【女子バスケ】王者を相手に貫いた戦う姿勢! 早慶戦女子本戦

男子戦に先立って行われた第58回目となる伝統の早慶戦女子本戦。日本トップクラスの強さを誇る早稲田にどれほど自分たちの強みを見せることができるのかに注目が集まった。大きな実力差を前にしても、最後まで立ち向かい、懸命に闘う姿を見せてくれた慶大。結果は大敗であったが、昨年より30点も失点を抑え、7年ぶりに100点ゲームを阻止するなど、彼女たちは確かな成長の跡を代々木第二体育館に残してくれた。
2014/06/07() 代々木第二体育館
第72回早慶バスケットボール定期戦 女子本戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 12 12 37
早大 28 21 23 26 98
通算26勝33敗 
慶大スターティングメンバー
  選手名(背番号・学部・学年・出身校)
PG #4虎岩里佳(商4・慶應女子高)
SG #5 酒井亜弥(看4・愛知淑徳高)
SF #8中村実里(文3・八雲学園高)
PF #9石原早織(経3・日比谷高)
C #11 保坂淑恵(経3・豊島岡女子学園高)
 

積極的なペネトレイトを見せる酒井

積極的なペネトレイトを見せる酒井

  始まった第1Q。試合開始から1分を過ぎても強固なディフェンスで早大に得点を決めさせない。ロースコアゲームで試合が進む中、何とか得点を決めたい慶大であったがなかなかシュートにはつながらず無得点のまま4分以上経過してしまう。しかしここで、亀田(文2.雙葉高)が早大に一矢報いる3Pを決めこの試合初得点をあげる。その後、酒井がスティールで相手からボールを奪い中村、石原へとパスをつないで得点を決めるなど、徐々にリズムをつかむ慶大。しかし、早大がオールコートディフェンスを開始したためその強力なプレスを打ち破ることができないまま5-28で第1Qを終えた。   第2Q に突入するすると立ち上がりからに流れをつかまれてしまう。些細なミスから連続でターンオーバーからのシュートを許してしまいなかなか攻撃のチャンスを掴むことができない。井ノ本(商1・四天王寺高)がリバウンドを奪うなど慶大もわずかなチャンスを無駄にしないために果敢に奮闘するも防戦一方となってしまう。ここで早稲田は選手を全員入れ替えるものも、攻撃の手を緩めようとしない。そこでこちらが流れを変えようとタイムアウトをとると、その作戦が功を奏し中村が爆発する。3本の3Pシュートを決めるなど1人で11得点を決め、大きく広がってしまった点差を徐々に縮めていく慶大。井ノ本がフリースローを決めれば、酒井もスティールで相手の隙をついてゆく。ディフェンス面でも後半の約3分間相手に得点を許さず、拮抗した試合展開で前半を終えた。

中村の高いオフェンススキルには早大ディフェンスも手を焼いた

中村の高いオフェンススキルには早大ディフェンスも手を焼いた

そして始まった後半戦。序盤から前半と同じように早大に食らいつこうと懸命のディフェンスをみせ、粘りのバスケでこれ以上点差を広げさせまいと相手にシュートを決めさせない。そして後半第2Qからの勢いそのままに両チームの中で最初の得点を決めたのが中村であった。このままこちらのペースで試合を進めない慶大だったが、そこはやはり女子バスケ日本1位の強豪校。その後なかなかリズムがかみ合わず、スティールされたりパスがつながっていなかったりとなかなか得点までつなぐことができない。逆に一瞬のスキを突かれ相手に連続でクイックシュートを決められてしまう。しかし中盤に差し掛かり、中村が今日5本目となる3Pを決めれば、保坂も大会初得点となるシュートを決め着実に得点を加算していく。   そして迎えた最終ピリオド。保坂が果敢なオフェンスで貴重なフリースローを獲得するとこれを着実にきめると、その直後リバウンドを奪うなど攻守にわたって躍動する。だがフィジカルで勝る相手のディフェンスを突破することができず、シュートまで攻めきることができない慶大にとっては我慢の時間帯が続く。石原が貴重な得点を決めるものも、その後の得点が続かずに終始相手のペースで試合が進んでいく。この流れを打ち破るように決まったのが、酒井のシュートだ。ここから酒井、井ノ本とパスがつながりそれが得点に結びついたり、石原が3P を決めたりと徐々にリズムに乗り始める。試合終了間際には酒井が着実にフリースローを決め少しでも点差を縮めようと奮闘するも、やはり早大の壁は高く最終スコアは37-98で伝統の一戦の早慶戦の幕は閉じた。 1部と4部という確実な実力差はあったものも、昨年までの7年間100点ゲームとなってしまっていたことを振り返ると、この1年間での成果が実感できる試合となった。「逃げたプレーや弱気なプレーじゃなくて、やっぱり強い相手だからこそ向かっていこうということを意識してやってきた」(酒井)という言葉通り、最後まで気持ちを切らずに戦った彼女たちのプレーは代々木第2体育館に集まった多くの観客を熱狂させた。この対戦で得た成果や課題を秋のリーグ戦で発揮し、念願の3部昇格を勝ち取ることを期待したい。 (記事:水戸部友美)   酒井亜弥(看4・愛知淑徳高) (試合を振り返って)早稲田が1部で日本一ということで、勝ちにこだわるよりも、自分たちが今までやってきたことをどれだけ強い相手に通用するのかという部分を追い求めていまいした。逃げたプレーや弱気なプレーじゃなくて、やっぱり強い相手だからこそ向かっていこうということを意識してやってきて、ミスもあったんですけど相手に向かっていく姿勢というのは去年よりも見せられたかなと感じます。チーム的にも100点ゲームにならなかったのが7年ぶりということで、修正する部分はたくさんあったんですけど、早慶戦での収穫はあったので、それを次のリーグ戦に生かしていきたいなと思います。 (4年生として最後の早慶戦だったが)年々早慶戦に対する思いというものが強くなってきて、最後の早慶戦だから悔いのないようにというのは思っていましたし、個人としてもチームとしても4年間の中で1番満足のいく結果を残せたと思います。

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