慶大勢に明暗が分かれた。同士討ちとなった女子シングルスでは、西本恵(環4・岡山学芸高)が、粘る坂元君佳(政4・湘南工科大学附属高)を振り切りストレート勝ち。2年連続の決勝進出を決めた。男子ダブルスでは、悲願の優勝に向け、高田航輝(環4・湘南工科大学附属高)・上杉海斗(環2・清風高)組が決勝へと駒を進めた。一方、男子シングルスでは、上杉が今井(早大)に惜敗。女子ダブルスでは、第1、第2シードの池田玲(環4・富士見丘高)・西本組と安形玲耶(環3・城南学園高)・村瀬早香(環2・京都外大西高)組が共に早大ペアに敗れる波乱があった。
全日本学生テニス選手権大会 SF
2015/8/21 @岐阜メモリアルセンター
男子シングルス
上杉海斗 | 1{7-6(5)、4-6、1-6}2 | 今井(早大) |
事実上の決勝戦のようなカードとなったこの一戦。やはり全国トップの実力を誇る両者だけあり、全く相手に付け入る隙を与えない。第2、3ゲームでお互い30-40とブレークのチャンスをつかむも、強烈なサーブでここをしのぐ。上杉が股抜きショットを決め、沸かせる場面はあったが、両者キープの山を築いていく。結局第1セットはそのままタイブレークへともつれこんだ。上杉は一時は2-4とリードを許すが、今井を左右に揺さぶりフォア、相手のミスのあり6-4と一気に逆転。そして最後はスマッシュを決め、ガッツポーズ。第1セットを先取した。上杉は勢いそのまま第2セット第1ゲームをブレーク。この試合は初のブレークで試合が動く。直後のゲームをキープし、完全に上杉のペースかに思われたが、次のサービスゲームでミスからブレークを許すと、「自分自身がだんだん思ったように攻められなくなってやられてしまった」と上杉。ブレークのピンチをサーブでなんとかしのぎ続けるも第10ゲームでブレークされ、セットカウントは1-1に。運命の第3セット、完全に流れは今井だった。2つのブレークを許し、全く見せ場を作らせてもらえなかった。1-2で惜しくも上杉は準決勝で姿を消した。
女子シングルス
西本恵 | 2{6-1、7-5}0 | 坂元君佳 |
同士討ちとなったこの一戦は、試合開始から西本のペースで進んでいく。西本が左右のコーナーに正確に打ち分け、坂元を揺さぶりポイントを重ねる。坂元の3回のサービスゲームすべてをブレークした西本が6-1で第1セットを先取した。第1セットはやられていた坂元だったが、「自分のプレーも相手のプレーも見えてきてすべきことを明確にできた」と第2セットで盛り返す。最初のゲームをしっかりとキープすると、一進一退の攻防に。第5ゲームで西本がブレークしたが、第8ゲーム。坂元のショットが冴えわたりブレークバック。しかし、このセットの勝敗を分けたのは、第10、11ゲームだった。坂元は15-40とダブルのブレークチャンスを迎えたものの、これを生かせず。一方の西本は、何度もデュースを続け、最後は坂元のミスを誘いブレーク。直後のゲームをしっかりとキープした西本が同士討ちを制し、2年連続の決勝進出を果たした。
男子ダブルス
高田航輝・上杉海斗 | 2{6-1、6-1}0 | 大友・杉本(法大) |
昨年は準決勝で涙を飲んでいるこの二人が決勝進出を懸け、この一戦に臨んだ。試合開始から高田、上杉二人のプレーが冴えわたった。40-15の状況から、高田の見事なリターン、ボレーでブレーク。サービスゲームではファーストサーブで相手を押し込み、全くチャンスを与えない。リターンゲームでは、相手のセカンドサーブを前衛のボディに強打。難なくブレークを重ねる。すべてのプレーで格の違いを見せつけた二人が6-1で第1セットを先取した。第2セットに入っても全く質が落ちなかった。「今日は出来すぎなくらい」と高田。徐々に上杉にもビッグプレーが飛び出した。第2セットも6-1で制し、わずか57分の圧勝だった。明日の決勝でも同じようなプレーができるのか。彼らの優勝に期待だ。
女子ダブルス
池田玲・西本恵 | 0{1-6、5-7}2 | 梶谷・上(早大) |
安形玲耶・村瀬早香 | 1{1-6、6-4、7-10}2 | 吉冨・細沼(早大) |
※取材の都合上、女子ダブルスは写真の掲載のみとなります。申し訳ございません。
(記事:太田悠貴)
【試合後選手コメント】
高田航輝(環4・湘南工科大学附属高)
(とうとうインカレ決勝の舞台に立つことができますが)本当に優勝を狙ってここに来たので、まず決勝の舞台に立てるということが嬉しいです。ダブルスでは全国大会でベスト4には3回残ったことがあるんですけど、準決勝の壁というものがなかなか破れなかったのですが、本当に今日最初から集中して入れたのがよかったと思います。(ファーストサーブも改善されて面白いようにやりたいことができたのでは)本当に今日は出来すぎなくらいで、本当にこのプレーを明日に繋げることが大事だと思います。明日もとにかく前に入って攻撃的なプレーをしたいです。(相手のセカンドサーブに対するリターンが積極的だったと感じたが)相手はセカンドサーブが弱いということはわかっていたので、とにかくそこをつこうと狙っていました。(明日の意気込みを)必ず優勝して、このあとリーグ戦も始まるので慶大にいい流れを作れるようにやっていきたいと思います。
西本恵(環4・岡山学芸高)
(今日のシングルスの試合を振り返って)準決勝で同士討ちではあったんですけど、相手はあまり気にせずに自分がやるべきプレーをしようと思ってやりました。(明日の意気込みを)とにかく明日は気持ちが強いほうが勝つと思いますし、去年経験しているので、それを生かして4年間やってきたことすべてを出しきりたいです。
坂元君佳(政4・湘南工科大学附属高)
(最後のインカレでベスト4という結果でした)目指していたのは優勝だったので、悔しい思いでいっぱいです。(ベスト4で西本選手との同士討ちでしたが)実は大学4年間で初めての対戦で、楽しみな部分はあったんですけど、結局楽しめてできてよかったと思います。(セカンドセットに変えたところは)ファーストセットは西本対して何をするのかが明確ではなくて、迷いながらプレーしていたんですけど、セカンドセットの途中で自分のプレーも相手のプレーも見えてきてすべきことを明確にできました。(リーグ戦では西本選手の次のシングルス2番手3番手が重要になってくると思うが)シングルスの2、3番手という選手たちとは今回のインカレでも当たっていたと思うんですけど、そこに対しては必ず勝つという気持ちでリーグ戦に臨みたいと思います。西本に勝敗がかかるという状況ではなく勝った状況で回せるように頑張っていきたいと思います。
上杉海斗(環2・清風高)
(シングルスを振り返って)流れ的にはファーストセットを狙い通りにとれたんですけど、セカンドセット、最初にリードしてから自分のプレーに集中すると決めていたんですけど、しっかりとできずにブレークされてしまって、相手を乗せてしまいました。自分自身がだんだん思ったように攻められなくなって結果的にやられてしまいました。自分のテニスができなくなったときにどう勝ちきるかということが今後の課題だと思います。(ダブルスでは昨日の反省が生かされたのでは)シングルスに負けてしまって、正直落ち込んではいたんですけど、そこをとにかく切り替えてダブルスに集中できてよかったです。最初からしっかりと動けました。(明日の意気込みを)ダブルスではしっかりと勝って優勝したいと思います。