「アミノバイタル」カップ2015 第4回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 1回戦
2015/5/30(土)12:30KO@時之栖スポーツセンター裾野Dグラウンド
慶應義塾大学2-2(延長0-0、PK1-2)明治学院大学
【得点者(アシスト者)】
慶:69分 黄将健(PK) 90+4分 松木駿之介(渡辺夏彦)
明学:64分 中田昌吾 75分 鳥谷部嵩也
◇慶大出場選手
GK宮原隆志(経4・武蔵高) |
DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)→105分 手塚朋克(環2・静岡学園高) |
DF久保飛翔(環4・済美高) |
DF望月大知(環3・静岡学園高) |
DF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース) |
DF井上大(総3・國學院久我山高) |
MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)→37分 黄将健(総4・近畿大学附属高) |
MF端山豪(総4・東京ヴェルディユース) |
MF小谷春日(環1・藤枝東高)→61分 松木駿之介(総1・青森山田高) |
MF渡辺夏彦(総2・國學院久我山高) |
FW山本哲平(政3・國學院久我山高) |
試合開始から、主導権を握ったのは慶大だった。何度もCKのチャンスを得ると、キッカー端山豪(総4・東京ヴェルディユース)から宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)や久保飛翔(環4・済美高)が頭で合わせ先制を狙う。慶大は、セットプレーから得点を予感させる場面が続き、相手に隙を与えなかった。37分、アクシデントで山田融(総4・横浜Fマリノスユース)がピッチを出ると、黄将健(総4・近畿大学附属高)が送り込まれ、渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)が低い位置でプレーする。するとその渡辺が、44分、CKからこぼれ球に反応し、PA手前からシュートを放った。しかし、これはポストに阻まれ惜しくも得点に至らない。するとその直後、山本哲平(政3・國學院久我山高)がPA内で倒されPKを獲得。山本自らが蹴るが、相手GKに抑えられてしまい、前半はスコアレスドローで終えた。
気持ちを切り替え、迎えた後半。しかし、東京都リーグから全国の切符をつかみたい明学大もチャンスを仕掛けてくる。61分、小谷春日(環1・藤枝東高)に代え、同じく1年の松木が入る。攻撃に厚みを持たせたい慶大だったが、63分渡辺のファウルでFKを献上すると、ボールは高い壁を越えゴール右隅に吸い込まれ、先制点を許してしまった。しかし慶大は69分、ゴール前の混戦から相手のハンドを取り本日2度目のPKを獲得すると、キッカー黄がこれを落ち着いて決め、試合を振り出しに戻した。しかし相手の反撃は止まらない。73分、相手28番が中央を抜け出すと、溝渕雄志(環3・流通経済大学附属柏高)が対応するもなお抜け出され、シュートされたボールに宮原隆志(経4・武蔵高)が手を伸ばすがあと一歩届かず、ゆっくりゴールに入り追加点を許してしまった。ATに突入してもなかなかチャンスを決めきれない慶大は、このままリードを許したまま終えるかと思われたが、試合終了間際90+4分に松木が魅せた。混戦になったゴール前で渡辺からのボールを持つと、一瞬ためてネットの隙を狙い見事追いついた。土壇場の同点弾で望みをつなぎ、決戦は延長に持ち越された。
チーム全員で円陣を組み、士気を高め、10分×2本の延長戦がスタートした。93分、山本のシュートは惜しくもゴール上へ。しかし、99分にサイドを突破されるが、望月大知(環3・静岡学園高)や久保を中心に守り切る。延長後半に入り、溝渕に代わり手塚朋克(環2・静岡学園高)が入ると早速右サイドをドリブルで仕掛け、山本につなぐ。山本が鋭いシュートを放ち、相手を脅かすも、これはゴールわずか右に逸れてしまった。その後、相手の攻撃にも宮原が好セーブを見せ、両者得点を譲らず延長戦の20分はあっという間に終了。
110分の激闘を終え、試合はPK戦へ。先攻は慶大。1人目のキッカー渡辺のボールはゴール上へ浮いてしまうが、続く明学大選手のボールは宮原がセーブし振り出しに。2人目は黄が2度目のPKを落ち着いて決め、相手選手も成功。ここから両チームの守護神がファインセーブを見せる。慶大3人目、4人目の端山と久保はどちらも明学大のGK小林に止められたが、我らが守護神宮原も同様に成功を許さない。しかし、迎えた5人目のキッカー宮地も小林に抑えられ、明学大5人目の廣瀬が決めた。この瞬間、慶大の1回戦敗退が決定してしまった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
渡辺 | 黄 | 端山 | 久保 | 宮地 | |
慶大 | × | ○ | × | × | × |
明学大 | × | ○ | × | × | ○ |
田村 | 斎藤 | 新井 | 鳥谷部 | 廣瀬 |
昨年のアミノバイタルカップでは、他の関東1部リーグの強豪チームが敗退していく中、3回戦まで駒を進めた。3回戦の青学大戦では、今回同様延長戦まで戦いが続き、惜しくも全国大会出場を逃す。今年こそは、全国の舞台を経験し自らのチームの成長につなげたいと臨んだ今大会であった。しかし、負けたら終わりの短期決戦で、延長、PK戦を経てまさかの1回戦敗退。選手たちは肩を落とした。
だが、あくまで今季は「リーグ戦の優勝が目標」(須田監督)。前期リーグ、残すは現在首位につく国士舘大戦のみだ。全員で向かう目標達成まで、リーグ戦も折り返し地点まで迫っている。今カップ戦の教訓をもとに、もう一度チームのベクトルを合わせることが重要であろう。
(記事 池田麻里子)
◇試合後コメント
須田芳正監督
(今日の試合を振り返って)慶大にとってはいいゲームではなかったです。なんとか引き分けまで持ち込んだけれど、相手のペースでしたし、負けゲームでした。(ハーフタイムなど、選手にはどのようなことを声かけましたか)前半に融(山田選手)がアクシデントで、そこのポジションが交代しなければならないということで、夏(渡辺夏彦選手)を下げたのですが、守備のところでなかなかいいポジションを取れなかったというのは一つあったかなと思います。こういったカテゴリーの下のチームとやるときは、PKを外してしまったり、ポストに当たったりということが多いので、ネガティブな気持ちにならないようにやろうということは、ハーフタイムに話しました。あとは、もうちょっと裏への動き、ギャップでの動きだったり、つねに前へ前へではなくて、もう少し幅を持たせてボールを繋ぐときはしっかりつなぐというようなことを話しました。(PK戦に入るときは)PK戦に入った時はもう何も言わなかったです。蹴りたい人が、という感じでした。PKは難しいですね。メンタルの部分も大きいと思いますし、キーパーに全部キャッチされてしまったので、ある意味仕方ないです。今日のゲームは相手の方がよかったですし、レベルも基本的にはカテゴリーが下なだけであって、能力はあまり変わらないです。これを教訓にして、我々はリーグ戦の優勝が目標なので、次は大事な国士舘大戦があるのでそれに向けてやるだけです。もう割り切って、夏場もトレーニングする時間がたっぷりあるので、後期に向けてもいい準備ができるように、前向きにとらえてやっていきたいなと思います。
久保飛翔主将(環4・済美高)
(今日の試合を振り返って)負けてしまって今思うのは自分たちが弱いからこういう試合で勝てないんだなと思っていて、やっぱりこの試合に向けての準備だったりとか、そういう中で奢りがあったのかもしれませんし、宿舎での過ごし方であったり、もっと試合に向けてベストな準備が出来たんじゃないかなというふうにも思いましたし、ホイッスルが鳴ってからの勝ちたいという気持ちも相手の方が上だったのかなという印象はあります。(次の試合までは少し時間が空くが、この時間をどう過ごすか)まずは今日なんで負けたのかというのを僕自身もそうですし、1人1人が心の整理をするというか、もう1回考え直すというか、試合を見ながらそういうのは必ずやっていって、終わったことは仕方が無いので、今日を良い教訓にして、国士大との大事な試合もありますし、早慶戦もありますし、天皇杯もありますし、どんどん大事な試合が続いてくるので、そういうところで今日みたいな過ちを繰り返さないというか、今日みたいな試合を絶対勝ち取れるようなチームを目指さなければいけないのかなというふうに思います。
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