【バスケ】長きに渡った9週間、1部リーグ準優勝を果たす!

主将二ノ宮(環4)はこの日いつになくチームを引っ張った

第86回 関東大学バスケットボールリーグ戦

2010/10/31 (日)@戸田市スポーツセンター

慶大‐日大

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 23 17 32 21 93
日大 17 25 23 74
9週間にも及ぶ長く、過酷なリーグもいよいよ最終戦。すでに青学大の優勝は確定しており、慶大が2位を勝ち取るための条件は最終週、強豪・日大相手に連勝すること。日大は前の週に青学大に唯一となる土をつけ、勢いに乗っており苦戦が予想された。しかし、第1戦は慶大が見事な気迫と集中力を見せ接戦をものにする。そして迎えた翌日の第2戦。勝てば2位、負ければ4位と天と地を分けるほどの重要な試合だ。リーグ2位を確保するために、そしてインカレに向けて勢いにつけるために慶大はどのような戦いを見せるのか。満員の観客が見守る中リーグのラストを飾る試合が始まった。

慶大のスタメンは二ノ宮主将(環4)、酒井副将(環4)、岩下(総4)、家治(環3)、中島(総1)。

ゲーム序盤、「入りがもたもたした」(佐々木HC )と、固さが見られる慶大はパスミスを繰り返すなど攻撃が機能せずなかなか得点できない。前日のリベンジに燃える日大に内外からシュートを決められいきなり8点のビハインドを負ってしまう。しかし二ノ宮のスリーポイントでようやく初得点を決めると、

9週間に渡ってチームを支え続けた酒井(環4)

チームは潮流に乗り始める。タイトなディフェンスで相手のターンオーバーを誘発。家治のカットインのシュート、速攻からの本橋(環1)のミドルで追い上げを見せると二ノ宮が再びスリーポイントを沈め逆転に成功。その後日大に外からシュートを決められるも慶大は家治のジャンパー、二ノ宮のブザービーターとなるスリーポイントで点差をつけ23-17で1Q終了。2Q、序盤は互角の展開に。慶大は岩下のシュートで幸先のいいスタートを切ると酒井もこれに続き得点。日大もセンターの切れ味鋭い1on1で慶大インサイド陣からファウルを奪いフリースローで連続得点。しかし慶大は再びディフェンスから流れを掴む。鋭いチェックで相手のシュート精度を下げ岩下、酒井を中心にディフェンスリバウンドもしっかり確保し、およそ6分間日大を無得点に抑える。オフェンスでは交代で入った金子(環3)のスリーポイント、速攻から矢嶋(総1)のタフショットでリードを広げると終盤には二ノ宮の巧みなスクープシュートも飛び出し40-26と大きくリードし前半終了。

後半も変わらず慶大ペース。家治がシュートをブロックすると中島が献身的なオフェンスリバウンドからゴール下を沈める。

スタメンに抜擢され成長を続ける中島(総1)

日大もエース#14熊澤が個人技で気を吐くも、その後は手を緩めない慶大ディフェンスを前に攻めが単調に。慶大は岩下の堅実なインサイド、二ノ宮と中島のスリーポイントでリードを20点に広げることに成功。何とかして点差を縮めたい日大はオールコートプレスを仕掛けるも、慶大は素早いパス回しでこれをかわし、家治が連続得点を重ね72-51で3Q終了。4Q、後のない日大が#14熊澤のミドルで反撃ののろしを上げるも慶大はすかさず蛯名(法1)のシュートで応戦。さらに酒井のアシストで岩下が速攻を沈めると、ここまでチームを引っ張ってきた4年生の活躍にベンチは多いに沸き立つ。その後も酒井の力強いドライブ、家治のミドルで得点を重ねるとディフェンスでは岩下が豪快なブロックでゴールを死守。だがしかし日大は諦めない。オフェンスではタフショットを次々と決め執念を見せる。ディフェンスでも激しいチェックでボールを奪おうとするものの、慶大はそこから得たファウルで本橋が冷静にフリースローを次々と沈めていき点差を保つ。最終的に93-74で慶大が勝利。強豪・日大を相手に2連勝というノルマを見事に果たした。

去年インカレ決勝で敗北した因縁の相手・日大に対し20点差をつけての完勝。出だしこそ躓いたものの、「ディフェンスで我慢してそこから走る展開が出来た」(二ノ宮)とディフェンスで流れを掴み、そこから得意のトランジッションバスケットを展開できたことが大きかった。オフェンスではスタートの5人全員が二ノ宮の20得点を始めとして二桁得点を記録し、バランスの良さを証明。ベンチメンバーも金子が随所にシュートを決め、本橋がリバウンドで奮闘を見せるなど活躍。また控え組の応援団も終始熱のこもった応援を見せ、正にチーム全員での戦いで見事2位を勝ち取った。次なるチームの目標は2年ぶりとなるインカレ優勝。「このリーグ戦でチーム力は相当向上した」(家治)、「最後2連勝で終われたのでインカレに向けて波に乗れる」(酒井)と今のチームは自信に満ち溢れている。インカレで頂点に立つために、慶大バスケ部は新たな目標に向かって突き進む。

 

By Syouta Kajigano

コメント

佐々木HC

入りがもたもたしたけど、それ以上に相手がかたかったのかなという気がします。4年生が良く頑張ってくれたと思うので良かったと思います。(本橋選手のインサイドの起用は)相手の熊選手の体が強いので、他の子じゃ耐えきれないので、初めから本橋を使うつもりでいました。、もしかしたら青学の時も本橋行かせるかもしれない。1ヶ月で他の子も上手になると思うけど。(3Q出だしの良さの指示は)勝ってるわけでもないので、もう1回しっかりやるぞっていうのと、3Q特に良かった中島にはリバウンドで貢献すればシュート落としても同じだからリバウンドで貢献しなさいと言いました。理解力のある子ですし、最後はシュートも決めたのでよかったです。(リーグを通して成長は)最後だけね。この日大戦だけ。あとはだめ。でもこれがあったからインカレに向けては選手もその気になってやれると思う。(インカレに向けて具体的な練習は)もう1回走りこみをして、ディフェンスと走る足を鍛え直します。青学の2戦目はぼこぼこにやられた状態なので、体を強くしないと技術だけあげても何にもならないので。もう1回体を鍛えます。(準優勝という結果は)ある意味インカレを考えると負けて4着になったらもう1回ベスト4で青学とやらなければならないので、そういう意味で言ったら決勝で青学とやれるっていうポジションを取ったので良かったです。また日大と戦わなければならないんですけど。全部で6敗したけどまぁまぁだと思います。でも評価しても良いと思います。最後の二つだけでも勝ったのは本当に大きいと思います。

二ノ宮

最初の出だしが悪くて、今まではそういう時間帯で崩れてしまったことが多かったんですけど、今日はしっかりディフェンスをして我慢してそっから走るっていう展開が出来たので、チーム全体的に成長したと思ったのでそこはすごく良かったです。全体を通して昨日今日の2試合で成長したと感じたので、このまま勢いにのってインカレもいけたらなという感じです。(1Q時の得点への意識は)そういう意識はないんですけど、打てるところは打っていこうと思っていて、それで今日たまたま入ったんで、良いリズムで出来たかなと思います。(試合前の心境は)4年生全員で絶対勝ってインカレに繋げるっていう考えでやっていたんで、それが思い通りにいって良かったです。(最後のリーグ戦準優勝だったが)去年も準優勝だったんですけど、今年の準優勝は去年は順位が下がって終わって今年は上がって終わったのでそこは良かったんですけど、うちの目標はあくまでも日本一なんで、この結果に満足しないであと1カ月しっかり調整、修正してインカレ、日本一に向けて頑張りたいです。

酒井

(長いリーグでしたが振り返ってみて)まず思うのが本当にきつかったということ。2チーム増えて試合数も増えたし、4年生として引っ張っていかなければいけないので・・・いい意味でなんですけど先生は4年生にプレッシャーをかけてきて、そこでちょっと息が切れかかったこともあったんですけど、そういった時にベンチにいる4年生が試合でも練習でも声をかけてくれて。練習の後にミーティングをやったりそういった所で心の余裕が出てきました。(1年生がついてきてくれたことも大きかったのでは)ついてきたというよりはついてこさせたんですけど(笑)1年生は経験がないので、どうすればついてこれるのか色々試行錯誤しました。こいつが出たらこうカバーしなきゃとか考えてました。(試合中に厳しく声を掛けていましたが)そうですね、メッチャ言ってますよ。でも言い過ぎて消極的になることもあるのでそこは上手く・・・飴と鞭ですよね。まあそれでも1年生は成長したし、そこはリーグの成果だと思います。(初の個人賞、しかもリバウンド王と敢闘賞のダブル受賞でしたが)メッチャ嬉しいです(笑)今まで無冠の帝王と言われていたことが本当に嫌だったので。特にリバウンドは本当に狙っていたので、最後は岩下と争ったんですけど、あいつ俺に取らせたくないのかなと(笑)敢闘賞も、普段から尊敬してるけど正直ライバル視もしている兄が取れなかった賞を取れたということで、自信にしていいと思います。(インカレに向けて)今年は最後連勝で終わることが出来たのがよかったです。去年は最後で負けて優勝逃してしまい、逆にリーグ優勝した日大は勢いそのままにインカレも制したので、そういった意味で去年と違ってインカレに向けて波に乗れると思います。最大目標は青学を倒すことであってそこに標準を置くんですけど、ウチらにはまだ不安定な所があるので1か月の練習で改善したいと思います。また練習で自信をつけるくらいの厳しい環境を作って、最高の状態でインカレを迎えて頂点に立てるよう本当に頑張るのみですよ。学生最後なので。あわよくば個人賞・・・まあインカレでは欲張っちゃだめですね(笑)。勝ちだけに貪欲に、そういった姿勢をチームに浸透させるような環境を4年生全員で作りたいと思います。

岩下

個人的にはよくなかったんですけど、二ノ宮が前半から気迫を持ってチームを引っ張ってくれて、2連勝できたので良かったと思います。(控え選手の成長がチームの助けになっているのでは)こういう長いリーグではバックアップが非常に大事になってくるし、そんな中でバックアップが繋いでくれたり活躍してくれたりするのは、時間以上の意味があるというか、価値あることなので、彼らの成長というのは本当に喜ばしいことだと思います。今まで3年間なかったことなので。(それでも最後は4年生が決めるという意識だったのか)そこは大学バスケにおいてはある意味当然のことで、僕ら4年生がどれだけ大事な立場なのかということはこれからもより意識してやっていきたいと思います。(リーグを通しての他のチームの印象)やっぱり青学が群を抜いて強いなと。でも基本的にどのチームもそんなに差はなくて、あとは時と場合によって変わるという感じだと思います。なので、4年生がいかに安定してやれるかが、インカレに向けても鍵になってくると思います。(リーグ戦をふりかえって)コンディションが悪くて3人が揃わない中で、最後は何とか踏ん張れたというようなリーグ戦だったと思います。いるべき人がいない状況の中で、バックアップのメンバーが育って、優勝こそできなかったんですけど、最後の2試合で、チーム力が増したことを証明できたと思います。(インカレに向けての課題)3人がそろって、しっかりと自分の役割を果たせるようなプレーをすること、バックアップや家治がはつらつプレー出来る環境を僕らが作ってあげる、というのが大事だと思います。

家治

2位になるためには、勝利が絶対条件という中で日大は相当強い気持ちを持って今日の試合に臨んでくるだろうと予想していました。だから、うちはそれ以上の気持ちを持って臨もうと思っていました。昨日は入りが良かったのですが、今日はうちのミスが続いたりして、相手に先行されるというシーンもあり、序盤は苦しかった部分もあったんですけど、4年生だったり、ベンチの選手たちがすごく盛り上げてくれたので頑張れました。入り以外はディフェンスからうちの流れに持っていくことができ、終始そのいい流れを維持できたのではないかと思います。(準優勝にスタメンとしてどのように貢献したと思うか)今回のリーグ戦では、岩下さんやニノさんの怪我もあって、下級生のスタメン起用が多くありました。やはり、その中で上級生として、プレー面ではもちろん、声だしなどチームの雰囲気を作るという面でも、自分が引っ張っていかなければならないとずっと意識していたので、そこはチームのために自分が頑張れたところだと思っています。また、トランジッションのときに先行して誰よりも前に走るように常に意識していて、そこでチームの流れを作っていけたと思うので、そこも貢献できたポイントかなと思います。(リーグ戦を通して成長できたと思うことは)外のシュートの調子が悪い時にも、ファールをもらうように動いたりするなど、チームの得点に貢献できるように、プレーに工夫をこらすことができるようになったことだと思います。あとは、苦しい時に4年生に頼るのではなく、自分でなんとか打開していこうという気持ちを持てるようになりました。そういう意味では精神面でも大きく成長できたと思います。(リーグ戦全戦を振り返ってみると)序盤は勝たなければならない試合を落としたりして、自分たちのバスケットができずにいました。でも、後半は慶應らしいスタイルのバスケットを体現するこができたのではないかと思います。このリーグ戦を通してチーム力は相当向上したと思います。(インカレに向けて)先週と今週でこのリーグ戦で初めて4連勝することができ、チームはとてもいい状態にあると思います。インカレでもこのままのチーム状態を維持し、またチーム全員で頑張りたいと思います。絶対に日本一をとりにいきます。

金子

本当に勝ってよかったですね。(仕掛ける所と落ち着かせる所の兼ね合いは)4Q以外は、自分が出る意味はそういう所にあると思っているので、出たらどんどん仕掛けていこうと思っています。でも4Qの難しい状況になった時のゲームコントロールっていうのは本当に難しいなと思っていて、やっぱり自分が攻めたいタイミングとかで落ち着かせなきゃいけない時もあるし。そういう所はもっと学んでいきたいと思います。(リーグ戦を振り返って)結構自分のプレーも出せるようになってきて、手ごたえも出てきたので、インカレとか来年以降にもしっかりと繋げて、リーグ戦で終わらないように次に繋げていきたいと思います。(自分の中できっかけになった試合は)筑波戦の2戦目ですかね。ニノが怪我で初めてベンチからも外れたのがその試合だったんですけど、そこである程度自分のプレーが出来たことが次につながったと思います。(インカレに向けて)春に青学に負けたときに、先生に「お前のシュートがないと青学には勝てないぞ」と言われたんで、青学戦の1戦目みたいに果敢に攻めて、その結果点が取れるように。もっと安定して点を取れるようになれたらいいと思います。

中島

今日勝って二連勝出来て、あと先週と今週とで四連勝してインカレに臨むことが出来るのはほんとに大きいことだと思います。(3Qの自身の出来は)試合の前半でも後半でも入りをすごく大事にしてるので、頑張ろうと思ってました。(リーグ戦を振り返って)最初はほんと出ただけで緊張してたんですけど、後半スタートで出る機会が多くなるにつれて少しずつ緊張もほぐれてきて、この関東1部っていうレベルの高い試合の雰囲気に慣れることが出来たと思います。(スタメンとして準優勝に貢献できたことについて)貢献の度合いは試合によってすごい差があったんですけど、僕が先生とか先輩に期待されてるのはリバウンドだとか外のシュートだと思うんで、また同じこと言いますけど試合によってですけど少しながら貢献出来て良かったと思います。(インカレに向けて)リーグ戦で成長出来た部分もありましたけどまだディフェンスだとか体の当たりだとか課題がたくさんあるので、インカレまで1カ月で強化して日本一目指して頑張っていきたいと思います。

本橋

すごく長く感じました。良かった点は自分の役割に徹したり、仕事がちょっと出来たかなと。逆に悪い所は達郎さんとかニノさんがいない時にチーム力が落ちてしまったのが自分としても悔しいですし、そういう所を修正していかないとインカレは厳しいのかなと。(リーグ戦の感想)1年目からプレイタイムを与えてもらって先生から求められていることもハッキリしていたので、出た時に頑張れました。自分の目標とか役割がはっきりしているのでモチベーションが上がりましたし、このリーグはすごくタメになりました。(準優勝という結果については)本当は青学に勝って優勝したかったんですけど、最後日大に2連勝出来たっていうのがチームでも一致しているんですけど、インカレに繋がってくる大事なことだったので良かったと思います。(インカレに向けて)インカレは今年東京開催で人もたくさん見に来てくれると思うんで、絶対日本一になって終わりたいです。

日大・川島監督

(慶應の印象は)慶應は一生懸命、一人一人が自分の持ち味を出そうっていう意識があってファイティングスピリットも非常に高いので、ちょっと点差を離されると一気にやられてしまう勢いのあるチームです。(対策は)あの早い攻防に対してどうするかっていう感じだったんだけど、さすがに一枚上だね向こうの方が。(インカレぶりの公式試合だったが)慶應はガードとフォワードとセンターがしっかりしてるし、キャプテンの二ノ宮君が怪我して、やっと復帰ということで、チームをまとめる力と自分の責任というものが出てきているんで脅威ですよ。

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