苦しい状況で迎えたリーグ最終戦。このままで終わるわけにはいかない。今日は攻め重視のフォーメーションで臨み、見事先制点を挙げることに成功。しかし相手のアグレッシブな攻めに対応しきれず、次々と点数を許してしまう展開に。最後まで攻めの姿勢を忘れなかった慶大であったが、東農大の堅いディフェンスを崩し切ることはできず、追加点をあげることはできなかった。勝利を手にすることの難しさを改めて感じたリーグ戦であった。 関東学生ホッケーリーグ秋季 グループリーグA
2014.10/4(土)11:00~ @慶應日吉グラウンド
慶應義塾大学 1-8 東京農業大学
(前半1-4、後半0-4)
【得点者(アシスト者)】
1分 森本(吉本)
<スタメン>
G寺岡真希(文4)、FB葛西美咲(文4)、林田明子(理3)、芦川真祐子(商3)、石垣七海(法2)MF境夢見(経4)、武山直歩子(経3)、吉本絢香(総2)、FW原登子(経4)、森本涼(経4)、宮本舞(経2)
リーグ最終戦の相手は今年1部に昇格してきた東農大。ホッケーの名門高校から多くの選手を獲得している東農大は急成長を続けている決して侮れない相手だ。この最終戦でリーグ戦の課題となっているオフェンス面をどう克服していくか。これが今日の試合の見どころでもあった。今日のスタメンは前回の学習院大戦からは大きく変わる形となった。「上級生をFWやMFにすることで攻めの布陣として今日の試合に臨んだ」と主将である境夢見(経4)は語ってくれた。まさに課題であるオフェンス面の改善を目指したフォーメーションであった。
このフォーメーションがいきなり功を奏すこととなる。開始1分で右サイドからゴール前に吉本絢香(総2)のボールが入れられ、森本涼(経4)が決める。「学習院大戦よりも連携面が良くてボールを繋げた」と試合後森本はこの得点について振り返った。しかし東農大も黙っていない。その直後すぐに追いつかれ、さらには逆転を許してしまう。慶大は原登子(経4)のインターセプトからチャンスを作る。その直後、境→吉本→森本→武山直歩子(経3)とシュートまでボールをうまくつないだものの得点をあげることはできない。逆に相手のすばやいドリブルを止められずPCを許し、そのまま得点につながってしまう。オフェンスに人数をかけている分、ディフェンスが甘くなってしまった。18分、キーパーを寺岡真希(文4)から小松雅(経2)に変えるなどし、悪い流れをどうにかして断ち切りたい慶大であったが、押され気味の状況を打開することはできない。前半終了間際にPCを獲得したものの、このチャンスを生かしきれず3点ビハインドで後半を迎えることなった。
どうにかして巻き返しを果たしたい後半。37分、後半よりディフェンスに落ちていた境の力強いボールが吉本につながり、センターに切り込んでいったが途中でディフェンスに阻まれてしまう。すると東農大はカウンターのチャンスを見逃さず、慶大の25Y内にボールを運ぶとそのままシュート。これを慶大は止められず5点目を許してしまった。ここから東農大は一気にギアを上げてくる。ディフェンスがいつもより少ない慶大はこの猛攻を止められない。足が止まってきた終盤は相手の25Yにボールを運ぶことすらできない苦しい展開に。逆に東農大は華麗な個人技をいくつも見せつけ、幾度となく慶大ゴールに攻めかかる。終わってみれば8‐1となってしまい、後半は1点も得点を決めることはできなかった。
攻めのフォーメーションで臨んだこの試合。オフェンスにかける人数を増やした分、やはりディフェンス面が甘くなってしまった。また相手の個人技を止めることができなかったことも失点につながった。秋リーグでは勝利を勝ち取ることができず渋い結果となった女子ホッケー部。しかし彼女たちは下を向くことなく、次の試合を見据えている。境主将は「4年間の集大成として自分の技術面を高めるのはもちろんのこと、チームのみんなを引き上げられるように、引退まで突っ走りたい」と意気込みを語ってくれた。リーグ戦は悔しい結果であったが、これですべてが終わったわけではない。次戦に向けて調整をし、今度こそ勝利をもぎ取ってもらいたい。
(記事 河合佳祐)
☆グループA
|
山梨学院 |
慶應義塾 |
学習院 |
東農 |
勝ち点 |
得失差 |
山梨学院 |
― |
○18-0 |
○14-0 |
○10-0 |
9 |
42 |
慶應義塾 |
×0-18 |
― |
×0-1 |
×1-8 |
0 |
-26 |
学習院 |
×0-14 |
○1-0 |
― |
×0-7 |
3 |
-20 |
東農 |
×0-10 |
○8-1 |
○7-0 |
― |
6 |
5 |
次戦 10月25日(土)vsAプール3位チーム(成城大or早稲田大)9:00~@駿河台グラウンド
以下、選手コメントDF境夢見(経4=慶応湘南藤沢)主将
(今日の試合を振り返って)先週同じくらいのレベルの学習院大に負けたのをうけて、上級生をFWやMFにすることで攻めの布陣として今日の試合に臨みました。最初先制点をとれて結果が出たかなと思ったところもあったんですが、一方でディフェンス面でのゆるさが生まれて、ウィークポイントが浮き彫りになってしまったので、25日の順位決定戦に向けてディフェンス面での強化と、決めるべき人間が決められるように頑張ります。(ポジションは変えて練習していたんですか)そうですね、チームのキーとなる選手が一 列目と二列目に行く、そして最終ラインにも一人残すというのを目的にしていました。(リーグ戦3試合を総括して)得点を決めて、チームを勝ちに導くということはできなかったんですけど、負けたことで今までの練習を見直すきっかけであったり、チームメイトの心境がかなり変わるいいきっかけになったので、あとはインカレと早慶戦を含め残り僅かな試合でチームのベストプレーを目指したいと思います。(円陣中の「十指連心」という掛け声にはどんな意味があるんですか)十指連心は10本の指が最終的には1つの心臓につながっているという意味合いがあって、一つだけでもその指か傷つくとチーム全体が痛むという意味をこめています。今部員が38名いて、その全員が一つのチームとして連動できるようにしています。(次戦に向けて高めたい点)決めるべき時に決められるようにする形、そしてPC精度と、ディフェンスはインターセプトを中心に練習していきたいと思います。(最後に次戦への意気込みを)4年間の集大成として自分の技術面を高めるのはもちろんのこと、チームのみんなを引き上げられるように、引退まで突っ走りたいと思います。
MF森本涼(経4=頌栄女子学院)
(今日の試合を振り返って)学習院大戦に敗れてもう上位がなかったので、攻め重視の新しいフォーメーションでやりました。しかし1点しか取れなかった上に失点も多かったですが、良い点もあったので、次に繋げていきたいです。(今日良かったこと)点が決まらない中で先制点を取れたことと、学習院大戦よりも連携面が良くてボールを繋げました。(自身のプレーを振り返って)得点を決めることを目標にしていて、それを達成することはできましたが、早い段階で決めた後もう一度流れに乗って得点を決めてチームを勝たせたかったです(次に向けて)次勝たないと入れ替え戦になってしまうので、自分がゴールを決めてチームを勝たせたいです。
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