ここまで1勝3敗とプレーオフ進出に向け苦しい戦いを強いられている慶大。この日の相手はこれまで幾度となく苦汁をなめさせられている早大との一戦だ。しかしこの日の慶大はひと味違った。3点ビハインドの第3ピリオド、怒濤のゴールラッシュで追いつき、執念のドロー。宿敵・早大に対し一矢報いた一戦となった。
関東大学アイスホッケーリーグ戦 Division1 グループA
2010/10/23(土)14:55 FO@ダイドードリンコアイスアリーナ
早稲田大学3-3慶應義塾大学
{得点者 慶大のみ} 松山×2、荒谷
第1ピリオド、フェイスオフ直後から一進一退の攻防を続ける両チーム。そんな中迎えた9分、早大DFが2分間の退場になると試合が動き出した。10分、自陣でパックを奪いカウンターを仕掛けた慶大は、FW荒谷(経3)がGKと1対1となりシュート。これは惜しくもポストに弾かれるが得点の匂いを漂わせ、慶大が試合のペースを握るたかに思われた。ところが13分、今度は慶大が退場者を出すと流れは一転早大に。14分には中央からシュートを打たれ、ピンチを迎えるもここは慶大DFが素早い対応を見せ切り抜ける。そしてスコアレスのまま試合は進み、第1ピリオドを終了する。
続く第2ピリオド、早大の素早いプレッシャーの前にパックを前に運べず、自陣での戦いを強いられる慶大。4分についに先制点を許してしまうと、7分にもゴール前の混戦から押し込まれ2点のリードを許す展開に。その後も早大の鋭いチェックに自陣に張り付けられる慶大はチャンスを作り出すことができない。ところが12分、早大に退場者が出るとようやくリズムが生まれ始める。13分、左サイドの荒谷から逆サイドのFW真鍋(環1)にパスがつながりシュート。これはわずかに枠をとらえられないが徐々に慶大が試合のペースを握り始めたかに思われた。しかし攻撃に厚みがなく、早大ゴールを脅かすまでには至らず第2ピリオドを終える。
2点ビハインドで迎えた第3ピリオド。反撃に転じたい慶大だったが、開始直後まさかの失点を許し、試合は決したかに思われた。ところがここから思わぬ展開が待っていた。5分、6分と連続で退場者を出した早大は、一転苦しい展開に。一方、この数的優位のチャンスを生かしたい慶大は攻勢を仕掛ける。そして7分、FW小坂(商2)のシュートのこぼれ球をFW松山(商3)が押し込みゴール。反撃ののろしをあげると、勢いそのままに8分にはカウンターから荒谷が抜け出しGKとの1対1を冷静に決め1点差に迫る。こうなるとアリーナの雰囲気は完全に慶大へ。12分にはFW安藤(経2)、15分にはこの日得点を決めている荒谷がそれぞれシュートを放つ。そんな中、慶大にとって待ちに待った瞬間が訪れた。17分、小坂から松山とパスをつなぎ、松山が左45度の角度からシュート。これが早大ゴールに突き刺さりついに同点とする。逆転の機運が高まる中、まず勝ち点を死守したい慶大はその後の早大の猛攻をしのぎタイムアウト。両校応援指導部がスタンドを盛り上げた伝統の一戦は、慶大の劇的な同点劇で幕を閉じた。
今季の早大戦は春の定期戦、リーグ開幕戦どちらも途中まで善戦しながら結果的には大差で敗れてしまった慶大。しかしこの日は逆に第3ピリオドにゴールラッシュを見せ、執念のドローに持ち込んだ。堅守を誇る早大に対し3点ビハインドから同点に持ち込んだという自信は慶大にとって勝ち点1以上に大きなものとなっただろう。この試合が折り返しとなったリーグ戦。残り5試合、プレーオフ進出へ向け厳しい試合が続くが、この日得た自信を持って戦えば道は開けるに違いない。
By Daiki Yamamoto
氏橋主将(今日の試合を振り返って)リーグ戦全体を見たら勝ち点1を取れたことが大きかった。第3ピリオドであの点差で追い付けたということも収穫でした(強敵早大相手だったが)公式戦以外で行う早慶戦のような盛り上がりを皆さんに演出して頂いて、すごくいい試合が出来そうだと思っていた。緊張するよりもありがたい部分が大きかった。(早大相手の対策は)色々ありましたが、相手も今までの試合とは違ってセットを組み替えてきていた。予想通りに対策を練れた部分もあれば、そうでない部分もあったので大変でした。(第3ピリオドに相手が少ない場面で1点差に迫ったがチームの雰囲気は)思っている通りだと思います。ただ残り1点差を早大のうまいディフェンス相手に追い付かなければならなかったんでそんなに気が抜ける状況ではなかった。(最後追い付いた瞬間は)やっと来たっていう感じです。3点差つけられて苦しすぎる展開だったのでよく返したなって感じです。(残りシーズンの展望)ちょうど今折り返しで5試合終わって、後は目標のベスト4に向けて何とか2つ勝ち星を得たいなと思っています
松山
(振り返って)3点差を同点まで持っていったことは大きかった。(第2ピリオドまで2失点で切り抜けたが)多少の失点は前半はしょうがないと思っていたので、後半勝負っていうのがあったので、前半あまり失点を重ねないように意識していた。(2得点決めたが、1点目について)完全にコロコロだったので、ごっつぁんゴールだったのでおいしいところをいただいちゃいました。(2点目について)2点目は狙ってないのでただミートしたらそのままコースに行ったので、勢いに乗った感じだった。(今日の攻撃について)ずっと攻めていたので、みんないつもより調子がよかったと思う。(早大戦のアプローチは)とりあえず自分のベストを尽くそうと思って、アップから入念にやっていた。(次戦に向けて)またベストを尽くして勝ちたいと思います。
荒谷
(振り返って)3-0で負けている時はもう終わったと思ったが、何とか追いつけてプレーオフに望みをつなげられたのでよかった。(第1,2ピリオドについて)こっちの方が全然押していたが、小さいミスでやられてしまって、もったいなかった。ただ2点ならまだまだ追いつけるかなと思っていたので、よかったと思う。(第3ピリオドに入ると時に話し合ったことは)こっちの方が練習量は多いので、3ピリ走り勝てるとみんな信じていたので、3ピリの頭に失点して終わったと思ったが、なんとか追いつけてよかった。(ゴールについて)2失点目が自分のミスで失点してしまったので、何とか取り返したかったので、(ゴールシーンは)ずっと練習してきた形だったので、冷静に決められてよかった。(自身の今日の出来は)動きはかなりよかったので、点は入るかなというのはあったが、何とか点が取れてよかった。(早大戦に向けて意識したことは)前回の試合が勝ってて、追いつかれて、ひっくり返されたので、今日は負けていても追いつけると信じてやっていたので、何とか追いつけたと思う。(次戦・明大戦に向けて)前回明治戦は2点入れているので、何とか次も点を入れてチームに貢献したいと思う。
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