「昨日よりも今日、今日よりも明日チームに貢献できるように」
―印象に残っている試合はありますか。
駒沢陸上競技場で行われた全日本大学選手権決勝です。グラウンド中央から見えるスタンドは絶景です。
―ここまで試合を終えてチームとしての反省点はありますか。
80分間チームメイトを信頼し続けることです。自分のミスの重さを感じているのは自分が1番わかっているはずで、誰が何と言おうとも僕はわかっていないはずがないと思います。他人のミスに試合中イライラしていては相手の思うつぼだと。
―現在のチーム状態はいかがですか。
練習をいくら重ねても全日本選手権までに技術に大幅な成長が見込めることは恐らくありません。ここからは自分たちが1年間やってきたことこそが日本一に繋がると信じきることと100%で挑めるようにケガのないようにすることだと思います。
―全日本選手権へ向けどんな練習をしていますか。
先ほどの質問の答えと大きく矛盾しますが、昨日よりも今日、今日よりも明日チームに貢献できるように何ができるか考えながら練習しています。
―社会人チームを攻めるカギは何だと思いますか。
社会人に比べて学生は練習量が遥かに多い為に、戦術を細かくすりあわせることができます。一見これはアドバンテージに見えるかもしれませんが、クラブチームは逆に個人でする練習の方が多いため、個々の力は学生よりも強いです。結果学生は16年間一度も全日本選手権優勝をしたことがありません。
―ここまでご自身のプレーを振り返っていかがですか。
1試合1試合を通して自分は成長したことを感じます。次の試合にもまた進化して試合の勝利に貢献できればと思います。
―個人として何か目標を持って臨んだシーズンでしたか。
フェイスオフというポジションはポゼッションをとることだけじゃないと証明したかったシーズンです。また、フェイスオフがより驚異であって慶大の1つの柱にするのが目標です。 ―全日本選手権に賭ける思いは。 共に戦い、悔しい涙を流して引退してきた相手チームの4年生がたくさんいます。でもここからは学生対社会人。学生を代表して絶対に優勝します。
―ラクロス部の4年間で1番楽しかったことは何ですか。
練習後のアフターです。みんなの性格や本性が出るので見ていて楽しいですね。
―ラクロス部の4年間で1番辛かったことは何ですか。
2011年の練習です。練習中クロスを触ることができないぐらい走っていました。
―ラクロス部の4年生の中で、どなたかメッセージを伝えたい方はいらっしゃいますか。
MF鈴木(経4)です。高校の時に無理矢理ラクロス部に誘い入れ大学も無理矢理入部させてかれこれ7年。彼がいなかったら僕はここまで成長していなかったと思います。ここまで一緒についてきてくれてありがとう。
―ラクロス部の後輩たちにどんなことを伝えたいですか。
僕は運動神経がずば抜けて良かったり、チームスポーツや部活動に向いていない考え方をしていますが、しつこく自主練を続ければ結果は必ずついてくるということを伝えたいです。
―応援してくださる方にメッセージをお願いします。
中学3年生の時にクロスを初めて買って、高校1年生の時にラクロス部を創部し、大学ではスタメンになったと思ったら、今年日本代表に選ばれW杯に出場しました。僕は決して自分の事をアスリートだと思ったことはないけれど、応援してくれる皆様の期待に応えたいと挑戦し続けた結果ここまで大きくなることができました。本当にありがとうございます。
―全日本選手権に向けた意気込みを教えてください。
絶対に勝ちます。
~陣野クリス “DEFEATの軌跡~”
【選手プロフィール】
陣野クリス(じんの・くりす)
慶應NY高を経て現在法学部法律学科4年。ポジションはMD。背番号は33。181cm。試合の要であるフェイスオフの達人で、ボールのポゼッション率が高い。
(企画・取材 河合美紀)
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