インカレ準々決勝で死闘の末惜しくも大東文化大に敗れてしまった慶大。しかしインカレはまだ終わらず順位決定戦へと回ることになった。その最初の相手は今季3戦3敗と苦手としている国士舘大学。慶大は主力である、黒木、福元をけがで欠くという厳しい状況の中、第3Qまでは常に15点以上のリード奪う理想的な試合展開に。しかし最終ピリオドに落とし穴が待ち構えていた。
2014/11/29(土)@代々木第二体育館 | ||||||
第66回全日本大学バスケットボール選手権大会4回戦 vs国士舘大 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 27 | 9 | 13 | 11 | 60 | |
国士大 | 13 | 5 | 15 | 29 | 62 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | |||||
SG | #19 西戸良(総2・洛南高) | |||||
SF | #10 大元孝文(環3・洛南高) | |||||
SF | #6 権田隆人(政4・慶應高) | |||||
C | #22 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高) |
欠場の黒木に代わりサワ、福元に代わり西戸がスタメンに名を連ね試合に臨んだ。その立ち上がりは慶大にとって申し分のないものであった。大元が3本、西戸が2本の3ポイントを沈め、序盤から一気にリードを奪う。ボールがよく回り、個人技ではなくアシストからの得点が多く見られた。ディフェンス面でも、過去3戦では多くの得点を許していた#22原を完全に抑え、14点リードで1Qを終える。
2Qはお互いに激しく守りあう展開に。国士舘大は終始ゾーンディフェンスを敷き、慶大はこれを前に攻めあぐねてしまうことに。1Qのような流れの良いオフェンスは見られず、なかなか得点が奪えない。フリーでシュートを打つ機会はあったものの、リングに嫌われることも多くはがゆい展開が続いた。しかし、慶大もディフェンス面では国士舘を圧倒し、点差を縮められることはなかった。終わってみればこのピリオドは9-6という極度にロースコアな結果となった。
3Q、国士舘大はゾーンディフェンスを続けてきたが、これに対し伊藤が3ポイントを決め、この日最大となる23点リードを奪う。しかし、3Q途中で大元が負傷退場をしてしまうことに。さらにここまで影を潜めていた相手エース原の連続3ポイントも決まってしまい、慶大にとって嫌な空気が流れ始めた。それでもサワがドライブ、西戸がミドルシュートで落ち着いて得点。3Q終了時には16点のリードを確保し、最終ピリオドを迎えた。
もう後がない国士舘大はオールコートゾーンプレスを仕掛けてきた。「オールコートでプレスをかけられると、心理的に変わっちゃってる気がする」という阪口HCの言葉もあるように、大東文化大戦にひき続き、このディフェンスに対する対応が上手くいかない。一方の国士舘大はガード陣の3ポイントが高確率で決まり、みるみる点差が縮まってしまう。16点あったリードも気づけば残り5分を切った時点で7点に。このことでさらに焦りが出てしまったのか、慶大はフロントコートまでボールを運べても、そこからのシュートが決まらない。結局残り5分間で4点しか奪うことができなかった。精神的に完全に優位に立った国士舘大はそのままシュートを決め続け一気に逆転。慶大にここから再逆転する力はもう残っていなかった。
第4Q開始時にはセーフティーリードと言えるような得点差があった。しかしオールコートプレスの対応に苦しみ、今まで入っていたシュートも入らなくなってしまうという、慶大にとって精神的に堪える敗戦となってしまった。しかし、克服すべき課題はすでに見えている。苦しい試合が続いているが、それを乗り越えた姿を慶大が見せてくれることをこれから期待したい。
(記事・岩田亮)
阪口HC
(試合を振り返って)昨日と同じだったね。最初は気持ちよくいってるのにな。序盤は国士舘のほうが気が抜けてる感じだったのに。(3Qまではリードしていたが)本当に昨日と同じで、オールコートでプレスをかけられると、心理的に変わっちゃってる気がするよね。ちゃんとテクニカルには準備しているんだけど、まあそこが課題だよ。インカレ優勝の可能性はゼロではもちろんなかったけど、この辺が立ち位置なのかもな。(明日に向けて)選手は満身創痍だろうけど、なんとか頑張ります。
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