9月12日に東京六大学野球秋季リーグ戦が開幕する。早慶戦まで優勝争いを演じたものの、早大に力負けして3位に終わった春の雪辱に燃える慶大。その中で、下級生のときからチームの中心だった選手も多い7人の4年生をクローズアップする。ラストシーズンを迎えた経験豊富な彼らの力が、慶大の悲願達成には欠かせない。リーグ結成90周年、節目の年の最後を飾るのは、この男たちだ―
(この連載の取材日はすべて9月6日です)
―主将として臨んだ昨季を振り返って
春は優勝できなくて、悔しい思いでした。
―早慶戦で連敗し、3位で終わりました。優勝するために足りなかったものは?
相手がいるスポーツなので、しょうがない面はありました。それでも、一人一人がレベルアップしていくことは必要だと思いました。
―横尾選手自身の課題は?
一人で5割5本打っていれば勝てたと思います。
―この夏重点的に取り組んだことは?
一つではなく、満遍なくいろいろなことをレベルアップできるように取り組みました。
―ユニバーシアード大学日本代表に選ばれました。そこでの経験は?
レベルの高いところで野球をやれて、成長できたかなと思います。
―警戒する他大学の選手は?
みんないい選手なんで、どの大学のどの選手も警戒しています。
―六大学オールスターでは、他大学の選手との交流は?
いろいろみんなで飲みに行ったりとかはしましたね。
―オープン戦のチームの調子は?
今まで通り、ふつうに来ています。
―横尾選手自身の打撃の調子は?
も、いつも通りです。
―横尾選手が注目するこの秋一押しの選手は?
岩見です。
―岩見選手の魅力は?
打撃だけです(笑)。
―オープン戦好調の山口選手についてはどうですか?
めっちゃ打ってますし、なんか茂木栄五郎(早大)みたいな感じです。自分の中で何かつかんだものがあるんだと思います。
―1年生の時から共に試合に出場してきた谷田選手はどのような存在ですか?
3・4番を一緒に打っていて、どちらかが打てば勝てると思います。
―春季リーグは主に4番でしたが、夏のオープン戦では3番を打っています。4番打者と3番打者で意識の違いは?
違いは全然ないです。3番は必ず初回で回ってくるので、準備しやすいのはあります。
―いよいよ慶大でのラストシーズンを迎えると同時に、プロの世界も近づいてきました。プロへの意識は?
プロに行きたい気持ちはあります。
―こういう選手になりたいというイメージは?
イチロー(マーリンズ)選手みたいに世界で通用するプレーヤーです。
―プロでやっていく自信は?
練習試合で楽天と試合をしたり、ユニバーシアード前にNPB選抜とも試合をしましたけど、そんなに劣ってないなと思いました。入ってみてどうかなってとこですかね。
―春から成長したところは?
全体的に成長できていると思います。できていなかったら秋も打てないし、勝てないと思うので。全体的に、個人としてもチームとしても成長できていると思います。
―秋のチームはどんなチームですか?
まだスキがあって、万全の状態で臨んでいるという感じではないので、挑戦者の気持ちで臨みたいです。
―春に沓掛選手(商3)が慶大は打撃のチームだ、とおっしゃっていましたが
野球はやっぱりピッチャーが基本なので、点を取られたら取り返さないといけないし、バッティングなんていいピッチャーがきたら5点も取れないので。結局ピッチャーが大事で、加藤と三宮が頑張ってくれれば。0で抑えて10点取ることが理想ですけど、接戦で勝てるようになりたいなと思います。
―慶應野球の魅力、慶大に入って良かったと思ったことは?
自主性があることで、自分で考えて4年間野球ができました。その集大成がこの秋になります。
―秋に向けての意気込みと、応援して下さる方へメッセージをお願いします。
一球一球全力で頑張るので、ぜひ応援してください。
―お忙しい中、ありがとうございました!
取材:布寺智裕・若林晃平
◆横尾俊建(よこお・としたけ)
1993年5月27日生まれ。177cm86kg。日大三高出身。総合政策学部4年。右投右打。内野手。背番号10。1年次から慶大のクリーンアップを務め、今春までに8本塁打を放っている右の長距離砲。勝負強さと選球眼の良さには特筆すべきものがあり、通算52打点、51四死球は現役選手トップ。背中で引っ張る主将の、ラストシーズンの大暴れに期待が集まる