第1弾は、ケイスポ的慶大戦力分析。今季の慶大チームの戦力を見ながら、今後を展望していく。
今季の慶大蹴球部はポジション争いが激しく、春シーズンは毎試合のようにメンバーの入れ替えが行われた。夏合宿を通し、徐々にスタメンは固定してきたようだが、未だ絶対的存在のいないポジションもある。ここでは対抗戦で主力となるであろう選手を見ていこう。
まずはFWから。左PRは青木が有力だろう。春シーズンは調子が上がらずスタメンの座を譲ることも多かったが、この夏で春の課題であった運動量の面も克服した。副将としてグラウンド上で声を張り、チームを鼓舞する存在でもある。右PRには吉田貴。春先からスタメンの座を守り続けている。
HOは激戦区。春シーズンを通して起用されていたのは佐藤耀だったが、8月20日の帝京大戦を最後に試合出場がない。秋シーズン序盤の出場は微妙か。夏の試合では下級生のころから対抗戦に出場している神谷、成長著しい山田がスタメンを務めており、今後も激しいスタメン争いが続くだろう。
LOは白子、西出の二人か。その他には、昨秋ほぼ全試合に出場した小山田、高校日本代表経験があり1年生ながら春季大会に出場した佐藤大などがいる。
春はなかなか固定することのなかったFLだが、夏合宿を通して廣川、木原主将の二人で固まってきた。しかし、鈴木、徳永、古岡是道らも虎視眈々とスタメンの座を狙っている。
NO8は森川で決まりだろう。優れたラグビーセンスを生かし攻守においてチームに貢献、今やチームに欠かせない存在となった。
続いてBK。春シーズン、激しいスタメン争いが行われたSHではこの夏も宮澤副将、星の二人による争いが続いている。昨季の対抗戦でほぼ全試合に出場した南もこの争いに加わることができるか。
SOは矢川が務めることになるだろう。春季大会ではほぼ全試合でスタメン出場した。
CTBは石橋、川原の二人。持ち味の突破力でチャンスを生み出す。2年生ながら春シーズンAチーム入りを果たした廣瀬、夏に急成長を遂げた田畑からも目が離せない。
左WTBはハンドオフが持ち味の服部。トライ量産が期待される。右WTBは争いが激しいが、中村敬だろうか。下級生のころから活躍してきた浦野も有力候補。今春Aチームに入った2年生の吉迫や甘いマスクの関東にも可能性がある。
FBは下川か。正確なキックを武器にスタメン定着を狙う。夏から上のグレードに上がってきた1年生の金澤も注目株だ。開幕前最後の練習試合となった7日の日体大戦で2トライを挙げるなど今後の活躍が期待される。また、中村敬が攻撃力を生かしFBとして出場することも考えられる。
春に大きくメンバーを入れ替えたこともあり下級生の台頭も目立つが、やはりスタメンは4年生が中心になるだろう。FWは夏合宿でセットプレーに力を入れてきており、その成果が試合の中で出せるかがポイントとなってくる。BK陣は春シーズンも随所に良い形の攻撃を見せたが、得点にはあまりつながらなかった。今後はさらに精度を上げトライを取り切ることが重要になるだろう。チーム全体として春はディフェンスに課題を残した。秋は粘り強いディフェンスを見せてもらいたい。
ライバルの動向も気になるところ。対抗戦を戦う上で一番の強敵となるのはやはり帝京大だろう。大学選手権5連覇中の王者は今季も圧倒的強さを誇る。その帝京大に迫る勢いを感じさせるのが明大。代名詞ともいえる強力FWは今季も健在で夏の練習試合では王者をも苦しめた。第3戦で慶大と対戦する筑波大はけが人が多くやや苦しんでいる印象。この試合が慶大にとって対抗戦前半の山場になる。そして、昨季大学選手権準優勝の早大。昨季の主力が抜け戦力は落ちたと言えそうだがその中で安定した強さを見せる。慶大は秋の早慶戦で過去3年勝利していないため、選手も今年こそはと意気込む。だがこれら上位校との対戦の前に、まずは初戦で今季対抗戦Aに昇格した明学大、第2戦で昨季不覚を取った青学大の格下2校に確実に勝利し、勢いをつけたい。
昨季は大学選手権ベスト4入りを果たした慶大蹴球部。はたして今季はどのような戦いを見せてくれるのか。初戦は15日(祝)の明学大戦だ。
(記事 東條恵也)
慶應スポーツでは今季も対抗戦のtwitter速報を行い、HPに戦評を掲載してまいります。そして、11月23日(祝)の早慶戦では秩父宮ラグビー場にて早慶ラグビー号を無料配布いたします。ぜひ、当日お手に取ってご覧ください。
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