【ソッカー男子】第2節 エースと期待の新星が今季初ゴール!2連勝で好発進 駒大戦

開幕戦で法大に快勝を収めた慶大は、同じく初戦で白星を飾った駒大と対戦した。序盤こそロングボールを中心とした攻撃に苦しめられたものの、29分に松木駿之介(総1・青森山田高)からパスを受けた端山豪(総4・東京ヴェルディユース)が先制点をゲット。その7分後にも松木がヘディングで決め、リードを2点に広げた。後半はセットプレーから追撃を許したが、そのままのスコアで逃げ切りに成功。大黒柱と新鋭の活躍もあり、チームは開幕2連勝を収めた。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第2節

 

2014/4/11(土)11:30KO@駒沢オリンピック公園総合運動場

 

慶應義塾大学2-1駒澤大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

〔慶〕29分端山豪(松木駿之介)、36分松木駿之介(端山豪)

〔駒〕71分宮坂瑠(平野篤志)

 

◇慶大出場選手

 

GK宮原隆志(経4・武蔵高)
DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)
DF望月大知(環3・静岡学園高)
DF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)
DF井上大(総3・國學院久我山高)
MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)
MF端山豪(総4・東京ヴェルディユース)
MF加瀬澤力(総3・清水東高)
MF松木駿之介(総1・青森山田高)→73分 手塚朋克(環2・静岡学園高)
FW渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)→77分 黄将健(総4・近畿大学附属高)
FW山本哲平(政3・國學院久我山高)→88分 森下翔馬(総3・大阪桐蔭高)
 

 

慶大は前節からメンバーを1人変更。田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)に代わって渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)が先発したほかは、同じ布陣で試合に臨んだ。

 

この日のスタメン

この日のスタメン

雨で濡れたピッチに足を取られる選手が多い中、最初にチャンスを作ったのは慶大だった。開始早々の3分に松木がドリブルでゴールに迫ると、続く11分にはCKから山本哲平(政3・國學院久我山高)がシュートを放ったが、いずれも得点には至らない。その後は、ロングボールを中心に攻め込む駒大に苦戦。持ち味である速攻を封じられ、ペースをつかめない時間帯が続いてしまう。それでも、慶大は29分に試合を動かす。端山が左サイドの敵陣深くに絶妙なスルーパスを通し、松木を経由してボールは再び端山のもとへ。タイミングを見計らってミドルシュートを放つと、これが鮮やかにネットを揺らした。昨季に引き続き「堅守速攻」を掲げながらも、このゴールは“パスワーク”からもたらされ、新たな得点パターンを見せた。すると慶大は、直後の36分にも得点を奪う。ペナルティエリア付近で端山が絶妙なクロスを送ると、中央で松木が反応。「感触が良かった」と本人が振り返るように、強烈なヘディングシュートがGKの手をはじき、ゴールに吸い込まれていった。そして同時に、これがうれしい公式戦初ゴール。1年生の活躍で勢いに乗った慶大が、優勢のまま前半を折り返した。

 

勝利に導いた端山(左)と松木(右)

勝利に導いた端山(左)と松木(右)

交代枠を使わずに後半を迎えた慶大だったが、一転して劣勢に立たされてしまう。50分にはCKから至近距離でシュートを打たれるも、ゴールライン寸前で山田融(総4・横浜F.マリノスユース)が間一髪クリア。ファインプレーでチームを救った。それでも流れを変えられずにいると、71分にはペナルティエリア脇でFKを与え、最後は宮坂にゴールを奪われてしまう。追撃を許した慶大は、すぐさま決定的なチャンスを迎える。加瀬澤力(総3・清水東高)が狙い澄ましてシュートを放つも、クロスバーに嫌われて得点ならず。終盤は疲れの見えてきた前線の選手を積極的に替え、チーム全体の活性化を図った慶大。押し込まれながらも、ディフェンス陣を中心に最後まで集中力を保ち、逃げ切りに成功した。

 

 

初先発となった渡辺

初先発となった渡辺

開幕から2連勝と、好調な滑り出しを果たした。その要因として、先制点を奪えている影響が大きい。「堅守」で相手の攻撃をしっかりと受け止め、逆に相手が前掛かりになったスキを「速攻」で突くことができるからだ。その意味でここまでは、「勝つべくして勝っている」と言えるかもしれない。だが、勝因はそれだけではない。連勝スタートの裏には、影の立役者がいる。

その正体とは、「リサーチ班」と呼ばれる人たち。毎試合、対戦相手の特徴を入念に調べ、勝つための秘策を練り続けている。その結果、「研究通りだった」(渡辺)。日頃のピッチ外での努力が実を結んだ形となった。そして、中3日で迎える次節は、昨季のインカレ王者・流経大が待ち受ける。「チーム全員が良い準備をして次のゲームを迎えたい」(渡辺)。一体となって強豪相手に勝利をもぎ取り、さらに波に乗りたいところだ。

 

(記事 木下彰)

 

試合後のコメント

 

山田融(総4・横浜F.マリノスユース)

 

(連勝スタートとなりました。今日の試合を振り返って)チームとして(関東リーグ)優勝を掲げている中で、一戦一戦目の前の試合に勝つことだけを、監督含めチーム全員で共有できているので、連勝できたことより、“今日”勝てたことが嬉しいです。(ご自身のポジショニングで意識していたことは)リサーチ班が相手のウィークポイントを整理してくれた結果、セカンドボールを拾った後に、中盤にスペースができやすいということだったので。そこを突けるような位置取りは意識しました。(後半の戦い方について)失点してしまいましたけど、90分のゲームの中で苦しい時間帯は少なからずありますし、昨季はそこで失点を重ねて勝ちを逃したことも多かったので。今日は粘って勝ち点3を取れたので、成長した部分かなと思います。(次節に向けて)真面目に、そして謙虚に勝利を目指して、120%の力を出せるように頑張りたいと思います。

 

端山豪(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)終盤押し込まれて厳しい展開になったのですが、しっかりここで勝ち点3を取ることが出来て良かったと思います。(ご自身のゴールを振り返って)自分がパスを出して、前に行ってそこでしっかりシュートを打てたので、良い形ではあったのですが、得点シーンの形云々より1点取ってチームを勝利に導くことが出来たことの方が嬉しいです。(相手の印象は)得点シーンの形(セットプレー)が相手の武器ですし、それが分かっている上でやられてしまって、自分たちの甘い部分が出てしまったのかなと思うので、その課題をしっかり修正していけたらいいと思います。(次節に向けて)今日のことは忘れて、また次の試合で勝ち点3が取れるように、改善点を改善したり、攻撃の質を向上させたりしていきたいです。

 

宮原隆志(経4・武蔵高)

(今日の試合を振り返って)後半に押し込まれる時間が結構長くて厳しい試合だったんですけど、みんなよく頑張ってくれたので勝てて良かったです。(失点シーンについて)相手がヘディングが強いのは分かっていたのでそこでやられてしまったのは悔しいです。(2-0になってからのチームの戦い方は)2-0ですけど受け身にならずに、自分達の戦い方ができるようにギャップをうまく使って攻撃を仕掛けていこうと話していました。(次戦に向けて)連戦なんですけど、今日弾みをつけられたのでこれからも勝っていこうと思います。

 

井上大(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)スカウティングの人たちから7番と9番がキーマンだと聞いていて、7番が自分とマッチアップする選手だったので、そこを止めなくてはと思っていました。でも完璧に止められたわけではなくて、失点のシーンも自分がニアで触らなくてはいけなかったので、反省することばかりですね。(次の試合に向けて)今までの2試合と同じようにリサーチの人たちと協力して、100%を出し切って勝ちたいです。

 

加瀬澤力(総3・清水東高)

(今日の試合を振り返って)しっかり勝ち切れたというのが一番大きいかなと思います。(相手の印象は)すごいシンプルに駒大のスタイルを貫いてきているなと感じました。(惜しい場面が多くありましたが、個人のプレーはどうでしたか)半年公式戦から離れていて、やっと慣れてきたなという感じで、ちょっとずつ合ってきているので次の試合も自分自身に期待して調整したいです。(次節に向けて)総力戦になると思いますし、自分自身はとにかくコンディションだけ整えて、良いパフォーマンスができるようにまた今からしっかり準備したいです。

 

溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)

(今日の試合を振り返って)先週に続いて、僕たちのやりたいことをとにかくやろうというサッカーで、相手が蹴ってくることは分かっていたので、なるべくラインを下げすぎずに、また自分たちも去年のように蹴り合いにならないように、しっかり繋ぐところを繋ぐというイメージで臨んだので。1失点したセットプレーはもっと締めるべきだったとは思いますけど、最終的に勝てたので、それは良かったと思います。(個人としては)相手がおそらく僕のところを防ぎに来て、サイドハーフを高い位置でサイドバックを上がらせないようにわざとしてたのは前半のうちに分かりました。もっとボールを右サイドに呼び込めればと思ったんですけど、無理せずに前半に早い時間で1点取れたので。僕としては守備にしっかり重心を置いて安定しながらプレーすることを意識したので、その点は良かったですけど、僕的にはまだ物足りないですしもっとやらないと、という感じです。(後半、繋ぐところでミスがあって攻め込まれるシーンがあったが)そうですね。でもそこはやっぱり蹴ってしまうことが去年の良くなかったところなので、あそこはミスもありましたけど、逆にうまくいっているシーンもあったので。そこは追求して、あまり悲観的にならずに、精度を上げるという意味でやれれば良いかなと思います。(そこは次に向けた改善点か)そうですね。

 

宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)

(今日の試合はどんな意気込みで臨まれましたか)初戦のことは忘れて、今日の試合に勝つことだけを考えてプレーしました。(今日の試合を振り返って)DFとしては無失点で抑えられなかったことが反省点です。セットプレーを与えてしまったところに自分の甘さが出たかなと思います。今後そこは受け止めて修正していきたいと思います。(攻撃面では2得点しましたけれども、良かった点は)チームとしての戦い方を徹底したこと。ルーキーの松木も決めてすごく嬉しいですし、こうやってみんなが切磋琢磨してチームが強くなっていけば良いなと思います。(相手の印象は)どういうサッカーをやってくるかは分かっていたので、あとは自分と9番の勝負、そこは勝てたと思います。(今日の試合を受けて、ご自身の中で改善していきたいと思う点は)個人的なセットプレーを与えてしまったところと、ライン統率というのは自分の仕事なので、そこはもっとリーダーシップを取ってチームをまとめていけるようにしたいです。(最後に次戦に向けての意気込みをお願いします)自分たちは挑戦者なので、驕りの気持ちなく次の試合も100%全力で戦いたいと思います。勝ちたいです。

 

望月大知(環3・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)前半にさい先よく2点先制できたんですけど、後半は苦しい展開になって、その中で勝ち切れて良かったです。(開幕から連勝となりましたが)連勝できたのは良いんですけど、まだ22試合のうちの2試合が終わっただけなので次の試合に向けて切り替えたいです。(今季初失点を喫したが修正点は)駒大はセットプレーが強いと分かっていたので、簡単にファールをしないことと、中ではね返せば失点しないので、マークの修正もしっかりやりたいです。(次節に向けて)次節はインカレ王者の流経大とやるにあたって、チャレンジャー精神を持ちつつ、相手に気持ちで負けたらダメなので、果敢に攻めていきたいです。

 

山本哲平(政3・國學院久我山高)

(開幕2連勝を飾った率直な感想)優勝を狙っているので、良いスタートダッシュが切れたかなと思います。(今日の試合を振り返って)相手はロングボール主体で競り合いが強かったので、セカンドボールのところをもう少し拾えたら、もっと楽に進められたかなと思います。(前節3得点、今節2得点の攻撃面について)去年は失点を減らすということで、守備に重点を置いてやってきたんですけど、今シーズンはそれプラス攻撃面の練習をして点を取れているので、練習の成果が出ているのかなと思います。(1失点してしまったが)そうですね。あれも集中が少し切れてしまったかなという印象です。(次節連戦になりますが)今日は点を取れなかったので、次は取れるようにやっていきたいです。

 

渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)

(開幕2連勝となりましたが、今日の振り返りをお願いします)リサーチを含めて駒大の戦い方も研究通りでしたし、そこで相手の弱点をしっかりと突けて、このような結果になったと思います。非常に良いゲームだったと思います。(今日の自分の役割は)相手のセンターバックと中盤との間にギャップができるので、そこでしっかりとボールを引き出して、落ちつけてサイドにはたくということが仕事でした。(2-0のときのチームとしての戦い方は)基本的には3点目を狙いに行くけれども、しっかり失点をしないようにという流れだったのですが、そのあと結局1点取られてしまって。ただその後の慶大としての戦い方が良かったので、そのまま相手が勢いに乗っていて2-2にもなり得たと思いますが、しっかり集中して守り切って2-1というスコアで終われたことは、素晴らしいことだと思います。(流経大戦に向けて一言)チーム全体として戦っていきますし、今日も試合が終わった瞬間から次の試合のイメージをしていますし、チーム11人とサブの選手も含めてチーム全員が良い準備をして(次の)ゲームを迎えたいと思います。

 

松木駿之介(総1・青森山田高)

(今日の試合を振り返って)ピッチにいた選手もベンチも応援隊も総力戦で勝ち取った勝ち点3だと思うのでまた切り替えて、水曜日の流経大戦も勝って3連勝できたらいいなと思います。(得点シーンを振り返って)(端山)豪くんから素晴らしいクロスが来て、ヘディングには自信を持っているのでいつも通り合わせるだけで、感触の良いゴールでした。(1年生ながら先発で出場しているが、慶大ソッカー部に慣れましたか)2月からやらせてもらっていて、先輩方が伸び伸びとやらせてくれるので、本当に助かっています。(次節に向けて)次の流経大戦に勝つことが本当に力があるということですし、3連勝となればそのまま波に乗れると思うので次の試合が本当に重要だと思っています。

 

 

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