春季大会4戦目の相手は青学大。慶大はここまで負けなしと勢いに乗っており、今試合も勝利が期待された。結果は38対15で慶大の勝利。ハンドリングエラー、パスミスが目立ちチャンスを逃す場面も見られたが、スピードのあるラグビーを展開し、見事4連勝を飾った。
関東大学春季大会B vs 青学大
2015/5/31(日)13:00K.O.@慶大日吉グラウンド
得点 | ||||
慶大 | 青学大 | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
3 | 3 | T | 1 | 2 |
2 | 2 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
19 | 19 | 小計 | 5 | 10 |
38 | 合計 | 15 |
T=辻、松村、南、田畑、清水、澤根
G=青井4
出場メンバー | ||
ポジション | 先発メンバー | 交代選手 |
1.PR | 堀切 厚輝(環3・國學院久我山) | →17 細田 隼都(商2・慶應) |
2.HO | 松岡 大介(環3・小倉) | →16 末永 晃司(商4・慶應) |
3.PR | 八木 悠太朗(経4・慶應) | |
4.LO | 佐藤 大樹(総2・桐蔭学園) | |
5.LO | 辻 雄康(文1・慶應) | |
6.FL | 廣川 翔也(環3・東福岡) | |
7.FL | 徳永 将(商4・慶應) | →20 岩本 龍人(政4・國學院久我山) |
8.No8 | 松村 凜太郎(商2・慶應) | |
9.SH | 南 篤志(総4・清真学園) | →21 中鉢 敦(経3・慶應) |
10.SO | 矢川 智基(環4・清真学園) | →22 渡辺 宗一郎(商4・慶應) |
11.WTB | 清水 祐輔(環3・明和) | |
12.CTB | 青井 郁也(商2・慶應) | |
13.CTB | 田畑 万併(環4・桐蔭学園) | |
14.WTB | 佐野 航太(政4・慶應) | |
15.FB | 楠本 遼(経3・慶應) | →23 澤根 輝賢(総4・佐倉) |
試合は慶大のキックオフで始まった。序盤は両校とも流れにのれずローテンポな展開で進む。試合が動いたのは前半8分。敵陣のゴール付近でラインアウトを獲得すると、そのままモールを形成し、FL徳永のトライで先制点を奪った。その後は、相手ディフェンスのプレッシャーが強く、慶大ボールとしても、なかなか自陣を抜け出すことが出来ない。しばらく攻防が続いたが、一瞬のターンオーバーにディフェンスのセットが追いつかず、前半16分トライを許してしまう。慶大はその後フェーズを重ねるも得点には結びつかない。チャンスが訪れたのは前半20分。CTB田畑がディフェンスをかわし大幅なゲインに成功すると、早いパス回しを重ねWTB清水がトライを決めた。このままリズムを掴むかと思われたが、相手陣でのプレーは続くものの、青学大のディフェンスは厚く簡単には破ることが出来ない。青学大の特徴でもある、「ディフェンスが前に出てきてプレッシャーをかけてくる」(SO矢川)プレーに苦戦を強いられる。しかし前半30分、SH南がディフェンスをかわしながら22mラインからの独走ランを繰り広げると、そのままゴールポスト付近にトライを献上。その後は自陣でのプレーが続いたが、守りきり、相手を1トライに押さえ19-5で試合前半は終了した。
選手を多く入れ替えて迎えた後半。慶大ペースとはいえない立ち上がりで、開始5分、ゴール手前の青学大ラインアウトからトライを許してしまう。しかし慶大も、ターンオーバーのチャンスを逃さず、タックルでルーズボールを得た田畑がトライ。さらに難しい角度のコンバージョンキックも青井が決め、7点を返す。このトライから慶大は流れを掴み、個々人がランし縦へ突破する場面が目立つようになる。「オフェンスは良いテンポで出来た」(矢川)と勢いに乗った慶大。後半12分には、広くボールを展開すると、SH中鉢からパスを受けたLO辻がトライする。青学大も反撃に出る。後半18分にトライを許すと、流れは青学大に。慶大は自陣で釘づけになる時間が続き、一瞬のチャンスで相手陣に攻め込むもミスが目立ち得点には繋がらない。一進一退の攻防が続き苦しい時間を強いられる。このまま試合終了かと思われた、後半40分。田畑がタックルで抜けると、清水からフォローに走っていたWTB澤根がパスを受け、トライ。コンバージョンキックも決まり、ダメ押しの7点を追加した慶大は、38―15で勝利した。
今試合で目立ったのは個人のフィットネスの強さ。ランを基調とし、それぞれが縦へ突破する姿が印象的だった。トライゲッターが全員異なることは、今季行われてきた試合の特徴ともいえる。その一方で、ランに対してのフォローが追いついていかないシーンもしばしば見られた。あと一歩の得点に結びつかず、「トライが近いところでミスが起こってしまった」(澤根)。今後はチャンスを確実にものにする決定力が求められる。また、今季課題としているディフェンス面では、相手のカウンターアタックに対し迅速な対応が追いつかない場面が目立った。アタックに勢いがあるだけに、ディフェンスの修正こそが、完封勝利への大きな鍵となるだろう。次戦は春季大会最終節となる筑波大戦である。ここまで春季大会負けなしの慶大。春季大会の集大成として慶大らしいラグビーを発揮してほしい。
【ケイスポ的MOM】愚直なタックルでトライを支える CTB田畑
昨年度は大学選手権出場も果たし、今季CTBの要として定着しつつある田畑。今試合では、80分間フル出場で多くのタックルを放ち、その存在感を際立たせた。自身でトライを決めたことはもちろん、「トライを支える良いタックルが出来た」と、愚直に攻め込むプレーで、相手のディフェンスラインを割りチームの得点に大きく貢献した。慶大のトライ獲得の影には彼の存在が欠かせない。
(記事・室塚あす香)
コメント
矢川智基主将
(試合を振り返って)自分たちでミスを招いて、イージーなディフェンスがあって失点につながるという、内容は良くない試合でした。(ディフェンス面、アタック面を振り返って)ディフェンス面ではイージーなミスが多くてそこをしっかり修正しないといけないと感じました。オフェンスは良いテンポでやることが出来たんですけど、キャリアのところで軽いパスや高めに当たってしまったところを切られたりだとか、ボールを奪われてしまったりだといったミスがあったので、そこは来週の試合に向けて改善したいなと思います。(今日のチームのまとまりは)まあまあでしたね。そんなに良いとはいえない印象でした。(青学大の印象は)毎年そうなんですが、ディフェンスが前に出てきてプレッシャーをかけてくるチームでしたね。(次戦に向けて)今日勝って反省が出来ているのはすごく良いことなので、来週の試合までに、限られているとは思うんですけど、直せるところはしっかり直して、次も勝ちたいと思います。
辻雄康
(今日の試合を振り返って)今日は初めてのスタメン出場で、すごく緊張したんですけど、自分の持ち味であるボールキャリーを少しでも見せることが出来たのでよかったです。あとは、前回低いタックルを意識していたのですがダメだったので、今回それを改善しようと意識したんですけど、やっぱりタックル回数が少なかったので、もう少し運動量を上げて、慶應のベースにある低いタックルというのを意識して次出来たらいいと感じました。(チームのアタック面について)アタックでは、少し自分たちのミスでペースを崩しているところがあったので、そういうところのミスを少なくして、バックスとオーダーともっとコミュニケーション取りながらアタックが出来ていればあまりミスはなかったと思います。(チームのディフェンス面について)低く入れているところもあったんですけど、体力的にコミュニケーションを取れていなくてディフェンスが崩壊しているところがあったので、もう少しコミュニケーションを取りながら、やっていることを出せればいいと思います。(次節が春季大会最後になりますが)もっと自分的には運動量を上げて、課題である低いタックルをもっと出来るようになって、スタメン定着を狙いたいと思います。
田畑万併
(今日の試合を振り返って)今日の試合は、自分たちのミスで上手くいってなかった部分が前半あって、それを早く修正したかったんですけど、なかなか修正できなくて苦しい時間が続いたなという感じでした。(ディフェンス面の出来は)外側を何回もきられるところがあって、そこを守りきったことは良かったんですけど、セットできてないのでそこを修正しないといけないなと感じました。(アタック面は)個人的にはゲインできたところもあったんですけど、全体としてはブレイクダウンが悪くてボールがキープできていなかったので、そこを直したいなと思いました。(ご自身のタックルの出来は)最初のほうは良いタックルが入ったんですけど、後半のほうは一本いかれてしまったので全部とめないといけないなと。まだ完璧じゃないですね。(トライシーンを振り返って)自分のトライのところはラッキーでもらったので。でも、その後の最後のトライは、トライを支える良いタックルが出来たのかなと思います。(ご自身の良かったところ)タックルですかね。結構体の強さとかランコースで相手を抜くことが出来それが出来て、起点となってトライがとれたと思ったのでそれは良かったと思います。(次戦に向けて)外にふったときのブレイクダウンを直して、もっと簡単にトライがとれるようにこの一週間で直して、次の筑波大戦で勝ちたいと思います。
佐野航太
(今日の試合を振り返って)前半は自分たちのミスでゲームを崩してしまって。後半も流れを変えようと思って手堅く行こうというのは心がけていたんですけど、トライが近いというところでミスが起こって、また自滅してしまって、ターンオーバーされて、全部苦しい展開に持ってきてしまったんで、自分たちのプレーで自分たちを苦しめたという感じですね。(ご自身の出来については)かなり前半は焦ってしまって、ボールを前に運ぼう、繋ごうというのを意識していたんですけど、球際のところでミスが多かったです。そこは次の試合までに修正していこうと思います。(チームのアタック面としてはやはりミスが多かったという印象か)そうですね。もっと継続して僕らの走るラグビーをやろうというのを今週ずっと言っていたので、そこがちょっと出来なかったです。(ディフェンスに関しては)ディフェンスも自分たちのミスから相手のアタックが始まっていたので、それでディフェンスが整備出来ていなくて、その間を上手く突かれたという感じですね。そこもしっかりコミュニケーション取りながら、早くセットするとか、そういうことを意識して今週やっていこうと思います。(次節が春季大会最後になりますが)筑波大は強い相手で、ここで結果が出るか出ないかはたぶん今シーズンの結果にもかなり大きく影響してくると思うので、秋に繋げるためにも、まずは自分たちのラグビーをしっかりした上で勝ちたいと思います。
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