【ソッカー男子】伝統の一戦、1失点が響き涙の敗戦…… 第66回早慶サッカー定期戦

ついにこの日がやってきた。大学サッカーの中でも“伝統の一戦”と称される「早慶サッカー定期戦」も66回目を迎える。4年前の勝利以来、定期戦では早大に3連敗を喫している慶大。一人ひとりが士気を高め、この日のために準備をしてきた。1万人以上が集まる観客の中でキックオフ。すると早速、黄将健(総4・近畿大学附属高)がチャンスを作る。勢いに乗ったまま得点が生まれるかと思われたが、前半16分にセットプレーからまさかの失点。その後、幾度のチャンスを決めきれず、痛い1点を守り抜かれ、4度目の挑戦は悔しい敗戦に散ってしまった。

 

 

第66回早慶サッカー定期戦

2015/7/1 19:00KO@等々力陸上競技場

 

早慶サッカー定期戦は66回目を迎える

早慶サッカー定期戦は66回目を迎える

慶應義塾大学0-1早稲田大学

 

【得点者(アシスト者)】

早大:16分 飯泉涼矢(宮本拓弥)

 

(左)早大主将・金澤(右)慶大主将・久保

(左)早大主将・金澤(右)慶大主将・久保

 

◆慶大出場選手

GK 宮原隆志(経4・武蔵高)
DF 久保飛翔(環4・済美高)
DF 望月大知(環3・静岡学園高) → 79分:矢野峻寛(文3・暁星高)
DF 宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)
MF 溝渕雄志(環3・流通経済大学附属柏高)
MF 山田融(総4・横浜F・マリノスユース)
MF 14 渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)
MF 井上大(総3・國學院久我山高)
FW 加瀬澤力(環3・清水東高) → 57分:手塚朋克(環2・静岡学園高)
FW 11 山本哲平(政3・國學院久我山高)
FW 黄将健(総4・近畿大学附属高) → 68分:小谷春日(環1・藤枝東高)
 

早慶戦を戦う荒鷲イレブン

早慶戦を戦う荒鷲イレブン

慶大は、攻撃に重点を置いた高い位置でのフォーメーションで、得点を狙いにいった

最初にチャンスをつかんだのは、慶大の黄将健。山本哲平(政3・國學院久我山高)のパスに反応した黄は、ドリブルからシュートに持ち込む。これは、相手GK後藤に阻まれるが、慶大の得点を予感させる好スタートとなった。しかし、早大も黙ってはいない。すぐに反撃を仕掛け、久保飛翔(環4・済美高)、望月大知(環3・静岡学園高)を中心に対応する。

黄が最初のチャンスを作る

黄が最初のチャンスを作る

だが、試合が動くのは早かった。16分、早大がPA外の絶好の位置からFKを獲得すると、キッカーは9番FW宮本。しかし、ゴール前で構えていたDF陣が「マークを外して」(須田監督)しまい、そこに飛び込んだ18番DF飯泉が頭で合わせ、先制点を許してしまった。

パスワークで決定機をうかがう

パスワークで決定機をうかがう

歓喜の中ベンチに駆け寄っていく早大選手達の横で、気持ちを切り替えるしかなかった。積極的に攻撃を仕掛けたい慶大だったが、狭い範囲内で細かくパスを回す。そのことで、相手を引き付けボールを奪われてしまい、なかなか決定機を生み出せない。

早慶戦初出場の渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)も果敢に攻撃に絡むが、ゴールならず。さらに43分、早大のFKでピンチを迎えるが、これは宮原がパンチで防いだ。早大に1点を許したまま前半は終了。後半での逆転に臨むこととなった。

 

 

後半に逆転を狙う

後半に逆転を狙う

 

ピンチを防ぐ宮原・DF陣

ピンチを防ぐ宮原・DF陣

前半での課題を確かめ直し、迎えた後半。前半と同じメンバーでスタートした。だが、早くも慶大はピンチを迎える。51分、ゴール前の混戦でGK宮原が対応するが、そのこぼれ球に反応した早大選手がシュート。宮原のいないゴールで、ライン寸前に溝渕雄志(環3・流通経済大学附属柏高)が駆け込み、間一髪凌いだ。その後も何度かゴールを脅かされるが、守護神宮原がファインセーブを連発し守り抜く。

なんとか攻撃に持ち込みたい慶大は、最初の交代カードを切った。57分、加瀬澤力(環3・清水東高)に代わり、手塚朋克(環2・静岡学園高)を投入。すると、64分早速手塚がサイドを抜けて、山本にクロスを上げる。山本のシュートは一度相手DFにカットされるが、跳ね返りに井上大(総3・國學院久我山高)が詰めていた。しかし、惜しくもゴールラインぎりぎりで相手GKに抑えられる。続いて、68分黄に代え小谷春日(環1・藤枝東高)を、79分に望月に代え矢野峻寛(文3・暁星高)を投入し、素早く裏に抜け得点を狙いにいく。

 

果敢にゴールに迫る山本

果敢にゴールに迫る山本

「どうしても点がほしい場面」(山田融・環4・横浜F・マリノスユース)で、矢野、手塚、山本を中心に何度もゴールに詰める。89分、サイドに抜けた溝渕のクロスに途中出場の矢野がオーバーヘッドを見せたが、これも得点に至らない。無得点のまま5分間のアディショナルタイムへ突入。歓声が強まる中、時間との戦いとなった。しかし、幾度の挑戦も甲斐なく終了のホイッスルが鳴り響いた。これが、慶大の敗戦を伝え、選手たちは肩を落とし、悔恨の涙を浮かべた。

 

4年ぶりの勝利ならず、肩を落とす慶大選手たち

4年ぶりの勝利ならず、肩を落とす慶大選手たち

 

早大に敗れ、「悔しい」「申し訳ない」という言葉が選手たち口からこぼれた。早慶戦という伝統の大舞台だけあって、選手たちの懸ける思いは非常に強い。それだけに「内容というよりも勝ちか負け」(須田監督)が重要であり、敗戦の悔しさは増す。何度も決定機を作ることができていたが、「結果に結びついていないというのが今の現状」(久保)なのかもしれない。しかし、チームの目標は“関東リーグ優勝”だ。「もう一度覚悟を決め直して」(久保)、夏の練習取り組み、歓喜でシーズンを終えたいところ。また、早慶戦は後期リーグにもある。4年生にとっては最後となる早慶戦で、リベンジを果たしたい。

 

(記事 池田麻里子)

 

※須田監督、選手の試合後のコメントは後日改めて掲載いたします。

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