――普段の活動は?ご自身のサッカー部における仕事の内容とは?
大山 水出しとか洗濯とか、普通マネージャーっていうと想像していただけるような雑務は、選手の一年生の役割なので基本的に練習ではやっていません。部の組織の運営や、リーグ戦や早慶戦定期戦の運営、800人を超えるOBとの関わり、HP、Twitterの更新など、多岐にわたって事務作業を引き受けています。
飯沼 主務の仕事って話だったけれど、実務は主に副務が行っていて、織井は実務の監督と、部の最高権力者というか、OBに出す手紙とかは全部織井の名前で出すし、私たちが新しいことをやろうとするときは織井に許可をもらわなくてはならないです。
織井 最近のでかい仕事は、ナオト・インティライミさんを早慶戦に呼んだことだね。
(※7月1日早慶戦当日、ハーフタイムショーに、ナオト・インティライミさんの出演が決定しました!)
――どういう経緯で今の役職につかれたんですか
杉山 サッカーが好きで、サークルを含めて見ていて、ここに来た時に、2個上の先輩から早慶戦の運営の話を聞いて、なんて素敵なんだろうと思って、ソッカー部に入部しました。
大山 中高のバスケ部で、プレイングマネージャーをやって、大学でもマネージャーをやろうと思いました。
飯沼 私はサッカーが大好きだったので入部しました。
織井 ソッカー部に入った理由は、選手として早慶戦に出場等の、大きなことを成し遂げたいと思ったから。大学三年生で副務になったんだけれど、どうしても実力的にトップチームで試合に出ることは難しかった。周りの人からも主務をやってほしいっていう風にすごく言われて、主務の先輩がチームの中心となっていろいろと動かしている姿がすごくカッコ良かったし、もしかしたら自分がこのチームで何かを成し遂げることができるのはこの立場においてなのかなと思って、主務と選手を両立してやることになりました。
――仕事やっていく中で大変なことは?
織井 女社会なんだよね(笑)。マネージャー部屋も女子ばかりだし、男と女じゃ通わない部分もどうしてもあって、苦しかった時期もあった(笑)。
大山 一瞬喧嘩した時期も去年あったよね
織井 確かに(笑)
飯沼 入って2年間は残留争いしていたし、ソッカー部って言っても、思ったより華やかではなくて、つらいことはたくさんあったよね。
杉山 残留争いした年は、とてもきつかった
飯沼 落ちたらどうしようっていう。プレーヤーは点を決めれば残留できるけれど、私たちはピッチに出て残留に貢献することは絶対にできないし、どうすれば勝ちにつながるんだろうって日々悩んでいた。
大山 選手とか監督は、マネージャーをよく理解してくれて部員の一人として扱ってくれたので、マネージャーをやっていたからきつかったということはなかったです。何度か理解しあえないこともあって、いざこざも起きたけれど、そのたびに話し合って、乗り越えてきました。
――今年のチームの印象は?
織井 まだまだ荒削りで、ゲームの内容は良いときと悪いときで振り幅が大きくて、課題がたくさんある。結果は出せているから、後期がとても楽しみ。キャプテンの久保飛翔(環4)が怪我したりとか、いろんな思いがけないことがあったけれど、良い順位に入れているから、伸びしろのある面白いチームだなと思う。上位とやっても、渡り合えるな、勝てるなって思う。
――開幕で勝ったときの、織井主務の表情が忘れられません。とても嬉しそうにしていましたが?
織井 開幕戦勝利はめちゃくちゃ嬉しかった。長いシーズンのたった一試合かもしれないけれど、今シーズンを占う試合だと思っていました。
飯沼 須田監督が、絶対開幕戦勝つぞって一ヶ月くらいずっとおっしゃっていて。
織井 関東優勝っていう目標を開幕前から掲げていて、でも正直いけるかなーと不安なところも大きかった。開幕戦で負けてしまうと、ピッチに出ている選手含めて120人の部員全員が、今年大丈夫かなーって不安に思ってしまうから、どうしても開幕戦勝ちたかった。勝って、今年のチームはいけるんだぞってことを示せたことがとても良かった。
――リーグ戦の早慶戦はいかがでしたか
織井 リーグ戦の早慶戦はいつも西が丘でやっているんだけれど、実は早慶両校の間で、アップ場をグラウンドの手前側で取れると勝てるっていうジンクスがある。今年はキックオフが11時30分で、俺らは8時50分に会場入りしてアップ場を取ろうとしたんだけれど、早稲田がもっと早く会場入りしていて、手前側を取られてしまったんです。試合の前の準備の段階から、あの試合では早稲田に負けていたなーと思う。不安を持ちながら試合に入ったら、早稲田が試合開始直後、ガンガン前からきて、押し込まれちゃって、気持ちの部分で負けてしまった。後半うちも反撃したけれど、相手が気迫を見せていたし、負けて納得というか、早稲田が一枚上手だったと思う。やはり早慶戦では、気持ちの部分でも早稲田を上回らなくてはならないなー、って改めて思えた試合だった。
――オフの日はどうしていますか?
大山 マネージャーは、一緒にいることが多いです。土日仕事をして、月オフでもまた一緒にいるみたいな。映画行ったりとか。
織井 本当に何もない日は、一日中朝から晩までソファとかベッドで寝てる。
大山 こういう時は勉強してますっていうんじゃないの?
織井 勉強は、ほんとにしないね(笑)
――勉強と部活の両立はどうなさっているんですか?
織井 試験前にガーッと。
大山 自慢じゃないけれど、サッカー部は他の体育会に比べて、留年する人は少ないと思う。私たちの代もいないし、一個下も二個下もいない。
飯沼 須田監督も文武両道っていうことをいつもおっしゃっていて、今は6時半練っていう、午前6時半からの練習をやっているんだけれど、練習終わってからでも一限は間に合うし、勉強との両立はしやすいと思う。
杉山 質問に戻ると、今の時期は就活をしています。ES書いたりとか。
――普段の練習は、6時半練と、午後にもやってらっしゃるんですか?
杉山 基本的に練習って2時間なんですが、A-Cチームまであるので、2時間ずつやって、12時には全練習が終わってしまいます。
大山 今年から完全に午前型にシフして、午前はサッカー、午後は勉強という風にメリハリをつけています。
――お互いの印象を教えてください
杉山 織井は、政治家みたいだと思う。人前で話すのがすごく上手で、人を惹きつける力がある。
織井 ほめるねー(笑)
飯沼 主務らしいというか、織井が主務でよかったなーという話は織井がいない時にマネージャー同士でよくしますね。いる時はチビ!って言ったりしかしませんが(笑)
杉山 織井は身長を詐欺していて、どの部員に聞いても170ないっていうんですけど、170って公式のデータに書いてるんですよ(笑)
織井 俺から見るマネージャーは、全体的に食いしん坊だよね。
杉山 マネージャー同士は、三人で一人みたいな感じで、本当に仲が良い。
――早慶戦の話に移っていきたいと思います。早慶戦に向けて、主務、マネージャーとしてどのようなことをしましたか?
大山 早慶定期戦では、幹事校が1年ごとに早慶間で交代していて、今年は早稲田が幹事校なので、等々力の人との交渉や神奈川県サッカー協会との交渉など、大会自体の運営は早稲田が行っています。資料作りや、PR、荷物の管理などは代々慶應がやっています。
織井 早慶戦でマネージャーがやっていることで一番大変なことは、OBへのチケットの販売への働きかけだと思う。慶應の早慶戦での収入の半分はOBさんへのチケット販売で成り立っている。選手にも協力してもらって、電話をかけたり、手紙を出したりして、チケットを買っていただく感じです。
――野球の早慶戦ではポスターも話題になっていましたが、PRという面ではどのようなことをなさいましたか?
大山 野球の早慶戦は、この間、ポスターも話題になって、神宮満員だったらしいし、どうしても集客力や伝統っていう意味ではサッカーはかなわないと思う。サッカー早慶定期戦を、ただのサッカーの試合ではなくて、大きな一つのイベントとして早慶両校の学生に捉えてもらって、来場してもらえるように、いろいろと試行錯誤しています。先ほどのナオトインティライミさんの話もそうだけれど、大学構内でインスタのパネルを持って歩き回ったり、ビラを配ったりして、広報活動を行っています。
――今年の集客人数の目標は?
一同・一万二千人!
織井 いままでずっと、国立競技場開催っていうセールスポイントがあって、早慶戦にはたくさんのお客さんが来てくれていたと思うのだけれど、去年等々力陸上競技場開催でも一万人来てくれて、ベースはできたから、さらに増やしていきたいです。
大山 今年は等々力に、新しくメインスタンドができたから、メインスタンドを黄色く染めたいです。
――早慶戦ではどの選手に期待していますか?
杉山 宮原(隆志)(経4)!今のスタメンで唯一、一般入試で、しかも浪人して慶應に入ってきた苦労人で、私と大学で同じクラスで、近くで見てきたこともあって、ぜひ早慶戦でも活躍して欲しいです。でも宮原が活躍するってことは、攻められてるってことですね(笑)
飯沼 個人名をあげるとしたら、キャプテンの久保飛翔。飛翔が活躍するってことも攻められてるってことになるけどね(笑)
織井 本当に同期の中で優劣はつけられないけれど、強いて言うなら黄将健(総4)。リーグ戦最終節でゴールを決めたし、あいつのゴールで勝ちたい。
――最後に早慶戦に向けて一言お願いします!
飯沼 一万二千人を集客するために、できることをします。運営の面でも早稲田に勝てるように準備していきます。
大山 早慶戦はマネージャーが主体となって運営するので、私たちマネージャーにとっても檜舞台です。あと一週間できることをやっていくので、ぜひお越しください。
杉山 これまで色々準備してきて、あと一週間なんですけど、これから地味な詰めの作業に入るので、頑張っていきたいです。
織井 早慶戦は俺にとってはもう10年目で、自分の人生の中でも大きなイベントだから、今年勝つか負けるかが、今後の人生の中で大きな意味をもつと思う。だから絶対に勝ちたいです!
(取材 津輕健介)
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