・立松・横山 結構深いね(笑)。
横山 お前はちょっと考えとけ!僕は、まず指導者に興味があって。人にサッカーを教えたり、チームを作り上げることに魅力を感じました。現役のときから、選手としてチームの戦い方やフォーメーションを考えるのがすごく好きで、大学生活の中でそれをやる機会があったので、挑戦してみたいと思いました。また、同期からすごく押されていて、「やってくれるんだったら、自分たちはついて行くよ」と後押しされたのが励みになって、決意しました。
立松 僕は、グラウンドマネージャーというのはチームの中枢というか重要な役職だと思っています。単純にかっこいいかなという思いがまずあって、チームを引っ張っていくことに魅力を感じました。あとは、ミーティングを重ねていくなかで、チームメイトが「やってくれ」という熱い気持ちを伝えてくれて、やろうと思いました。
小田 自分がなった理由は2つあります。1つは、自分はもともとずっと下のチームで、トップチームとの関わりも全然なくて、そういった意味でグラウンドマネージャーになって今後チームに貢献していきたいな、と思ったからです。もう1つは、僕も学年に押されたことがすごく大きいです。築き上げた信頼関係とかもありましたし、頼み込んできた人もいたので、やりたいなと思いました。
宮部 僕は立場的に、コミュニケーションを取らないとチームが上手く回らないので、そういう状況に身を置けるのが幸せだな、と思いました。また、自分がサッカーを辞めるにあたって、支えてくれた人たちと相談して、自分がサッカーを辞めて学生コーチになることをすごく応援してくれたというのが、一番大きい理由です。
―仕事上で大変なこと、反対に嬉しいことや楽しいを教えて下さい。
宮部 …全員ですか?
―はい。
横山 そりゃ人それぞれ違うだろ。
立松 嬉しいときは、自分が見ているチームが試合に勝ったときです。やっていてすごくキツイなと思うことは、僕らの持っていき方次第で練習の雰囲気がすごく変わると思うので、常にいい雰囲気で練習を進めるのが、大変というか気を遣いますね。
小田 大変なことは、練習メニューをどう組むか考えることです。それで結果が出なかったらすごく辛いです。嬉しいのは、やっぱり自分が見ているチームが勝つこと。公式戦で結果を出してくれるとすごく嬉しいなと思います。
横山 難しいのは距離感ですね。僕と選手たちは、指導者と選手という立場なわけで、友達ではないけど、社会人とは違う親しみやすさというか、近い距離感を保つというのが難しいです。ただでさえ学年で上下関係があるのに、立場上の違いをどうコントロールしていくか。人と人とを上手くつなげることが求められる、そういうグラウンドマネージャーというのはいつも難しさを感じています。僕は今年2年目なんですけど、新しく入って来た1年生に対して、自分がどういう存在でなければいけないのか、2年生3年生や同期に対して今年はどう接すればいいのか、というのをすごく考えさせられます。嬉しいことは、チームが勝つことはもちろんなんですけど、自分に心を開いてくれる瞬間です。僕に相談してくれたり、僕が言ったことを真摯に受け止めてくれたりするのは、毎日一緒にいるからできることで、そこは特に嬉しいなと感じます。
宮部 難しいのは、いろいろな考えを持った選手がいて、チームである以上、一人の意見に重きを置きすぎて他の選手がないがしろになるというのはいけないし、全員の考えをくみ取って、チームをよくしていくことです。絶対不満が出るから、その不満をどうやって聞いて解消できるか。また、監督と選手の間の意識の違いをどうまとめていくか。チームを一つにしていくなかで、誰も置いていくことはできないから、一体感を出していくというのはすごく難しいかなと思うし、それができなかったら自分の責任かなと思います。楽しいときは、基本的に常に楽しいな、という感じです。辛いと思ったこともありますけど、自分がチームをまとめているという感じがするので、常に楽しいです。勝っても達成感で楽しいし、負けても選手と改善点を話しているときも幸せだな、と感じるので。
―試合や練習のないオフの日はどのように過ごしていますか。
横山 きました!これ、インタビュー向けのほうがいいですか?じゃあ小田から。
小田 普通に友達と遊んだりするときもありますし、すごく疲れているときはダラダラしています。
横山 つまらないな(笑)。
立松 理想を答えるならば(笑)、次に戦う相手のビデオをもらうので、それを一通りが見て監督に問題提起できるようにしっかり見ます。あとは、小田が言ったように、疲れているので寝ています。
宮部 俺は(オフの)月曜はサッカーのことは何も考えていないです。逆に。集中して火曜からバッとやるようにしています。
横山 インタビュー用に言うと、24時間サッカーのことばかり考えています。オフの日もビデオを見て、好きあらば試合を見て、「こういうプレーや戦術があるんだな、自分のチームに取り入れよう」と。本音は…(笑)。本当にちゃんとビデオを見て、学生コーチとしてやっているんですけど…まあキツいですよね。
立松 僕は、ストレスを家でダラダラと過ごして解消するのではなくて、騒いで解消したいと思います。友達を呼んで、ちょっとお酒を飲んで、騒ぐというのが好きです。それと筋トレが好きです。
―お互いの印象を教えて下さい。
横山 お〜、いい質問きましたね。
宮部 小田は、そうだなあ…。真面目に言うと、不器用というか固いかなという印象はあるんですけど、情熱というのはあります。しっかりと自分の考えていることを口に出したり、悩んだときはちゃんと相談して実際に行動に移す行動力だったり、そういう部分があります。もうちょっと柔軟性が増せば、肩の荷が下りた気楽になっていいかなと思います。でも、すごくいいグラウンドマネージャーかなと思っています。
横山 立松の印象は、すごくバイタリティが強いな、と。
一同 (笑)。
横山 さっきすごく遊ぶという話があったんですけど、確かに年の差を感じます。選手の距離感をつかむのがうまいと思うんですね。仕事もしっかりやっている中で、オフもしっかりやっている。僕の2個下なんですけど、若いなと感じますね。
小田 彰輝さんは、オンオフの切り替えがうまいなと思います。練習が終わったら選手といい雰囲気で接していますし、ピッチ内に入ると選手と指導者という関係で臨んでいます。そこの部分はすごく尊敬しています。もう一つは、すごくしゃべりが上手という印象があります。
立松 悠太郎さんは、選手から見てかっこいい存在なのかな、と思います。グラウンドに悠太郎さんがいるっていう存在感が大きいなと思いますし、悠太郎さんが見てくれていると練習も締まるなと思います。そこはすごく尊敬できますね。
横山 それ、ただ背がでかいだけでしょ!
一同 (笑)。
宮部 まあ、それを言ったらおしまいだよね(笑)。
立松 でも、すごくチームの状況とか、時と場合に応じて対応の仕方を変えて、チームを引っ張っていける人だな、と思います。
―みなさん、W杯は見られていますか。
横山 もちろんです!
―ライブで見られていますか。
横山 見てます、見てます。
―寝不足ではないですか。
宮部 寝不足です。
―須田監督はW杯の話をよくされるそうですね。
宮部 須田さんはめっちゃ言うよね、見ろ見ろって。
小田 選手はそれでいい影響になっているんじゃないかな。
横山 僕はサッカーファンとして楽しんで見ています。
立松 いや…僕は睡魔に勝てずにあまり見ていないですね。
横山 「美女サポーターがいるなら見るけど」って立松君言ってたよね。
立松 そ、それはちょっと違う(笑)。
宮部 コーチとかになると、選手よりも戦術を見ちゃうんです。だから、あまり楽しくないんですよね。シュートとか入っても。日本戦じゃなかったら、「わ~!!」とかって、ならないです。
小田 ここでこいつ交代しているんだ、とかって思いますよね。
宮部 そう。崩しとか、そういうところを見ちゃいます。
横山 だから、選手とはあまりそういう話をしないですね。「このサッカーすげーな」っていうだけで終わっちゃって。自分の中で、こういうサッカーはチームで取り入れられるかな、とか思って勝手に消化しています。
―最後に、早慶定期戦に向けて一言お願いします。
小田 チームもすごくいい雰囲気ですし、前期をリーグ戦最少失点で終えて、状態もいいです。ただ早稲田には、僕がこの部に入ってから全部負けているので、今回はサポート役として、僕はできることをすべてやって力になれればな、と考えています。サッカーでは貢献できないですけど、絶対に勝ちたいです。
立松 僕も小田と一緒で、チームが早稲田に勝つところを見たことがないので、ぜひ勝って、その喜びをみんなで分かち合いたいです。
横山 最後の早慶戦なので、今トップチームは公式戦7連敗中なんですけど、下の代に勝った気持ちを味わってほしいな、という気持ちがすごく強いです。こういうふうに取材してもらっていると、すごく大きなイベントなんだなと感じていますし、慶應生全体が楽しんでもらえるようなイベントになればいいなと思っています。
宮部 一応、今年3月に鹿児島で早稲田と戦ったんです。そこで3-0で勝っているので、勝てるとは思うんですよね。だけど、早稲田はガチガチでくるけど、僕たちは違うスタイルなので。まず、早慶戦を楽しみたいですよね。たくさんの人が集まって、その大舞台で選手がサッカーをして、それをサポートできる立場にいるというのは幸せなことだと思うので、めいっぱい噛みしめて、楽しんで。その先に勝利が見えてくると思うので、まずは精一杯やっていきたいと思います。
お忙しいところ、ありがとうございました!
(取材 窪山裕美子)
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